わこうっ! キャラスケッチ
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わこうっ!! キャラスケッチ@

 

●キャラスケッチとは

 企画を詰めるための短文の事。キャラが出てきて、何かをするのを描き、動きとか性能とかキャラ立ちを見るためのもの。

 キャラスケッチで設計をやり直したり、企画自体が大幅に変わったりするのである。

 そのままプレコンテンツのシナリオに転用したりも出来る。

 

●赤星美鷹 美鷹、城から逃げ出すの巻

 

(背景:城内、大広間)

 

(SE:爆発音)

美鷹「……」(立ち絵:打掛姿、無表情)

(SE:爆発音)

じい「姫様〜、姫様っ! 一大事にございますっ!」

美鷹「うるさい、爺、おちつけ」

じい「御館様、兄上様、討ち死っ! 龍造寺の軍勢がっ、三の丸まで迫ってっ! 」

美鷹「あー、父も兄も逝ったか、やれやれだな」

じい「やれやれではございません、いかがなされますかっ! 降伏なさいますかっ! それともお逃げにっ! 姫っ! 姫っ!」

 

(背景:城、露台)

 

美鷹「おー、龍造寺の手勢は速いな。みろ、もう門が破られそうだ」

じい「落ち着いている場合ではありませんぞ、龍造寺軍は手勢、約十万っ! 赤星城を十重二十重に包囲してございますっ! 一刻も早く降伏の書状をっ!」

美鷹「あ、馬鹿がいる」

じい「龍造寺隆信様でございますかっ! かのお方は姫に心を寄せておられる模様! 隆信様に投降めされば、姫の安全は……」

美鷹「おーい、馬鹿ー! あ、馬鹿が気づいた。あいかわらずいい男ぶりだなあ。アレで馬鹿でさえなければ、わしも嫁ぐ気にもなったものを、おしいなあ」

じい「左様なことをおっしゃられるものではありませんぞっ! 元はといえば、この戦、姫が隆信様からの求婚をお断りになったからでございますっ!」

美鷹「あはは、『おまえの所には嫁がん』と言って、蹴飛ばしてやった時の隆信の顔は痛快だったな。あの剛毅な奴が泣いてたぞ」

(イベント絵:隆信、軍勢の中、馬上にて怒鳴っている)

隆信「俺の心の中の真珠よっ!! 最愛の姫、美鷹姫よっ!! 俺はお前をめとるためにここにやってきたっ!!! さあっ! 日本一の結婚式をあげようぞっ!! 俺は世界で一番お前を愛してるのだっ!!」

美鷹「一人で来い、馬鹿ものっ!」

隆信「この十万の軍勢、これが俺の愛だっ!! 赤星の家名が重いため俺に嫁げないならば、俺は全てを滅ぼして、お前を抱きしめようっ! お前に苦労はさせないっ、この男、隆信が約束しようっ! お前の為ならば、どんな困難な事でもやれるっ! なぜなら、俺は、お前を、愛しているからだぁぁっ!!」

美鷹「じゃあ、死ね」

隆信「それはいやだ」

真田ちとせ「姫様、例の物、準備がすみました……」

美鷹「おう、ちとせ、良いところに来た、あの馬鹿にぶつける丁度良い物は無いか?」

じい「そんな、姫、ご無体な、隆信殿は誠心誠意、姫を愛して……」

ちとせ「こんなこともあろうかと、俸禄玉を開発してみました」

(SE:ちゃららっらちゃらー)

美鷹「爆発するものか?」

ちとせ「はい、それはもう、大爆発でございます……」

美鷹「うひひ、それはたのしみ」

(SE:ひゅーーーん、どかーんっ!!)

隆信「うわっ!! 貴様っ!! 美鷹ーーっ!! なにをするっ!!」

美鷹「わはははは、死ね、大馬鹿者めっ!!」

(SE:ひゅーーーん、どかーんっ!!)

隆信「何故だ、何故、俺のこの熱い気持ちをお前は解ろうとしないのだっ!! この俺、九州の覇者、いや、日本の全てを掌握する予定の、龍造寺隆信が、お前を欲しいとやってきて居るのだぞっ!! なぜなのだっ!! お前は、まさか、この俺の事が、き、嫌いなのではなかろうなっ!!」

(隆信立ち絵:泣きそう)

美鷹「隆信の事は嫌いではないぞ」

隆信「なにいっ!! そうなのかっ!!」

(隆信立ち絵:すごく嬉しそう)

美鷹「だが、愛しい女を得んとして、その女の一族郎党を滅ぼすような馬鹿に嫁ぐのはごめんだ」

隆信「なにいっ!! 親父や兄に反対されたから、俺の求婚を断ったのではないのかぁっ!!」

美鷹「だから隆信は馬鹿だというのだっ」

(SE:ひゅーーーん、どかーんっ!!)

隆信「くそうっ! おとなしく求愛していればいい気になりおってっ!! もうゆるせんっ、城ごと責め潰し、お前を我が手にかき抱いてくれるわっ!! 全軍っ!! 突撃せよっ!!」

美鷹「さて、馬鹿の相手も飽きたな。逃げるぞちとせ」

(SE:ばっ!!)

