METALGEARCROSS〜OUTERHEAVEN〜 第7話
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 決戦から一夜明け、成都は三国戦争終結以来の大忙しであった。

二脚兵器群やメタルギアRAY、そして核動力であるメタルギア・ドレットノート。それらの兵器は全て正史に送り返す必要があった。

これらの技術はこの外史では千年ほど後の技術だ。この世界にはあってはならないモノだった。

「しかしナノマシンでこんな巨大なものを転送できるとはな・・・」

「俺に言わせれば、世界を超えることが夢のまた夢だと思ってたよ」

「想像していたよりもずっと未来は現実的ってね。車もしばらく空を走る予定もないってか?」

「・・・ジェームス、お前本当は日本人じゃないのか?(※1)」

 

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七話・外 探索 〜Saga〜

 

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「ふう・・・随分と片付いたな」

 一刀は転がっていたガレキに腰を下ろす。強化外骨格のパワーを使えば復興作業も早く進むだろう。しかしこの強化外骨格は比較的体力を奪う。こうして休憩を挟むのは重要だ。

三ヶ月前は活気があった。今でも別の意味・・・復興という意味で活気がある。

思い返せば正史に来たのも随分急であった。

PMCUの外史侵攻作戦。それを察知したFOXHOUNDはPMCUの基地に突入し転送装置を発見したまでは良かった。しかし転送装置はすでに使用され、外史侵攻作戦は始まっていた。

雷電の、外史に向かえとの指令がなければ、今頃成都は焼き野原になっていただろう。

そう思うと身震いがした。今のように復興作業であっても活気があるほうがいい。

「どうしました、ご主人様?」

 その様子を見られたのか、愛紗が心配そうな顔で覗き込んでくる。

「気にするな」

「気にするよ、ご主人様。急に帰ってきて急に落ち込まれたら反応に困るよ」

 今度は翠が逆から覗き込んでくる。

結構気恥ずかしくなり、急に立ち上がる。

「ほら、とっとと片づけるぞ。宴会好きの王様二人がいらしているんだ。後で文句を言われるのも癪だ」

「お酒好きということでしたら桃香様も宴会好きですね」

「酒で酔えるのが羨ましいよ(※2)」

 

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「これから三国会議を開催するわ」

 華琳の凛々しい声が成都城の謁見の間に響いた。

「御存知の通り、三国戦争の英雄三人が感動をぶち壊して帰ってきてくれたわ」

「ひどい言われようだ」

「だが、悪くない。そうだろ」

「まあな」

 ケインの一言にジェームスが肩をすくめた。

ジェームスは長江に飲み込まれ、ケインはメタルギアREXとの交戦によって死亡したと思われても仕方なかったのだ。

「拾った命だ。大切にしろよ」

「文字通りすぎて反論のしようがないな。気をつけるよ」

 そう言った一刀も正史に帰還したときは、サンダーボルトの過剰使用で心停止状態だったらしい。

文字通り命がけで戦争を終わらせた三人ということだ。その三人は所属していた各陣営から離れた位置で肩を並べていた。

「まあその死人連中に現状を知ってもらうにもいい機会だわ。稟、お願いね」

「北郷殿と伊達殿には初めてですね。郭嘉奉孝です」

「これはご丁寧に、ジェームス・伊達だ。発音しにくいと思うから玲二とでも呼んでくれ」

「北郷一刀だ。……そういえば魏勢の顔ぶれはさっぱり分からんな」

「そうですね。では皆の自己紹介から……」

 こうして三国会議が始まった。

最初は三人の御遣いに各国の将たちが自己紹介を始めた。ジェームスとケインが蜀勢に色目を使おうものならば文字通りの電気椅子拷問が始まるのはすぐに日常となるだろう。

三国の近状は平和ではなかった。三国戦争の傷痕は深い。食糧不足、PTSDや負傷した兵士。いつ攻めてくるやもしれない五胡の驚異。

ただ一つ、戦争が終わったという事実が人心を支えているようだ。

この三ヶ月でここまで復興が進んでいるのは、もとより利益を目的とした戦争ではないからだろう。そして三国同盟の象徴として、樊城付近に中心とする都を作るというところまで話が進んでいたようだ。

