真・恋姫呉√アナザー〜戦場に響く二つの鈴の音〜第十八話
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〜中庭〜

 

日も傾き始め、町の明かりにもあちこち火が点り始めた頃、雪蓮と冥琳に呼ばれて主だった将たちは中庭に集まっていた。

皆急に集合をかけられた事により辺りは騒がしく、皆顔には不安が見て取れた。

その中でも蓮華は郡を抜いて不安がっており、その不安を払拭するためにも一刀に話しかけていた。

 

蓮華「…ねぇ一刀?お姉様達は一体何の用なのかしら。話し合いをしたいのであれば明日でもいいと思うんだけど…」

 

一刀「…俺にもわからないんだよな。思春、明命?二人は何か思いつくことは無い?」

 

思春「……そうだな。もしかしたらというものはあるが…いや憶測で言っても仕方がないな。」

 

明命「はぅあ!!わ…私も同じです。たしかに思いつくのはいくつかあるのですが……」

 

一刀「そうか…。ならやっぱり雪蓮達を待つしかないんだな。」

 

祭「まぁ…ワシ等が悩んでいても仕方が無かろう。それにもうすぐ策殿もいらっしゃる、おとなしく待っていようじゃないか。」

 

そう祭が周りを見渡して言うと、先ほどまで騒いでいたのが静まり黙って雪蓮達を待った。

 

しばらくして、真剣な顔つきをした二人が中庭に姿を現し、皆に声が届く所にやってきた。

 

雪蓮「皆ごめんね。」

 

冥琳「全員そろっているか?」

 

穏「はい〜。呼ばれた人達は全員そろっていますよ〜。」

 

雪蓮「そう。…なら急になるけど軍儀を始めるわ。まずは冥琳の話を聞いて?」

 

雪蓮が辺りを確認し、皆にそう告げると皆の視線が冥琳に注がれる。

それを確認した後冥琳は静かに話し出した。

 

冥琳「実は最近妙な噂が立っていると報告を受けたのだが、その噂がどうにもおかしいのだ。」

 

蓮華「おかしい?どういうこと?」

 

冥琳「その噂とは、今洛陽にいる董卓が暴政を働いており、しかも帝を自分の都合のいいように操っていると言う事だ。しかも董卓のせいで洛陽は人が住んでいるとは思えないぐらい荒んでいると…とまぁこんな所だな。他にも帝に仕えていたものを次々と殺していき、前帝には二人の子がいたのだが、その内の上の方…姉の方を殺したなどとも噂されているな。」

 

全員『!!!!!!!!』

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蓮華「なんて事を……お姉様すぐにでも董卓を討ちましょう!!やつらは逆賊です!!」

 

雪蓮「落ち着きなさい蓮華。まだ話は終わってないの。」

 

蓮華「しかし!!」

 

雪蓮「落ち着け蓮華!!……冥琳続きを話して。」

 

冥琳から聞かされた噂に皆驚き、蓮華などはすぐにでも董卓を討つべきだと叫ぶ。

そんな蓮華を雪蓮は落ち着かせ冥琳に続きを話すように促した。

それを聞いて”コホン”と一息入れると続きを話し出した。

 

冥琳「あぁ…だが私達が手に入れた情報と照らし合わせると、噂にはおかしいところが…いや

おかしいと言うよりもまったくの逆なのだ。」

 

穏「……逆といいますと?」

 

冥琳「そのままの意味だ。たしかにここ最近の情報は手に入っていないが、ついこないだまで…少なくとも黄巾党の乱が終わってからに2〜3月の間はそういった情報は入っていない。むしろ董卓が治めた事により洛陽が良くなっていたのだ。」

 

祭「ふむ…じゃが最近の情報は得ていないのであろう?」

 

冥琳「たしかに最近の情報は得ていません。しかしいくら最近の情報を手に入れることができてないからと言ってここまで噂と食い違うのはあまりにもおかしいとは思いませんか?」

 

祭「たしかにのう…だったらなぜそんな噂がたつのだ?」

 

祭の疑問はもっともの事だった。

”火が無いところに煙は立たない”という言葉もあるように、噂と言うものはかってに立つ物ではなく必ず何処かにその原因がある。

しかし今回はこの噂がたつ原因と言うものがまったく見えてこない。

 

だったら一体この噂はなんなのか?

