機動戦士ガンダム サイド アナライズ ストーリー 第三話ver3.0
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機動戦士ガンダム サイド アナライズ ストーリー

第三話 恐怖!! 機動ガンダム遭遇戦

 

1.恐怖!! 機動ガンダム遭遇戦

 

 ゲルググとギャンの視察を終えた回収分析班はポイント XXX―0―L12を

後にした。

 現在、木馬を追跡中のシャア少佐の後を追うためにハーミットを地球方面に向けて

急行させる。

 開発基地から研修として同行している少女チェーン・アギは、地球連邦の民間人で厳密に

言うと微妙な立場になるのだけれど、所属がアナハイムというグレーゾーンに立っているので、

戦争前に別れたミラン・アギ操舵長とも親族として、機会があれば今回のように比較的自由に

交流ができる状態だ。もっとも七歳の女の子を敵扱いするような奴はソーテルヌ少将の

((薫陶|くんとう))が効いた回収分析班にはいない。

「ミラン操舵長、前方のミノフスキー粒子の散布濃度はどんな感じだ?」

 ハーミットの艦橋で前方から後方へ高速で流れる星をにらみながら尋ねた。

 

 ここでミノフスキー粒子について少し解説しておこう。

 ミノフスキー粒子とは、後に地球連邦に亡命したジオンの科学者ミノフスキー博士が

発見した人畜無害の特殊な粒子で、モビルスーツや高出力の乗り物に使われている常温核融合

エンジンの制御を初め、艦船に反重力効果を発生させて、大気圏内で飛行船のように浮かすことが

できるミノフスキークラフト効果や散布すると強力なレーダー妨害効果が発生するという宇宙世紀

最大の発見だ。

 特にミノフスキー粒子の一番やっかいなのは、レーダー妨害のために戦場で大量に撒かれると、

敵味方関わらずレーダーが使い物にならなくなってしまう点で、これのおかげでレーダーに

頼らないセンサー類(一例を挙げるとカメラなどに使う光学センサーなど)を使うか、人間の

眼による有視界戦闘しかできなくなってしまった。

 

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 レーダーに頼って遠距離攻撃からの命中率が100%だったミサイル類が一切使えなくなり、

代わって人間操縦の接近戦用モビルスーツ ザクが劇的な決戦兵器になれたのもミノフスキー

粒子が存在した為だ。

 あと木馬やザンジバルなど、大気圏内航行も可能なタイプの艦船は推進エンジンや

艦底から発生して吹き出す濃密なミノフスキー粒子のミノフスキークラフト効果が

自然のバリアになる。

 攻撃の際には、ビーム兵器や実弾兵器の弾道が歪まされて非常に当たりづらくなるので、

ベテランは無駄弾を避けるため、一見すると、当て易そうなエンジンや艦底は狙わないのが常だ。

 

 ミラン操舵長にミノフスキー粒子の散布濃度を尋ねたのは、船の操舵輪の前に取り付けられた

環境監視モニターでミノフスキー粒子の散布状況が一目で正確に判るからだ。

 散布濃度が薄ければ少しでもレーダーが使えて、広範囲に敵の艦艇が発見できる。

 こちらのレーダーが使えて相手を発見できるなら、当然敵のレーダーもこちらを発見している

わけだが、回収分析班は相手とは戦わず、一定間隔を保って遠距離から監視尾行するのが

基本なので発見されるのは別にかまわない。

 戦闘では勝ち目がないので、常に相手を先に発見して、尾行するか逃げるかできる様にして

おくのが鉄則なのだ。

 そのための高性能レーダーにはハーミットは大金をかけている。

 一応ハーミットには、敵のレーダーから逃れるための黒色のステルス塗装がされていて、

敵レーダーには小隕石ぐらいにしかみえないはずだが、昨今のよく訓練された優秀なレーダー

監視兵や解析コンピューターの前では、その効果も薄い。

 むしろ黒色という、宇宙に溶けこむ塗装色の方がよほどステルス効果がある位だ。  

「中佐、つい最近、この宙域で戦闘があったのかミノフスキー粒子が濃いです」

「目に付く星の数がさっきからやけに減ってきてるがこいつは……」

「((潜宙戦|せんちゅうせん))の跡に入っちゃったみたいね。ほら、煙幕ガスで窓から外が

何も見えなくなった」

 ((潜宙戦|せんちゅうせん))とは小艦隊が大艦隊に襲われた際に、小艦隊側がミノフスキー

粒子と煙幕を巻き、宇宙空間を星も見えない真の闇に変えて、逃げるか白兵戦にもちこむかして

少しでも戦闘を有利にしようとする戦術の一つだ。

 

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「視界ゼロなので、万が一の小惑星との衝突を防ぐため、ハーミットを警戒速度に

