「よろしく、華雄さん。雛里ちゃん。・・・そうだな、これから一緒にすごす仲間の二人には俺の全てを打ち明けるよ。・・・これが俺の全てだ」

一刀は二人に自分の全てを打ち明ける事にした。

そして二人は信じられない物を見る事になるのだった。

周辺の空気が変わったと思ったら突然一刀の姿が変わった。

髪が伸びて逆立ちまるで獅子のようになり、体格も一回り大きくなったが何よりも二人が驚いたのが一刀の背中に鳥のような翼が生えていた。

一刀の変化に二人が驚愕していると一刀が口を開いた。

「・・・これが俺の真の姿だよ。俺は混血「人と妖の間に生まれた者」だ。しかも俺の父は人が生み出した禁忌「合成獣キマイラ」だ。人が伝説上の生物を生み出そうとして様々な動物を掛け合わせて生み出した。その研究上の完成系が俺の父「獅子と鳥そして人を掛け合わせて生まれた成功例」なんだ。その組織を壊滅させた母に救出されて一緒に暮らすようになってその中で生まれたのが俺らしい。母の仲間だったという人から聞いたよ。本当は一緒に暮らしたかったらしいけど二人はいろんな組織から狙われるようになってね、俺を救う為に組織の手が及ばない地に捨てたというのが俺の真相らしい。だから俺は本当の両親を恨んではいない。・・・こんな「化け物」な俺でもまだ受け入れてくれるかい？華雄、雛里？」

一刀の言葉の後、暫く静寂が続いたが不意に雛里が口を開いた。

「・・・そんなの関係ないですよ一刀さん。例えどんな姿でも「一刀さん」には違いないじゃあ無いですか。むしろこんな秘密を教えてくれて嬉しいです。・・・それにこんな事言うのもおかしいかも知れませんが一刀さんの姿を見て「とても綺麗」だと思いました」

雛里の言葉に一刀は目を見開くが不意に笑い出した。

「あわわ、ひどいです一刀さん。笑う事無いじゃあないですか」

「ははは、ゴメン雛里。違うんだよ、昔を思い出してね。昔初めてこの姿を見て同じ事を言われてね。雛里とそっくりな妹の雛にね。二人が重なって見えてね、それでついね」

一刀がそういうと今度は雛里も一緒に笑い出した。

そんな二人を見ながら華雄も微笑みながら

「確かに雛里の言うとおりだ。どんな姿になってもお前はお前さ一刀。お前が「北郷一刀」であるかぎり私は、いや雛里も私もお前と一緒さ一刀」

華雄の言葉に雛里も笑顔で頷いた。

二人の反応を見て一刀は元の姿に戻り

「・・・二人ともありがとう、俺の全てを受け入れてくれて。さあ、行こうか。俺達の物語を進めるために」

そういって三人は歩き出した。

後にこの三人は沢山の仲間と共に「全ての罪を背負って突き進む」を信念に国を起しこの大陸を治めていくのだった。

その国の名は平和を生み出すための必要悪「悪」（ア）と名乗るのはまだ先の話。

バラバラ無双改め真・恋姫無双　「悪」国物語　第一部序章　完

次回より「荊州統治編」を投稿します。