 

話を聞いていた将たちはこの矛盾に、何とも言えない気持ち悪さが自分を覆っていくのを感じていた。

そんな中一刀は、この情報を多分いち早く聞いていたであろう思春に話しかける。

 

一刀「…思春。たぶん今でも洛陽に斥候を放っているんだと思うんだけど、その人達からの連絡はまだ無いの?」

 

思春「それなんだが…。冥琳様に董卓を調べろと言われてから、明命と私の部隊で選抜し十日ごとに一度連絡を入れるようにしていたが…ここ最近は放っていた斥候からの連絡はない。しかも急にだ、ちょっと前まではちゃんと連絡が来ていたのだがな…」

 

一刀「そうなんだ…。となるとやっぱりこの噂何か裏がありそうだね。それに斥候も帰ってこないとなると……これじゃまるで戦いが始まる前みたいだ。」

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一刀の言葉に皆息を呑んだ。

また戦いが始まるのか…そんな言葉が聞こえてくるようで、皆悔しそうな顔をしていた。

そんな中ずっと考え込んで、あまり発言をしていなかった絢音が冥琳に向かって話す。

 

絢音「冥琳様。先ほどの噂なのですが…いつからそんな噂が立つようになったんでしょうか?今の話を聞いて考えていたのですが、私達が知っている情報は新しいとは言えなくてもそこまで古いわけじゃないと思います。その情報だと暴政など影の形もありません。しかし今はこうして噂がたっている。…私思うんですがこれっておかしくないですか?」

 

冥琳「そうだな…。正直私もおかしいと思っている。そしてその理由もなんとなくさっしがついているがな。」

 

絢音「じゃぁ…やっぱりそうなのですね?」

 

冥琳「ああ…絢音が考えている事で間違いないと思うぞ?」

 

二人して何処か分かったような顔をしていると、その話にまったくついていけなかった人達がどういうことなのか聞いてくる。

 

蓮華「…どうゆうこと?私にはちょっとわからないのだけど…」

 

冥琳「蓮華様。大体噂と言うものは人から人へと伝わっていくものなのですが今回おかしいと感じているところは噂が広まる速さなのです。」

 

蓮華「速さ?…だがしかし大体噂と言うものは広まるのが速いのが普通だと思うが…違うのか?」

 

冥琳「たしかにうわさと言うものは広まるのが速いでしょう。しかし今回はあまりにも速すぎるのです。たとえ今現在董卓が暴政を働いたとしてもその噂はせいぜいその近くの村々に広まるぐらいのはず…しかし現状を見るとそれは違う。私達が他の所に送っている斥候も同じような噂を聞いたという情報を掴んでいます。たぶんこの噂がすでに大陸中に広まっていると思っていいでしょう…」

 

蓮華「と言うことは……!!まさか!」

 

絢音「そうです。たぶんそのまさかなのでしょう…思いつきたくも無かったですが…」

 

冥琳「そうだな…。つまりこれは誰かが意図的に噂を流したという事になる」

 

冥琳の言葉に皆ハッっとなる。

そう考えるとつじつまが合うのだ。

私達が掴んでいた洛陽の情報と今流れている噂の違い。

噂が広まる速さ…

そのすべてがこの答えで説明がついてしまった。

 

蓮華「でもどうして!?…どうしてまた戦を起こそうとするの?せっかく民達も賊の脅威から解放されたと言うのに…」

 

そう言った蓮華の瞳には涙が浮かんでいた。

皆も蓮華見たいに表には出さなかったが、同じ気持ちでいた。

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雪蓮「泣いてはダメよ蓮華。別に泣く事自体は否定はしないけど、今は泣いている場合じゃない。現状をちゃんと把握して、これからどうするかよ。分かったかしら?」

 

蓮華「……はい。ありがとうございます。」

 

泣いている蓮華とそっと抱きしめて優しく諭す。

蓮華もその言葉を聞いてぐっと泣きたいのを我慢し、心を落ち着けて話をしっかりと聞く姿勢になる。

それを確認すると、雪蓮はそっと優しく笑って、冥琳に続きを話すように促した。

 

雪蓮「それで冥琳?これは一体誰のせいなのかしら?」

 

冥琳「そうだな…。大方董卓が洛陽…帝が住んでいる町を治めているのが気に入らない奴等が流した噂だろう。だがどこから情報が流れているのか分からない限り断定は出来ん。」

 

雪蓮「そう…。でもけして冥琳の力が及ばないわけじゃないからそんな顔をしないで…」

 

そう言った冥琳が悔しそう顔を歪めていると、雪蓮は冥琳の肩に手を置いてそう慰める。

冥琳は肩に置かれた手に自分の手を重ねると、深呼吸を一回し先ほどとは違ういつもの顔に戻った。

 

冥琳「すまんな。…さて今話したことが今私たちが掴んでいる情報のすべてなのだが、一体どうするべきか…。」

 

そう言って辺りを見渡すと、今までまったくといっていいほど発言をしていなかった晴歌が何か思いついたように話し出した。

 

晴歌「あのさ…今ちょっと思ったんだけど、噂なら実際に洛陽の町を見てもらえればいいんじゃないのか?そうすればきっと噂なんてすぐ消えるだろ?だって事実違ってるわけだし…」

 

冥琳「そうだな。しかし、それはこの噂が広まる前に董卓がしようとしたのではないか?でも現状はまるで変わっていない…ということはすでにそれをやっても効果が無いかそれとも…」

 

晴歌「それとも?」

 

冥琳「……それが出来る状況じゃないといった所か。」

 