「樊城か」

 ご丁寧にこの世界では貴重な紙で纏められている書類を、顔をしかめて一刀は睨んでいる。

「どうした、気に入らないのか?」

「いや、決まってしまっているものは仕方ない。だが樊城付近に少し探しものがあってな」

「捜し物……ですか?」

「郭嘉殿。説明話が終わりでしたらあちらの世界……正史側の説明をしたい」

「稟でいいですよ、北郷殿。ではおねがいしますね」

 

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「では正史側の説明をさせてもらおう。

我々の世界、外史では民間軍事請負企業というのが存在している。難しく単語を並べたがやっていることは傭兵だ。信念もなければ愛国心もない。あるのは利益追求のみだ。

三国戦争終結時の大型兵器、今回の成都防衛戦における大軍勢も連中によるものだ。……そういえば反董卓連合も連中の仕業だったな」

 最後の一言に全員が頷いた。ここにいるほぼ全員が反董卓連合を経験しているからだ。あの時は蚊帳の外であった魏軍もケインを通じて裏の出来事は知られているだろう。

「で、連中はなぜこの外史に干渉してくるか。我々三人の中でも意見は合致していないが、おそらく外史を物資の宝庫として見ているようだ」

「勝手にいろいろ持って行かれても困りますね」

「全くです」

 呉の卓の中から穏の、魏の卓からは風の声が聞こえた。

「一言に物資と言っても、連中の物資は兵士を含む。大方ほとんどの男は兵士目的で持って行かれ、女は……まあ察しろ」

「利益追求。文字通り過ぎて反吐がでるわ」

 華琳でなくとも嫌悪感をもつだろう。悪く言わなくても奴隷だ。 

「では奴らはなぜ最初から攻めてこなかった?そして何故急に表立った侵攻を始めた?」

 今度は冥琳の質問だ。

「三国をさんざん引っ掻き回した二人がいただろう。あれは陽動と調査だろう。そして本隊が今回成都に堕ちてきた奴らだ。本格的に来ないのはおそらく我々の国が奴らを抑えたということだろう」

「そこがご主人様たちの故郷だね」

「まあ私たちが帰ってきた理由は、その抑えるのが間に合わなかったから。それともう一つある」

「子作りだ」

「酒池肉林を楽しむ」

「馬鹿と阿呆は黙ってろ!」

 一刀はほぼ条件反射的に喋れない程度に二人を感電させる。

まさかノーモーションで電撃が飛んでくると思わなかった二人が椅子から転げ落ちる。

「話の流れ的に冗談だろ……」

「場の空気を和ませようと思ってだな……」

「でだ。まず私たち三人の当面の目的は……」

「子作り」

「酒池肉林」

 全く懲りない二人を派手に感電させ、何事もなかったのように一刀は続ける。ちなみに今度のは半殺しに気持ち一撃分を上乗せした威力だ。

ちなみに話が難しくてわからない武官は急に鳴り響いた電撃の音に飛び起き、真面目に聞いていた文官は笑みをこぼしたりため息をついている。

「連中も正史に戻るための大規模な装置……からくりをどこかに作っているはずだ。それを発見し管理下に置く」

「確証は?」

「新野の戦いで乱入した大型兵器。アレに乗っていた奴だが外史で三回殺りあっている。加えてあの大型兵器は何も無い場所から地震と共に現れた。これは正史から送られてきたときの特徴だ。何らかの方法で奴は一旦正史に戻っていると推察している。その場所の目星が……樊城付近だ」

 