落とします。潜宙戦の煙幕の散布範囲から脱出するのに二十分程度かかる見込みですが

ソーテルヌ少将よろしいでしょうか?」

「いいわ。煙幕から抜け出しても、そのままシャア達の跡が追える進路に向けておいて

ちょうだい」

「了解しました」

 グオン!と一声エンジンが唸ると途端にハーミットは減速した。

 天井の大型スクリーンに表示されている重力メーターのバー表示が一気に上昇する。

 無重力の中に磁力靴で立っていなかったら、かなりの重力を受けていたかもしれない。

「おっ、さすが反応速度はピカイチだな」

「その分燃料消費もピカイチですけどね」

 操舵輪を握りながら苦笑するミラン操舵長。

 普段はミラン操舵長の立つ位置から、すぐ後方の床下に収納されている休憩用の

自動伸縮椅子を自分でひっぱり出してチェーンがちょこんと座り、連邦軍でも宇宙食として

普及している水色のペーストが注入された不味そうなチューブ食を飲んでいた。

「二十分も低速前進すると、シャア少佐の見せ場を見逃してしまうかもな」

 笑うソーテルヌ少将。

「いや、ここに至るまでの数回の小競り合いでシャア少佐の手を焼かせたりする、

あのガンダムの性能の凄さは恐れられていて、最近では前線の兵の間でも〈白い悪魔〉と

呼ばれていたりするそうですよ」

「白い悪魔か……、よく言ったものだ。まあ、あいつの恐ろしさは誰よりも私たちが

一番知ってるんだけどね」

「全くです」

 

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「さてと……」

 軍帽に仕込まれた小型の無線インカムを取り出してソーテルヌ少将は艦内放送を始めた。

「現在、我が艦は潜宙戦の煙幕に入り、低速巡航中です。二十分程度で通過できると思うけど、

煙幕通過後に支障がないよう各自持ち場の注意・警戒を怠らないように。以上」

 戦争前に地球連邦軍の監視下に置かれながら、輸送艦に偽装して秘密裏にモビルスーツ運用を

初めから考慮して建造された軽巡洋艦ムサイをベースに、改造を加えたのが僕らのハーミット

だけど、全長二百メートル程度の船に乗組員が六十名ほどで、物の搬送や清掃など軽作業は

艦内作業ロボットの補佐やコンピューターの自動制御で足りない人員を補っている。

少ない乗組員の内訳は三分の一が我々の本業の回収分析班で、ハーミット艦内にある

開発研究室や分析室で高速戦艦ザンジバルが一隻買えるぐらいの高性能機材の群れを相手に

作業に追われている。

 ノルマを達成して手が空いたメンバーはモビルスーツや船の整備をする。

 もう三分の一が医療室、調理室、武器管制室、機関室などの管理をする艦船運行班が

占めていて、最後の三分の一が、艦船の指揮をするソーテルヌ少将率いる((艦橋|ブリッジ))

メンバーの戦闘班だ。

 当然の話だが突発的な負傷や死亡で乗組員が不足した場合には、乗組員の回復か

補充が済むまで誰かが作業を兼任・代行するハメになる。

 ソーテルヌ少将が艦船指揮やモビルスーツの開発・パイロット、コックさんなどいろいろ

多才なのは、実は必要に迫られて多才になった面が大きい。

 ((長|おさ))である少将が出張らなければいけないほどの寒いお台所事情なので、当然部下の

僕らがどんな状態なのかは推して知るべしと言っておこう。

 実のところ外の宇宙空間で煙幕が巻かれようが、みんな艦内の仕事に追われていて

それどころじゃないというのが本音だ。

 おそらくソーテルヌ少将の艦内放送の反応は「言われんでもやってるよ」という適当で

無関心なものしか返ってこないに違いない。

 でもこれが非常事態になると、ソーテルヌ少将の一言一言が神のお告げになり真剣に聞くから、

みんな現金なものだ(笑)。

 

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「むうぅ〜〜っ、相変わらず馬耳東風なお馬鹿連中ねっ!!」

 監視カメラがあるわけじゃないのでブリッジから各作業班の連中の様子は見えないし、

顔を合わせて話をしてないから様子がわかる訳がないんだけど、面白いことに、不思議と顔を

合わせなくても上に立つ者には下の者が何をやっていてどんな状態か雰囲気で伝わってくるん

だよね(笑)。

「ったく、潜宙戦の煙幕は結構くせ者なのに!」

「たしかに黒一色で、敵も味方も機影が見えなくなって判らなくなる上に、レーダーが

使えなくて目印の星まで見えなくなるので、現在位置がほとんどつかめずに勘だけが頼りです。

ライトを点けずに真夜中の峠道を車で走ってるみたいで、すごく操縦が難しいです」

 いまいち緊張感のない艦内で一人、必死になって各センサー表示やモニターと前方をにらみ

ながら、前方から船体にぶつかってくる小惑星の衝撃を舵から感じ取り、微妙な舵取りをする

ミラン操舵長。

「ミランお姉ちゃん頑張って……」

「うん、チェーンありがと。お姉ちゃん頑張るよ」

 立場上、たえず心配性にさせられるソーテルヌ少将や僕らは、この二人を見ていると

気が和んで助かる。

「ソーテルヌさん、もう少しで二十分経つ……」

 僕たちのように自前の腕時計は持ってないようだが、正確な体内時計でも

持っているんだろうか、測ったようなタイミングでチェーンが水色のチューブ食を

握った右手で前方を指す。

 晴れ始める煙幕。

「そろそろか……、みんな気をつけろ!」

 周りの人間達にソーテルヌ少将は注意を促した。

 

