宵語†無双 2
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この凄惨で陰惨たる惨劇は

 

風と呼ばれる少女の、耳を裂くような奇声によって幕が上がった。

 

 

 

 

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――Day1

 

 

「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

 

早朝、中庭にて

 

首から上の部位が無い、俗に言う首無し死体が見つかった

 

季衣と流琉だった。

 

 

発見者である風が日課である早朝穴掘りのため、中庭を通りかかった際に発見とのこと。

首が見当たらなかったため、服装と遺体の身体的特徴から、本人と確認。

首の無いことから念のため入れ替わりの線も考慮し、現在も付近を捜索中。

しかし、未だ発見に至らず。

 

 

Side一刀

 

この日、朝議で訃報を耳にした俺は、華琳から与えられた警備隊長の職務も放棄し、そのまま暗澹たる面持ちで部屋にこもっていた。

気が付いたらすでに部屋の中は暗くなっていた。

だが、この陰鬱とした気持ちが晴れることはない。

そういえば、体調不良以外で仕事を休んだのは初めてのことだったな。

「・・・・・・・」

確かに俺たちは、何時死んでもおかしくない生活に身を置いているし、これからだって多分変わる事ではないと思う。

でもさ、何の前置きもなしに一日が終わって、いきなり次の日に無言でサヨウナラってのは寂しすぎるだろ。それに、ただでさえ彼女達は魏の武人なのだから、その誇りに懸けて戦場の中で散ることこそが本望だったのではないか。

殺害現場の状況から、彼女達に争った形跡は無く、武器すら所持していなかった。

これでは彼女達は報われないだろう。さぞかし悔しいだろう。

 

―――だから

 

この俺が、この命に代えても彼女達の無念を晴らす。それこそが彼女達の仲間であり生有る者としての勤めだ。

そしてこれは俺自身の望みでもある。

 

 

・・・・・・・・・・・そう決意を胸に刻んだはずだった。

 

 

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――Day2

 

 

「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

 

早朝、訓練場にて

 

凪、真桜、沙和の死体が見つかった。

またしても首無し死体として。

 

発見者もまたしても昨日と同じ、風と呼ばれる少女。

またしても日課である早朝ゲートボールの際に偶然にして発見。

 

前回との相違点は3人とも武器を携帯していた。

しかし、使用した形跡は無い。

 

 

 

Side一刀

 

愕然とした。

頭をドラム缶で殴られたような衝撃だ。

 

 

 

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――Day3

 

 

「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

 

Side一刀

 

3人の死からあと数刻でまる1日が経過するが、

納得できることなんて一つも無かった。

季衣と流琉だけで終わる事件じゃなかったのかよ。

もしかして、こんなことがまだ続くというのか。

 

「―――――――違う。」

 

そうだ、終わらせるんだ。

だからこそ、今は悲観している時ではない。

俺にはまだやれることがある。

この胸に刻んだ決意はもう二度と揺るがない。

 

さあ、まずは腹が減ってはなんとやら、朝メシを食いに行こう!

 

 

 

北郷一刀が食堂にいる頃

 

玉座の間にて

 

死体が見つかった。

 

春蘭、秋蘭、桂花、霞

4名の首の無い死体が。

 

発見者は前回、前々回と同じ風という少女。

またしても日課である早朝バーベキューの際に発見。

 

 

Side一刀

 

なんということだっ。

桂花はともかく、春蘭を始めとする3人がこうも殺されるなんて。

2日連続で仲間が殺されているんだ、当然にして警戒は怠ってなかったはずだ。

それを差し引いても、彼女たち3人は魏武の頂に君臨する猛者たちだ。

にも関わらず、無残な結果に至ってしまった。

 

この殺戮の裏には何か秘密があるのだろうか?

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

いや、分からないことを考えてもしょうがないな。

今はやるべきことに心血を注ごう。

 

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――Day4

 

 

「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

 

早朝、厠にて

 

稟の死が確認された。

首無し死体として。

 

発見者は言うまでもない人物、風という少女。

非常時にも関わらず、またしてもの日課である太極拳の際に発見。

 

 

Side一刀

 

・・・嘘だろ。

思いつく限りの手は尽くしたはずだ。

警備兵に増強剤を飲ませて筋肉増強を試みたり、城内のいたるところに赤外線センサーを設置したりもした。

俺自身もダンボールの中で一晩中廊下を見張っていた。

何もなかったはずなのに・・・・・・・・っ!!?。

 

――――風。

 

