レベル5+ゼロ=お迎えは大騒ぎ? 
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「レベル5+ゼロ=お迎えは大騒ぎ?」完結

 

 

今日、当麻が学校まで迎えに来てくれる。

私が笑顔でいられるように、当麻が約束してくれた。

先日の寮まで送ってもらったときも大騒ぎになっちゃって・・・。

寮長には怒られるし、寮生のみんなからは囃し立てられて大変。

当麻は目を白黒させていたけどね。

さて、今日はどうなることやら・・・寮の一部の子は当麻が迎えに来ることを

知っているけどね。ただしいつ迎えに来るかは内緒にしてるから・・・。

 

「お姉様、今日でしたわね?」

「え? 何が黒子」

眉間にしわを寄せて額に人差し指を当てて呆れ顔の黒子。

「お姉様・・・お忘れに?」

「あ、ああ、ああ〜アレね、うん。今日」

ちょっと浮かれてるのかな? ど忘れしてる。

今日は当麻が学校まで迎えに来てくれる。

先日の寮でも騒ぎになって恥ずかしくて大変だったけど、気持ちはうれしさで一杯♪

「エヘヘヘ・・・」

「お姉様、お顔が・・・ゆるみすぎでは?」

「え、そ、そんなことないから〜」

「説得力がございませんね」

と、溜息を吐く。

まぁ〜仕方ないよね? 嬉しさが溢れてるんだもの。

騒がれるのは好きじゃないけど・・・でも、みんなが祝福してくれてると思うとね。

寮では・・・まあ、女子中学生に囲まれて圧倒されて、周りのなすがままって感じだった。

「お姉様っ!」

「あ、はいっ!」

「朝からこれでは先が思いやられますわね」

「だ、大丈夫よ黒子ぉ〜」

なんて応えてクラスへと別れた。

 

案の定というか私は今日はずっとそわそわしていた感じ。

やはり放課後が気になってしまって仕方がない。

そんな私の様子で同じ寮の子が気づいてしまったようで、午後にはクラス中に噂が流れてしまう。

「え〜本当っ! 上条先輩が美琴さんのお迎えに!」

なんて大きな声が響き渡る。

その噂が広がって隣のクラスへと伝播して仕舞には学年、全校へと広がってしまった。

私の態度があまりにもあからさまだったので、隠すどころか自ら広めてしまったようなもの。

自己嫌悪・・・。

 

放課後のクラスは下級生やらクラスメイトやら上級生やら入り乱れ。

「美琴お姉様〜」

「美琴さん紹介してくださるんでしょう?」

「上条さんてどんなお方なのかしら?」

等々、勝手に盛り上がってる。

う〜ん、これは寮の比ではないわね? 当麻・・・大丈夫かしら?

ちょっと頭の痛いことになりそう・・・。

実際はちょっとどころではなくて、学校中が当麻のことで大騒ぎ。

「お姉様?」

「あ、黒子」

「寮の時とは比べようのない騒ぎになってしまってますわね」

「う〜ん、ちょっと心配かも」

「それに少し皆さん当麻先輩のこと誇張しすぎているような気もしますわね」

「寮にいた子は知っているはずなんだけど・・・周りの雰囲気にのまれてる感じね」

「大丈夫でしょうか?」

「え?」

「あまり大きなことなってしまいますと・・・」

「学校側が黙っていなか・・・」

これはちょっと忌々しき事態。

当麻を待つのではなく、こちらから赴いたほうがよさそう。

学校の近くなら迎えに来てもらったのも同然だものね。

「うん。私校門まで出るわ」

「そのようがよさそうですわね」

クラス内を一瞥して、カバンを持って席を立つ。

「あら? 美琴さん。もう、こられましたの?」

「あ、まだ。ここに居ると騒ぎが大きくなりそうだから、移動する」

「あ、それじゃ私も・・・」

と、クラスメイトが一斉に席を立ち始める。

うう〜これじゃどこに居ても同じじゃ・・・。

それでも校内よりはいいのかもしれない。

「黒子、行くわよ」

「はい。お姉さま」

教室を飛び出した。

 