 ウゥ〜〜、ウゥ〜〜、ウゥ〜〜

 

 突然、艦内に響き渡る非常警報のサイレン。

 めったに鳴らない警報に一瞬で艦内に緊張が走る。

「どうした、フルヤ伍長!?」

 ソーテルヌ少将といっしょにブリッジの後方でレーダー監視をしているフルヤ伍長を振り返る。

 壁面に設置されたレーダー観測盤を指さし慌てるフルヤ伍長。

「た、大変です!! 〈木馬〉が現れましたっ!! 木馬が本艦の危険警戒区域に入ってます!!

状況レッド!!」

 危険警戒区域で敵艦と遭遇して状況レッド……

 反転して敵前逃亡もできないほど接近しすぎてしまった状況。

 先手を仕掛けてなんらかの戦闘をしなければ生き延びられない最悪の状況。

「光学望遠最大!! 画像を天井モニターに回せ!!」

 ソーテルヌ少将の指示が飛ぶ。

 宇宙空間に羽の生えた白い馬の姿をした艦船が一隻、天井の大画面モニターに小さく写された。

「間違いない、木馬だ!」

 ブリッジに戦慄が走る。

 

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 木馬 ――――

 地球と月の間にある宇宙移民用スペースコロニー〈サイド7〉からシャア少佐の追撃を

((躱|かわ))しながら発進してきた地球連邦軍の強力な輸送艦……。

 いや、あの最新型はモビルスーツ運用を重視したムサイやザンジバルに匹敵する戦闘空母か

要塞攻略用の戦闘強襲艇だろう。火力や装甲がケタ外れだ。あいつが、ただの輸送艦のワケが

ないだろう。

 送られてきた対戦データを見る限り、まだ新型艦なので((船員|クルー))が艦船運用に

慣れていないのか、あまり上手に使われていない気がするけど、ジオンきっての戦闘のエース、

シャア艦隊を除いて立ち塞がった者は全て撃破してきた恐るべき連中だ。

 正直、木馬と一対一で戦っても主砲がなく、対宇宙戦闘機用の機関砲と熱追尾型

迎撃ミサイルしかないハーミットでは全く勝ち目はない。

 それに加えて木馬が、あのガンダムたち最強モビルスーツと連携プレーで向かって

きたら間違いなく明日の太陽は拝めない。

「く……、なんで出くわしたっ?!」

 ソーテルヌ少将の額に汗が浮かぶ。

 ここまで近づいたら、逃亡しようにも反転しかけて横を向いた瞬間に、被弾面積が大きく

なる側面を晒して長距離射程の木馬の主砲やメガ粒子砲の格好の餌食になる。 

 白旗をあげて降参する手もあるが、〈決戦兵器開発部・回収分析班〉であるこの船には、

地球連邦軍が涎を垂らして欲しがる機密情報や機材がてんこもりだ。

 ドズル中将からも「白旗をあげた場合は名誉の戦死である。機密保持のため自爆せよ」と

言いつかっている。

 つまり、事態がここまで最悪になったら、駄目もとで戦う以外、僕らが生き残る道は

もうないという事だ。

 問題はどうしたら良いのかということだが……

「広範囲に巻かれた煙幕の中で木馬を追っていた足の遅いシャア少佐のファルメル

(シャア専用ムサイ)が遅れて、足の速い木馬と足の速い私たちが揃ってガチ合って

しまったみたいです! すみません!」

 ミラン操舵長が謝る。

「あなたのせいじゃない、こいつは運が悪かったとしか言いようがないわ」

「しかし、ソーテルヌ少将どうしたものでしょう、あと三十分ほどで完全に木馬の

主砲の射程距離に入ります。そうなったら必ずガンダムも出してくるに違いありません」

 ソーテルヌ少将は目をつむり、腕を組んでしばらく考え込むと、ふいに目を開いて言った。

「う――ん、危険だけど、もうこの作戦しか思いつかないな――。ナガイちょっと耳貸して」

 耳を貸すとごにょごにょと相談を持ちかけてきた。

「ええっ!? 僕にシャア少佐のマネごとをやれと!?」

「うん。私はハッタリかまし役に回らないといけないから、実行役はあんたしかいないの。

あんたがカギなの」

 とんでもないプランを聞かされて迷っていると、少将は無線インカムで艦内放送を始めた。

 

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2.秘策ドラッグレース

 

