お話を百倍面白くする作劇手法D【実用記事】
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俺「この実用記事は、売れない同人者の俺が、古今東西のシナリオ本を読みたおし、いろいろ実作を作って編み出した、オリジナルな物語ノウハウを語る所であります」

 

犬子「アシスタントの犬子でーす」

 

俺「第五回目でーす。今回はちょっと趣旨を変えて、「何にでも使えるテーマ」の話です」

 

犬子「何にでも使えるテーマってなによ、そのテーマなら何でもお話が成立するとでも?」

 

俺「そう、汎用のテーマ、どんな事をしても、このテーマなら絶対にお話としてまとまるという物を、この前プロット切っていて見つけた」

 

犬子「ふざけんなー。そんなものあるわけないじゃんよ、馬鹿? 頭煮えた?」

 

俺「あるんだからしょうがない」

 

犬子「なんだいそれは?」

 

俺「『愛だからしょうがない』って、テーマ」

 

犬子「はあああああああっ???」

 

俺「なんでか知らないけど、『愛ならしょうがない』というテーマなら、なんでもまとまるのだ」

 

犬子「え? そうは思えないけど」

 

俺「思考実験」

 

犬子「あー、お前が良くやってる益体もない事を考えまくって、結局出発点に戻るという奴ね」

 

俺「大馬鹿者、出発点に戻る事も多いが、ナイスアイデアを紡ぐ事もあるぞ。で、思考実験してみよう」

 

犬子「『愛ならしょうがない』が本当に何でもまとめられるの?」

 

俺「東京湾に大怪獣が出る。これが東京タワーに向かっている」

 

犬子「うむ」

 

俺「博士に主人公が聞く『奴は何故、東京タワーに!?』博士答えて曰く『愛じゃ、やつは東京タワーを愛しておるのじゃっ!』」

 

犬子「はああああ???」

 

俺「主人公『愛ならしょうがない』。大変まとまる」

 

犬子「えーーー?」

 

俺「じゃあ、二次創作で、ガンダム種の仮面の男がなんか凄い装置で人類を滅ぼそうとする」

 

犬子「あーー、うん」

 

俺「キラが聞く『なぜそんなことをっ!!」 仮面『俺は全人類を愛しているのだっ!!」

 

犬子「……」

 

俺「キラ答えて曰く『愛ならしょうがない』、まとまるっ!」

 

犬子「それ、汎用違う、なんか、ただのとんちかなんか、もしくは只のどくろちゃん」

 

俺「まあ、話はくちゃくちゃになるが、まとまるぞ、これぞ汎用」

 

犬子「あれだろー、わこうっ! の隆信のスケッチ書いていて気が付いた奴だろ。愛を掲げておけば大抵の事は丸まるって」

 

俺「その通りっ! 俺はこの説をTINAMIをとおして、世の中へ正式に公表するものです!!」

 

犬子「飛鳥昭夫ネタキタ〜。 しかし何で愛を掲げると大抵の話は丸くなるの?」

 

俺「さあ? 愛というネタが物語にとってかなり大きい存在だから、愛だすとヤマトでもガミラスを滅ぼしてしまうような効果があるんではないか?」

 

犬子「話はまるまるけど、気安く愛を出すと安っぽいやね」

 

俺「使い所が難しいかもなあ。でも、まー、話の丸みに困ったら『愛だからしょうがない』で一つ」

 

犬子「なんか、使えそうにないチップスだなあ」

 

俺「そうでもない、乱用は出来ないが、たまにならかなり使えるし、意外にアニメシリーズの後半に使ってる番組が結構ある」

 

犬子「へいへい〜、そうですかー。どうせ愛とか使っても、おまえが売れないのは確定だけどな〜」

 

俺「くそ黙れっ!」

 

――おわり――

 

補足

 

いまいち例が芳しくなかったので、王道の北斗の拳から例の流れ。

 

南斗六聖拳「将星」の男、聖帝サウザー、彼は子供を奴隷にして苛め殺したり、ヒャッハーのモヒカンを部下にしてピラミッドを造っていたり、まあ、色々な悪さをする男であったよ。

ケンシロウと戦っても、結構強くて、大変な悪役であるよ。

で、物語後半、何でそんな悪者か、というネタあかしがあって。

「実は、俺はお師匠さんの事を愛していたのだー!!」

 愛するお師匠さんの為にピラミッド作ってたらしいです。

 で、お師匠さんを我が手に掛けてしまった悲しみから、「愛なぞいらーん」と残虐に振る舞っていたとの事。

「愛ならばしかたがない」

 とまあ、ケンシロウに倒されるのですが(^^;

 

 愛は一種の狂気で、わりかし、何でも丸まり地平に落とせる気がしますな。

 

