真・恋姫†無双〜真・漢ルート〜 第十一話:漢達、再会する
[全9ページ]
-1ページ-

孫策「そう、出て行くのね……」

 

一刀「ああ、俺の傷も治ったし、仲間が暑いの駄目みたいなんだ」

 

 

一刀は孫策に呉から出る事を告げる。

孫策としては妹の為にも残って欲しいが一刀の真剣な顔を見てどうしようもないのだと悟る。

 

 

孫策「どこに向かう予定なの?」

 

一刀「益州の方に行こうと思ってる」

 

孫策「劉備とは多少交流があるわ

   紹介文でも送りましょうか?」

 

 

蓮華と明命だけでなく、親友である冥琳さえも助けてくれた一刀へのお礼の意味を込めて言ったのだが一刀は笑顔で首を横に振る。

 

 

一刀「益州には知り合いがいるんだ

   彼女に手紙を送ってある」

 

孫策「そういえば貴方は劉備と知人だったわね」

 

 

孫策は己の失敗に気付く、一刀は反董卓連合の際に劉備にあっているはずなのだ。

しかし、一刀はあの時会った少女達が劉備たちであった事を後で知ったのである。

一刀が言う知人とは元々益州にいるはずの焔耶だ。

史実どおりならば彼女は劉備の元にいるはずである。

 

 

孫策「なら送迎会を設けましょう!

   大いに盛り上げるわよ!お酒も飲めるし!!」

 

一刀「本音が漏れてるぞ!」

 

 

 

第十一話:漢達、再会する

 

 

-2ページ-

 

 

孫策「それでは一刀たちの旅の無事を祈って乾杯!!!」

 

一同「乾杯!!!」

 

 

孫策の音頭と共に参加者は杯を高々と上げる。

参加者は呉の重役たちと一刀たち一行である。

流石に干吉も今回は参加している。

 

 

孫策「いきなりだけど催し物として『江東の二喬』の踊りよ」

 

華佗「『江東二喬』?」

 

周瑜「私たちのお気に入りの踊り子だ

   中々に見応えがあるぞ?」

 

一刀「大喬と小喬か……」

 

孫策「あら?知ってたの?」

 

 

名前だけはね、と言って視線を孫策に向ける。

正直あまり期待はしていなかった。

何せ絶世の美女と呼ばれているはずの貂蝉がアレである。

 

しかし、入って来た少女達を見て一刀の考えは否定される。

演戯に置いて『月も光を消してしまい、花も恥じらってしまう』とも言われる二人を見て一刀は納得する。

入って来た少女は呉の重役達にも劣らぬ美少女だった。

 

 

??「あ、あの……」

 

??「お姉ちゃん、がんばって」

 

大喬「だ、大喬と申します

   ほ、ほんじちゅは御遣い様の御じぇんで……」

 

 

緊張からか顔を赤くしながら必死に口上を述べようとする大喬。

その姿に頬が緩む一刀。

そっと手を伸ばして頭を軽く撫でる。

 

 

大喬「あ……」

 

一刀「そんなに緊張しなくて良いよ

   俺は別に偉いわけじゃない、だから落ち着いてやれば良いよ」

 

大喬「あうあう」

 

 

微笑みながら頭を撫でる一刀に余計に顔が赤くなる大喬。

隣の小喬が間に入り一刀を威嚇する。

しかし、落ち着いて来たのか大きく深呼吸して改めて口上を述べる大喬。

一刀は授業参観で自分の子供が発表している時のような気分になる。

 

二人の演舞が始まると皆静かになる。

彼女達の演舞の間、誰もが見惚れていた。

 

彼女達の演舞が終わり一礼すると拍手が一斉に起こる。

彼女達もうれしそうに照れる。

 

 

貂蝉「あらあら、わたしも負けてられないわん」

 

左慈「おいやめろ」

 

 

触発された貂蝉が舞台の方に向かおうとするが左慈が全力で止める。

しぶしぶ引き下がる貂蝉を見て一刀は左慈にサムズアップする。

 

舞台から降りて来た二喬が一刀達に近づいてくる。

彼女達は酒の入った容器を手に持ち勺を始める。

 

