十年前十年後
[全1ページ]

べつに特別な事もない、ただの天気が良いだけの日も全部憶えていられたらいいのに。

 

「何考えてるの?」

彼女の声に意識が現実に戻る。僕はあくびをかみ殺しながら答えた。

「んー。十年後に今日の事どのくらい憶えてるかなって」

「忘れてると思うよ」

「うん。試しに十年前の今日を思い出してみようとしたけどダメだった」

彼女は「やっぱりちょっと普通とちがうよね」と耳がくすぐったくなるような声で笑った。

その笑い声を聞いた僕は、やっぱり十年後もずっと今日を憶えていたいと思った。

説明
日常系短編。以前同人で出した短編の加筆です。ラブコメ
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
698 690 2
タグ
オリジナル 短編小説 短編 掌編 ラブコメ 日常 創作 会話 恋愛 

祝山さんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。


携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com