真恋姫無双 美陽攻略戦 第二十五ターン
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美陽攻略戦

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           (はじめに)

 

            読者に優しくない文章とのご指摘から、自然に優しい

 

            エコな文章にしましたら枚数が激減しました……

 

 

 

 

 

 

 

          

 

 

 

 

 

 

                  

 

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第25ターン

 

 

 

                      一刀は夢を見ていた。

 

         白い道衣を身にまとい、腰には法鞭と呼ばれる龍を象った腰帯を巻いた青年

 

                    そして、その人物と話す自分。

 

 

               ……魏公、そうすれば俺が元の世界に戻れるのだな。

 

 

           然り、この外史において正史に近いほど汝のいた世界に戻ることが出来る。

                  しかし、それには多数の贄が必要になる。

                      そう、多数の生贄がな……

 

 

 

            青年の言葉は俺に甘く、そして猛烈に望郷心をかりたてる毒を吐いた。

 

         そこにいる俺はこの訳のわからない世界から抜け出したい様子で色々と思案していた。

 

 

                  そして、何かを決断したかのように言った。

 

 

               ……魏公に従おう。そして俺を元の世界に返してくれ。

 

 

            夢を見ている一刀は魏公のこれ程邪悪な顔は今まで見たことが無かった。

 

 

(……ア……)

 

 

(……アンタ、……)

 

 

(……アンタ、……チョットあんた……)

 

 

                        「痛い……」

 

 

 

目が覚めた一刀は馬乗りになっている詠に容赦のない拳を何度も受けて現実に引き戻された。

 

 

 

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                 総大将 張温将軍が陣頭する後曲部隊

 

 

先の敵からの強襲が去り、先行していた前線指揮官達が後方に続々と集結し

方陣を布陣して再度の強襲に警戒をしていた。

その方陣の内ではこの初戦で負傷したものの手当てやまだ息のある敵兵を殺す

などをして兵は事後処理を始めていた。

 

 

春蘭は馬を近くにいた随臣に渡し、この部隊を率いる総大将 張温将軍の行方を捜した。

 

 

周囲を春蘭の身辺を守る随従の黒衣兵と共に見回していると太った男が小走りで迫ってきた。

 

 

                   「おおっ、貴公 貴公はどこの上大夫だ」

 

 

張温将軍は身の危険がなくなり新たに現れた『夏候』の旗印を持つ一団を喜怒を顕わに歓迎した。

春蘭が聞くに、この壮年の男は今の総大将、車騎将軍の地位を金で買っただけで能力があって朝廷

から将軍の位を賜ったわけではないとのもっぱらのウワサだった。

 

だが、こうして本人に直接合い見えて そのウワサの信憑性に確信が持てた。

 

 

この男は春蘭の思い描くような将軍像とはかけ離れており、人の後ろに隠れピーチク騒ぐ輩だと直感した。

春蘭達のように己の武に誇りを持つものから見れば普段なら冷笑を浴びせるてやる輩だった。

しかし、今回の件は華琳様からの命で駆け散じたが、

これではホンゴウや桂花といった油断のならない新参者の方が百倍、いや一億倍マシに思えてくる。

 

 

 

 

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春蘭はこの男を斬りつけ、即刻帰りたい衝動を抑えながら宮中儀礼にのっとった礼を行った。

 

「上将に拝謁申し上げます。

  臣(しん)は華琳様……じゃなかった。曹騎都尉の裨将(副将)、夏侯元譲と申す。

   主命により駆け散じました」

 

そう言って春蘭は懐から華琳が書いた紫の紐で結ばれた一巻の木簡を恭しく差し出した。

 

「曹騎都尉……皇族に罪を着せ杖罪(じようざい)にした。あの曹孟徳か?」

「はぁー まあそうなっておりますが」

 

すると張温は顔色を赤くして怒鳴るように言った。

「朝廷から兵権を預かる余に、騎都尉の副将風情が何ようで参った」

 

                        

                         斬ろうかな。

 

春蘭は一瞬思ったことを押え華琳から言われたとおりに言った。

 

「上将、臣が上将の元に駆け散じた理由は

  我が主(あるじ)、 曹孟徳からの書簡にありますゆえ御覧ください」

 

張温は配下の者から乱暴に春蘭が持参した書簡を奪い取る様にして読んだ。

最初は顔を赤くして読んでいた張温であったが読み進むにつれ喜顔になり、

読み終えた時には張温の態度は豹変し先程とは打って変わって

春蘭の労をねぎらうぐらいに上機嫌になった。

 

「あいわかった。

  曹孟徳殿の計らいにより貴様を余の身辺を守る侍従(じじゅう)にいたそう」

 

 

 

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                         ヘッ!?

