バカと優等生と最初の一歩 準備中
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「いや〜、いい買い物したわ〜」

 

「姉上、もう少しゆっくり歩いてくれると助かるのじゃが……」

 

「何言ってんのよ、アンタが速く歩けばいいだけでしょ」

 

「そう思うなら自分の荷物くらい持ってくれないかの」

 

「い・や・よ」

 

「理不尽じゃ〜、どうしてワシが姉上の買った乙女小へふらんかほっ!?」

 

「ちょっ、こんなとこでそんなこと言わないでよ!! 誰かに聞かれたらどうするつもり!?」

 

「う〜、頬が痛いのじゃ」

 

「ふん、ありがたく思いなさい。荷物があるから頬っぺたですませてあげたのよ」

 

「姉上はワシの腕に何をするつもりだったのかの!?」

 

「あーもう、うるさいわね! 黙ってついてきなさい」

 

「う〜、やはり理不尽じゃ」

 

「なにか言ったかしら」

 

「い、いや。なんでもないのじゃ!! だから笑顔でワシの手首を掴むのをやめてくれんかの!?」

 

「ふん、最初からそうしてればいいのよ……あ、ねえ秀吉? あそこの列って何かしら」

 

「ん、あー、あれのことかの? あれは福引きじゃの」

 

「福引き?」

 

「ここの店で一定額以上買い物すると福引券がもらえるのじゃ。ほれ、ここに。まあ姉上は恥ずかしいからとワシに乙女小説を買わせたから知らなくてもその関節はそれ以上いかないのじゃぁあああああっ!!」

 

「だからアンタは一言多いのよ!! まあ、福引券があるならやっていこうかな」

 

「もう荷物への配慮はなくなったじゃな……。ふぅ、景品は何があるのじゃ? どれどれ」

 

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『 特賞 手錠十万円分

  一等 手錠五万円分

  二等 手錠一万円分 』

 

「…………」

 

「…………」

 

「……頭湧いてるんじゃないの、この店」

 

「……否定できないのじゃ。お、でも姉上、見るのじゃ。六等の景品」

 

「なになに、『如月ハイランドペアチケット』か。どうしてこれが特賞じゃないのよ」

 

「如月ハイランド……確か前に雄二たちといったことがあったのう」

 

「へぇ〜、まあやるだけやってみるわ。どうせ手錠でしょうけど」

 

「まあせっかくもらったのじゃからやっといて損はないじゃろ」

 

「手錠を押しつけられるのは十分損だと思うけどね……。すいません。十回分お願いします。……よいしょ」

 

「ティッシュばっかりじゃの」

 

「ラスト一回……やぁっ!」

 

「どうじゃ、姉上? む、水色の玉か」

 

「えっ、水色!? ってことは!!」

 

「やったのじゃ、姉上!! ペアチケットじゃ」

 

「やった!! 行くとしたら今度の日曜よね!? 誰誘おうかしら」

 

「なっ!? 姉上!? ワシを連れて行ってはくれんのか!?」

 

「当り前でしょ。何が悲しくて弟とテーマパークに行かなきゃなんないのよ」

 

「むぅ、そうは言うがのう、姉上。一緒に行く相手などおるまい。霧島はどうせ雄二とデートじゃろうし、工藤も何やら用事があるようなことを言っておったしの。この二人がだめならもう選択肢は残っておるまい」

 

「ちょっと、人を友達の少ない奴みたいな言い方しないでくれる!? ほかにもいるわよ!? そもそも、テーマパークに行くっていうのにどうして同性の名前しか挙がらないわけ!? 普通は異性と行くでしょ、こういう場合は!!」

 

「だって、のう」

 

「……何よ」

 

「姉上は現実の男には興味がな(ドシュッ)……あ、あねうえ……の、ど、は…………演げ……きに」

 

「あんたが余計なこと言うからでしょ!? 言っておくけど、ああいうのはお話の中だけで、アタシは現実の男にだってちゃんと興味があるんだからね」

 

「げほっ、ごほっ……し、しかし、実際に親しい相手などおらんじゃろ?」

 

「なっ!? ……いいわ、絶対今度の日曜日に男の子誘ってやるわよ!! 見てなさい!!」

 

「姉上、だから速いのじゃ。荷物が多いのじゃからもっとゆっくり……姉上? 聞いておるかの、姉上!?」

 

………………

 

…………

 

……

 

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「ところで、さっきの福引き、手錠なんてもらう人いるのかしら」

 

「さすがにおらんじゃろ。日常生活の中での使いどころが分からん」

 

「それもそうね」

 

「おめでとうございます!! 特賞の手錠十万円分、大当たりです」

 

「……最近雄二がよく壊すから助かる」

 

「…………」

 

「…………」

 

「……ねえ、秀吉」

 

「……なんじゃ、姉上」

 

「…………知らないほうが幸せなことって、あるわよね」

 

「…………そうじゃの」

 

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あとがき

 

 

ということで、いかがでしたか?

バカと優等生と最初の一歩、準備中

 

原作では最初の会話パートの部分には第何問といったものがなかったので仮に準備中としました。テスト直前のタイミングということで休み時間にでもしようかとか一問目の前は名前欄かとか迷いましたが、正直どれも微妙というか・・・・・・。

ネーミングセンスのなさに泣けてきました。

 

それはさておき今回の作品、お楽しみいただけたでしょうか。といってもまだほんとに序盤なので楽しむも何もあったもんじゃないですが。

 

これは期待できそうだと思う人、まだ判断できないという人、これは見るに堪えないという人さまざまと思いますが、良かったら感想などお聞かせください。

 

それでは、また次回お会いできることを楽しみにしております。

説明
はじめまして、naoと申します。
バカとテストと召還獣で、優子と明久をメインとしてなるべく原作の雰囲気を崩さないようやってきたいと思っています。
今回が初投稿で、至らぬ部分も多々ありますが、良かったら楽しんでいってください。
ということで、まずプロローグの会話パートです。
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バカとテストと召喚獣 吉井明久 木下優子 

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