雪蓮「出来る状況じゃない…ってどういうことよ」

 

冥琳「ふむ…。私も憶測でしかものが言えんが、おそらく脅されているかそれとも今の状況よりも切迫した事が起こっているか…そんなところではないだろうか?」

 

雪蓮「んーどちらかと言えば脅されているの方が現実味があるわね。今の状況より切迫している事なんてそうそうないでしょ?」

 

冥琳「そうだな。だが、脅されているにしてもこれはあくまで私の想像でしかない。実際にはちゃんと調べてみないと分からんさ。」

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冥琳がそう話し終わると皆何も口に出す事が出来なかった。

つまるところ董卓という人物は善政を働いていたにもかかわらず暴君として祀り上げられ、権力争いに巻き込まれた。しかも董卓達は脅されて身動きが出来ず弁解もすることが出来ない状況に陥っている可能性まであると冥琳は言った。

 

それはなんてかわいそうで、つらいことなのだろう…

 

皆がそう思った。

 

雪蓮「皆…多分董卓の事考えているんだと思うけど…私たちには早急に決めなくちゃいけないことがあるの」

 

誰もが発言しにくい状況で毅然とした態度を取った雪蓮がそう話しかけてきた。

 

冥琳「そうだな…」

 

それに続くように冥琳がそう答える。

他の皆はそれが一体何を言っているのか分からなかった。

 

雪蓮「それはね…多分そう遠くないうちに連合が組まれると思う…その時私たちはどちらにつくか?それを決めなくちゃいけないのよ。」

 

蓮華「そんな!!…そんなの決まっているじゃないですか?董卓達につくに…」

 

雪蓮「蓮華!!それはこの国のことを考えての言葉!?それとも貴方の思いだけ!?」

 

蓮華「そ…それは…」

 

董卓を助けたいと蓮華が言ったが、雪蓮の言葉で黙ってしまう。

きっと気付いたのだろう…もし董卓につくとしたらどれほどの被害がでるか…そして周りからどんな目で見られるのかを…

 

そんな中一刀が雪蓮に向かって話し始めた。

 

一刀「…俺は連合に組したほうがいいと思う。」

 

思春「一刀!?」

 

一刀の発言に隣にいた思春が声を上げる。

他の皆も驚いて一刀を見る。

 

それもそのはず…一刀がやさしいという事は皆が知っていることだった。

それは他人の死までも悲しむ一刀を見てから皆がそう思った。

だからこそ一刀が連合に組したほうが言いといった事が信じられなかった。

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一刀「…たしかに董卓はかわいそうだ。助けてあげたいと思う…でも俺達だけじゃ多分無理だ。たとえ俺達が董卓側についたとしても戦況はあまり変わらない…多分無駄死にするだけだ。だから悔しいけど今の俺達には選べる道が無いんだよ…」

 

雪蓮「そう…」

 

一刀の話を聞いてやっぱりと言った感じで呟く雪蓮。

その表情はどこか寂しそうで…でもしかたがないといった感じだったが、その表情は次の発言で変わる。

 

一刀「でも…それは董卓を助けないと言っているわけじゃないんだ。董卓側について助けられないんなら、連合側にいて助ければいいんだ。その方法は今は思い浮かばないけど…きっと何かあるはずなんだ。」

 

雪蓮「……そこまで言う根拠は何なの?そして何で助けるのよ?はっきり言ってそんなことをしても孫呉に得になることなどないわ?」

 

一刀「根拠については連合を組んだとしても一枚岩じゃないと思うからだ。だって今俺達が知っていることはたぶん他の人達も気付いているだろうし…。特に曹操なんかは絶対気付いていると思う。だから多分協力はしてくれないだろうけど、こっちのことは黙認するんじゃないかな?もし連合側に参加しているんだったら他の目的があると思うし…。そして何で助けるかだけど………これははっきり言って俺の甘さだ。困っている人を見捨てては置けないし…それに民に優しい人を俺は心から討てない。……得については今は思いつかないけど……それでも俺は助けたい。…助けたいんだ!!」

 

その言葉に皆嬉しそうな表情をした。

 

よかった…やっぱり一刀は一刀…やさしいままだ。

 

皆そんなことを思っていると、それを眺めていた雪蓮が”ハァ〜”と大げさにため息をついて話し出した。

 

雪蓮「まったく一刀は……わかったわよ。私も正直董卓を討つのはどうかと思うし…皆もどうせ同じ気持ちなんでしょ?」

 

そう雪蓮が皆に問いかけると皆そろって頷く。

それを見てまた盛大に雪蓮がため息をつくのだが…

 

冥琳「何大げさにため息をついているのかしら?貴方だって最初からそのつもりだったんでしょ?」

 

そう冥琳に突っ込まれて思わず顔をそむける雪蓮。

その光景が面白くて皆おなかを抱えて笑うのだった。

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雪蓮「も〜!!皆何笑ってるのよ〜!!」

 

一刀「いや…あまりに雪蓮の行動がかわいくてな…クククッ」

 

