LEVEL5+ゼロ=バカップル?
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「LEVEL5+ゼロ=バカップル?」

 

 

とある日の放課後。

是といって用事もないのでさっさと帰ろうと校門へ向かう。

なぜか校門の前が騒がしい?

人垣を掻きわけると、そこには見知った顔・・・美琴?

うちの学校の門柱に寄り掛かって、空をボーっと眺めている。

「何をしてるんだ?」

首をひねりながら、様子をもう少し観察。

「何で常盤台のお嬢様が?」

「誰かを待っているのか?」

「LEVEL5の御坂美琴・・・だろう? 確か」

「マジかよ、マジで?」

等と野次馬から声が聞こえる。

仕方ね〜な、これじゃ。良い見世物だ。

俺は自然を装って・・・かなり無理しながらだが美琴のもとへ・・・・。

「よっ!」

普通に・・・友人とあいさつを交わすように、片手をあげて声をかける。

「遅いっ!!」

顔を合わすなりいきなり飛ぶ電撃。

ご機嫌斜めなこともあり、電撃かそれて周りの野次馬にも・・・。

「わっ!」

「きゃっ!」

「ひっ!!」

色々な悲鳴が上がる。

「こら! いきなり切れるな。周りに迷惑だろうが?」

「なら、早く来なさいよ!」

腕を組み思いっきり睨んでる。

「俺にだって用事が・・・」

「何の?」

「え、えっと、色々?」

「はぁ〜?」

呆れる美琴。

「それに美琴? 何でお前がここに居るんだよ。約束なんかしてたか?」

「そんなこと言うんだ・・・・」

俺の顔を見上げながら表情が少し暗くなったように見えた。

「あ、あの、美琴さん?」

急に下を向いて肩を震わせる・・・。

「当麻・・・分かって言ってるんでしょうね?」

「えっと、何をですか?」

拳を握ってわなわなと震える。是はちょっとまずいかも?

付き合い始めてまだ日も浅いが、何をしたいか大体読めてきた。

急に女の子らしくなって・・・カップルが普通にやっていることをしたいわけだ、この美琴さんは。

「まさか健忘なんて年じゃないでしょう?」

あ、やっぱり・・・美琴、ここでは言わない方が・・・周りには学校の連中が一杯。

それに俺と美琴が付き合ってるなんて誰も知らない。

「あ、わかった。と、とにかく場所を変えよう、な?」

「誤魔化すの?」

「滅相もない」

俺はコクコクとうなずく。

「それじゃ、いつものところね」

「分かった」

少しだけ機嫌が治って俺のあとを歩きだす。

「上条と知り合い? LEVEL5が、まさかな」

「いや〜でもあれはただの知り合いじゃ・・・」

「まさか常盤台のお嬢様とはね・・・」

等と妬みやっかみのような声が聞こえてくる。

あんなところで美琴に「彼女が迎えに来ちゃいけないわけ?」なんて、大声で言われなくて良かった。

後始末が大変なことになる。

「なぁ〜美琴」

「何よ?」

「学校に来るなとは言わないが、もう少し人目を気にしてくれると助かる」

「だって、どこで待っていれば分からなかったから・・・それに当麻がまだ居るのかも分からなかったし」

「なら電話しろよ?」

「へ? あ、そうか。電話ね」

「お前な〜」

「あははははっ、ゴメンゴメン♪」

「はぁ〜」

学校からの帰り道を二人並んで歩く。

それにしても、まさか美琴が迎えに来るとは思わなかった。

変われば変わるものなのか?