「本艦はこれより木馬と三十分後に戦闘に入りますが、あなたたちが知っての通り

本艦にはロクな武装がありません。ガチンコ勝負ではかないません。ですので本艦は

ここで停止し、木馬に対してザクで特攻を仕掛けます。今回は〈特攻〉と

言っても特殊任務攻撃です。自爆させるつもりはありません。ですがパイロットが

ヘボだと特攻イコール自爆になりかねないので、我が回収分析班のエース(笑)で

あるところのナガイ中佐には大いに期待したいものです。できますよねっ♪」

 ウインクするソーテルヌ少将。

「この状況を切り抜けられるなら、自爆でも何でもしますがね」

「というわけで、みなさんには木馬がガンダムを出してきたとき、できる限り

持ちこたえるよう迎撃の準備をお願いします。整備班は後で指示を出しますので

ザクの緊急改造の準備と整備をして、いつでも出撃できるようにスタンバイして下さい。

実戦です。総員持ち場で全力を尽くして下さい。以上」

 さあ、実戦だ。正直後がないし、名案なんかあるわけがない。こうなったら

ソーテルヌ少将の指示になんでも従うしかない。

「ナガイ、確か、回収分析班にモビルアーマー〈ビグロ〉用の試作与圧服がいっぱい

あったでしょう、あれに着替えてスタンバイしといて」

「ビグロっていえば加速Gが物凄い、メチャクチャ速いヤツでしたよね」

「ザクであれ以上の加速をしてもらうから覚悟しといてね。詳しいことは((艦橋|ブリッジ))

から降りて、下のザク格納庫に着いてから説明するわ。

 チェーンちゃんも私についてらっしゃい。早速あなたのアドバイスが欲しいの」

「はい……」

 椅子から降りてトテトテと歩いて少将の横に付く。

 四分後、出撃準備が済んだ僕たちはザク格納庫にいた。

 ここに四機のザクが格納できて、船体前部に搭載している大気圏降下カプセル〈コムサイ〉

にも二機格納できるから、計六機のザクが格納されてあってしかるべきだが、戦闘はしない

はずだからと補給もされずハーミット一番艦には黒色に塗装された実験用ザクが二機と、

部品取り用のザクが一機しかない。

 コムサイに一機格納してあるので、格納庫には出撃可能なザクが一機しかない状況だ。

「寒い……」

 ポツーンと格納庫に一機だけ立っているザクを見つめてチェーンがつぶやいた。

「チェーンちゃん、学校で勉強してるだけじゃわからないでしょう、

どう? 実戦のこの空気」

「実戦って寒い……」

 うちの部隊が特に寒いだけなんだけどね。

 

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「じゃあ作戦の簡単な説明をするわね。ナガイはこれから木馬の((艦橋|ブリッジ))に