 

春蘭は張温の発言により驚愕を顕(あら)わにした。

 

「上将、それはどういうことなのでしょうか」

「ふむ、曹孟徳殿からの書簡では我が陣営にて活躍したく

       貴様をその末席に入れてくださいとのことだ」

 

張温は春蘭を値踏みするように見て、

先程の活躍をから各別部司馬を権勢するため道具として色々と思索しているようであった。

 

「張車騎将軍、

 このような得体の知れない烏合の衆を陣内に入れるのは、

  この軍の参軍(軍事参謀)である私は関心いたしかねます」

 

「誰だ!得たいの知れない烏合の衆と……桂花?」

 

その声のする方を春蘭が見るとネコミミの頭巾を被った不機嫌そうな顔をした少女が

何時の間にか張温の横に立ったいた。

 

「アンタ、バーカ? 

 無作法にも公衆の面前で我が姉の真名を唱えるなど……言葉を慎みなさい。

  私が名は荀友若。朝廷から派遣されたこの軍の参軍よ。

   それより張上将、行軍中に現れた野蛮人共の襲来と合わせたように出現した 

    この者達ですが賊軍の間者とも限りません」

 

 

 

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荀ェ(じゅんしん)の話を聞いた春蘭の怒りは怒髪 天を衝(つ)いた。

 

「キサマ、ワタシが敵の間者だとでも言うのか? 返答次第では容赦しないぞ」

 

春蘭の将兵を震えあがらせる眼に臆することなく、荀ェは腕を組み相手を説教するように語り出した。

 

「そもさん、1つ野蛮人共が敗走したとき何故追撃しなかったのか。

      2つ洛陽を守る騎都尉風情が何故この戦に参戦したがっているのか。

                             ほらほらアンタ、答えられる?」

 

 

「にゃ、にゃぬ。

  そんなの敵が敗走したのに追撃してもムダな労力じゃないか。

    それに華琳様がワタシを従軍させる理由なんか―…… そんなの知るか!!」

 

 

これを聞いた荀ェは勝ち誇るように張温に言った。

「馬脚をあらわしたね。

  張上将、これでお分かりでしょう。

   この者達を身辺に置くのは余りにも無用心、即刻放逐すべきです」

 

「し、しかし荀参軍も見たであろう。

  この者たちの武勇を……

 それにこの者達の主である曹孟徳殿の滅私奉公を無下にするべきではないとワシは思うのだが

                                   ……どうだろうか」

 

 

張温は先程の春蘭の武を目の当たりにしたことから

 これ程の豪の者を放逐するのは惜しく荀ェの諌言に迷いがあった。

総大将の迷い、自分の手足となり大きな武功を立てる切り札が張温の直属の配下はいないことから

 この者たちを召し抱えたいという野心が伺えられた。

 

馬鹿な総大将は操りやすいと思ったが、

身の丈を超えた野心をもつバカ犬はやっぱバカ犬にすぎなかったか……

 

「それでは張上将のお決めになったならば、私はそれに従います」

 

荀ェは張温にこれ以上諌言してもムダと悟ると踵を返しその場をさった。

 

 

 

 

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                  「ちょっと一枝いる!一枝――!」

 

 

荀ェ(じゅんしん)はわめき散らかしながら

先程自分が言った公衆の面前で真名を呼ぶことは礼儀作法に反するということを

棚に上げ、隊列を組む兵を駆け分けながら沮授を探していた。

 

 

朝廷から前参軍(軍事参謀)が突然更迭され、

新たに派遣された荀ェ(じゅんしん)という名の少女が参軍として送られてきた。

このいきなりの更迭人事の後任には朝廷に多くの官僚を出した名門荀氏が着任すると聞き

高級将校の誰もが朝廷の権謀であると悟りこのことには日和見になっていた。

 

しかし気骨のある前線指揮官から反発があったが荀ェは袁家の財力をもってそれらを懐柔し

それでも納得できない者はご先祖の荀子が宿敵の孟子を抹殺すべく編み出したという

 