雪蓮「か〜ず〜と〜!!ちょっと私は貴方の主なのよ?もっと敬いなさいよ!!」

 

一刀「そういうかたっくるしいのが嫌だって言ったのは雪蓮だぞ?」

 

雪蓮「そうだけど…それでも一刀はもっと私に優しくしてくれてもいいじゃない!!」

 

一刀「はいはい…分かったから。そんなに怒らないの。」

 

雪蓮「ほんと!?うれし〜。」

 

そう雪蓮が言い一刀に抱きつこうとしたが………抱きつく事は出来ず、襟を冥琳に掴まれていた。

そして何故か一刀も思春と蓮華…そして晴歌と絢音に引っ張られて思春達が囲っていた。

 

雪蓮「ぐぇ…ちょっと冥琳なにするのよ!?」

 

冥琳「何するというのはこちらの台詞だ!なんだ?また抜け駆け…じゃなくてだな。今は軍儀の途中だ!そういうことは控えてもらおう。…あといきなり一刀に抱きつこうとした件終ったらじっくり話を聞かせてもらうぞ?それと一刀!!お前もだ。当然私にも優しくしてくれるのだろ?」

 

一刀「え…え〜と…」

 

冥琳「ん!?」

 

一刀「ハイ、ヤサシクサセテモライマス」

 

冥琳の迫力に本能的にそう答えてしまった一刀はその後、他の人達にも詰め寄られいつも以上に優しくすることを半ば強引に決めさせられた。

ちなみにあまり参加をしていなかった祭と穏は、それを見て笑っており、当然一刀に優しくしてもらえる権利をいつのまにかちゃっかりと貰っていた。

 

冥琳「ふう…さて。気を取り直して…だ。まず連合に入らないとどうする事も出来ないのだがだれが呼びかけるによって楽に入れるかどうかが変わってくるな」

 

晴歌「え?そうなの?」

 

冥琳「…例の一件覚えておるだろ?」

 

晴歌「例の一件って……あぁ!?」

 

冥琳「そうだ。我々は袁紹とあまり友好的な関係ではない。まぁその事に後悔などまったく無いが、もし袁紹が呼びかけるとなると難しいかも知れん。」

 

雪蓮「どうしてよ?連合組むとしたら戦力が大きいほうがいいに決まってるでしょ?」

 

冥琳「まぁ…そうなのだが。この戦い逆賊とされている董卓を討つと同時に大陸中に名を轟かせるまたとない機会とも取れるのだ。」

 

蓮華「そうなのか?…しかし我々はあの黄巾党を打ち破った事によりもう名が売れているのでは?」

 

冥琳「それはそうなのですが、今回の戦いは董卓の噂が大陸中に広まっており、名分も帝の姉を殺し、暴政をはたらいている董卓を討つということになりますから、世間の注目もかなり高いのです。そのためここで活躍する事が出来れば、その名は大陸中に広まりその評判もうなぎのぼりになるでしょう。」

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雪蓮「つまりもし袁紹が盟主となって呼びかけた場合私達をわざと呼ばない可能性があるということね。」

 

冥琳「まぁ…そこまで頭が回るか分からんが、その可能性がある以上簡単とは言えんな。」

 

一刀「でも心配ないと思うんだけどな…」

 

冥琳「どういうことだ?」

 

一刀「だって俺達は世間的には袁術の客将なんだよ?袁術が呼ばれればついて行くのは当然じゃないか。…それに多分俺達が言わなくても袁術が呼ぶでしょ?」

 

そう一刀があっけらかんと答えると、皆目が点となりその後一斉に笑い出した。

 

雪蓮「あはははっ…そういえばそうだったわ。そんな自覚まったく無かったから忘れていたわ。」

 

祭「クククッ…まったくじゃのう。ワシらは世間的には袁術の将だった。いやまったく…こんな事忘れておるとはな…。」

 

冥琳「はぁ…私も疲れているのかしら。こんな簡単な事に気がつかないなんて…軍師失格だわ。」

 

皆笑っている中で一人頭を抱える冥琳であった。

 

雪蓮「あー笑った、笑った。じゃ特に心配は無いわね。袁術ちゃんのことだからきっと連合に参加する事になるでしょう。もし迷ってたりしても私がうまく参加させるようにするわ。その間皆は今まで以上の調練をしておいて。相手は飛将軍呂布と神速の張遼がいる董卓よ?それを殺すんじゃなくて救うんだから簡単にはいかないわよ♪」

 

祭「おう。任せてもらおうか…。兵たちには一回地獄を見てもらう事になるがその分しっかりと仕上げてご覧に入れましょう。」

 

雪蓮「あ〜やりすぎには注意してね?それと冥琳を始めとする文官、軍師たちは情報収集と董卓を助けるための策を考えといて?どんな状況になるかまったく分からないからいろんな状況を想定して立てて頂戴。」

 

冥琳「誰に言っているのだ?まかせておけ。」

 