その頃の当麻はあと少しで常盤台というところまで来ていた。

もちろん既に下校している生徒もいて、その子たちが学校に向かう男子高校生とすれ違う。

「あ、もしかして美琴お姉さまの・・・」

「そうかしら?」

「だって、この時間にここにいらっしゃるということは・・・」

「確かに高校生の方ですけど・・・」

品定め中の彼女たち。

当麻は聞くとはなしに耳に入ってくる声に緊張を隠せない様子。

寮生は当麻を知っているので話と現実の差に差異は感じていないのだけど、話しか知らない

生徒は勝手な妄想を繰り広げている様子。

こうなると当麻の痛々しさがさらに拍車が掛るというもの。

 

生徒の間を縫って何とか校門前に到着。

すでにそこは大勢の生徒であふれんばかり。

みんな帰る様子はなく、ほとんどの生徒が当麻の来るのを待っている。

これはさすがに拙いかもしれない。

「ちょっとみんな! こんなところで溜まって居ると他の人の迷惑だから・・・」

なんて声をかけても、誰として反応を示さない。

誰もが当麻のことを一目見たいと思っているんだから・・・当然か。

「黒子このままだと騒ぎが心配」

「そうですわね。まだ敷地内ですから学校のことで済みますけど・・・ここへ当麻先輩が現れたら・・・」

はっきりと確認できる者はいいが、噂や雰囲気だけで判断してしまうと群集心理が働いて大きな誤解を招く可能性もある。

そうなると事の収束は非常に難しくなると考えてもいい。

「まったく・・・たかが高校生の男子が一人来るくらいで大げさなんだから」

「お姉さま? 本気でおっしゃっていますの。ご自分のこと、立場とかお考えになられたことおありですの?」

「え? そんな気にしてないし。それにそんな目で見られるのも好きじゃないし」

確かに人気はあると思う。

LEVEL5で常盤台のエースと呼ばれている。

でも、それは私が望んでなったことじゃなくて、勝手についてきただけ。

今まではあまり気にも留めていなかったけど、今日みたいなことが起きると・・・・。

「お姉さま、この状況はそれを許してはいただけないと黒子は思いますけど」

「そうね。私が甘かったわ・・・」

そんなことを考えていると私を呼ぶ声がする。

「御坂さん」

校門受付のガードマンからお呼びがかかる。

「はい」

「先ほどから生徒たちが騒がしいですが? 御坂さんの名前が聞かれますが、これはいったい・・・」

「あ、すいません! みんなが勝手に誤解しているみたいで・・・」

「あまり騒ぎになるようですとこちらもその対処に動かなければなりませんから」

「はい、わかりました!」

隣の黒子に。

「黒子、当麻のところへ飛ばして!」

「了解です、お姉さま」

「あとはお願いね」

「承知しました。黒子にお任せを」

「うん」

私は黒子のテレポートで当麻の近くへと移動する。

あとの騒ぎはジャッジメントの黒子に。

ああ言った時の対処は黒子のほうがうまい。

うまく騒ぎを抑えてくれるといいんだけど・・・黒子にお礼をしないとね。

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当麻が視界に入る。

何人というか大勢の常盤台の生徒に囲まれてる。

「すでにここで始まっていたか・・・女子に囲まれて鼻の下伸ばしてる! と・う・ま〜」

当麻に駆け寄る。

「当麻!」

「おう! 美琴! ちょっと何とかしてくれぇ〜」

もみくちゃな当麻。

「あら〜女の子に囲まれてうれしいんじゃないのかしら?」

「こらっ! これがそう見るのか!」

「うん、見える」

「美琴ぉ〜〜」

もう、仕方がないの。このくらいのこと自分で何とかしてよね。

でも、そこが当麻らしいのかな。

しょうがないな〜。

「はいはい。みんな! 近所の迷惑になるから解散ね!」

「あ、お姉さま」

「美琴さま」

「美琴お姉さま」

十戒のように人垣が割れて私は歩みを進める。

「美琴、迎えに来てくれたのか?」

「まあ、そんなところ。寮よりも大げさになっちゃってね」

ペロッと舌を出しておどけて見せる。

「おまえな〜この前の寮である程度は予想がついたろう?」

「私もまさかと思ってる」

「それで学校だとこの程度じゃ済まないと思ってここまで来たの」

「俺も助かったよ。これ以上の対応は俺には無理だ」

「うん♪ わかってる」

私たちの様子を見ていた野次馬の一同様。

「お姉さま〜幸せそう」

「あんな表情をするお姉さま、初めて見ましたわ」

