そして、夜が明ける

「おはよう、亞莎」

「あ･････お、おはようございます！」

　一気に目が覚めたのか、すごい勢いで起き上った。

「それじゃあ、早速コーヒー飲む？」

　昨日は何もなかった場所にいつの間にかコーヒーが用意されていた。

「はい、熱いから気をつけてね」

　湯呑みに注がれたコーヒーを受け取る。

「いい香りがしますね」

「そうだね、それじゃあ飲もうか？」

「は、は････熱っ････」

「ふふふ････はははは」

「そ、そんなに、笑わなくても･･･いいじゃないですか」

「くくく････ご、ごめん」

「こ、こ今回は････ゆゆ･･･許して････あげ、ます」

　そう言って、照れ隠しなのかすぐコーヒーを飲む。

「･･････こぉひぃ････苦いです････」

「そう？俺はちょうどいいと思うけど･･･砂糖も用意してるから入れる？」

　何かを迷っているのか、考えている。

「い、いえ、一刀様と同じようにこのまま飲みます････」

　覚悟したように、もう一回口をつけてコーヒーを口にするが、やはり苦いのか眉をひそめている。

　その表情を見て何かをひらめいたのか、一刀は砂糖を自分の方に引き寄せた。

「亞莎」

「ど、どうかしました？」

　亞莎が一刀の方を向くと、自分のコーヒーに砂糖を入れた。

「はい、俺も入れたから亞莎も入れていいよ」

「あ、ありがとうございます････」

　自分を気遣ってくれたのがうれしかったのか、顔を赤く染めた顔を隠すように飲み始めた。

「お砂糖を入れると、こぉひぃ、おいしいですね」

「そう、そう思ってくれたならよかったよ」

　ちなみに寝る前と違い、前のボタンは全開になっているため、下穿き以外の肌はほとんど見えている状態といっても過言ではない。

「ぁ･････」

「ん？どうかしたの？」

「い、いいえ、な、なんでもないです」

　湯呑みを置くと素早くボタンを止めようとする。

「亞莎、もう少し、その格好がみたいなぁ････なんて」

「･･････は、はい････」

　三国は今日も平和です

扉の向こうで愛紗が耳を澄ませていたのは、気のせいである。