雪蓮「わお♪頼もしいお言葉で…。じゃ皆!この戦い絶対に勝ちにいくわよ!!私たちの勝ちは一つ!!董卓を助け出して、この元凶を討つ事!!そして出来ればこの戦いで名も貰っちゃいましょ♪各自奮闘せよ!!」

 

全員『御意!!』

 

雪蓮の掛け声の後一斉にそれに答えた。

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こうして雪蓮達は来るべき戦いにむけて準備をして行くこととなる。

その数日後、雪蓮達の想像通り袁術の所に連合軍参加の檄文が届いた。そしてこちらも予想通りなのか盟主は袁紹で、袁術には正式な書状などが送られてきたがこちらにはまったくそういったものが無かった。そのため雪蓮は袁術の城へ出向き孫呉も参戦するように仕向けようとしたのだが……なんというか、雪蓮が言う前にあちらから一緒に来て欲しいと言われてしまったらしく城に帰ってきたときは苦笑いしか出来なくなっていた。

そしてまたしばらくの日が流れ…連合に参加したものが顔を揃える日が決まった頃にはすべての準備は完了し後はその場で臨機応変に対処するだけとなっていた。

 

雪蓮「さて…これから向かうわけだけど、皆覚悟はいい?」

 

祭「だれに言っておるんじゃ?そんなのあたりまえじゃろ?」

 

冥琳「ふっ…祭殿の言う通りだ。ほら兵たちにも早く声をかけろ。」

 

雪蓮「もう…かわいくないんだから。」

 

今回連れて行く兵達を見渡せる城壁には雪蓮を始めとした今回一緒に向う将達が立っていた。

そんな中雪蓮はこちらに向って話しかけてきたのだが…一刀達は頷くだけで、祭と冥琳は凄く楽しそうに答えていた。雪蓮はその表情が何処か面白くなかったのか、頬を膨らませて見せるとすぐに顔を引き締めて兵全員を見渡せる所に立ち言葉をかけた。

 

雪蓮「きけぃ!!我愛しき孫呉の兵達よ!!我々はこれより逆賊と言われている董卓を討ちに向う。その戦いは今まで経験した事が無いくらいに激しいものになるだろう…。しかし!!地獄とも言える調練を受けてきたお前達には恐れるものなどなにもない!!さあ天下に我孫呉の武勇を魅せ付けに行こうではないか!!」

 

ウオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォ………

 

雪蓮「全軍出陣!!」

 

雪蓮の号令と共に一斉に目的に向って進む兵達。

その先頭には雪蓮を始めとした孫呉が誇る英傑たち。

 

雪蓮・冥琳・祭・蓮華・穏・思春・明命・晴歌・絢音そして一刀

 

まさに孫呉が誇る最高の軍と言えるだろう…

だがその軍をもってしても目的である董卓救出や元凶を討つ事は難しいかもしれない。

しかしあきらめているものなどどこにもおらず、皆凛々しい顔つきで前へと進む。

そんな人達に民が言えることは一つだけ…

 

どうか無事に帰ってきますように…

 

民達はただ愛しき虎の帰りを祈るのであった。

 

 

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〜連合軍・本陣〜

 

城を発ってから数日が経ち雪蓮達は今回盟主となった袁紹がいる連合軍本陣へ着いていた。

どうやら雪蓮達は来るのがちょっと遅かったらしく、他に呼ばれた人達は大体集まっており、残りは曹操の軍だけとなっていた。

雪蓮達は袁紹の兵に自分たちが来たことを知らせるのと、自分たちの陣営をどこに作ればいいかを聞き、いわれた場所に着くと急いで陣を設営するのだった。

雪蓮達が陣を設営している頃…袁紹がいるであろう本陣では、忘れたくても忘れられないあの声が響いていた。

 

袁紹「ちょっと美羽さん!?何でここに孫策がいるんですの!?私はあんな田舎軍呼んだ覚えは無いですわよ!?」

 

袁術「何でといわれてもじゃな…そもそも孫策達はわらわの客将じゃぞ?一緒に来てもなんの問題もないと思うのじゃが…ちがうのかえ?それに孫呉の武勇は一緒に黄巾党の本隊とあたっていた麗羽姉様の方が良く分かっておるじゃろ?七乃違うのか?」

 

張勲「は〜い美羽様。違わないですよ〜。私としましては何で孫策さんたちに号令をかけなかったかが疑問なんですけどね〜」

 

袁紹「ぐぬぬぬ…美羽さんなんであんな人達をかばうんですの?」

 

袁紹「??かばう?誰をじゃ?ただわらわは思った事を言っただけなのじゃ!!それよりもわらわは長旅で疲れたのじゃ〜。七乃〜蜂蜜水を用意してたも〜」

 

張勲「はいは〜い。それでは麗羽様失礼しますね〜」

 

袁紹「な…な…な…なんなんですのーーーーー!!!」

 