 ヤマトの愛はちと、失敗で、ガミラスを滅ぼした後に「俺たちに必要なのは愛だったんだ」とか言いまして、これは説得力無いです。(後出し厳禁)

 それだったら。

「どうして、ガミラスを滅ぼしたの、古代君っ!!」

「おれは、おれは、ガミラスを、デスラー総統を愛していたんだっ!!」

「(うわ、変態)でも、愛ならしょうがない」

 という流れですな。

 愛という劇薬を使う場合、愛の対象に直球でぶつけないと効果なさそう。

説明
これを読めば物語を百倍面白くする事が出来ます。読めばたちどころにお話が面白くなります。
裏庭で鉄砲を撃つと石油が出て底抜け億万長者になれますし、火星人が来て超科学で大騒ぎになります。
……すいません、言い過ぎました。
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コメント
黒帽子さん>コメントありがとうございます。今回のティップスの愛は美辞麗句ではないんすな。なんか、現象としての愛の無敵性みたいな。無敵ですから、当然性愛方向だろうと、男色だろうと、SMだろうと、侵略だろうと「愛ならしょうがない」という感じの物です。(うーたん)
愛というか美辞麗句か。否定しちゃうと自分が下劣モノに見えてしまう要素がまとめだと反論しづらい…。だが!私はSF的でも法則的に論破不能な要素でまとめたい! 愛は方向によっちゃあ一方的で「怖い」せぇよく延長に感じられて「汚い」感じも出そうですし。いや、オレがモテないからひがんでんではねーですぞ…(黒帽子)
とはいえ、賛否あるのも面白いっす。否意見もお気軽に書いてくださいね(^^)(うーたん)
天ヶ森雀 さん>コメントありがとうございます。うーむ、わりかし賛否あるティップスですな。単に「愛ならしょうがない」反応についての記事なんですが、有りと無しの人がいるようですな。(うーたん)
愛を要因や因果として使うなら、それが『愛』だと言う事を読者に納得させる筆力は必要でしょうね。一歩間違えれば究極の自己満足だし(笑)。(天ヶ森雀)
PONさん>ほいほい、答えがない作劇の話ですんで、「愛」っても「はあ?」となる事もありましょう。ただ、俺の感ですが、「愛」の奥には何かありますです。無条件説得力みたいなもの(^^) まあ、そう感じる人もいるということで一つ。(うーたん)
別に個人の好みだけを言ったつもりはありませんが。なんでもかんでも愛じゃまとまりません。ああ、立派なギャグという意味でならまとまってないともいいませんが。愛って言われて読者が「はぁ?」って思えばそれはまとまってないですよね?(PON)
さむさん>こめんとありがとうございます。ですね、愛の対象にぶつけないと、普通の判断で、丸まりませんね(^^;(うーたん)
愛するものに働きかける場合と愛するもの以外に働きかける場合でまた違ってきますな。ガミラスを愛しているからガミラスを壊すのは「狂気による独占」になりますが、地球を愛しているからガミラスを壊すのは「理性的な選択」ですしね。狂気として愛を描く以上は直接対象にぶつけるのは当然と言えますね。(さむ)
まめごさん:憎悪も丸まる気がしますね(^^) 乙女ゲーとかエロゲーでも、ゲスい事をした悪役でも馬鹿たれでも「愛」さえあればあら不思議、丸まり地平に下りてきますな。(うーたん)
同様に「憎しみ」もあったりしますが、こっちは理由付けが必要。ところでお馬鹿さんは見ている分には楽しいけど、関わると厄介だ。(まめご)
補足:愛と友情は分けて考えてください。愛のみでのティップスであります。愛のみで片づけている作品は意外と少ないと思うでありますな。(うーたん)
さちさん>犬子めは、狗張子の方でも出てくるので、よろしかったらお読みくださいませ(^^) どうも感情系のテーマでは愛は別格くさいですな。(うーたん)
PONさん>作劇法という事をお忘れ無く。好みの問題では無くて、こうするとなんでも丸まるというネタに近い感じかなあ。(うーたん)
私はイラスト專門なのですが、犬子のキャラが大変ツボだったので1から読ませて頂きましたw「愛」や「友情」で無難に終らせてしまうと、読後のカタルシスは弱そうな印象はありますねぇ。逆に普通の「愛や友情」を超越した感情(忠義、思慕的な)故のカタストロフはまた人の心を惹くような…「ライト」と名ついている割には、難かしい世界ですねw(さち。)
異議あり!俺は『愛』やら『友情』の一言ですべてを片付けるのは嫌いです!まぁ使える時もあるのは認めますが。というか例がまとまってないから反対意見しか出てこない。(PON)
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