真・恋姫無双 ifストーリー 現代演義 第4話
[全6ページ]
-1ページ-

こちらの世界にやって来てから三日目。俺はどうするべきか悩んでいた。

 

みんなはもうだいぶこの世界の道具に慣れてきた。まぁ、春蘭なんかはお湯と水をよく間違えて逆切れをしたりするがちゃんとシャワーやトイレなども使いこなしている。天和たちなんかはテレビに釘付けになり、分からないながらもこちらの世界の歌の研究なんかもしていたりする。ちなみに流琉は里料理番組に・・・

 

しかし、まだまだ問題は残っている。大きな問題としては二つ。一つは慣れてきたと言ってもまだ寮の中だけと言うこと。さすがにずっと寮から出られないという現状に鬱憤が溜まってきている子たちが何人かいる。そしてもう一つは文字だ。やっぱりなるべく早く覚えたほうがいいが、日本にはひらがな、カタカナ、漢字がある。漢字は何とかなると思うが、ひらがな、カタカナはそうはいかない。俺が教えてもいいが、文法などを教えたりするのは物の使い方を教えるのとはわけが違う。今思うと学校の先生ってすげぇなぁって思う。

 

以上の二点をどう解決するか今日はずっと自室で悩んでいる。

 

ちなみに二日目である昨日はみんなで荷解きをして一日が終わった。

 

一刀「はぁ〜、どうしよう。やっぱりまた軍師のみんなに協力してもらうかな・・・・でも外に行くって言ったらみんなこぞって来るだろうな〜」

 

???「・・・と、・・・ずと」

 

一刀「へ?うわぁ!」

 

あまりにも深く悩んでいたために傍に誰かがいるのに気がつかなかった。

 

蓮華「ひやぁ!ご、ごめんなさい、勝手に入って。大丈夫?一刀?」

 

一刀「ああ、蓮華か。ゴメン。気付いてなかった」

 

蓮華「それはいいんだけど、なんだか深刻そうな顔をしていたから・・・」

 

一刀「そ、そう?でも大丈夫だよ。次はどうしようかなぁって考えていただけだから」

 

蓮華「そう・・・・ごめんなさいね、一刀に任せっぱなしで・・・」

 

一刀「いいんだよ。それに俺があっちの世界に行った時にみんなが俺にしてくれたことをしているだけだから・・・・」

 

蓮華「そう言ってくれると助かるわ。でも・・・私にできることがあったら何でも言ってね。できる限りのことはするわ」

 

一刀「ありがとう。蓮華」

 

そうして自然と重なる手と手、近くなる顔・・・・・

 

???「ちょっと、押さないでよ・・・・・って、きゃぁぁぁ」

 

ドカドカドカドカ

 

一刀「な、何だ?」

 

雪蓮「いたたたた・・・・・。もうだから押さないでって言ったのに」

 

蓮華「ね、姉さま!?それにみんなも!?な、何してるの!?」

 

冥琳「申し訳ありません蓮華様。私はやめろと言ったのですが・・・・」

 

雪蓮「あーー!冥琳ずるい!冥琳だってけっこうノリノリだったのにぃ!ねぇ桃香?」

 

桃香「えぇ!?え〜と、よく憶えてないないなぁ〜」

 

雪蓮「ちょっと〜桃香まで!?じゃあ、祭!」

 

祭「儂もなんの事だか・・・・最近物忘れが多くての」

 

雪蓮「く〜こんな時ばっかり年よ・・・・なんでも無いわよ〜。・・・・・・(すがるような目)」

 

沙和「さ、沙和も〜何のことだかさっぱりなの〜」

 

真桜「うちも右に同じ」

 

雪蓮「う〜、みんなして私をいぢめて〜」

 

一刀「それで、雪蓮たちは何やってたの?って覗いてたんだよな・・・・」

 

雪蓮「うう〜。結果的にはそうなったけど、最初は違かったのよ」

 

一刀「と、言うと?」

 

