仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双×三国志 第2話
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第2話  裏切り

 

 

一刀達の登用は少し続き、一刀と関係はない人間だったが、裴元紹、管亥、鄒靖を仲間に加え、内政と兵力強化を行っていた。

 

沙和「返事はさーなの!」

兵士達「さーいえっさー!」

 

沙和は相変わらずの某軍曹式の教練をしていた。

 

秋山「………」

 

秋山は自分が作り出した人物ファイルを眺めながら、ふと思った。

 

秋山(こいつら、もしかしたら……)

蒋エン「どうなされました? 秋山殿」

秋山「いや、この後の事を考えててさ」

蒋エン「この後?」

秋山「ああ。とりあえずこの国での兵は多く見積もって五万が限界だと思ってな」

蒋エン「確かに……」

秋山「国を大きくするには戦うしかない。だが戦うには人が必要だ。だがここだけだと限界はある。それでどうやれば増やせるかなと思ったところだ」

 

秋山はそう言うが、秋山がかなり本気を出せば、秋山ひとりでこの大陸の支配は可能である。

しかし、当然のことながらそんなことをしてはいけない。

 

蒋エン「増やす方法か……」

蒋斌「父上、それなら桂用や長沙、それに武陵や零陵へ進めれば良いと思いますが……」

蒋エン「あそこか……。確かに最近聞いた話ではその辺りも太守が逃げ出したと聞いたな」

秋山「いや、それは考えたさ。だが俺はそれを考えた上でさらに考えてるんだ」

蒋エン「どのような?」

秋山「その四つの都市ってここから南だろ? 近いと思ったら距離がある。兵を集めたとしても時間が掛かる」

蒋エン「確かに……」

一刀「だがいいんじゃないのか? 時間かけても」

 

そこに一刀が来る。

 

蒋エン「これはこれは一刀殿」

一刀「そんなにかしこまらなくて良いって……」

秋山「まあ急いじゃいないと言えばそうなんだが、相手が待ってくれるかだ」

一刀「相手?」

秋山「ここから一番近い勢力はどこだ?」

蒋斌「確か劉表ですね」

秋山「しかもその劉表の勢力のいる襄陽はここから目と鼻の先だ。いつ攻められるかわからない」

一刀「攻めてこない可能性は?」

秋山「否定は出来ないが、最近、都に居る董卓軍が小競り合いを始めたって聞いてな……」

一刀「それは反董卓連合のためだろ?」

秋山「俺達はその連合に参加していない」

蒋エン「なるほど。ならばこちらも狙われる可能性があると……」

秋山「近々、劉表がこちらに攻めてくるって話も聞いてな……」

一刀「ところで誰に聞いたんだ?」

秋山「正確には誰かに聞いたんじゃなくて、そいつの心の声を聞いたんだな」

一刀「またそんな事……」

秋山「さっき暇だったからついやっちまったんだよ。それで劉表の方ではなんか軍議開いて、どうするかを検討中みたいだけどな」

蒋斌「しかしそうなると………」

 

全員で考えていると……。

 

蒋エン「あ、そうだ。あの方法がある」

一刀「どんな方法だ?」

蒋エン「襄陽にいる劉表軍を全員、こちらに付かせるのです」

秋山「付かせる。裏切らせるってことか?」

蒋エン「言い方は悪いですが、そういうことです」

秋山「全員いけるのか?」

蒋エン「大丈夫です。その城の大将が承諾してくれればその城の将や兵達も賛同してくれます」

秋山「根拠は?」

蒋エン「あなた達が来る前に何度かあったことなので……」

一刀「そうか……。まあとりあえずは皆に相談してからだな」

 

翌日になり、一刀が皆を集めて軍議を開いた。

 

一刀「蒋エンの意見で、襄陽の劉表軍を裏切らせようと思うけど、どう思う?」

季衣「うーん……」

流琉「裏切らせるのはちょっと……」

朱里「確かに……」

 

流石に子供組みは抵抗があるようだった。

 