向かってザクの最大戦速で一直線に突進して、木馬のブリッジ横で私の指示があるまで待機。

 ガンダムが出撃する前に上手くやってよね。それだけ」

「ちょ、それだけって……、木馬のブリッジ直前って一番集中砲火される、弾幕が濃い

危険ゾーンじゃないですか」

「猛加速で振り切って((躱|かわ))して、ブリッジ横ですぐに急停止できれば集中砲火

されずに済むわよ」

「その猛加速と急停止ってどうやるんですかっ?!」

「シャア少佐がよくやるでしょう〈通常の三倍〉の加速ってヤツ。あれをやって欲しいと

いうか、超えて欲しいの」

「た、ただのザクで?! 無理ですよ、そんなのできるはずがない!! 大体あれは指揮官用に

高速改造されたザクで……」

「馬鹿ね、あれ普通のザクよ」

「えっ、ただのザク?!」

「そうよ。あんたまでジオン軍広報部の((宣伝活動|プロパガンダ))に載せられてどうすんのよ。

エンジンとかスラスターとか((推進燃料|プロペラント))とか見なさいよ。赤色の塗装色が

違うだけでみんな同じでしょう」

「言われてみれば……、でもデータでは本当にシャア少佐は〈通常の三倍〉の速度出して

ますよ」

「ますます馬鹿ね。ザクはね、限界まで性能を出し切れば設計上は〈通常の五倍〉まで速度を

出せるのよ。上手くやればガンダムだって超えられるわ」

「ウ、ウソでしょ……?! ザクってそんな優秀な機体だったんですか?!」

「違うわよ、パイロットが優秀なのよ。褒めるの癪に障るけどシャア少佐が優秀なの」

「パイロットの腕が優秀?!」

「そう。並のパイロットなら〈通常の三倍〉も速度を出したら通常の三倍でプロペラントが

減っていくから怖くて加速できない。三倍で加速すれば慣性の法則があるから、停止するの

だってスラスターの逆噴射ブレーキが必要で三倍プロペラントが減る。プロペラント

使い切って宇宙空間で立ち往生は怖いから、いきおい並のパイロットはみんなセーブして

アクセルを踏みきれないのよ。

後で回収してもらえる保証はないからね。シャア少佐は((作戦|ミッション))を短時間で

こなして帰還できる絶対の腕と自信があるからあんなマネができるの。それと地道に

プロペラント放出量を節約するプログラムディスクづくりの腕もいいのよ彼は」

「ていうことは、つまり……」

「そう、今回の作戦はザクの性能を限界まで引き出して〈通常の五倍〉の速度で突進して

木馬のブリッジ前で急制動ブレーキが掛けられるか、木馬が発進させるガンダム

より、いかに早くブリッジを人質にとれるかが勝負の〈秘策ドラッグレース!〉」

「木馬のブリッジ横にたどり着くまでに、プロペラントを全部使い切る勢いで飛べと

言うことですね」

 

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 了解した。

 強烈な加速Gが予想できるが耐えてみせる。

 集中砲火も躱しきってみせよう。

 

「最後に急停止する方法だけど、チェーンちゃんなにか良い手ない?!」

 楽しそうにソーテルヌ少将の秘策を聞いていたチェーンがささやく。

「停止直前に急停止できるだけのプロペラントを積んだ両足を前に振り出して、

プロペラントを噴射して爆破。強制停止させる……」

「なるほど、さすがね。強制停止はナガイと私のどちらでもできるようにしておくわ」

「足を強制爆破? いいんですかね」

 不安そうな僕を見つめてチェーンはこう言った。

「足なんて飾りだから大丈夫…… これ食べて元気出して」

 食べかけのチューブ食を差し出す。

「これか……いらない。うまいかこれ?!」

「激マズ……」

 チェーンのしかめっ顔に思わず笑った。

「ははは、元気が出たよ。じゃあお兄ちゃん行ってくるよ。チェーンも頑張って少将を支えて

やってくれ」

「気をつけて……」

 カスタムメイドのマウスピースを口に入れ、ヘルメットを被り、対光バイザーを閉める。

 ザクの左胸にあるコクピットにつながる自動昇降機に乗り込み上昇する。

 下に揃っている整備員達一同に敬礼する。

「さあ、整備のみんな急いで! 足にプロペラントタンクの追加、大急ぎで!! あとザクの

防弾シールドの内張りにガンダムが廃棄したシールドからひっぺがしたチタン材を貼り付け

といて!! 私はブリッジに戻るからチェーンちゃん、あとお願いね」

「はい……」

 

 それから二十五分後、僕は緊急改装された回収分析班専用ザクを木馬に向けて

猛スピードで出撃させた。

「勝負だ、木馬!!」

 

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 木馬のブリッジに向けて、左舷後方から僕がザクを通常の五倍の猛スピードで

近づけると予想通り機銃や機関砲、迎撃ミサイルの猛烈な集中砲火を浴びた。

 後で思い起こせばほんの五、六分の戦いだったけど、これは凄まじい戦いだった。

 隠密作業用に視認しにくい黒色で塗装されたザクなので、狙っても弾を当てづらい

はずなんだけど、これだけ弾幕が濃ければ狙わなくても、流れ弾や跳弾が四方八方から

飛びこんでくる。

 今のところ致命的な打撃はないけれど、少しずつ確実にザクの超硬スチール装甲が

削りとられていく。

 弾着の衝撃で機体が縦横メチャクチャに揺れまくる。

 通常の五倍の猛スピードとガンダムシールドが内張りのシールドで、かろうじて

耐え凌ぎながらひたすら突き進む。

 しかし予想以上の凄い加速Gだ。顔がひきつる。

 

 ガッ!!

 ビシッ!!

 チュ――ン!!

 カ――ン!!

 ズコッ!! 

 

 嫌な弾着音が次々とコクピット内に響き渡る。

 

 ガシッ!!

 

 機体の三十箇所に設置されている小型補助カメラの一つがまたやられたらしい。

 画像表示モニターの一つが一瞬ザザッと砂嵐になる。

 三十箇所のカメラの画像を四十秒ごとに切り替えて表示するのだが、やられるたびに

表示場面が消えていき、十カ所くらいしか写ってないのが損傷の深刻さを教えてくれる。

「く、く、くそ――っ!!、いつまで続くんだ――、この攻撃――っ!!」

「あと、あと少し、我慢してナガイ!」

 タフで有名なザクの通信用モニターの画像は、強制停止のボタンを握りしめながら

タイミングを計っている沈痛な面持ちのソーテルヌ少将を映し出している。

 汗だくのこちらと同じくらい汗びっしょりのようだ。

 

 バガッ!! 

 

 ザクの左肩に物凄い衝撃が響いた。

 ザクの左肩にはザクの装甲の中でも一番丈夫なスパイク装甲が取り付けてあるが、

特殊弾頭に直撃されたらしい。

 粉々に砕かれてダメージ警戒アラームが鳴り響く。

 シャア少佐が木馬を攻撃する際、いつも左舷に集中攻撃するようソーテルヌ少将が

命じてくれているおかげで、かなり迎撃銃座が潰されて接近しやすくなってるはずなのに、

まだこの火力・弾幕かよ!!