袁紹は自分の思い通りに成らなかったことに腹を立てて思いっきり騒いでいたが、それを向けられた袁術はと言うと、なぜここまで袁紹が怒っているのかわからないまま、疲れたといってその場を後にしていた。

このことはいろいろ情報を集める為に各陣営に放っていた明命の部下達が聞いており、すぐさま雪蓮達が知る事となった。

 

一刀「なぁ雪蓮?この報告を聞いている限り袁術は俺達のことを擁護している様にも思えるんだが…袁術は雪蓮達の事どんなふうに思っているんだ?」

 

雪蓮「……今の話を聞いて正直わからなくなったわ。私が知っている袁術ちゃんは精神的にも肉体的にも幼くて、わがまま娘って感じだったんだけど…」

 

冥琳「ふむ…。私もそう認識していたのだが…もしかしたら違うのかも知れんな…」

 

雪蓮「……じゃあ今まで私は袁術ちゃんに騙されてたとでも言うの?」

 

冥琳「いや…そこまでは言わない。だが今の袁術は私達が知っている袁術じゃない感じがする…一体何がどうなっているのだ?」

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祭「そうじゃな。策殿よ袁術の城に行った時は何か感じなかったのか?」

 

雪蓮「……わからないわ。いつもと同じように私は感じていたのだけど…でも今はそんな事考えるのはやめましょう。確かに袁術ちゃんの事は気になるけど…今は目の前の戦いをどう乗り切るか考えましょ。」

 

一刀「そっか…。そうだよな、わかった。なら取り合えずだけど袁術の所に斥候を放っておこう。分からないなら調べてみればいいんだからな。」

 

雪蓮「そうね…お願いするわ。」

 

今まで雪蓮から聞いていた袁術とはかなりかけ離れている事実に皆困惑をしていたが、今はそんな事を考えている場合ではなく、これから起こるであろう事態にむけて準備を進めていくのであった。

しばらくして、雪蓮達がいる天幕に伝令が来た。

 

伝令「失礼します。ただいま曹操殿がお着きになりました。そして袁術殿からの伝言でこれから軍儀をおこなう為雪蓮様達も同行してほしいという事です。」

 

冥琳「わかった。ご苦労。」

 

伝令「はっ!失礼します。」

 

そう言って伝令はその場から立ち去っていき、天幕にいる将達に向けて雪蓮が話し出す。

 

雪蓮「さて、これから軍儀に行く事になったんだけど誰か行きたい人はいる?」

 

雪蓮がそう聞くと皆何も言わなかった。しかも目を合わせたら無理やりにでも連れて行かれると考えたのか…雪蓮と視線を逸らしそれを一生懸命誤魔化していた。

 

雪蓮「はぁ〜そうよね。私も正直行きたくないんだどな〜」

 

冥琳「いや…雪蓮は行かないとダメよ?というか貴方が行きたくないとか言わないでちょうだい!」

 

雪蓮「だって〜どうせ腹の探り合いになるのは目に見えているし、それに袁紹に絡まれるのも嫌よ。」

 

冥琳「だってじゃないでしょ。…まったく。そうだな…雪蓮と私…後は一刀!お前もこい。」

 

一刀「ええぇ!!」

 

冥琳に名指しで呼ばれ変な声を出して驚く一刀。

その横ではいかなくて良かったと安心した顔をしているものや、中には拳に力を入れて”よし!”とか言っている人までいる。(まぁ…よしとか言ってるのは某酒好きの人だけだが…)

 

冥琳「何を変な声を出しているんだ!ほら行くぞ!?それと雪蓮逃げようなんて思うなよ?」

 

雪蓮「う゛ぅ…わかってるわよう…。はぁやだやだ…」

 

一刀「はぁ〜とばっちりだな〜」

 

冥琳は二人の袖を掴むとずるずると引っ張って軍儀が開催される本陣へと歩いていった。

その後姿を見ながら他の人達は手を合わせて拝む。

 

(おつかれさまです。がんばってきてください)

 

まさに自分じゃないからこそ言える言葉だっただろう。

そんな言葉は今の雪蓮と一刀には何の慰めにもならなかった。

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袁紹の陣の前まで行くと雪蓮と一刀はあきらめ身だしなみを少し整えて自分の足で歩き出した。

それを見て冥琳はまた少しため息をつくとそれについて行く。

すると近くから声がかかった。

 

曹操「あら孫策達じゃないひさしぶりね。」

 

雪蓮「あ、曹操!」

 

曹操「あ…ってなによ!あ…って!!失礼ね。」

 

雪蓮「あははっ…ごめんね。でも貴方も連合に参加するとはね…何が目的かしら?」

 

曹操「あら何の事かしら?私はただ逆賊と言われる董卓を討ちに来ただけよ?」

 

雪蓮「あらそうなの?」

 

曹操「そういう貴方達も何が目的なのかしら?貴方の名は無かったと思うんだけど?」

 