風「でも仕方ないと思いますよ」

紫苑「なんでかしら?」

風「相手はこちらを攻めてくる気なら少しでも戦力を削いだほうが妥当だと思いますから」

思春「確かに攻撃を受けた後では遅すぎるな」

朱里「ですが、それじゃあご主人様の徳が……」

一刀「朱里、一ついいか?」

朱里「はい?」

一刀「俺はお前達の知っている北郷一刀とは違う。記憶喪失とはいえな。

俺が前はどんな事をしていたかは、まあ記憶が少し戻ってるから分かるけど、この世界ではそれを行うにはまず力が必要だと考えてる」

朱里「確かに力がなければ何も出来ませんが……」

一刀「俺とて犠牲とかそんなの考えたくない。だが必要な時もあるんだと最近考え始めた。

犠牲の後の事はもう少し後じゃないと出来ないってこともな……」

 

一刀は上を眺める。そしてすぐに皆の方に視線を戻す。

 

一刀「そのためには協力者を作る必要がある。それは分かってくれ」

朱里「……分かりました」

 

それでも朱里はまだ納得しがたい顔をしていた。

 

一刀「季衣に流琉」

季衣「うん……」

流琉「そうですね。頑張りましょう」

一刀「それで誰が行くかだが……」

秋山「俺はパスだ」

蒋エン「では私が行きましょう」

明命「いいのですか?」

蒋エン「なに。私はこう見えても口は達者ですよ。うまく行きますよ」

一刀「うまく行かなかったら?」

蒋エン「その時は危機ですが、なんとかなりますって……」

 

そして蒋エンが襄陽にいる劉表軍を登用に行った。

それから数日後、結果が出てきた。

 

一刀「成功した?」

元劉表軍兵士「はい。襄陽のもの、皆、あなたに仕える事を約束します」

風「よかったですね。お兄さん」

一刀「これで無駄な血が流れなくて済むな」

 

一刀は無駄な血を流させたくないと思っていたのだ。

 

稟「それでこれからどうします?」

一刀「襄陽に移動しよう」

 

それからまた数日が経ち、一刀は裴元紹、管亥、鄒靖、阿会喃を荊州南部に派遣して、桂用。武陵、零陵、長沙を手に入れさせ、主だった将は皆、襄陽に行き、そこからまた新野へと上がり、新野を手に入れたのだった。

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新野を手に入れてから数日が経ったある日。

 

秋山「………」

 

秋山が一刀と関係のある人間が載っている本に何かをしていた。

 

一刀「何してるんだ?」

秋山「ああ、一刀か。この本の性能アップを図ってな」

一刀「性能アップ?」

秋山「これを見な」

 

秋山が本を広げて、一刀に見せる。

 

一刀「どこが変わって……るな」

 

一刀は言いきらないうちに変わっている部分を見つける。

その変わっている部分とは、顔写真の下に仲間になってくれる率が書かれていたのだ。

 

秋山「事情は俺にもよく分からないが、どうもこの五人、今のうちに登用に行ったら仲間になってくれるみたいなんだよな」

 

秋山がリストを更に搾り出す。

そして搾り出された結果、その五人とは廬江にいる張三姉妹の一番下の張梁、呉にいる孫策の妹達、孫権に孫尚香、武威にいる馬騰の娘の馬超と従姉妹の馬岱であった。

 

一刀「何でこの面々なんだ?」

秋山「さあ?」

稟「ですが、何とかなるかもしれませんね」

 

そこに稟や風、朱里に穏が居た事に気付く。

 

一刀「いたのか」

穏「はい♪」

朱里「とりあえず翠さんに蒲公英ちゃんは私がどうにかします」

秋山「いや、これだけ遠いとなると俺や一刀が行ったほうが良いだろ」

稟「秋山さんは分かりますが、何故一刀さんも?」

秋山「こいつにはあれがあるからな」

風「あれ?」

秋山「ディケイドに変身すれば分かる事だ」

穏「?」

一刀「まあ良いさ」

 

一刀はディケイドライバーを腰に付け、ディケイドのライダーカードを取り出す。

 

一刀「変身」

ディケイドライバー「カメンライド、ディケイド!」

 

一刀は仮面ライダーディケイドに変身した。しかしそれはまだ激情態のままであった。

 