雪蓮「最初はただ一刀の部屋に遊びに行くつもりだったのよ。その途中で冥琳と会って『一緒に行かない?』って誘って二人で部屋の近くまで来た所で蓮華が入っていくのが見えて、面白そうだからちょっと覗いてみたのよ」

 

一刀「結局面白がってんじゃん!」

 

雪蓮「それは悪かったわよ。で、覗いていたら他のみんなも集まってきて今に至るってわけ。それで?二人は一体何の話をしていたの?声までは聞こえなかったのよねぇ」

 

一刀「そんな期待した目で見られても何にも無いよ。ただ、これからどうしていこうって話しを・・・・・」

 

雪蓮「それであんな事になるの?」

 

一刀「いや、それは・・・・場の雰囲気っていうかなんと言うか・・・・・」

 

雪蓮「まぁ、そう言う事にしといてあげるわ。で?これからって言っても具体的な内容は?」

 

一刀「ああ、みんながどうしたら効率良くこっちの文字を覚えてくれるかなぁとか、寮の外のことはどうしようとか」

 

冥琳「それで、何か妙案は浮かんだのか?」

 

一刀「まぁ、一応。と言っても前みたいにまず誰かに教えて手分けしてって感じなんだけどね」

 

冥琳「まぁ、それが一番だろうな・・・・・で、そこまで決めていて何になやんでいるのだお前は」

 

一刀「うん。誰にどう手伝ってもらうかをさ・・・・やっぱり軍師のみんなばかりにやってもらうのはどうかと思ってさ」

 

冥琳「では、今北郷の考えていることを出来るだけ具体的かつわかりやすく教えてくれ。そうすれば誰が適任か助言することができるかもしれん」

 

一刀「いいのか?」

 

冥琳「何を言っている。この世界で私たちは無力に等しいが、何もできないわけでは無いのだぞ」

 

雪蓮「そうよ一刀。一人で抱え込むのはあまり良く無いわよ?」

 

蓮華「姉さまたちの言う通りよ。さっきも言ったけど、私にできることがあるのなら何でもするから言ってほしい」

 

桃香「うん!私も!」

 

沙和「沙和もなの!」

 

真桜「うちもやで隊長!」

 

一刀「みんな、ありがとう」

 

そんなこんなで俺は今自分が考えていたことを話し、みんなからの意見をもらい計画を練り直し、人選をしていった。

-2ページ-

相談をしてから二日後。

 

俺が考えた計画はこうだ。まぁ、計画と言っても道具の使い方を教えたときのように先生役をできような人にまず教えて、教えるのを手伝ってもらう。これを今回は二班に分れてやるというだけだ。今回は文字班と外出班に分れた。

 

文字班は、俺が作ったひらがなとカタカナの表でまずそこから憶えてもらうこと。これならほぼ全員一斉にできる・・・・と思う。

 

外出班は、主に交通ルールや外での常識や雰囲気を覚えてもらう。ちなみに目的地は銀行と本屋と酒屋。銀行では当たり前だがお金を下ろす。通帳は貰っていたが現金は無いのだ。本屋では今後みんなに使ってもらうドリルを購入する。そして酒屋では文字班の酒豪たちに献上する酒を買う。この酒は見張り役をやって貰うための報酬と外に出ることを我慢してもらうための賄賂的役割を担っているのだ!

 

外出班のメンバーは蜀から雛里と紫苑と愛紗、魏から華琳と風、呉から蓮華、冥琳の俺を入れた計八名。選出理由は後からでもちゃんと文字班に追いつけそうな人。余計なトラブルを起こさなそうな人ということを考えた結果である。

 

華琳「それで一刀。まずはどこへ向かうのかしら?」

 

一刀「まずは銀行に行ってお金を下ろさないと」

 

華琳「銀行?」

 

一刀「銀行はお金を預けておくところなんだ。例のごとく詳しくは説明できないから詳しくはウェブで」

 

華琳「うぇぶ?」

 

一刀「いやいや、気にしないで!とにかくまずは銀行に向かう。で、その道すがら色々説明していくよ」

 

華琳「できる限り。でしょ?」

 