 

孫策「やっぱり大喬ちゃんは可愛いわね」

 

周瑜「いや、小喬の方が可愛いな」

 

一刀「どっちも可愛いだろ?」

 

 

一刀の言葉に頬を赤らめる大喬、対して当たりまえだと言わんばかりに胸を張る小喬。

孫策たちの傍から立って他の人のところに向かう。

 

祭に酒を勧められ、穏からは勉強用にと本を渡され、小蓮に残って欲しいとごねられ、明命や亞莎から寂しくなると泣き付かれた。

だが、蓮華の姿が見つからない。

 

 

一刀「蓮華はどこにいるんだろ?」

 

思春「蓮華様は外で涼んでおられる」

 

一刀「うおぁ!」

 

 

どうしたものかと首をかしげているといきなり後ろから思春が話しかけてくる。

驚く一刀を一瞥して喧騒の中に戻っていく。

残された一刀は外に出る事にする。

 

 

一刀「蓮華、こんな所で何してるんだ?」

 

蓮華「一刀………ちょっと…ね」

 

 

そういって二人の間に沈黙が訪れる。

不意に空を見上げる蓮華、釣られて一刀も顔を上げる。

 

空には雲一つない星空が広がっていた。

 

 

一刀「おぉ、すげぇ」

 

蓮華「ただの星空よ?」

 

一刀「俺の居た世界は高い建物が多くてね、あまりこうして空を見上げる機会がないんだ」

 

 

一刀は子供のようにはしゃぎながら蓮華に微笑みかける。

 

 

蓮華「なら、ずっとここに居れば良いわ

   そうすれば……」

 

一刀「蓮華」

 

 

郷里を思う一刀に蓮華をこの地・呉に永住して欲しいと言おうとする。

しかし、一刀は真剣な顔つきで蓮華を見つめる。

 

 

一刀「また……来るよ、何度でもさ」

 

蓮華「……そう」

 

 

悲しいが分かってしまう。

一刀の意志は固い、もし彼女がここで泣いて止めてもいつかは出て行くだろう。

ならば安心して旅に出れるようにと笑う。

 

 

一刀「戻ろう」

 

蓮華「ええ、でも……もうちょっとだけ二人で居たいわ」

 

一刀「分かった」

 

 

一刀は微笑んで止まる。

それから少しの間会話もなく夜空を見上げて城内に戻った。

 

 

-3ページ-

 

 

一刀「色々あったけど楽しかったな」

 

左慈「ちゃんと女関係の清算はして来たのか?

   あとで痴情の縺れで刺されるなんてことはやめてくれよ?」

 

一刀「本当はお前俺の事嫌いだろ?」

 

 

華佗の診療所にて最終確認をする一行。

先日の宴会では、干吉が悪酔いして孫策の酒を水で薄めて追い回されたり、蓮華と戻って来た時点で華佗が寝ていたり、貂蝉と卑弥呼が大喬小喬と

 

仲良くなっていたり、左慈が周瑜と愚痴を言い合っていたり、華雄が泣き上戸だったりと大忙しだった。

 

 

華佗「では出るとしようか」

 

一刀「おう」

 

 

そのまま街の出口に向かう。

道中街の人々から色々と渡され荷物が急増してしまう、断ろうとするが勢いで押し切られてどうする事も出来ずすべて受け取ってしまう。

一応食べ物は保存が利くものが殆どであるが、それでも大量すぎた。

 

 

孫策「あ、来たわ」

 

一刀「あれ?孫策に周瑜

   見送りに来てくれたんだ……」

 

孫策「ええ、ちょっと思う所があってね」

 

周瑜「まあ、そういうことだ」

 

 

そう微笑んで後ろから一頭の馬を連れた従者が現れる。

 

 

孫策「この子をあげるわ

   荷物が多いようならこの子に持たせればいいわ」

 

華雄「この馬は…メスか?」

 

周瑜「…メスだが何か問題でもあるのか?」

 

華雄「一刀はメス馬でなければ懐かれん」

 

 

