リトルバスターズ!短編小説コンテスト参加「特訓!」
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真人「理樹、天気いいと……特訓、したいよな。」

夕方、HR終了直後耳に入ってきた言葉がそれだ。

俺は聞こえぬふりをしてそそくさと、そしてさりげな

く、既に開け放たれている出入り口へ足を運ぶ。

謙吾「理樹、何処へ行く。」

なぜ謙吾が食いつくのだ。興味あるのかと聞くと、剣

術の鍛錬になるかもしれないと、大いに乗り気だ。

帰してくれそうに無い。やむなく特訓の内容を聞く。

真人「鉄球打ちかな。体育館裏の倉庫に砲丸あった

ろ。あれでいーんじゃねーか。」

謙吾「己めがけて飛来する砲丸をバッサリ。うん!

いいな!!」

真人「んだよ、謙吾が来るなら俺、止めようかな。」

ダメだこの流れ。二人で意地張り合って、初夏の夕暮

れ、校庭に無数の砲丸が飛び交うよ。

恭介「砲丸などで特訓になると思っているのか?」

助かった正論が来た。しかし、なにやらメモを取り

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ながら電話。3分後、社会人秒読み段階の男は、おもむろにこう言った。

恭介「ふぅっ、最近はビルの解体工事に鉄球を使わないから持っていないそうだ。」

理樹「解体工事業者に電話していたのか!?俺たちに何を打たせる気だ!!」

恭介「だが、安心してくれ。鉄球を持っている別の会社を紹介してもらった。」

俺は右足の上履きを手に取り、恭介の後頭部をヒットした。この10分間の記憶を無くさ

せる為だ。恭介のうつろな表情、いけたか!!

恭介「先方は河川敷に直行してくれるそうだ。俺たちもいくぞ!」

だめだ、どいつもこいつも……いや、まだ最後の希望が残っている。

理樹「鈴!俺に加勢してくれ。こいつら止めないと、とんでもないことになる!」

鈴「理樹、早く来い。みんな、お前を待っているんだぞ。」

手招きされました。

目的地が近付くにつれ、高まる絶望感。数百メートル前から視認できる、鋼鉄製のアーム

がそびえ立つ。ゴッバーン!!到着するなり、えらいものを見た。巨大な鉄球がテトラポッ

ドを粉々に粉砕。破片が飛んできた。重機には" 日本デモリッション工業"と会社名。

オペレータが降りてきて、心意気に感じ入ったなどと豪快に話す。特に真人と気が合うよ

うだ。筋肉に悪人無しといい笑顔。そしてついに特訓が始まった。

理樹「って!俺が一番なのかよ!!」

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みーんな、すっかり遠くに離れている。逃げ遅れた。こうなったら最後の手段だ。

理樹「ううっ……眠気が……こ、こんなときに……き、棄権させてくれ。」

俺は目のあたりを押さえ、ふらついて見せた。

鈴「おお理樹、そんな冗談が言えるとは余裕だな。」

恭介「日デモさんお願いします!」

理樹「ぐああああぁぁっっ!!」

俺は地に伏せ、飛来する鉄球をよけた。恐怖の破壊力を秘めた巨大質量が、頭上を通過す

る感触を、俺は一生忘れないだろう。

真人「全く見ちゃいられないぜ。どいてな、俺が筋肉の真髄ってやつを見せてやるぜ!」

金属バットを構えた真人に襲いかかる鉄球。筋肉は雄たけびと共にフルスイング。

ガキッッ!!なんといい感じに当たった。これはいけるかもと息を呑んだ。が……

真人「ぬぅおわあああっっ!」

やはり吹っ飛ばされて河に落ちた。

真人「う、腕がしびれて!泳げねぇ〜っっ!!」

流れの速いところにはまり、流されていった。まぁ、あいつなら大丈夫だろう。

鈴がやる気満々なので流石に止めた。しかし、俺は心臓が止まるほど驚いて、鈴から飛び

のくことになる。鈴に甘えているのは頭胴長1メートル余りの巨大な3匹の猫。それぞれ

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サーバルキャット、カラカル、ボブキャットという種類らしい。豹やライオンの雌にしか

見えない。捨て猫だったというが、本当なのか?

鈴「さぁ!お前達の力を見せるときが来たぞ!!」

うなりを上げやってくる鉄球に飛び掛り……上に乗りにゃんにゃん遊ぶ。そして鈴のどや顔。

鈴「どうだ!!」

理樹「鉄球は止めないのか!!俺はな!その猛獣達にちょっと期待していたんだぞ!!」

謙吾「俺も特訓をやりたいのだがな。」

スラリと真剣を抜き、風の凪いだ湖のように静かに構える。

謙吾「我が家の魂であるこの宝剣で、見事鉄球を二つに別けてやる。」

念のため、宮沢家の魂が折れた場合どうなるのか聞いたら、自刃してご先祖様にわびると

いう。俺は羽交い絞めにして止めた。軽く泣きそうになっていた。

理樹「お前はマジでそういうことするタイプだから、かんべんしろぉ!」

そこに笹瀬川が通りかかった。

佐々美「あんたら、何してるの?」

恭介「見て判らんのか?野球だ。」

 

説明
けっこう4ページって狭いんですね・・
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