一刀「はい。すいません」

 

 

・・・・・街へ移動中・・・・・

 

雛里「あわわ〜、私たちの住んでいる所もすごいと思いましたけど、外はもっとすごいですね〜」

 

愛紗「ああ、まったくだ。こんなにも高い建物がこのように建っているなど・・・・」

 

こんな感じにみんなとても驚いていた。俺からしたら城のほうが驚きなんだけどな。

 

ちなみにここに来るまではこんな感じだ。

 

冥琳「北郷。あれが車と言うやつか?」

 

一刀「そうだよ。と言っても俺はまだ運転できないけどな」

 

愛紗「では、あちらの巨大なやつも車なのですか?」

 

一刀「うん。車のバスっていう種類の車だよ。一般的に走っているのは自家用車かな。・・・・ああ、あの二輪のバイクってやつなら俺でも運転できるぞ」

 

華琳「あら、そうなの?」

 

一刀「バイク自体は持って無いけど、免許は持ってるから。バイクがあれば乗れるよ」

 

聖フランチェスカは生徒の自主性を重視しているため、完全自己責任ということなら大抵のことは許されている。

 

蓮華「あんなに速いもの乗れるなんて・・・・・馬はあまりうまくなかったのにね、ふふ」

 

一刀「うう。ほっといてよ。それで、あれは絶対に覚えてほしいんだ」

 

紫苑「あれは・・・なんでしょう?赤くなったときに止まって、青くなったときに進んでいるようですけど・・・」

 

一刀「あれは信号機。紫苑の言った通り赤くなったときに止まって、青くなったときに進むんだ。基本的にあれを見ていれば大丈夫なんだけど、無い所とかもあるから気をつけて」

 

っと、そんな話しをしている間に銀行についた。

 

一刀「じゃあちょっとお金下ろしてくるから待ってて。すぐ戻ってくるから」

 

数分後・・・・

 

とりあえず十万円下ろした。おお、こんな大金持ち歩いたことないからめちゃくちゃ緊張するなぁ。

 

蓮華「それで、一刀。次はどこに行くの?」

 

一刀「あっちのほうに大きな本屋があるから、そこで文字の勉強用の教材を買いに行く」

 

次に目指す本屋は駅前に最近できたショッピングモールの中にある大型書店だ。

 

冥琳「ほう。そう言った書物も売っているのだな」

 

一刀「他にも色々売ってるよ。大抵の本ならそこで買えると思う」

 

冥琳「それでは穏は連れて行けないな」

 

一刀「はは・・・そうだね。やめておいた方がいいかもな」

-3ページ-

銀行から駅前まではそんなに距離が無いのであっという間に着いた。それにしても駅前ともなるとやっぱり人が多いな。それにさっきから気になっているけど、なんだかやたら人の視線を感じるな。

 

男1「なぁあそこの金髪の巻き髪の子可愛くね?」

 

男2「いや、あっちの黒髪の知的美人のほうがいいだろ」

 

男3「てか、全員レベル高すぎだろ」

 

ああ、そうか。あっちでは結構知っている人が多かったから注目されたりはしてたけど、こっちではただ単に可愛いかったり美人だったりするだけで注目を集めるんだな。そして俺に集まるのは・・・・・

 

男たち『誰だあの男は・・・・』

 

今にも刺し殺されかねない鋭い視線を受けている。本気で胃に穴が開きそうだ。

 

蓮華「どうしたの一刀。なんか変な汗が出てるわよ」

 

愛紗「どこかで一休みしますか?」

 

一刀「いや大丈夫大丈夫」

 

まぁ数え役萬☆姉妹のおかげで多少は慣れているからな。

 

そんなことがありながらもなんとか本屋に着いた。

 

雛里「あわわ〜。本当にすごい数の本です〜」

 

冥琳「これは本当に穏は連れてこれんな」

 

一刀「ははは、それでどうする?少し見て回ってみる?」

 

冥琳「いや、まだ私たちには見ても何か分からないからな。目的の物を手早く手に入れよう」

 

