【紅楼夢6】流レ星【宣伝】
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流レ星

 

 

旧都はいつにも増して華やかで、いつものように騒々しい。

しかし祭りの日ということもある所為か、普段の宴会とはまた違った賑わいを見せている。

誰もが呑み、騒ぎ、笑い合うその光景は実に楽しそうで、とても妬ましいものだった。

「隣、空いてるかい?」

物思いにふけっていると不意に背後から声を掛けられた。

相手の顔は見るまでもない。

こんな場所にわざわざやって来るお節介な者など、思い当たるのは一人だけだ。

「悪いけど他を当たってくれないかしら。今日はあなたに付き合うような気分じゃないの」

「つれないことを言いなさんな。せっかくのお祭りだ、一緒に呑もうじゃないか」

それだけ言うと、彼女はその場に座り込んでしまう。

こうなってしまえば、もう梃子でも動かないだろう。

盃を傾けては語り、夜明けを迎えるのが常だった。

「いつ来てもここは静かなところだね。

たまにはこういう場所で呑むのも悪くない。

大勢でというのも楽しいが、毎回同じ奴らと顔を突き合わせていても面白味がないしな」

今度はお前さんも来るといい、そう付け足すと盃を飲み干した。

「遠慮しておくわ。私は嫌われているから」

 

 

 

 ※改行は調整済み、画像は表紙と裏表紙

説明
紅楼夢6で無料配布予定のコピー本、その1ページ目です
文庫サイズで本文4ページの短編

委託先:F-19b
友人のサークル「生獣」

私は別のところで売り子をやったりしていると思います
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