雪蓮「さ〜ね。それに名は書かれてなくても私達は袁術の客将よ?袁術が来いといわれれば行かなくちゃいけないのよ。」

 

曹操「そういうことにしておきましょうか。」

 

雪蓮「そうね。お互いのためにもね。」

 

曹操・雪蓮『フフフフフッ……』

 

そう軽く話し二人は見詰め合って笑い出す。

その姿に一刀はまた背中が寒くなるのを感じていると、なぜかその姿を見て呆けている夏候惇を見かけてしまった。

なんというか…突っ込んだらいけないことなんだろう…そう一刀の勘が告げていた。

ちなみに、あの横で顔を緩ませている夏候淵もまた突っ込んではいけないと勘が教えてくれた。

 

そんな事を一刀が思っていると、いつの間にか雪蓮との話が終わったのか…曹操がこっちを向いて話しかけてくる。

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曹操「久しいわね北郷。元気にしてたかしら?」

 

一刀「ええ元気ですよ。曹操さんもお元気そうですね?」

 

曹操「ええ。で?私のところに来てくれる準備は出来たのかしら?」

 

一刀「はぁ…前も言いましたが、私は孫策軍の将です。曹操さんの所にはいきませんよ。」

 

曹操「まぁそう言うとは思ってたわ。…今回の戦い貴方の活躍を楽しみにしてるわね。」

 

一刀「いやいや…自分の将の活躍を楽しみにしていてくださいよ。ほら、あそこで涙ぐんでますよ夏候惇さんが…」

 

そう一刀が指を指すと近くで涙目になっていじけている夏候惇の姿があった。

あとその横には先ほどよりもさらに悶えている夏候淵の姿もあったが…

 

曹操「はぁ〜もうあの子たら…とにかく今言った事は本心だからね?それじゃ行きましょうか?」

 

そう言っていつの間にか曹操は一刀の隣に来ており、一刀の手を取って連れて行こうとする。しかしその手は雪蓮によって阻まれた。

 

雪蓮「こらー!!一刀を勝手に連れて行くなーー!!」

 

曹操「ちっ!」

 

雪蓮「あっ!ちっ…って言ったー!!いい加減にしなさいよね。…っていうか一刀も一刀よ!なんで何にも抵抗しないのよー!!」

 

一刀「いや…ごめん。なんていうかあまりにも自然だったから…」

 

雪蓮「もーしっかりしなさい!!」

 

そう雪蓮が言うと曹操と一刀の間に入ってくる。

そこで曹操と目が合うとなにやら火花が散っているように感じたんだが、それは気のせいと言うことにしておいた。

 

ちなみに傍にいたのに黙っていた冥琳はというと…

 

冥琳(曹操から一刀を守るためにはどうすれば良いか…ふむ。やっぱり滅ぼすしかないか…。まぁそれよりも…だ。あとで一刀をどうやって説教するかを考えないとな…)

 

どなにやら恐ろしい事を考えていた。

 

雪蓮と曹操の一悶着があった後、先ほどまで何故か悶えていた夏候淵が軍儀の事を思い出させてくれたが、皆は何処かうんざりとした顔をしながらも軍儀へと足を運ぶのだった。

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そして軍儀が行われているはずの天幕の近くに来た時、またいつもの笑い声が聞こえ皆顔をしかめていた。まぁここにいる全員このことは予想していた事なのだが…それでも嫌な顔をしてしまうのは仕方が無いのかもしれない。何せそこには軍儀と言う名の袁紹の独壇場になっていたのだから…

 

袁紹「おーーほっほっほ。私が名門袁家の党首にして今回盟主となった袁本初ですわ。まぁ皆さん分かっていらっしゃるとは思っていますけどね♪」

 

そう一人で高笑いしているのが、まことに頭が痛くなるが今回の盟主である袁紹その人だった。

ちなみに、もうすでに集まっていた他の人達は頭がいたいのだろうか?皆頭を抱えて溜息をついていた。

雪蓮達はそんな袁紹の目につかないように静かに自分たちの席に行くとまるで最初からいたかのように振舞うようにする。

 

曹操「はぁ…麗羽もう貴方の自己紹介は分かったから。話を進めて頂戴。」

 

袁紹「あら?いつの間にいましたの華琳さん。」

 

曹操「…さっきからいたわよ。それよりもこれからどうするつもりなの?」

 

袁紹「そうでしたっけ?…まぁいいですわ。とりあえず皆さん自己紹介をしてくださいな。これから行動を共にするんですし、名前ぐらい知ってないと不便でしょ?」

 

そう袁紹は言ったが、正直を言えば雪蓮達が来る前にそれを終わらしておけば、あとは曹操と雪蓮だけなので時間の無駄が少なくなるのでは?と一刀はふっと思ったが、”まぁ袁紹だし”と勝手に結論付けで黙って他の人の自己紹介を聞いていた。

 

しばらくして雪蓮達の番となった。

 

雪蓮「次は私達ね。私の名前は孫伯符。そしてこっちにいるのが軍師の周公謹と将の北江清よ。」

 