(美鷹立ち絵:姫様>武者系装束)

ちとせ「はっ、こちらへ」

 

(背景:赤星城廊下)

 

じい「ひめ、ひめさまっ!」

美鷹「じい、もうわしは美鷹姫はやめた」

じい「はあ?」

美鷹「もう家もない、姫はやめて、単なる美鷹という武将となるっ!」

じい「ひ、ひめさまっ!」

美鷹「ちとせの作った、最新鋭戦艦、風雲丸が我が城! 天竺まで広がる海の上が我が領土! 陸地なぞは馬鹿な男どもにくれてやる、わしは水平線の向こうまで、海の王道楽土を建設し、幸せの国をつくろうぞっ!!」

(SE:ドカーン)

(廊下の向こうに隆信と兵隊)

隆信「そうはいかんぞっ!!」

美鷹「うお、馬鹿、はやっ!!」

(SE:カキーン)

隆信「お前は俺の物なのだっ!! 海の上なぞに逃がしてたまるかっ!! 力ずくでも俺の物としてやる!! お前のために新しいお城を造ってやる、そして、お前の部屋は、飛騨の大杉、木一本の柱でくみ上げ、金銀真砂で色とりどりに飾り、真絹の寝具を十枚重ねにて寝かせてやるっ!! 無理にでもだっ!!」

(SE:カキーン)

美鷹「ぜいたくだなっ」

隆信「くくく、それだけではないぞっ!! 堺から天下一の料理人を呼び、朝から晩まで頬のとろけ落ちるがごときご馳走を並べてやるっ!! 甘い物と甘露な酒も食台に山と積んでやるぞっ、こぼれ落ちるほどに!! おいしいぞ、なぜなら俺の愛がこもっているからなあっ!!」

(SE:カキーン)

美鷹「たしかに旨そうだ」

隆信「そして、俺は高らかに宣言しようっ!! 一生涯、お前以外の女を愛すことはないとっ!! 俺の心はっ、お前だけのものだっ、美鷹ぁぁっ!!」

美鷹「ちとせっ! 俸禄玉を全部よこせっ!」

隆信「愛してやる、愛して愛して、愛しまくってやるぞっ!! 美鷹っ!! お前が「もうかんべん」と言ってからが俺の愛の本当の始まりだっ!! 苦しい時、悲しい時、どんな時でも俺がいつでも横に居てやろうっ!! 朝に夕に、千回の接吻を交わそうではないかぁっ!! 夜のしとねに我らの愛の架け橋を架けようぞっ!! 子供は十三人つくろうぞっ!! 息子が八人っ! 娘が五人だあああっ!!」

美鷹「寝言は寝て言え、馬鹿者めっ!」

(SE:ひゅひゅひゅーーーん、どかかかかーんっ!!)

隆信「どうして、俺の気持ちをわかってくれないんだぁぁっ!!」

美鷹「ばかめっ! お前の妄想のどこに、わしがいるというのだっ! 第一、そんなに食っては太ってしまうし、そんなに愛されては溶けてしまうわっ!」

隆信「お前が百貫でぶになろうとぉぉぉっ! 俺の気持ちはかわらーんっ!!」

美鷹「お前は愛玩子猫が欲しいだけで、わしを求めてなぞおらんっ! ぺろぺろ可愛がりたくば、伊集院の姫でもめとればよいっ!」

隆信「伊集院の姫は馬面なので、好かああああんっ!!!」

(背景:大きな扉)

ちとせ「美鷹さま、こちらへっ」

美鷹「おうっ」

じい「姫様、おわかれにございます」

美鷹「む?」

じい「じいはここで、隆信さまを食い止めたく思います。お許しをいただきたく」

美鷹「そうか」

じい「姫の御武運を、ずっとお祈りしております。さらばでございます」

美鷹「うむ、長いあいだ、よく仕えてくれた。さらばだ、じい」

じい「それでは」

 

(背景:赤星城、地下格納庫)

 

ちとせ「正面、六番海関門をひらけっ!! 風雲丸っ、出撃準備っ!!」

香苗「発進準備、全てよしっ」

美鷹「さて、いくぞ、美鷹水軍の旗揚げだっ!! 風雲丸っ!! 発進っ!!」

(SE:バツン、ごろごろ、どっしゃーーん)

 

(背景:海)

 

香苗「一番、二番、三番、総転穂!!」

(SE:ばふうっ)

美鷹「大舵いっぱいっ! 最大戦速で、最初の目的地は、そうだな、島津でも行くか」

香苗「大舵いっぱい、よーそろうっ!」

(背景陸地、隆信が馬で風雲丸に併走している)

隆信「まてーーーーっ!! 俺は、お前をお嫁さんにすることをぉぉぉっ!! 絶対にあきらめんからなあっっっ!!」

美鷹「まったく、暑苦しいやつめ」

 

――美鷹の出発 おわり――

 

●今回のキャラスケッチで変わったところ

 

・美鷹は関羽系かと思っていたら、柴村(ガンパレ)が入り出した。

・真田さんは、なんだか、アヤナミ系が入り出した。

・このスケッチ、ずっと隆信のターン。バサラ乗りだなあ。

・美鷹水軍はオランダのフリゲートに乗り換えるつもりだったのだが、真田さんがいるので、最初から高性能戦艦でも構わないと思った。難破した外国船を修理して建造したのであろう。(和船というのは大きくても只の板をつないだ只の箱なので、南蛮船にくらべると著しく性能が落ちる)

・隆信を敵レギュラーに入れてもいいな。暑苦しい純愛馬鹿は楽しい。

・舟の名前を、三鷹丸から風雲丸に。

説明
わこうっ! の企画はキャラスケッチまで来ました。
企画を詰めている段階ですね。

企画書は、草稿からどんどん変わって行きます。
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コメント
隆信は急にでてきて、おいらのハートをわしづかみです。馬鹿は好き。(うーたん)
あはははは! 「それはいやだ」に吹きました!(まめご)
タグ
企画書 歴史 海洋冒険 帆船 時代劇 

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