気にも留めなかったが、今思えば不可解な点があった。

毎回死体になった仲間を発見するのも風だ。

稟の件にしてもそうだ。

あの晩、兵士以外に城をうろついた者の形跡は皆無だったはずだ。

それは兵士の証言とこれまでのセンサーの有能性が証明している。

 

にもかかわらずだ、死んだ稟はともかく風はどうして厠なんかに行けたんだ。

 

「・・・・・・・・・・」

分からない。だが警戒はするべきだ。

 

せめて、華琳だけはこの俺の、このちっぽけな命に代えても守らなくてはならない。

 

 

Side華琳

 

私は絶対に死にたくない。

最初は季衣と流琉が死んだことに激情し我を忘れたものだけど、

凪、真桜、沙和

そして

春蘭、秋蘭、桂花、霞

が死んでいくうちに、どこか他人事のように受け入れてしまっている自分がいる。

心が麻痺してしまったのだろか。

 

それでも、この死の恐怖が和らぐことはなかった。

覇王の仮面を被りながら、その裏では次は私の番ではないかと四六時中怯えてる。

滑稽なものよね。今まで数多の死地を駆けてきたこの私が、目の前に迫る明確な闇に恐怖するなんて。

・・・・だが、私は死ぬわけにはいかない。

 

私の見解で最も怪しきは、一刀。

季衣と流琉の死後、警戒している皆のふところに潜り込めるのは今になっては、一刀と風の二人。そのうち剣を振るえるのは一刀のみ。

第三者による犯行の可能性も否めないけど容疑者には変わりない。

――――だから

早々に一刀を殺す。

 

 

Side風

 

「・・・・・・行き着く未来は我が内に。」

 

 

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――Day5

 

 

早朝、華琳の部屋にて

 

二人の首無し死体が転がっていた。

 

発見者は毎回のごとく・・・ではなく。

 

 

――――華琳だった。

 

 

 

Side 華琳

 

・・・・・私は何もやっていない。

それなのに、この惨状は一体どういうこと?

昨夜は一刀と風を警戒して、二人の部屋からさらに離れた部屋に入り、扉も窓も二重にし、内側から施錠も施した。当然この部屋に通じる隠し部屋の類は存在しない。

いうなれば外部からの侵入を遮断するための、高度な密室。

――――それなのに

朝、目が覚めたら一刀と風が部屋の隅に転がっていた。

 

・・・・・人外の力が働いたとしか思えない。

一刀と風が死に絶え、私だけが残っている。

思考を幾重にも巡らせても、次は私しかありえない。

恐らく今晩殺される。いや、正確な時間は分からない。

でも、確実にいえるのは、明日の朝陽をこの眼に入れることは到底叶わないということ。

 

この私が殺される。嫌だ死にたくない。こんな死に方受け入れられない。

一刀、みんな、お願いだから私を助けて!

 

「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

 

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――――その頃

 

 

魏領、とある山中

 

ここは温泉街、太古の昔から連綿と栄え続け、世情も昼夜も関係なく大勢の人々で賑う土地。

 

 

そこに、12人の心底楽しそうな笑い声が温泉街に木霊する。

 

「お、おい秋蘭、あっちに美味そうな屋台があるぞっ!」

 

「おいおい、春蘭はさっき季衣と旅館でたらふく食ってたじゃないか。」

 

「はは、いいではないですか一刀殿、たまには羽目を外すことも大事ですよ。」

 

「稟ちゃんの言うことも、もっともですよお兄さん。」

 

「もう、あんたたちいい加減にしなさいよね。華琳様にお渡しするお土産のことも忘れないでよね。」

 

 

「「あっはははははははははは。」」

 

 

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――day25

 

 

side華琳

 

 

 

 

・・・・・・・・・もう殺して。

 

 

 

 

 

説明
夏といえばヤッパッピーー!

イヤッホォォォォォォォォゥ!!!!

きぃえぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーい!!!
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コメント
流石にこれはドッキリで済むレベルでは無いかとw温泉から帰ってきたらハブにされた華琳が・・・考えたくも無いw(村主7)
要するに首なし死体のようなものを用意して、「仕事」から逃げた でいいのかな?(^_^;)(相駿)
ごめんwおれもよくわからないかったwww(おやっと?)
華琳・・・不憫や〜〜〜(劉炎)
え?これはドッキリかなにか?W(ヒトヤ)
まてwよく分からんwww(miroku)
タグ
真・恋姫†無双  華琳 北郷一刀 戦慄のサスペンス 

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