一刀「そうか。あ、そうだ。絵本とかも買って行くか」

 

蓮華「絵本?どうして?」

 

一刀「前に冥琳が読んで勉強するのにいいって言ってくれて、俺もそうしていたからいいんじゃないかって思って」

 

冥琳「そうだったな。ふふ、あの時とはすっかり立場が逆になってしまったな」

 

一刀「そうだな。え〜と絵本はどこかな?」

 

風「あっちの方ではないですか?」

 

一刀「あ、本当だ」

 

華琳「まったく、一番詳しいあなたが案内されてどうするのよ」

 

一刀「仕方ないだろ。ここ最近できたばっかりであんまり来たことないし、絵本なんて普段は読まないし。とにかく、みんななんか気になったり面白そうなの持ってきてよ」

 

それからしばらく絵本探しをして、それを終えると次は学習用の本のコーナーにきた。文字とかなら俺でも何とかできるが、やはり算数などはちゃんとした問題や解説があったほうがいいだろう。いや〜それにしても絵本を選んでいる雛里と風はなかなか可愛いかったなぁ。

 

一刀「とりあえずこの辺のでいいかな?」

 

風「お兄さん、この辺りの本は何ですか?」

 

一刀「この辺のは当初の目的の勉強に使う本だよ」

 

蓮華「勉強は一刀が見てくれるんじゃないの?」

 

一刀「できる限りはやるけど、やっぱり問題があったほうがいいかなぁって思ってさ。さてこんくらいでいいかな」

 

何冊か選んでレジへ向かって行く途中である本が目に入った。

 

一刀「あ、これも買っていこう」

 

愛紗「それは何のですか?」

 

紫苑「料理の本のようですね」

 

一刀「うん。さすがに料理は教えられないから、こんなのがあるって流琉の参考になるかなって思って」

 

華琳「確かにそうね。そうすれば流琉の勉強に対する意欲が沸くだろうしね。私も参考にさせてもらうわ」

 

一刀「おお、それはかなり期待できるな」

 

蓮華「!?わ、私も参考にするわ!」

 

愛紗「わ、私も!」

 

一刀「お、おう・・・」

 

どうしたんだ二人は?

 

一刀「じゃあ会計してくるよ」

 

そう言ってレジで会計をすると今までどころかこの書店史上最も高額の金額を出したんじゃないかと言う値段になった。まぁあれだけ買えばな。

-4ページ-

一刀「結構な大荷物になったな・・・」

 

買った本は店員の人に分けて入れてもらい半分くらいを愛紗が、残りの半分をみんなで持っている。

 

冥琳「あとは酒屋だけか?」

 

一刀「そうだけど、その前にまずどっかで休憩がてらお昼食べようよ」

 

華琳「確かに少し疲れたわね」

 

愛紗「そうですね。そろそろ昼食の頃合でもあるでしょうし」

 

一刀「そうでしょ?それでどんなのがいい?」

 

風「どんなのと聞かれましても〜」

 

一刀「だよね〜」

 

華琳「それじゃあ一刀。昨日テレビで見たのだけれど、ハンバーグというものを食べてみたいわ」

 

一刀「俺はいいけどみんなはそれでいい?」

 

風「特に意見は出せないので、風はそれでいいですよ〜」

 

紫苑「私も構いませんわ」

 

他のみんなも同じ意見だったので昼食はハンバーグになった。

 

店に到着し席に着きメニューを見た。しかし、みんなは内容が分かっていないが写真があったおかげこれにしてみようという感じで決まっていった。しかし、注文したものが運ばれてきたが問題が発生した。それは・・・

 

蓮華「これは、どう使ったらいいのかしら?」

 

最初に蓮華の注文が運ばれてきたがフォークとナイフの使い方がわからないのだ。これまではずっと箸を使うような料理ばっかりを作ってもらっていたのでフォークとナイフを使ったことが無いのだ。

 

