にデザートとしてみんな分のミニチョコクロワッサンまである。

「６０点かよ、おめぇには勝てる気がしねぇぜ。んでよ……」

　みんなの目が一人に向いた。注目の的、沙耶さんはさっきからずーっと無言だ。

「沙耶はどうなんだよ？」

　観念したかのようにテーブルの前に２個パンを置いた。紫色のパッケージがキツイ。

「まさか……そいつをゲットしてきちまうとはな……」

　沙耶さんが買ってきたパンは……しめサバチョコ納豆バーガーだ…。

　パンにチョコとひきわり納豆、しっかり漬けられたしめ鯖が汁ダクで挟んである。３日

前に入荷してから既に保健室送りを８２人出しているという伝説の失敗パンとして恐れら

れている。ちなみに点数配分は一個当たりマイナス２０点。

　二個だからマイナス４０点か。トップの恭介と１００点差だ……。

「あーそうよっ、パンを買おうとしたらつまずいて、その拍子に手を突いたらそこにその

パンがあったのよ潰しちゃったのよ責任買取よっ！　惨めでしょ、哀れでしょ、ほら笑え

ばいいじゃないっあーはっはっはっはって、笑いなさいよっ！　あーっはっはっはっ！」

　また出た！　謎の自虐パフォーマンス。

「おめぇ、いっつもそればっかだな。ってか、臭うから手洗ってこいよ」

「……せめて笑い飛ばしてほしかったわ……」

「ごめん、可哀想すぎて笑えない……」

「あ。破れた袋からしめ鯖の汁が垂れてるから、ポケットの中も洗ったほういいかも」

「え、うそっ!?　あ、ああーーーっ!?　うわっクサッ!!」

うわぁ……惨めだ、惨め過ぎるっ！

ノソノソと立ち上がる沙耶さんからはブラックなオーラしか出ていない！

「ああ、それと沙耶。おまえビリだから罰ゲームな」

絶対恭介はドＳだと思う。

そして。

「って、なんであたしはこんな格好させられてるんだぁぁぁーーーっ!!」

ブルマ姿で叫ぶ沙耶さん。恭介が持ってきたんだけど、ブルマなんて初めて見た。

「まあバツゲームってことでもあるが、そもそも制服汚れちまったんだ。仕方ないだろ」

「だからって何、このチョイスは!?」

「えーっとブルマ……かな」

「そんなこと訊いてるんじゃなくて!!」

「けど、沙耶にブルマ似合ってるぞ」

「え、そう？」

「あーうん、沙耶さんってスタイルいいからそういう格好似合ってるよ」