 ちくしょう!! 連邦の空母は化け物か?!

 

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 ビシッ!!

 バキ――ン!!

 ズド――ン!!

 キィ――ン!!

 ガシュッ!!

 ミシミシッ!!

 

 必死に回避運動をしているが弾着音がどんどん酷くなっていく。

 メインカメラがやられていないのは奇跡だが、小型補助カメラの画像は今では四カ所しか

写っていない。

 コクピットを揺さぶる振動は激しさを増すばかりだ。

「ちぃ――っ!!、無限に続くんじゃないか、これ――っ?!」

 思わず泣き言を叫んでしまった。

 と、思ったら唐突にその瞬間はやってきた。

「あっ、木馬のヤツ、カタパルトからガンダムを出してきたっ!! こちらに向かって

くる!!」

「ええっ!! こんな時に出してきましたか、あの野郎!!」

 反転してガンダムを追ってハーミットの援護に向かうか一瞬迷う。

「ナガイ、ブリッジよっ!! すぐ停めてっ!!」

「でも、ハーミットが!!」

「いいからこっちはなんとかするから停まりなさいっ!!」

「りょ、了解!! 推進機関停止!! 脚部強制爆破っ!!」

 爆破するまでもないくらい銃撃でズタボロにされた両足を前方に投げ出してプロペラントに

一気に点火、強制爆破する。

 ズドン!!

 前方から襲ってくる強烈な加速Gに気絶しかけながらなんとか耐えきる。

 朦朧とした意識をはっきりさせようと必死に頭を振る。

 マウスピースをつけているにも関わらず、虫歯が一本砕けて、どこか口の中を切ったらしい。

 痛みで意識が逆にはっきりしてきた。

 へろへろになりながら現状報告は忘れない。

「ブリッジ所定位置、確保完了!」

「了解、やったわねお見事! あとはこちらの仕事、まかせなさい!」

 明るい声でソーテルヌ少将が、ねぎらいの言葉をかけてくれた。

 

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「さ、始めるわよフルヤ伍長、木馬に緊急連絡して!! 内容は ”我は〈ハーミット〉の

ソーテルヌ少将。通達があるため即時停戦を求む”で」

「了解! チャンネルつなぎました。先方は……ブライト・ノア少尉と言ってきています」

「よし、木馬のブリッジの通信画像を天井のメインモニターに回して!」

「了解!」

 しばらくするとメインモニターに木馬の艦長ブライト・ノア少尉の敬礼をしたアップが

映し出された。黒髪で細眼のまだ二十歳くらいの若い青年だ。

 ハーミットのブリッジを狙って今にもビームライフルを撃とうと迫ってきていた

ガンダムがそれを合図に急停止した。

 ブライト・ノア少尉の命令を待っているのだろう、ライフルの照準はブリッジに合わせた

ままだ。

 性能の良さそうなスコープをつけている。さぞや精密射撃ができるに違いない。

いけ好かないモビルスーツだ。

 うちの次期主力機にもいつか取り付けてやるからな、覚えてやがれ。

「お初にお目にかかります。私がジオン軍ハーミット総司令のハルカ・ソーテルヌ少将です。

お若い方で驚きましたブライト艦長」

 敬礼してにこやかに見据える。

「初めましてソーテルヌ閣下、わたくしが連邦軍ホワイトベース艦長ブライト・ノア少尉で

あります。わたくしの方こそお若い女性が司令で驚きました」

 こちらも敬礼してにこやかに応える。

「ご用件を伺いましょうソーテルヌ少将」

「はい、ありがとうございます。単刀直入に申し上げると我々もこの場を立ち去るので、

あなた方も兵を退いて立ち去って頂きたい」

「つまり、あなた方を見逃せと?! 失礼ながら一見したところ、我々が恐れるべき装備は

何もお持ちでないように見受けられますが」

「こちらはそれで弱腰になるつもりはありませんよ」

「ほお……」

 お互いに弱気は見せられない。穏やかに心理戦と駆け引きが続く。

「こちらの申し出を聞いていただけない場合は、そちらのブリッジの横で待機している

ザクが手持ちのマシンガンで至近距離からブリッジごと狙撃します」

「ほお……、それで我々より有利だと?!」

「違いますか?!」

 ザクから二人の会話を傍受していると少将は内心、冷や汗ものだろうなと想像がつく。

「我々のガンダムもソーテルヌ少将のブリッジをビームライフルで狙っていることを

お忘れなく。その威力はご存じだと思いますが」

「存じ上げております。うんざりするほど」

「ならば、我々とあなた方の条件はイーブンだ」

「本当にそうでしょうか?」

 ニヤリと笑うソーテルヌ少将。何か策でもあるんだろうか?