華雄の言葉に視線が一刀のほうを向く。

一刀の顔をみて納得いったと言うように手を打つ二人。

 

 

一刀「なるほど見たいな顔しないでくれ」

 

左慈「この馬名前はあるのか?」

 

周瑜「萌萌だ、我が家で生まれた馬だ

   友好の証とでも思ってくれ」

 

貂蝉「あら、周瑜ちゃんもご主人様の魅力の虜になっちゃったのかしらん」

 

 

貂蝉の茶化すような言葉に意味ありげに笑ってはぐらかす周瑜。

萌萌も一刀を気に入ったようで擦り寄ってくる。

やっぱりか、と言いたげな視線が集まるが一刀は全力で無視する。

 

 

卑弥呼「まあ、荷物を運ぶのを手伝ってもらえるならば助かるな」

 

華佗「ああ、街の人から貰った物も何とかなる」

 

孫策「あら、それは良かったわ」

 

一刀「……馬ありがとう

   そろそろ行かなきゃ」

 

 

萌萌を撫でながら一刀がいう。

孫策もそうねと言いながら道を譲る様によける。

 

 

一刀「また会おう、孫策、周瑜」

 

孫策「…雪蓮でいいわ」

 

周瑜「冥琳だ、命を救ってもらったのに今まで渡せずすまなかった」

 

 

雪蓮と冥琳が己の真名を一刀に渡す。

本当は冥琳の病気を治してもらったときに渡そうと思っていたのだがタイミングが悪く、宴会の時も酔って言い逃してしまっっていたのだ。

 

 

一刀「なら雪蓮、冥琳…また会おう」

 

雪蓮&冥琳「「また会おう」」

 

 

-4ページ-

 

 

呉を発った一刀たちが成都に向けて歩みを進める。

道中の鍛錬も欠かさず、一行は着実に成都に近づいていた。

 

 

華佗「あと少しで街だ

   今日はそこで宿を取ろう」

 

一刀「そうしよう……それにしても成都まで大分近づいたな」

 

 

ほぼ大陸横断といっても良い距離を移動して来た一同。

久しぶりに屋根のあるところで休めると全員気を抜いている。

 

街の入り口に近づくと兵士が入り口を固めていた。

何かあったのかと思っていると奥のほうに見知った顔がある。

 

 

一刀「あそこに居るの焔耶じゃないか?」

 

華佗「そうみたいだな」

 

華雄「知人か?」

 

一刀「漢中で少しお世話になったんだ

   魏延って名前でかなり強いよ」

 

 

何かあったのかも知れないと思い、焔耶に近づく一刀。

しかし、途中で兵士に止められてしまう。

 

 

兵士「申し訳ありませんが『天の御遣い様』でしょうか?」

 

一刀「一応そう呼ばれてるけど?」

 

兵士「魏延将軍!御使い様が来られたようです!」

 

 

兵士は奥に居た焔耶に呼びかける。

やや不機嫌な雰囲気の焔耶が一刀たちの方に来る。

 

 

焔耶「遅い!貴様ら何時まで待たせるつもりだ!!」

 

一刀「待たせるって……近々成都に行くとは書いたけど態々出迎えなくても良かったのに……」

 

焔耶「桃香様の意向だ、私も迎えに行く必要はないと思ったのだが桃香様が御自身も行くと聞かなかったのだ」

 

一刀「え?もしかして劉備さんが居るの?」

 

 

焔耶がいう桃香はきっと劉備のことなのだと判断した一刀。

もしそうであれば劉備が来ているという事になる。

 

 

焔耶「ああ、仕事もこちらでされている

   すべてお前達が遅い所為だぞ!」

 

左慈「無茶を言うな、これでも結構急いで来たんだ」

 

干吉「萌萌のお陰で荷物を運ぶのは楽になりましたけどね」

 

 

干吉は萌萌を撫でる。

萌萌もうれしそうに鳴いている。

 

 

一刀「態々出迎えてくれるんなら会った方が良いよね?