一刀「ああ、そっか。まだ使ったことなかったよな。こっちの刃物みたいな形をしたほうがナイフで、三又になっているのがフォークって言うんだ。こうフォークで抑えて、ナイフで切る。こうやって使うんだよ」

 

俺は蓮華の手を取りながら押してあげた。すると蓮華はその間ずっと顔が赤くなっていた。俺なんか赤くなるようなことしたか?それにみんなに睨まれている。

 

一刀「蓮華?」

 

蓮華「ふぇ?あ、ああ。ありがとう一刀。わかったわ」

 

そう言うと蓮華は食べ始めた。まだちょっとぎこちなかったがちゃんと使えている。これが春蘭とかだったら『そんな面倒なことしていられるかぁ!』とか言って、フォークで串刺しにして食べそうだなぁ。

 

それから次に運ばれてきた華琳に・・・・

 

華琳「一刀、私にもこれの使い方を私にも教えなさい」

 

一刀「え?でも今見てただろ?華琳ならそれだけで十分なんじゃ・・・・」

 

華琳「い・い・か・ら・お・し・え・な・さ・い」

 

す、すごい形相で抓られた。

 

一刀「いててててて、わかった。わかったからやめてくれ〜」

 

それから華琳にも蓮華と同じように教えた。その後もみんなが教えてくれと言ってきて一人一人教えた。

-5ページ-

一刀「どうだった?」

 

食べ終えて店から出て、初めての洋食の感想を聞いてみた。

 

華琳「ええ、なかなか良かったわ」

 

愛紗「はい。私も結構気に入りました」

 

風「風としてはもう少しくらい少なくても良かったと思うのですよ〜」

 

等などさまざまな意見があったが、全体的には気に入ってもらえたようでよかった。

 

一刀「じゃあ最後の酒屋に行こうか」

 

・・・・・酒屋へ移動中・・・・・

 

華琳「へぇずいんぶといろんな種類があるのね」

 

蓮華「本当。目移りしてしまうわね」

 

一刀「ここはこの辺りだと一番大きいから種類も色々あるんだよ。さて、こっちの酒がいいとか言っていたけど・・・・まあぁ適当に買って行けばいいか。あ、そうだ紫苑。会計は紫苑が行ってきてくれないかな?」

 

紫苑「それは構いませんが、何故ですか?」

 

一刀「この世界の法律で二十歳未満は飲酒したり買ったりできないんだよ」

 

ん?なんか紫苑の表情が少しおかしいぞ?笑っているのに笑っていないという矛盾な表現がピッタリだ。

 

紫苑「それは、私が年を取って見えるからということでしょうか?」

 

一刀「ち、ちちち違うよ!ほら!紫苑は一番大人っぽいから疑われたりしないと思って・・・」

 

紫苑「ああ、そういうことでしたか♪私ったらすっかり勘違いをしてしまいましたわ」

 

一刀「そ、そう。分かってくれたなら良かったよ・・・・(汗)」

 

冥琳「北郷。お前もなかなか苦労しているようだな」

 

一刀「う、うん・・・」

 

今俺の肩に乗っている手がとても頼もしい。いや本当。マジで。

 

そんなちょっとした騒動があったがなんとかおみや・・・・・貢物を購入できた。

 

一刀「それじゃあ、目的のものは買えたし戻ろうか」

-6ページ-

寮への帰り道、突然俺の携帯が鳴った。

 

ピピピピ、ピピピピ

 

一刀「ん?誰だろう?もしもし」

 

華琳「あれが携帯電話というもののよね」

 

風「そうですね〜。電話は使ってみましたが、あれにも驚きですよ〜」

 

蓮華「でも、誰からなのかしら?」

 

一刀「ああ、母さん」

 

蓮華「か、一刀の・・・・」

 

愛紗「お母様・・・・」

 

一刀母「一刀、もうすぐ夏休みでしょ?いつ頃帰ってくるの?」

 

一刀「ああ、え〜と。今回は帰れないかも知れないんだ・・・」

 

一刀母「あら?剣道部が忙しいの?」

 

一刀「いや〜まぁ、そうであるようなないような・・・・」

 