 

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「ブライト少尉、あなた方避難民を載せてますね?!」

「ど、どうしてそれを……?!」

 一瞬焦るブライト少尉。

「実は私たち、あなた方がサイド7から出港した後に、ヘマをやらかした部下の尻ぬぐいに

ちょっとサイド7に立ち寄ったんですよ。そうしたら地面を見ると大勢の住民の足跡が一斉に

宇宙港に向かって続いてるじゃないですか。これで私、ピンときました。あのあたりで大勢の

住民を載せて逃走できる大型艦はあなた方の木馬――、ホワイトベースしかないと。

あなた方は未だに避難民というハンデを載せて降ろせずにふらふらしてるんだって」

「くっ……」

「もうお気づきですね、ブライト少尉。我々をビームライフルで撃ち抜いてハーミットを

沈めるのは((容易|たやす))いでしょう。ですがその報復として、そこにいるザクの手で

ホワイトベースのブリッジ周辺のブライト艦長を初めメインスタッフの方々には全員

死んで頂きます。その場合、残されたスタッフや避難民の方々はどうなるのでしょう?

 あなた方は軍人です。避難民をみすみす危うくするマネはできないはずです。

私たちは無益な戦闘を好みません。今一度撤収をご検討下さい」

 ソーテルヌ少将とブライト少尉はお互いの表情を探り合っていたが、とうとうブライト少尉が

折れた。

「うっ……、わかりました。ガンダムを引き揚げて立ち去りましょう。ですがそちらもザクを

引き揚げて立ち去って頂けますね?!」

「ジオン軍少将ハルカ・ソーテルヌの名においてお約束します」

「話は聞いたな、アムロ、戻れ!」

「ブライトさん、人の命を駆け引きに使うこういうやり方って僕は嫌いだな」

 ハーミットの迎撃を躱し、ガンダムはあと一息までハーミットを追い詰めながら

反転してホワイトベースに引き上げていった。

 やがて地球に進路を向けたホワイトベースは急速発進して立ち去った。

 

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 僕が乗ったボロボロになったザクはハーミットの主砲の位置に取り付けてある残骸

回収用アンカーで回収してなんとか無事に戻ることができた。

「よしっ、ナガイは回収した! ミラン操舵長、最大戦速でホワイトベースから離れろ!!」

「了解!! 全力で逃げます!!」

 ハーミットはホワイトベースの逆方向へ全力で逃走した。

 ホワイトベースの気が変わっても、もう追いつけない。 

 逆にホワイトベースの後を追う艦船が煙幕から出てきた。

 シャア少佐のムサイ〈ファルメル〉だ。

 ソーテルヌ少将を見てファルメルの艦橋でニヤリと笑ったシャア少佐が敬礼する。

「あんにゃろ〜〜、高みの見物でお手並み拝見してたな! 助けに来い馬鹿ぁ〜〜っ!!」

 敬礼しつつ、あっかんべする少将。

 僕は笑いころげるシャア少佐というのを初めて見た。

 ハーミットの横をしばらく並行していたファルメルは急加速に入り、本格的に

ホワイトベースの追撃を始めた。

「たく、あんなヤツがエースなんて世も末だわ…… あ、ナガイごくろうさん。大変

だったでしょ」

「ただいま帰還しました……。よく生きて帰ってこられたもんです。噂と違って、

木馬の((乗組員|クルー))が戦争嫌いな若い連中で助かりました。そうじゃなかったら

ハーミットを沈められて、帰るところが無くなってましたよ」

 少将とシャア少佐のやりとりを後ろで見ていた僕はそう応えた。

「そうね……、なんとか逃げ切れてホッとしたわ」

 非常事態が終了して、胸を撫で下ろす少将。

「有利な会談に持ち込んで切り抜けた少将の作戦勝ちです!」

 ミラン操舵長が健闘を称えた。

「ほんとヤバかった、冷や汗かきどおし。今回の作戦の本質はドラッグレースというより

どちらが退くかが勝負のチキンレースだったから」

 

-15ページ-

 