秋山「まだ激情態か……。だが逆にやりやすいな」

一刀「ああ」

秋山「俺はとりあえず馬超達と会いに行って来る。お前は孫権達を頼む」

稟「それでは人和は私が行きます」

一刀「じゃあ、行こうか」

 

一刀はあるカードを取り出す。

そしてディケイドライバーを展開させて、そのカードを挿入した。

 

ディケイドライバー「アタックライド、クロックアップ!」

 

すると突然ディケイド激情態の姿が見えなくなった。

 

稟「消えた!?」

秋山「違う。高速移動してるだけだ。それがクロックアップの力だ」

朱里「くろっくあっぷ?」

秋山「目に見えないほどの速さで動ける能力だ。とは言っても俺は見えてるし、俺も同じくらいの速さで動けるけどな」

風「すごいですね」

秋山「じゃあ俺もクロックアップで行くとするか……」

 

秋山もクロックアップでその場を去っていった。

 

稟「一体どのくらいの速さで帰ってこれるのかしら?」

朱里「こちらはこちらの出来る速さで頑張りましょう」

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次の日になり、呉に着いた一刀。

 

一刀「ここだな」

 

呉の街を歩いていると……。

 

一刀「あれは……」

 

一刀は二人の少女を見る。それは秋山が出した本に載っていた孫権と孫尚香であった。

二人はどうやら買い物か何かで出かけていたようである。

しかし孫権はどことなく落ち込んでいるような顔をしていた。

 

一刀「お前、どうしたんだ?」

 

一刀は孫権達に声をかける。

 

孫権「誰だお前は!?」

一刀「通りすがりの天の御遣いだ」

孫権「天の御遣いだと?」

孫尚香「姉様、確か最近江陵に降りたって言う……」

一刀「どんな噂かは知らんが、江陵に居る天の御遣いは俺のことだ」

孫権「そんな者が何故この土地に居る!」

 

孫権は身構える。

 

孫尚香「この土地を奪いに来たの?」

一刀「そんなつもり、今はない」

孫権「今はだと?」

孫尚香「じゃあ、攻めるつもり?」

一刀「今はないが後々……ってことになるな」

孫権「ならば!」

 

孫権は持っていた剣で一刀を斬ろうとするが……。

 

一刀「ふん!」

 

一刀はライドブッカーをソードモードにして簡単に孫権の剣をはじいた。

 

孫権「なに?」

一刀「いきなり襲い掛かるとはひどいな」

孫尚香「何が狙いなの?」

一刀「狙いか……。お前達を登用しに来たと言っておこう」

孫権「なんだと?」

孫尚香「何であんたなんかに!」

 

一刀はライドブッカーを開け、二枚のカードを取り出す。

 

一刀「ほらよ」

 

一刀は孫権と孫尚香にそれぞれ、カードを一枚ずつ投げ渡す。

そのカードは二人の姿が写し出されていたものであった。

二人はそれを手に取ると……。

 

孫権、孫尚香「「!?」」

 

二人は様々な事を思い出す。そして一刀もそれを思いだす。

 

一刀「理由は分かったか?」

孫権「ええ」

孫尚香「かずとーーーーー!」

 

孫尚香が一刀に抱きつく。

 

孫尚香「どこに行ってたの? シャオ、すごく心配したんだから……」

一刀「俺も良く分からないんだよな。小蓮。蓮華にも心配かけたな」

蓮華「ええ」

 

一刀は二人の真名を口にしているが、二人は怒らない。

 

蓮華「でも私は……」

小蓮「……お姉ちゃん……」

 

蓮華は迷う。愛する男と共に居たい。しかし自分は孫呉の姫。

一人の男ために、国を捨てるなど、上に立つものとしてはあるまじき行為であるのだから……。

一刀はその蓮華の気持ちを察しながらもあえてこう告げた。

 

一刀「俺が言うのもなんだけどな、そういうのはくだらないと思うぜ」

蓮華「なんだと?」

 

蓮華が一刀に詰め寄る。

 

