陸上部のあこがれの先輩
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もう高校に入学して1ヶ月がたっていた。ここまで部活ばっかやってたな。今夢中になれることはこれしかないからな。俺は斉藤啓太。中学のときにあと一歩のとこで関東大会をのがしてしまった悔しい思い出がある。

リベンジとあきらめられないから陸上部に入った。この高校の陸上部は名門って聞いたんでね。全国大会出場選手がいるだの入学体験会のとき聞いたもんだ。俺もここでがんばってみたくなりこの学校選んだわけ。

 

「今日のメニューは1200mペース走5本か。鬼のメニューきたな・・・」

陸上部は鬼みたいなメニューがくるのである。今日がそうみたいだ。

着替え終わって集合する。俺含めて今年の1年生は10人だそうだ。まあかなりやめてくみたいなんだけど。俺はやめないからな!そう心に誓ったのだ。もちろん理由がある。1つめ。悔しい思いがある。関東大会までは行きたいね。

2つめ。1つ上の本田舞先輩のことである。この先輩は1000mの選手で関東大会までいったすごい人である。

それにめっちゃ可愛い。ポニーテールがよく似合っている。陸上といったらポニーテールだからな。申し分ない。

それにスタイルもいい。大きすぎず小さすぎず胸があるし、脚も細く触ってみたくなってしまう。顔もすんげえ可愛い。そういったところで容姿は申し分ないのだが性格に難ありか。後輩だからきつくしてるのか?だがそれがいいんだ!

っていったらMだけどな。悪くはない。

 

なんてことしてるうちにジョグが始まった。まず300m2周走って体をあっためる。そしてストレッチ。このストレッチが楽しみなんだなこれが。

女子と合同でやるストレッチ。これだけでもすばらしいのだが1年は先輩と交流やいろいろ聞いたほうがいいだろうってことで先輩とペアを組むことになっている。実はまだ本田先輩とあたったことないんだ・・・

今日こそは!と思ってもダメ。だが今日はなにか起こりそうな気配がしていたんだ。

 

やっぱりね。本田先輩とペアになってしまった。いいのか悪いのかわからなくなってる。いきなりだし。心の準備ってこが必要だよな?俺も男の子なんだなと考えてた矢先に、

「ほーら!早くストレッチしなきゃ。怒られちゃうぞ!それとも私とペア組むの初めてだからって緊張してる?」

図星だった。動揺を隠せない。あんな可愛い先輩にソプラノ声で言われてしまえば誰だってそうなるだろ。反則だろ先輩。何も話せずにいる俺に対して先輩は嬉しそうにこう言ってきた。

「緊張するのはわかるけどストレッチって重要だからね。ケガ予防にもなるし。って斉藤君は中学からだから分かってるか。私より陸上経験長いし。」

気になったので聞いてみた。

「先輩は中学からじゃなかったんですか?あんなに速いのに。」

この陸上部のエースだからな。先輩は。

「私は高校からなの。でもスポーツが好きでいろいろやってたわ。サッカーとかバスケットとか。球技が好きだったんだけどね。女子マラソンってすごいじゃない?それみて陸上に夢中になって絶対にマラソン選手になるんだ!って思ってね。陸上部に入ったんだ。あとね私負けずぎらいなの!記録会でいい記録でなかったら部活終わっても走ることにしてるの。それで先輩に怒られちゃったりしたけど・・やっと選手に選ばれて嬉しかったなー。」

先輩の意外な一面を知った。子供っぽいところと負けずぎらい。可愛すぎだろ。

先輩の話に夢中になりながらもストレッチをやる。先輩とペアだからか体がかたい。

「いつもより体かたくない?やっぱ緊張してるんでしょ?私とペアになれて嬉しいならはっきりいわないと分からないなー。」

先輩がからかってくる。そうだとしてもそんなこと言えるはずもないのだが。先輩も長距離だから次も一緒か。

そう。クールダウンのペアも一緒なのである。これは先輩と仲良くなるチャンスなんだ。クールダウンには勝負かけるぞ。そう思っていた。先輩が話かけてきた。

「実はねえ。斉藤君に興味があったの。同じ長距離ってこともあるし。中学からやってるでしょ?少し体験談聞けたらいいなーって。ほんとは早くペアになりたかったんだけど・・・やっとなれて嬉しかったんだよ?」

先輩が笑ってこっちを向いてくれた。興味があった?そんなこと言われたら練習どころではなくなってしまう。

ドキドキがとまらないのだがチャンスをつぶすわけにもいかず先輩に話しかけることにする。

「先輩がそんなふうに思ってくれてるなんて光栄です。先輩ならなんでも話ますよ。でも話す時間はどうしましょう?部活中は話づらいですし・・」

先輩はそんなこと心配してたの?ってな感じをして言った。

「一緒に帰ろ?」

今でも忘れられない一言。

部活なんてどうでもいいと思ったのは秘密ね。

鬼のメニューをこなし先輩とペアになってストレッチしながら帰りのことを考えて着替え終わって先輩を待つのであった。

説明
入学してすぐに入った陸上部。 主人公の斉藤啓太は1つ上の本田舞先輩にあこがれていた。 まだ好きという感情ではないのだが先輩をことを知っていくうちにどんどん好きになっていくのであった。
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