「やはりこの方が・・・」

遠巻きにしていた生徒たちが一気に押し寄せてきて。

「お姉さま、お幸せに!!」

と、祝福してくれた。

「あ、みんな・・・ありがとう」

「あの、当麻さん? 私たちのお姉さまのことよろしくお願いしますね」

集団の中の一人が当麻に向かって頭を下げる。

「ああ、わかってる」

みんなが笑顔でうなずいて・・・・。

「それではお姉さま。私たちはお邪魔のようですから・・・」

一同礼をしてその場から立ち去った。

「みんなが今のような対応をしてくれると助かるんだけど」

去っていく一団の後ろ姿を見つめながらつぶやく。

とにかく一難は去った。

でも、このままでいいはずもなくて。

「当麻、お迎えに来てくれてありがとう」

「あ、いいや別にたいしたことじゃないさ」

大変だったと思うけど。

それにいつまでもここには居られない。また同じ状況になってしまうから。

「当麻、行こう!」

「ああ、でも、ここまででよかったのか?」

「うん♪ もう十分よ」

当麻の腕を取って歩き出す。

「いいのか? まだ学校に近いけど」

「いいのっ! どうせ知らない人いないし」

「そうだな・・・」

「うん♪」

こうして当麻のお迎えイベントは無事? 終了〜となったわけだけど。

本当は校門の前で待ち合わせて。

「待った?」

「今来たとこ」

「うん、それじゃ行こう」

「ああ」

なんてことをやってみたかったんだけど・・・夢かな〜?

「大丈夫だ」

「へ?」

急に当麻が私を見て言うから変な返事をしちゃうじゃない。

「だから、何度でも美琴の迎えに行く」

「でも、またこうなったら・・・」

嬉しいけど、この騒ぎが続けば学校側も黙っていないだろう?

「今日みたいな感じで近くで待ち合わせ。それを何度か繰り返せば周りも慣れてくるさ」

そうかもしれないけど・・・でも。

「そうなれば美琴の希望通り校門で待っていられるようになるさ」

「当麻・・・ありがとうっ!!」

当麻に思いっきり抱きつく。

「おい、いくらなんでも・・・」

「だって・・・嬉しんだもん・・・当麻、大好きだよ」

「俺だって・・・」

「チュッ!」

「!」

私は抱きついて当麻の頬にキスをした。

顔が燃えるように熱くなったけど、素直にそうしたいと思っただけ。

当麻はちょっと固まっちゃったけど、そこはそれ許してあげないとね。

「当麻〜純情ぉ〜」

「からかうなよ! 慣れてないんだから」

「あ、でも、本当の気持ちだからね♪」

「わかってる」

「うん♪」

私の彼は優しくて、私のわがままを聞いてくれる。

年の差があるから、甘やかさせてくれているのかな?

でも、私は同等でいたいと思ってる。

確かに学年は違うけど・・・能力は比較のしようのないモノだから仕方がないかな?

私は電撃、レールガン。当麻はそれらすべてを消し去ってしまう幻想殺し・・・イマジンブレーカー。

相反する力が一緒に居ること自体不思議なことだけど。

ただたんに能力だけのことなら絶対一緒には居ない。でも、そこは人間が扱うものだから。

私と当麻は反対の力を持つ者同士だけど、それを超えていつまでも一緒に居たいと思ってる。

だって、自分の限界を出せる相手って貴重だと思うでしょう。

抑えた力じゃない本当の自分の力を相手に見せることができるのだから・・・。

 

当麻と逢えてよかった。

当麻を好きになれてよかった。

そんな自分が今は一番大好きっ!!!

 

 

おしまい

 

ども〜Ikuです。

短期間に続けて美琴のお話を書くことができました。

アニメとかインデックスの本編を楽しめたからでしょうか?

中々アニメとかのSSを書くなんてこと今まではやってなかったんですけど、書きはじめたら愉しくペンが

進んでしまいました。

 

これで美琴と当麻の出会いに関するお話は一応終演かな?

もう少し二人がらみのお話ができれば続けて見たいかなとも思ってもいますけど。

ここまでお付き合いただきありがとうございました。

 

説明
レベル5+ゼロ=? の一応の完結編です。
常盤台へ当麻が美琴を迎えに行くシーンをお話にしました。
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タグ
とある科学の超電磁砲 御坂美琴 上条当麻 SS 

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