蓮華「どういう意味だ? 一刀」

一刀「言葉の通りだぜ」

蓮華「貴様! 一体どういうつもりだ! 私を愚弄するつもりか!?」

一刀「そんなつもりはないぜ」

蓮華「ならどういう……」

一刀「あんまり王とか姫とか、そんなものに縛られるなって言いたいだけだ」

蓮華「なんだと?」

 

蓮華のきつかった顔が少し緩む。

 

一刀「正直な話、俺は記憶喪失だ。だが今、蓮華がそのカードに触れたお陰で記憶が少し戻った。

それで思い出したことだが、今のお前、最初のお前に戻ってる気がするぜ」

蓮華「最初の私?」

一刀「ああ。次に国を継ぐ者として厳しく生きようとしていたあの時にな……」

 

蓮華はそういわれて思いだす。最初に一刀と会った時、一刀のことは信用していなかった。

その時は一刀に対しても、自分に対しても厳しかった。

しかしそれから一刀と一緒にいる間に自分は柔らかくなっていた。

だが今の自分はまたあの時の……自分の立場を考えるだけの人間であった。

 

一刀「俺から見たらそんな感じだ」

蓮華「だが私は……」

一刀「たまには一人の人間として、生きてみたらどうだ?」

蓮華「……」

一刀「強制はしないさ」

蓮華「………」

小蓮「お姉ちゃん……」

 

蓮華は深く考える。

そして考えた結果、答えを出す。

 

蓮華「決めたわ」

一刀「どうするんだ?」

蓮華「私、一刀と一緒に行く」

小蓮「お姉ちゃん、本当に行くの?」

蓮華「確かに一刀と一緒に行ったら、姉様達と戦わなければいけなくなる。

それでも見てみたいの。王とかそういうのを関係なく、この世界を……一刀と一緒に……」

小蓮「お姉ちゃん……。シャオも行く!」

蓮華「小蓮」

小蓮「シャオは一刀に誘われた時、すぐに決めてた。シャオは一刀と一緒に行くって……」

蓮華「だが……」

小蓮「シャオも覚悟は出来てる。一刀!」

一刀「……分かった。二人とも本当に良いんだな」

蓮華、小蓮「「ええ(うん)!!」」

 

一刀は思わず頭をかく。

 

一刀「だったら……行こうか」

蓮華「ええ」

一刀「だったらとりあえず街を出るぞ」

 

一刀は二人を街の外に連れ出す。

その様子を見ていた呉の兵士達が居た。

 

兵士A「大変だ!」

兵士B「すぐに孫策様たちに知らさねば!」

???「雪蓮がどうかしたの?」

 

そこに一人の女性がやってくる。

それは孫策の親友、周瑜であった。

 

兵士A「周瑜様!」

兵士B「実は……」

 

兵士達は周瑜に先ほどまでのことを伝える。

 

周瑜「すぐに兵を出せ! 何としても孫権様と孫尚香様を連れ戻すぞ!」

兵士達『はっ!』

 

周瑜は兵士達を集めて、すぐに孫権達の後を追わせた。

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小蓮「一刀、これは何?」

 

街を出た後、小蓮が一刀に自分達の目の前にあるものを指差す。

 

一刀「これはマシンディケイダー。バイクって言う乗り物だ」

蓮華「ばいく?」

一刀「この世界で簡単に言うと、馬よりも早い鉄の馬だな」

 

マシンディケイダーは最初っから持っていた訳ではないが、一刀がクロックアップで呉に行っている途中で、マシンディケイダーがクロックアップの速さで一刀の元にやってきたのだ。

 

一刀「本当は二人乗りだが、頑張れば三人いけるな。乗るぞ」

蓮華「……ええ」

 

一刀を先頭に、蓮華、小蓮という順番に乗る。

 

一刀「うん?」

 

一刀は後ろが騒がしいと思っていると……。

 

小蓮「あれって……うちの兵士だよ!」

蓮華「私達を連れ戻すように言われたか」

一刀「仕方ねえ。飛ばすから、しっかり掴まれよ!」

 

一刀はマシンディケイダーを動かし、飛ばす!