   劉備さんは?」

 

焔耶「街の中央の屋敷で政務の真っ最中だ

   だが、お前達が来たらすぐに通すように言われている」

 

 

そう言って一刀たちに背を向ける焔耶。

一行は焔耶の後を追う。

 

 

-5ページ-

 

 

焔耶に案内されて街の中央に位置する屋敷に入る。

客室と思われる部屋に通され、劉備が来るまで待つ様に言われる。

 

 

一刀「それにしても劉備さんか……」

 

左慈「あの時の女だろうな」

 

華雄「あったことがあるのか?」

 

一刀「董卓ちゃんを預けた相手、劉備さんらしいよ」

 

華雄「何!?一刀、お前聞いてなかったのではないのか!!?」

 

左慈「実際聞いていなかったんだよ

   後で董卓の首級を取ったのは劉備だと分かったんだ」

 

 

調べればすぐに分かる事である。

特に左慈と干吉はその情報を手にしてから故意に『天の御遣い』が絡んでいるという情報も流している。

 

一行が話していると扉を叩く音がする。

劉備がきたのかと思い、姿勢を正す一刀。

しかし、入って来たのは二人のメイドさんだった。

 

 

董卓「お茶をお持ちしました」

 

華雄「と、董卓様に賈駆!!!」

 

賈駆「華雄!?」

 

董卓「華雄さん!?」

 

 

入って来たメイドさんたちは董卓と賈駆であった。

給仕をしている董卓を見て唖然とする華雄。

華雄が生きていた事に驚く董卓と賈駆。

 

 

賈駆「何でアンタがこいつらと居るのよ?」

 

華雄「……連合軍との戦の後、一刀たちと出会い共に旅をするようになったのだ」

 

董卓「そうですか、無事で何よりです」

 

華雄「勿体無きお言葉」

 

賈駆「それと私たちのことは真名で呼びなさい

   私たちは死んだ事になってるんだから」

 

 

彼女達も天和たち同様に真名を偽名の代わりとして使っているようだ。

 

 

一刀「月と詠ちゃんだっけ?」

 

詠「馴れ馴れしく呼ぶな!

  大体、何月のこと気安く呼び捨てにしんのよ!」

 

月「え、詠ちゃん……」

 

華雄「では月様、何故そのような格好で給仕のような真似事を?」

 

 

華雄としては月が給仕の仕事をしているのはあまり言い気分ではないらしい。

そんな華雄の質問に茶の準備をしていた手を止めて真剣な顔で華雄の方を向く月。

 

 

月「真似事じゃなくて本当に給仕のお仕事をしてるんです

  御遣い様に助けられた後桃香様に頼んでお仕事を貰ったんです」

 

一刀「あ、御遣い様じゃなくて一刀で良いよ」

 

月「一刀様ですか?」

 

 

ややテレ気味に一刀の名前を呼ぶ月に萌えていると再び扉がノックされる。

 

 

-6ページ-

 

 

入って来たのは赤銅色の髪の少女、劉備だった。

後に続くように黒い髪のサイドポニーの少女、赤い髪の小柄な少女、青い髪の白い服を着た少女、赤い髪のポニーテールの少女が入ってくる。

 

 

劉備「やっぱりお兄さんが御遣い様だったんだね!

   お久しぶりです、私劉備って言います

   桃香って呼んでください」

 

関羽「劉元徳が家臣、関羽と申します

   私のことも愛紗でかまいません」

 

張飛「鈴々は鈴々なのだ……じゃなかった、劉元徳が家臣、鈴々は張飛なのだ……鈴々で良いよ」

 

趙雲「同じく趙雲だ

   私も星と呼んでくださって結構」

 

公孫賛「私は公孫賛だ

    あの時は本名を名乗れずすまなかった、私の事は真名で呼んでくれていい」

 

 

劉備たちが自己紹介を終えたので次は一刀たちの番となる。

 

 

一刀「一応『天の御遣い』の北郷一刀です、気軽に一刀と呼んでくれるとうれしいです」

 

華佗「旅を共にしている華佗だ、医者をやっている」

 

左慈「峨媚山の道士、左慈だ」

 

干吉「同じく干吉と申します」

 

貂蝉「踊り子の貂蝉よん」

 

卑弥呼「謎の巫女、卑弥呼だ」

 