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 会議が終われば宴会だった。

因縁はあったものの、憎悪はなく信念であった戦争の後は潔いもの。強敵と書いて”とも”と読むとはよく言ったものだ。

もっとも将たちは仲がいいが、兵士間ではそうは行かないかもしれない。

何せよ、この世界が平和に向かって歩んでいるのはいいことだ。

さんざん各国の将やら文官やらに揉まれた一刀がたどり着いた先は隅っこで煙草を加えているジェームスだった。

「なんだ?禁煙したんじゃないのか?」

「こういう日くらい吸わせてくれ。せっかく正史から持ってきたのに」

 タバコの銘柄はThe Bossと書かれている。

おもむろにその一本を引き抜き、指の先に発生させた電気の熱で発火させる。

「吸うんだな、知らなかったよ」

 相当意外そうな顔だった。

作戦中はおろか、私用でも吸ったことは一度もなかったはずだ。

「昔、ソリッド・スネークに憧れて吸っていた時期がある。もっとも一ヶ月で止めたが」

 脳裏には未だに若々しい米軍将校の顔が浮かぶ。彼女には主流煙だの副流煙だの激しく怒られた。

「まあお前は真面目を通り越した生真面目で通ってたからな」

 そういって二人同時に紫煙を噴き上げる。

「どうだ、ひさしぶりの煙草は?」

「……いいものだな」

 

 * *

 

「劉備殿」

 ちょうど一刀とジェームスが煙草を咥えたときだった。やや神妙な顔つきのケインが桃香に話しかける。

「は、はい」

「そんなに緊張なさるな」

 立ち上がろうとする桃香を制し、自分は立ったまま言葉を続けた。

「あの子のことだ」

「あの子……ご主人様の事ですか?」

「ああ……一刀の事を宜しく頼む」

 一刀をまるで子供扱いする言い方だった。しかしケインの目の涙は今にも溢れそうだった。

「俺は心配だった。あの子は親がおらず、孤児院に来たときは寡黙で人付き合いが億劫で……人を愛することが出来ないと思っていた」

 最強の狐は涙を流した。

きょうだい達にも、最愛の人の前でも決して流さない涙。

「ありがとう、劉備殿。あの子をあなた達を愛した。俺は・・・俺はあの子を救うことが出来た」

「お、御礼なんて……」

「ありがとう」

「桃香です」

「ん?」

「私の真名は桃香です。お義兄さん」

 その笑みに狐は一人の兄に戻ることができたのだった。

 

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注釈

※1:ジェームスが呟いたのはポルノグラフィティのヒトリノ夜に出てくるフレーズ

※2:一刀たちの体の中にはナノマシンが注入されており、ナノマシンが自動的にアルコールが分解されてしまうため彼らは酔えない。

 

 * *

 

おまけ:六話・外 NG会話集

メタルギア・ドレットノート変形シーン

ケイン「変形だと・・・」

ジェームス「設計したのはどこの日本人だ!」

一刀「きっと・・・コジマって名前さ」

ケイン「コ・・・KOJIMA is GOD!!」

 

 * *

 

萌将伝的おまけ:相性最悪

一刀「紫苑」

紫苑「はい?」

一刀「雷……苦手なんだってな」

紫苑「な、何でそれを!?」

一刀「まあそんなことより、私の雷も……」

紫苑「……はい、実は」

一刀「……気づかなくて済まん」

(紫苑さん相手間違えましたね。相性最悪すぎる)

説明
この作品について
・MGSと真・恋姫†無双のクロスオーバー作品です。
・続きものですので前作一話からどうぞ。http://www.tinami.com/view/99622

執筆について。
・絵ができました。
http://www.tinami.com/view/151575
・絵は間に合っていません。
・やや遅筆気味。ちょっとリアル忙しいです。
・今回は萌将伝の設定を確認したかったので遅くなりました。
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コメント
>jackryさん、雷電「一刀。……白髪増えたか?」一刀「PWのドラマCDでるのでがんばれています」(しがない書き手)
>ルーデルさん、雷電「一刀。一番重要な任務は、仕事しない二人に仕事させることだ」(しがない書き手)
>よーぜふさん、あの紫苑さんかわいかったですね。ああ、これがギャップ萌えってやつか。(しがない書き手)
二人のセリフが冗談に聞こえないwww(ルーデル)
KOJIMA is GOD!! だからジェームスとケインは何で・・・あとのいい話が台無しだよ??w あの紫苑はかわいかったなぁ・・・種馬性能持ちだったら、「責任とってご一緒に寝てくださいます?」くらいはいわれそうな気もしますw(よーぜふ)
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メタルギア アウターヘイヴン 真・恋姫†無双 金属の歯車 恋姫無双 

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