照れもあるけど悪い気はしないな。

あ、でも常盤台まで迎えに来いとは言わないだろうな・・・・・。

今の美琴はちょっと変わってるからな〜。

「うん? 何か失礼なこと考えていない?」

「まさか」

「そう? なら別にいいけど。ジィ〜〜〜〜〜〜」

「な、何だよ?」

「あのさ、今度は当麻が・・・・」

「ダメ!! マジダメ! 痛すぎる」

「まだ何も言ってないでしょう」

ぶぅ〜と、頬を膨らませる美琴。やばい、こいつ・・・可愛いすぎるかも。

「まさか常盤台まで来いって・・・」

「あたり♪」

「それは俺が痛すぎるだろうが」

「何でよぉ〜」

「常盤台だぞ? 平凡な高校の無能な俺だぞ?」

「問題なし!」

「いやいや・・・・」

「もう、うちじゃ有名だもの当麻」

「はい?」

「御坂美琴の彼氏」

俺を指差す・・・その笑顔はずるいぞ。

「ななな・・・マジか?」

「うん♪ 黒子が宣伝しまくったから」

「はぁ〜」

「それに、当麻は無能じゃないもの。私が叶わない相手だもの。それだけで十分に胸を張れるわよ」

「それは・・・美琴とこの間の後輩の子が知っているだけだろう? 現実は」

「そうだけど。私が勝てない相手と言うだけで十分だと想うけどな〜」

ニコニコしながら俺に寄り添い腕をからめてくる。

「美琴?」

「恋人同士、当たり前でしょう?」

「うん、まあ〜」

「恥ずかしい?」

「ちょっと・・・」

「私は嬉しい」

俺の腕を強く抱く。

美琴の発育途上の胸が俺の腕に触れる。

まだ小さいと言っても十二分に俺を意識させる。

「当麻? 顔が赤いわよ」

「そそそ、そんなことないぞ」

「変ね」

「変じゃない」

「まっいいか」

また俺に抱きつく。

ああ〜だから俺の腕に当たってるんだってば。

俺が意識を他へ向けようと無駄な努力をしていると、美琴が顔をあげる。

「当麻、嬉しい?」

「なな、何が?」

「これ」

「あっ」

「エヘヘヘ。当麻も男だね」

「か、からかうなよ」

「良いじゃない。彼氏の役得でしょ」

「それにしちゃ・・・」

「当麻〜? それを言うと私刑よ」

急に美琴の後ろに黒いオーラが・・・。

「なに、この右手で・・・」

と、急に美琴が俺の右側に回り込んで右腕を胸元へ抱え込んでしまう。

「あ、卑怯!」

「これなら右腕を動かせないでしょう?」

「美琴・・・」

「私だって、気にしているんだから・・・だから腕組むの勇気が必要だったんだから……それを当麻は」

「俺は別に大きい方が良いなんて一言も・・・あっ」

余計なひと言。美琴の表情がこわばる。

こ、これはもしかしなくても危険かも?

「当麻っ!!」

「ひゃっ!!」

「ビリビリビリ・・・・」

右腕を抑えられ回避の行動がとれない・・・見事に電撃の餌食。

「ごめんなさい。二度と口にしません・・・・」

プスプスと服から煙が上がる・・・マジ洒落にならねぇ〜。

「わ、わかればいいのよ」

「私だって恥ずかしいの我慢してるんだから・・・また暴走しちゃうかもしれないじゃない」

「そんな時は俺がまた抱きしめてやるよ」

「あっ・・・」

美琴を抱きしめる。

「当麻・・・」

「俺だって・・・恥ずかしんだぞ?」

「うん。顔が真っ赤だよ? 当麻」

「美琴もな」

「うん♪」

ああ〜バカップルだよなぁ〜。

公衆と言うか街中だもんな、ここは・・・。

でも、まぁいいかぁ〜。

美琴と一緒だしな・・・常盤台行ってやろうじゃないか!

喜んで衆人の視線にさらされようじゃないか!

俺が美琴の彼氏だぁ〜とは叫べないけどな?

それでも美琴が喜んでくれるのなら、それも彼氏の務めだしな。

一人心に誓うのだった。

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この後はちょっとファンシーな店によってゲコ太の新作をチェック。