 

兵士C「何だあの速さ!?」

兵士D「馬でも追いつけない!」

兵士E「こうなったら近くの港に伝令を!」

 

呉に行くには手段として、船を使わないといけない。

一刀達が港に着くと、早速兵士達が蓮華達を探している動きをしているのを見る。

 

蓮華「どうするの? 一刀」

小蓮「ここから出るには船が必要だけど……」

 

しかし一刀は船を使わなくても川を渡れる。

 

一刀「安心しろ」

 

一刀はディケイドライバーを腰につけ、カードを持つ。

 

一刀「変身!」

ディケイドライバー「カメンライド、ディケイド!」

 

一刀は仮面ライダーディケイド激情態に変身した。

 

小蓮「一刀、どうしたの? その格好」

一刀「なぜか身につけた力だ」

 

一刀はそう言いながら、一枚のカードをディケイドライバーに挿入する。

 

ディケイドライバー「アタックライド、ハードスプラッシャー!」

 

マシンディケイダーはハードスプラッシャーと呼ばれる仮面ライダーWの乗り物に変化した。

 

蓮華「これって……」

一刀「これで川を渡る」

小蓮「出来るの?」

一刀「出来るから姿を変えさせたんだ。行くぞ」

 

ハードスプラッシャーに乗る三人。そしてハードスプラッシャーで見事に川を渡った。

ハードスプラッシャーは川を渡り終えるとすぐにマシンディケイダーに姿を戻す。

 

一刀「振り切れたな」

蓮華「ええ」

小蓮「……さようなら、雪蓮姉様」

 

二人は寂しそうな顔をして呉を去っていった。

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風「おかえりなさーい」

一刀「ああ。ただいま」

 

一刀達は残っていた将達に出迎えられた。

 

穏「蓮華様、小蓮様」

 

蓮華達を最初に迎えたのは穏であった。

 

小蓮「穏。あなたここにいたの?」

穏「はい。後、思春ちゃんに明命ちゃんもこちらにいますよ」

蓮華「思春に明命もか」

穏「あの二人は今、兵の訓練中で居ませんけど、すぐに帰ってきますね」

蓮華「そうか。帰ったら挨拶をせねばな」

 

その後、蓮華と小蓮は思春と明命に挨拶した。

それから次の日。

 

秋山「とりあえず戻ったぞ」

一刀「本当に早いが、とりあえずってどういう意味だ?」

秋山「話は聞いてくれるが、とりあえずお前を連れてきた方が良いと思ってな」

一刀「どうする気だ?」

秋山「瞬間移動で連れて行く」

一刀「いいのかよ」

秋山「記憶戻しだけなら問題ない」

 

秋山は一刀を掴んで、瞬間移動で武威へと移動した。

そのころ武威では……。

 

馬岱「本当に連れてくるかな?」

馬超「普通なら一日で着く距離じゃないからな」

秋山「連れてきたぞ」

 

秋山は馬超と馬岱の前に瞬間移動してきたのだ。

 

馬岱「突然現れたよ!」

馬超「よ、妖術か何かか!?」

秋山「そんなんじゃねえよ」

 

そうこうしていると一刀はライドブッカーから二枚のカードを取り出す。

 

一刀「おい」

馬岱「?」

一刀「受け取りな」

 

馬超と馬岱に取り出したカードを投げ渡し、二人は受け取る。

 

馬超「!」

馬岱「!?」

 

馬超と馬岱、そして一刀の頭に記憶が甦る。

 

馬超「………ご主人様?」

一刀「その記憶だとそうなるな。翠、蒲公英」

蒲公英「でもどうしてそうなってるの?」

一刀「分からん。俺も記憶喪失だしな」

秋山「記憶が戻ったところで話を本題に戻すぞ」

翠「あ、ああ……」

一刀「本題? どういうことだ?」

秋山「きちんとした話は記憶が戻ってからとしておいたんだ。それで話ってのは簡単だ。こいつの仲間になってくれないかと言う事だ」

翠「あたし達が……」

蒲公英「ご主人様の仲間に……?」

一刀「ああ」

翠「仲間にか……、けど何で記憶なんか戻したんだ!?」

 

翠が秋山の胸元を掴もうとするが、秋山は後ろに下がり、翠の手を止める。

 