一刀母「ふう、わかったわ。予定がちゃんと決まったら連絡をちょうだい」

 

一刀「わ、わかった」

 

一刀母「それじゃね」

 

ツーツーツー

 

蓮華「一刀、今の電話って・・・・」

 

一刀「ああ、おれの母親だよ。夏はいつ頃帰ってくるんだ?って」

 

華琳「一刀の実家ってここから遠いのかしら?」

 

一刀「うん。九州のほうだからね。結構遠いよ」

 

蓮華「ごめんなさい。一刀」

 

一刀「え?何で謝るの?」

 

蓮華「だって、私たちのせいでご実家のほうへ帰れないんでしょ?」

 

一刀「いや、そんなことは・・・・」

 

華琳「ないと言い切れるの?」

 

一刀「・・・・・・・」

 

華琳「だから、私も謝るわ。ごめんなさい。一刀」

 

愛紗「申し訳ありません。ご主人様」

 

みんなが口々に謝罪の言葉を述べ、頭を下げた。もうここは学校の敷地内だから人は殆どいないが、やっぱりこういうことをされるのはちょっと嫌だ。このことに関しては別に誰も悪い奴なんていないのに。でもみんなはそう思ってしまう。だったら俺がすることは一つだ。

 

一刀「じゃあさ、みんなで行こうか?」

 

蓮華「え?ど、どこに?」

 

一刀「どこって、話の流れからして俺の実家だよ」

 

愛紗「ですが・・・・」

 

一刀「あの大人数で行くのは難しいけど、無理ってわけじゃないし。俺のためにみんながそんな顔なっちゃうのは嫌だからさ。だからみんなで行こう。・・・・・まぁ行けるかどうかは分からないけど、最善は尽くすよ」

 

 

 

こうして俺はみんなを俺の実家に連れて行くことを決意した。したけどちゃんと行けるかは正直怪しい。でもまぁなんとかなるか!

 

ちなみに・・・寮に帰宅すると殆どのものが軽くグロッキーな状態になっていた。しかし、軍師勢はケロッとしていてなおかつ完璧に覚えていた。さすがだなぁ。そしてチーム酒飲みは貢物が到着したとあって不死鳥のごとき復活を遂げた。

 

 

説明
今回は一刀と数名が外へ行く話しです。

自分に色々な知識があればもっと色々書けたりするのになぁなんて思いながら書きました。

コメント大歓迎です!
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
9951 7354 65
コメント
楽しいなぁ♪(readman )
現代に降臨した恋姫達・・・そら目を引きつけまくるわな^^;一刀の母親に反応したところが可愛かったかなとw(深緑)
いいねぇハーレム(COMBAT02)
続きはwebで、ですね。(行当張)
ってことは、お爺さんの猛特訓という名のしごきと看病イベントですね?(U_1)
・・・・華雄などはいずこに・・・?(りばーす)
武将組はきっと夏休みギリギリまでかかるんでしょうね(悠なるかな)
つ、つまり「お婿さんを下さい!」ですね!分かります!(よしお)
現代版。面白いです。次も期待してます。(のん)
なんという集団婚前挨拶フラグ!にやにやするぞー! ↓スターダスト様、この場合おそらく祖父殿のほうにどえらいことさせられるような気が・・・ そしてやっぱり紫苑はこんな扱いww 見た目的には冥琳も20前後には見えますよねぇ・・・雪蓮?・・・ニート?w(よーぜふ)
ファミレスでナイフとフォークの使い方を教えるってすっげwwwはずいなwwwww ・・・全員連れて行くって・・・親にいじられるの明白だな;;いやこの女たらし!って親父に締められるか(ーー;)(スターダスト)
1から読んできました。この展開は期待ですw (gypsophila)
実家挨拶フラグが立った!これは楽しみにせざるを得ない!w(kurei)
更新乙です♪さて、これから一刀達は無事にひらがなカタカナを覚えさせることが出来るのだろうか!?(東方武神)
タグ
真・恋姫無双    一刀 

オトナシさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。


携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com