華雄「……華雄だ」

 

 

貂蝉と卑弥呼という強烈な存在の後の為やり辛そうな華雄。

改めてみると部屋には一度あったことのある面々ばかりである。

 

 

一刀「そういえば今いる人って一度会ったことのある子ばかりだよね」

 

桃香「はい、御遣…一刀様に少しでも親近感を持ってもらえたらと思って関わりのある子達だけにしました」

 

星「まあ、実際の所は皆が行きたがるので理由をつけて人数を減らしただけなのだが……」

 

愛紗「こら!星、あまりそういうことを……」

 

鈴々「にゃはは、でも本当のことなのだ

   でも、何で華雄がいるのだ?」

 

華雄「私もこいつらと旅をしているからだ」

 

 

反董卓連合の際に華雄を倒した鈴々は華雄が何故ここにいるのか分かっていなかったようだ。

 

 

-7ページ-

 

 

一刀「それにしても態々出迎える為にここまで来なくてもよかったのに……」

 

桃香「えへへ、驚かせようと思って……それに元祖正義の味方ですもん」

 

一刀「え!?正義の味方?」

 

桃香「はい、私たちの国には御遣い様が仮面を被って盗賊退治をしてたのに肖って、仮面をつけて戦う正義の味方がいるんです」

 

一刀「へ、へ〜、そうなんだ……」

 

 

正確には一刀本人が左慈たちと共に盗賊退治をする前に、傀儡に仮面と聖フランチェスカの制服を使って一刀に見せかけていた時の話である。

 

 

愛紗「何が正義の味方ですか!アレが出るようになって模倣犯まで現れて悪事を働いているではないですか!?」

 

鈴々「でも華蝶仮面は悪人を退治してるのだ」

 

星「そうだぞ、一緒にしてくれるな」

 

白蓮「か、仮面白馬もがんばってるぞ?」

 

鈴々「でも役に立ってないのだ

   大体数名に囲まれてやられてるのだ」

 

 

鈴々の言葉に白蓮はショックを受ける。

元祖正義の味方扱いに左慈と干吉が肩を震わせて笑いを堪えている。

 

 

桃香「そこなんです、一刀様の真似をして悪い事をしている人がいるので是非一刀様に……」

 

一刀「あー、その一刀様って言うのはやめてもらえないかな?一国の王に様付けで呼ばれるのはちょっと……」

 

 

凪や明命に様付けで呼ばれているのはどうし様もなかったがせめて桃香だけでもと哀願する。

 

 

桃香「んー、なら一刀さんでいいですか?」

 

一刀「ああ、それで良いよ

   他の皆も出来れば……」

 

愛紗「桃香様は王ですが、我らは一介の将です」

 

 

きっぱりと断る愛紗、星の方は何も言わずウインクをしている所を見ると大丈夫だろう。

鈴々の方は良く分かっていないという風に首をかしげる。

白蓮を見れば目を逸らされてしまう。

 

 

一刀「月ちゃんと詠ちゃんは?」

 

詠「何で月まで馴れ馴れしい呼び方に変わってんのよ!」

 

月「でも一刀様は蜀のお客様ですから……」

 

一刀「無理か……」

 

詠「一刀で良いんじゃない?

  本人がそう呼ばれたがってるんだし呼んであげた方が良いんじゃないの?」

 

 

合法的に呼び捨てに出来るおかげか詠は一刀に様付けをしない事に対して肯定的であった。

 

 

左慈「好きに呼べば良い

   どう呼ぼうがその内慣れる」

 

華佗「だろうな、様付けで呼ぶ子もいたからな」

 

 

凪や明命などは最後まで様付けで一刀のことを呼んでいた。

季衣や流琉には兄ちゃんや兄様とも呼ばれるなど様々な呼ばれ方をしているので、結局はどのような呼び方をしようとも慣れるはずである。

 

 

愛紗「所で桃香様、仕事の方は?」

 

桃香「あ”!お仕事残ってるんだった!!?」

 

愛紗「……一刀様たちを迎えに行く条件、覚えておられますよね?」

 

桃香「うー、『政務をしっかりとやる』です」

 

愛紗「分かっておいでなら良いです

   では仕事に戻りましょう……月、一刀様たちを部屋に案内しておいてくれ」

 

月「はい」

 

 

桃香を引きずるようにして部屋から出て行く愛紗。

案内を頼まれた月は一刀たちを連れて歩く。

 

宿を取る必要がなくなったことに安堵しながらも今後の蜀での事を思うと頭が痛くなる一刀であった。

 

 

-8ページ-

 

 

おまけ

 

 

白蓮「…一刀様…一刀さん……そうだ一刀殿って呼べばいいんだ!