秋山「お前達にとって酷だろうが、こいつのためだ」

蒲公英「ご主人様の?」

一刀「さっきも言ったが俺は記憶喪失だ。記憶を戻すには俺と関係のある人間にさっきのようなカードを触れさせて一緒に記憶を戻さないといけないんだ」

蒲公英「でも何でそんなにめんどくさいの?」

一刀「これもさっき言ったが、分からん。だが俺は記憶を取り戻して俺が本当に何者かを知りたいんだ」

蒲公英「何者かって言われてもね〜」

一刀「俺には様々な世界の記憶があるようなんだ」

蒲公英「様々な世界の記憶?」

一刀「ああ。それを全て取り戻せば、俺が本当に何者かが分かるとそう信じている」

蒲公英「そっか……」

秋山「それで返事を聞きたいんだが?」

翠「……」

蒲公英「そりゃあ、ご主人様のところに居たいけど……」

翠「父ちゃんは裏切れない……」

 

ここは西涼。しかも翠の父である馬騰が治めている土地である。

まだ馬騰がいないのならともかく、居る以上血縁である馬騰は裏切れない。

馬超と馬岱はそういう人間である。

 

秋山「そうか……」

兵士「失礼します」

 

そこに兵士の一人がやってくる。

 

翠「何だ? 今、話中……」

兵士「馬騰殿がこちらに来ておりますが……」

翠「父ちゃんが!?」

兵士「は、はい!」

秋山「こいつは面白い」

 

秋山は思わず笑う。

 

翠「お前まさか……」

秋山「いくらお前達が欲しいっていってもここで馬騰を殺すわけないだろ。一刀」

一刀「何だ?」

秋山「娘さん達を下さいって言って来い」

翠「○×△□#☆∀!?」

一刀「断る」

秋山「何でだ?」

一刀「それじゃあ結婚の申し込みじゃないか」

翠「けけけけ……」

秋山「お前は落ち着け」

蒲公英「姉様、動揺するとすぐこれなんだから……」

兵士「あの……」

蒲公英「もう連れてきちゃって」

兵士「分かりました」

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兵士は馬騰を呼びに行き、それからしばらくして馬騰がやって来た。

 

馬騰「翠、どうしたって……お前達は?」

一刀「初めましてだな、馬騰。俺は北郷一刀、最近江陵の太守になった人間だ」

馬騰「江陵……確か天の御遣いが太守となったと聞いたが、お前が?」

一刀「ああ」

秋山「で俺はこいつの下に居る秋山っていうもんだ」

馬騰「その天の御遣い達が一体なんのためにこの土地に……」

秋山「そちらの二人の登用をしにきた」

馬騰「何!?」

 

馬騰は激しく怒るように驚いた。

それもそうだ。馬騰の娘と姪を登用しにくるとは相当な世間知らずとか命知らずである。

しかし馬騰は一刀と秋山を見ても、とてもそんな風には見えなかった。

 

秋山「まあ、返事はあんたを裏切れないと言われたけどな」

馬騰「ならば……」

秋山「ってもはっきり断ったわけでもないんだよな」

馬騰「……そうなのか」

 

馬騰が翠と蒲公英を見る。

 

蒲公英「うん」

 

蒲公英はうなずく。

 

馬騰「………」

翠「…………」

蒲公英「……」

 

三人は黙り込む。

馬騰は翠と蒲公英を見ながら考える。そして黙り込んでから十数分が経ち、ようやく馬騰が口を開く。

 

馬騰「翠」

翠「?」

馬騰「お前はこの男を好いておるのか?」

翠「○×△□#☆∀!?」

馬騰「どうやら図星のようだな。蒲公英は?」

蒲公英「たんぽぽはあの人のこと好きだよ」

馬騰「そうか……。ならば腹が決まった」

 

馬騰はわざと間をおいて答えを出す。

 

馬騰「翠、蒲公英。お前達はこの男の元に行け」

蒲公英「え?」

翠「と、父ちゃん! それどういうことだよ?」

 

翠は思わぬ答えに驚き、馬騰に尋ねる。

 