「それ、また買うのか?」

「良いじゃない、好きなんだから・・・」

「見た目と違うよなその辺は」

「なによ?」

「女の子だなぁ〜と想っただけ」

「それじゃ普段は女の子に見えないのかしら?」

掌に電気の塊が収束する。

「違うって、俺には最初から女の子だよ。美琴のイメージだと可愛いもの好きには見えないだろう?」

「まあ、知り合ったみんなもそうだったから・・・黒子だけか分かってたのは」

「趣味は人それぞれだし、良いんじゃないのかべつに」

「う〜ん、その答えだとちょっと不満?」

「何でだよ」

「普通?」

小首をかしげながらそんなことをのたまう。

「普通で良いじゃないか?」

「それは友達に言う言葉。彼女には〜」

「な、何だよ」

「もうちょっと工夫が欲しいかな〜とかね」

「工夫?」

「うん♪」

「う〜む・・・・」

「まだまだ修行が必要ね、当麻には」

「何だよ修業って?」

「女の子の扱い方の?」

「そんなもの別に・・・」

「彼女の喜ばせ方覚えたほうが良いと想うけどなぁ〜」

小悪魔的な笑顔・・・。

俺に何を求めてるんだ? 美琴。

不幸な俺にどうしろと?

「難しく考えなくていいと想うけどね、私が当麻の前で笑顔で居られるように努力する」

「そうは言うが美琴さん? 俺は自慢じゃないが不幸が服を着て歩いているようなものだ。とても美琴を笑顔になんて・・・」

「出来ない? 本当に?」

俺の瞳を覗きこむように見つめてくる。

うっ、ちょっと顔が近い。

「あ、当麻顔が赤いよ?」

「お前が顔を近づけるから・・・・」

「照れてるんだ?」

「これだけ近くに女の子が居れば誰だって・・・・」

「ドキドキしてる?」

「あ、ああ・・・」

「私だってドキドキして当麻を見てるんだよ?」

「そう、なんだ」

「うん」

「それじゃ・・・」

俺は考えを巡らす。

美琴のお迎えは決定事項だろう?

どうせ常盤台へ行けば恥ずかしいんだ。それならその耐性をつけるためにもここは・・・。

「今日は寮まで送る」

「えっ!」

「送る」

「マジで言っての、当麻?」

「ああ、常盤台へ行くよりはましだろう? その練習だ」

「似たようなもの・・・かもだけど」

「迷惑か?」

「ううん。そんなことないよ、嬉しい」

そんな会話を店の中で繰り広げた俺たち。

カップルなんだから当たり前の光景なんだろうが・・・・流石に視線が気になった。

当然か? 相手が常盤台のお嬢様なんだから。

もちろん良い見世物ものになっていたことは言うまでもない・・・。

 

店を出て、途中のクレープの屋台に寄る。

ここはお決まりと言うか美琴のお気に入り。

そこでクレープを食べながら、美琴の寮へと向かう。

「あのね、当麻」

「うん?」

「寮も学校も多分変わらないと想う」

「え?」

「学校で噂ってことは寮も同じってことで・・・」

「あっ・・・」

「あ、でも相対数は少ないけど・・・」

「いや、練習だからどんと来い!」

「あははははっ・・・・大丈夫かな?」

「だ、大丈夫だ。超能力の攻撃があるわけじゃないし・・・」

「でも、居るのは能力者だけよ」

「だからって、寮の中で力は・・・」

「規律で禁止にはなっているけど・・・どこまで守られるかは疑問ね」

「視線と言葉ぐらいなら何とかなる」

「当麻の想っているのとだいぶ違うと想うけどね」

「たかが女子中学生」

「あれだけいると相当なものだけど・・・はぁ〜」

「何そのため息」

「ううん。なんでも」

「大丈夫、食われるわけじゃない」

「ある意味、同じようなものだと想うけど・・・当麻、頑張ってね」

「おおっ!」

この後、自分の考えが甘かったことを痛感するのであった・・・・。

女子侮りがたし・・・・。

 

 

 

 

 

おしまい

 

 

あとがき

 

ども〜Ikuです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

前回の続きっぽいお話で今回は当麻視点で綴ってみました。

内容はラブラブが増してますけどね〜。

普通なこともちょっと有名な美琴にとっては簡単にいかないことばかり。

それでも普通の女の子らしいこともしてみたいわけで・・・・。

まだまだ、この二人は居るだけでネタを提供してくれそうですね。

ではでは、次の機会に・・・・。

byIkuでした。

 

 

 

説明
前回の『レベル5+ゼロ=?』の続編? ぽいものですね。
もうちょっと仲が進んだ頃合いのお話。
出来立てカップルなんてこんなものでしょう〜と言うお話展開です。
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タグ
とある科学の超電磁砲 御坂美琴 レールガン 上条当麻 SS 

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