 エレベーターのドアが開いて、格納庫に回収したザクの損害状況を見に行っていた

チェーンが戻ってきた。

「どうだった?!」

「ザクの楯に後付けしたガンダムシールドの内張りがベコボコ。

付けてなかったらナガイさん即死だった……」

「そうだったのか?!」

 冷や汗が出て寒気がした。

 うなづくチェーン。

「無茶な回避運動で駆動モーターに負担かけ過ぎ。内も外もズタボロで部品取りにも使えない。

スクラップにして資源を再利用するのがエコ……」

 お手上げのポーズをとる。

「支給品破損報告書がいるわね、ハンコ押したげるから後で持ってきなさい」

「うえっ、僕の責任すか?!」

「あんたも私も同罪よ。後でドズル中将に代わりのザク補給してもらわないといけないから

色々叱られるわよ」

「命懸けの酷い目に合わされて始末書ですか?!」

「命があっただけでも有り難いと思えってことよ」

「はいはいわかりましたよ」

「ん……」

 チェーンがオレンジ色のチューブを差し出した。

「なに?」

「敢闘賞。人参とみかんが入ってる。栄養がある……」

「頂こうか。今度のは人間の食いものっぽい」

 ちびっ子と二人で水色とオレンジ色のチューブをチューチューやってる絵はいかにも

アレな感じだ。

「ソーテルヌより全乗組員に通達。非常状況は終了、これより六時間の休憩を許可します。

各自交代のタイミングを考えて自由に休んで下さい。以上」

 艦内放送を帽子のマイクでした後、帽子を取って手でくるくる回す。

「あ――あ、疲れた。汗でびしょびしょ、指令控え室でシャワー浴びて仮眠をとるわ。

フルカワ少佐、後をよろしくお願いします」

「了解しました。ごゆっくりお休みなさい」

「僕もさすがに疲れました。艦長室にいますのでフルカワ少佐、ミラン操舵長、なにか

あったらご連絡下さい」

「了解しました、ナガイ中佐今日はお疲れ様でした」

「中佐お疲れ様でした! チェーン今日はあなたもいい勉強したわね、

休憩だから寝てくる?」

「ううん、ミランお姉ちゃんの仕事が終わるまでここにいる……」

「そう、じゃあ、椅子に座って待ってなさい。今日はお姉ちゃんヘマやっちゃった。

潜宙戦煙幕の対処法、もう一度ネットでおさらいするからちょっと遅くなるけど

我慢してね」

「わかった。はい、これ……」

「チューブ食?!」

「うん……」

「なんかケバい水色だけど……、

 うっ、うわわっ、マズ!! 不味ぅ〜〜!! なにこれ?!」

「残念賞……フフフ」

 

 

 

 第四話予告

 ガルマ援護失敗による左遷から戦線復帰したシャアは、ジャブローの

 偵察任務を終えてジオン本国との決戦に向かうホワイトベースを

 新鋭戦艦ザンジバルで追う。

 一方、その頃ジオンのジャブロー降下作戦が一段落して

 連邦軍の最新型主力モビルスーツ〈ジム〉による被害状況の

 検地が終了にさしかかった回収分析班はいっときの休息を得る。

 まどろみのソーテルヌが夢見た過去の戦いは、女性の身でありながら

 短期間で少将まで昇進した理由となる壮絶なものだった。

それに加えてモビルスーツ ザク開発の裏側で暗躍する新興企業が

 月に隠匿していた、宇宙世紀を揺るがす発見がソーテルヌの

 回収分析班創設に拍車をかける!!

 次回、「サイド0(ゼロ)降下阻止命令!!」 

 きみは回収の果てに何を見るか?!

 

説明
いよいよ、ソーテルヌ少将の戦闘の幕開けです。これから激闘が続いていきます。
個人的にガンダムヒロインナンバー1のチェーン・アギも活躍します(笑)

【今後の掲載予定タイトル】
機動戦士ガンダム サイド アナライズ ストーリー
第1話『サイド7 実地回収作業録』
第2話『ゲルググプロジェクト』

第3話『恐怖!! 機動ガンダム遭遇戦』
強敵《ガンダム》相手に《戦わない部隊》回収分析班は
生き延びることができるか?!
 
第4話『サイド0(ゼロ)降下阻止命令!!』
まどろみのソーテルヌが夢で見た、過去の衝撃的な真実!
過去・未来も含め、全モビルスーツの頂点に立つ
最強にして終焉の機体《ファウンデーション ガンダム》
とは!?

第5話『ゲルググ大地に立つ』
シャアのゲルググ受け渡し要請にためらうソーテルヌ
だったが戦局はガンダム即時殲滅に傾き、拒めない。
ソーテルヌは受け渡しの条件としてガンダムに
罠を仕掛けることを提案する。

第6話『宇宙、光る』
最終局面へと向かう混戦となり、むなしく状況に
流されるしかないソーテルヌたち回収分析班が眼に
したのは、連邦軍の決戦兵器《ソーラーレイ》の
宇宙を切り裂く光の激流だった。
 
第7話『ア・バオア・クー防衛戦』
戦況の悪化に伴い、ついに回収分析班に戦場への
出動命令が下る。ジオン軍の《密閉型コロニー
レーザー》により形勢は逆転したかに思えたが、
突如発生した謎の指揮系統の乱れにより回収分析班は
窮地に立たされる。

最終回 第8話『脱出』
混乱の中、空母ドロスの轟沈、ザビ家崩壊により
命令系統を失ったジオン軍は烏合の衆と化した。
ア・バオア・クー陥落を見切ったソーテルヌは
必死に後方のアクシズへ撤退を図る。
だが勢いにのった連邦軍の猛攻によりハーミット
一番艦は大破し、ソーテルヌは負傷してしまう。
ソーテルヌの負傷により、回収分析班に最大の危機が
迫る。果たして最後の死闘の先に未来はあるのか?!
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