馬騰「好きな者が出来たのならその好きな者のために戦え。でないと戦に出たときに迷いが出る。

そんな状態のお前達をおいておくなど俺には出来ん」

翠「父ちゃん……」

蒲公英「おじ様……」

馬騰「やはり好きな者は好きな者同士、一緒に居た方がよい。

それに娘の門出を祝ってやるのは親の務めだからな」

 

馬騰は清々しそうな顔で言った。

 

馬騰「お前達は?」

蒲公英「私は……」

翠「ご主人様と一緒に居たい!」

馬騰「! ご主人様とは随分と気が早いな。翠」

翠「○×△□#☆∀!?」

馬騰「はっはっは、まあいいさ。北郷殿、二人を頼みますぞ」

一刀「ああ」

馬騰「翠、蒲公英。ついでだこの城とこの城に兵もお前達にやる。

兵達には俺が説明をつけておく」

蒲公英「おじ様……」

馬騰「ただし!」

翠、蒲公英「「!!」」

馬騰「戦場に出たら一切手加減はせん! いいな!」

翠、蒲公英「「はい!!」」

馬騰「よろしい。それじゃあ俺はこれで……」

 

馬騰は部屋を去ろうとすると……。

 

秋山「馬騰!」

馬騰「うん?」

秋山「元気でな」

馬騰「変なこという奴だな」

秋山「言う言葉が思いつかなくてな……」

 

そして馬騰は部屋を去っていった。

 

一刀「ここをくれたか……。となると、悪いけど翠、蒲公英。この城に留まってくれないか?」

翠「……」

一刀「あんなこと言われたけど、やっぱり心の整理とか必要だろ?

それにここからしか手に入らない情報もあるからな……」

翠「………分かった」

一刀「蒲公英は?」

蒲公英「わっかりましたーーー♪」

一刀「それじゃあ、また会おう」

秋山「じゃあな」

 

秋山は瞬間移動で一刀と新野へ戻った。

 

蒲公英「行っちゃったね」

翠「ああ……」

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一刀と秋山が新野に戻って数日後、稟が張梁を連れて帰ってきた。

一刀は何故付いて来たのかと事情を聞くと、どうも姉である張角と張宝の様子がおかしいようなので助けを求めようと考えていた時にちょうど稟に声をかけられて付いてきたとの事であった。

そしてライドブッカーからカードを取り出し、張梁の記憶を戻す。

しかしその記憶は何かが違っていたのを一刀は感じた。

その記憶は自分達が曹操の下で働いていたものがあるが、それ以外には黄巾党として一緒に戦い、そして大陸を制覇したものの記憶があった。

 

一刀「人和……」

 

人和は張梁の真名であった。

 

人和「一刀さん、これって……」

一刀「分からん。ただこれで俺自身として言えることが一つある」

 

一刀は間をおいて答える。

 

一刀「俺は魏・呉・蜀以外の記憶を持っている!」

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おまけ

 

 

作者「三国志系の第2話だ!」

一刀「また最後が手抜きっぽいな」

作者「さっきまで書いてたものだ。確かに手抜きだが、実は結構大事な部分だったりする」

一刀「だったらちゃんと書け!」

作者「今度は19KBくらいになったんだぞ。書くのがつらくなったわ!」

一刀「………」

作者「それと前回で会戦は第4話と言ったが、次回の第3話になることが分かった。

そして次回も少し大事な事が出てくるぞ。しかし次回はディケイド激情態よりも俺の方が活躍するぞ」

一刀「何でだよ!」

作者「安心しろ。ディケイド激情態の活躍は第4話で書いてやる。

それでは!」

説明
これはゲームのプレイ状況を主に言いますが、面白くするために小説方式にしてます。
そして内容もまた実際にプレイした時と同じでなく、小説のため脚色をつけておりますことをご了承下さい。
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コメント
これは・・・第3話が楽しみだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜(刹那)
来た来た来た〜!いやあ、やっぱりディケイドは面白い。このまま仮面ライダーでお願いします(ガブリエル三世)
何故か・・・このセリフ前回もあったがこれは伏線?それとも手抜き?(ヒトヤ)
4P目 戦闘ではなく先頭なのでは?(nemus)
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