                  『荀子秘伝の性悪(しょうわる)落とし穴』

 

で戦場に出れないほど再起不能にし軍を掌握したのであった。

 

このようなことから、新参の荀参軍に係ると謎の力で末代まで災難にあう等のウワサが

兵士達にまことしあかに語られているので将兵の誰が目を合わせないようにしていた。

 

そんななか沮授(そじゅ)はただでさえ目つきが悪いのを眉間に皺を寄せて

人のことを犬を呼ぶように呼ぶ荀ェのもとに駆け寄った。

 

 

 

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「ハイハイ桂林小姐(ねえちゃん)、今度はどうしたんだい」

 

「あのバカ総大将、ホントにどうしてくれようかしら…………うふふふ?」 

これを聞いた沮授はため息をつき荀ェがこれ程激怒しているか理由を聞いた。

当初、荀ェは馬が合わない張温将軍とのまた些細なことで騒ぎ出しているものと軽く考えていた。

しかし、荀ェの話が進むにつれて沮授は眉間に皺を寄せて考え出しいた。

 

 

「チョット一枝、アンタただでさえ目つきが悪いのにそんな顔していたらますます悪くなるわよ」

しかし、沮授は荀ェに返事をせず今の話を噛み締めるように熟慮していた。

 

「コラー!一枝、私の話を聞け―――!!」

無視された荀ェは少し背の低い沮授のコメカミを両拳でグリグリと押した。

 

                     痛い! いたたたたた・・

 

涙目になった沮授は無視されて物凄く不機嫌な顔をしている荀ェの魔の手を逃れ両手でコメカミをおさえた。

 

「何するんだい。桂林小姐、痛いじゃないか」

「さあ、一枝今考えていたことを洗いざらい白状しなさい」

「桂林小姐、横暴だ」

「うっ、うるさいわね。アンタのモノは私のモノ、私のモノは私のモノなのよ」

これ以上話を続けると無駄な議論を延々と聞かされると考えた沮授は諦めて懐から一冊の紙の書簡を取り出した。

 

「先ほど早馬で送られてきた。東に行った田豊様からの書簡だよ」

その書簡を見て荀ェは驚きを顕わにした。

本来定期連絡程度ならば木簡や竹簡が送られるものである。

しかし、今回は紙に細かい文字がびっしりと書かれていたのであった。

そもそも、墨で紙に書くことは誤字や書き損じた場合には修正がきかない。

しかし、木簡や竹簡では誤字等のあった部分をその部分を削ればいいことから利便性が高い。

だか今回は木簡等の利便性より紙のかさばらないという利便性を重視して送られてきた。

 

 

 

                 これはただ事ではないことを意味している。

 

 

そう考えて、神妙な顔で荀ェは沮授から書簡を受け取り読みふけた。

 

 

 

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(あとがき)

 

 

 

 

 

       はじめまして、この度は 真恋姫無双 美陽攻略戦 第二十五ターン

 

       をご覧になって頂きましてありがとうございました。

 

        夏恋姫祭りに参加してから本編を書くまで随分と時間が空いてしまいました。

       その間に金髪のグゥレイトゥ!様にはイラストを描いて頂きまして本当にありが

       とうございました。

        

         何かこの話はNPCがメインな感じで恋姫キャラが活躍していないような…

        まあ、この美陽攻略では恋姫キャラもNPCも均等に出す予定ですのでその辺

        はご勘弁してください。

       

        面白いのかどうかわかりませんので何か感想等のコメントを頂けたら

       大変ありがたいです。

 

 

       最後まで、本編を読んで頂きまして大変ありがとうございました。

 

 

 

説明
第25回目の投稿です。
読みにくい点やあやしいニホン語があるかもしれませんが、宜しくお願い致します。

今後の参考に致しますので感想・コメントを宜しくお願い致します。
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コメント
>jackry様コメントありがとうございます。やはり荀家一族は落とし穴のエキスパートでないとww(thule)
>ヒトヤ様コメントありがとうございます。タイトル(美陽攻略戦)のとおり1つの戦に着目したお話ですので・・・ホントに困ったものです。( ´・ω・`)(thule)
しっかし一つの戦の話に25話以上使う作品もこれくらいなもんでしょうねW(ヒトヤ)
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三国志 真恋姫無双 恋姫無双 春蘭 荀ェ 沮授 張温 一刀 

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