   これなら被らないはず……おーい、かz」

 

星「一刀殿、一杯どうだ?」

 

一刀「少しなら良いけど……白蓮、どうかしたのか?」

 

白蓮「いや、なんでもない……」

 

一刀「それなら良いけど……」

 

白蓮「……ちくしょー!!!」

 

 

-9ページ-

 

 

あとがき

 

皆様、こんばんは

 

調子に乗って絵を描いて時間がギリギリになった大鷲です

 

呉を出て蜀の方々と仲良くなる所まで行きました。

蜀は南蛮勢を仲間にしたばかりといった所の段階です。

 

蜀での一刀の立場は正義の味方です。

例の前口上が再び出る事になると思います。

 

白蓮は……残念だったね

 

 

次回予告

 

怒れる美髪公の前に成す術の無い華蝶仮面

              時を同じくして悪事を働くむねむね団

                         その時、2体の新たな華蝶仮面が現れる!

 

次回、『漢達、仮面を被る』にご期待ください。

説明
名前がややこしいですが、隠しルートである『漢(かん)ルート』の再構成した『漢(おとこ)ルート』です。

ガチムチな展開は精々ネタ程度にしか出て来ないのでご安心ください。
ただし、漢女成分が多分に含まれるかもしれませんので心臓が弱い方はご注意ください。
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
4850 3906 52
コメント
別れがあれば出会いもあるのが旅の醍醐味ですな。早々にドタバタでしたが次回は更に混沌としそうで楽しみですw・・・白蓮よ!きっとどこかに仮面白馬の出番を待ち望んでいる人もきっと居る!・・・といいな^^;(深緑)
よーぜふ様>上げたから落とすと効果は抜群だ、つまりその逆は……後は分かるな?(大鷲)
さすが白蓮、不憫すぎるw まぁ一刀はこうやっていろいろと落としてくんでしょうな・・・二喬・・・まぁ大喬もだし。 もんもん・・・まさに一刀のための馬ですな?(よーぜふ)
ZERO様>次回は今まででもネタな回になるはず……(大鷲)
カズト様>Exactly!(その通りでございます)、時に周瑜は軍馬にしないって約束してたけど、諸葛亮はどうしたんでしょうね?(大鷲)
hokuhin様>華蝶仮面は無印仕様なので仲間がいない状態で成り立っています(大鷲)
2828様>誤字訂正いたしました(;´Д`)(大鷲)
はりまえ様>馬の名前はカズト様の言うとおり「もんもん」だったと思います(大鷲)
akatuki様>なんで仮面白馬すぐやられてしまうん?(大鷲)
がんばれ白蓮! 俺は応援してるぞ。 仮面か・・・なんて名乗るんだろうかな。(ZERO&ファルサ)
萌萌ってレッ〇・クリフで生まれた馬ですよね?たしか モンモン?だっけ^^;(スーシャン)
呉から蜀へ場所を移し、次回は華蝶仮面か・・・ すごくカオスになりそうだw(hokuhin)
3p街に人→街の人 かな?(2828)
馬の名前モエモエ、モモどっち?馬に好かれるなんて流石TANEUMAだな、まさに名に恥じぬ猛将よ(三国無双名台詞のあれ)(黄昏☆ハリマエ)
白蓮・・・不憫な娘・・・。がんばれ仮面白馬!!(akatuki)
タグ
真・恋姫†無双 真・漢ルート 北郷一刀 華佗 貂蝉&卑弥呼 左慈&干吉 華雄 白蓮… 

大鷲さんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。


携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com