そう雪蓮が紹介すると辺りが騒がしくなった。

耳を澄ましてみると”あれが噂の小覇王”とか”黄巾党の本隊をやったあいつらか”とかたぶん噂でしか聞いたことが無かったのだろう…実際の人物を見て皆興味津々に眺めていた。

皆から視線を浴びている中、一刀は雪蓮に注がれる誰とも違う視線を感じていた。

その視線の感じからは興味や関心といった事は読み取れず…何処か嫌っている?そんな感じを受けた。あまりにも他の人と違うため、警戒をしながらその視線を送っている人を探してみると、その視線は先ほど紹介し、俺達が気になっていた最後の陣営…劉備軍総大将、劉玄徳その人だった。

一刀が気になってジッと見ていると、その視線に気がついたのかさっきまで雪蓮を見ていた劉玄徳はあわてて違うほうを向いた。

 

一刀(あれが最近噂の劉備か…。なんていうか王には見えない子だな。覇気などもあまり感じないし…だがなぜ雪蓮にあんな視線を送っていたんだ?)

 

そう疑問に思ったのだがそこでは考えは中断されることとなる。

なぜなら雪蓮が周りの注目を浴びているせいか…袁将がいきなり大きな声を出したからだった。

 

-15ページ-

袁紹「きぃー何いつまで紹介しているんですの?早く座りなさい。」

 

雪蓮「はいはい…」

 

袁紹「もう我慢できませんわ。あなた方孫策軍には先鋒をお願いします。いいですわね?」

 

雪蓮「はぁ?ちょっとまってよ。何で私たちが先鋒なのよ?」

 

袁紹「あ〜らこんなにも有名な孫策さんたちなら簡単でしょ?」

 

雪蓮「あのね…。いくらなんでも私達だけじゃ無理よ。それに何であんたが勝手に決めるのよ?」

 

袁紹「そんなの決まっていますわ。この軍の総大将はこの私ですもの!!」

 

いきなり袁紹が総大将をやると言い出し、一同騒然としあまりにも身勝手な袁紹に皆食って掛かる

そんな状況でもどこ吹く風…というよりもただ空気が読めていないのか我が物顔で話す。

 

袁紹「何を言っているのですか?そんなの当たり前でしょ?名家である袁家の私以外に総大将が務まる訳がありませんわ。」

 

それを聞いてもう何を言っても無駄だと悟った皆は黙ってしまう。

 

袁紹「とにかくいいですわね?先鋒は孫家の人達にやって貰います。まぁ私に逆らうのであればそれでいいですが…どうなるかわかりますわね?」

 

雪蓮「くっ…わかったわよ。」

 

悔しそうにそう答えると袁紹はその顔に満足したのか嬉しそうな顔をする。

 

袁紹「それでいいですわ♪あぁそれと孫策軍が先鋒になるのですから、その補給などは主である美羽さんにやってもらいますわよ?」

 

袁術「のわ!?わ…わらわがかえ?…むむむ。分かったのじゃ。」

 

いきなり名前を呼ばれてビックリした袁術だったが、しぶしぶといった感じで了承する。

少し困っているように見てたのだが…それは多分言われるとは思っていなかっただけだろう…

 

袁紹「聞き分けの良い子はかわいいですわよ?孫策さん感謝してくださいね?名誉ある先鋒を任せたこの私の采配に。それとこの私自身が最高の策を考えて差し上げましたわ。」

 

皆それを聞いて一斉に嫌な顔をする。

まぁそれも当然だろう……だってこの袁紹がまともな作戦など考え付くはずがないと皆おもっているのだから…

 

雪蓮「…聞きたくないけど策って何?」

 

袁紹「よくぞ聞いてくれましたわ。策とはずばり雄々しく、勇ましく、華麗に前進ですわ♪」

 

それを聞いて皆一斉に頭を抱えた。

-16ページ-

そして今全員の心が一つとなりこう思った…

 

いいかげんにしてほしい

 

だがそれを言えばこの連合の中でも一番の兵力を誇る袁紹が敵になってしまうと考え皆発言できずにいた。

結局軍儀で決まった事と言えば袁紹が総大将になった事と、やっぱり袁紹は救いがたい馬鹿と言うことだけであった。

 

こうして雪蓮達はたった一軍で先鋒を任されることとなり、これからの事を考えるためにもすぐさま自分たちの陣へと帰っていく。

その足取りは重く、表情も暗くなってしまっていた。

だが、それと同時に軍儀にでていた雪蓮たちの心に火がつくこととなる。

 

雪蓮「多分何かやってくるだろうとは思ったけど…まさかこんなことされるなんて…でも上等じゃない。私達を先鋒にしたこときっと後悔させてあげるわ。」

 

冥琳「ああ。確かに厳しいがこれは好機でもある。我々が先鋒で功績を挙げれば大陸中に我々の強さが広まるだろう。」

 

一刀「袁紹はどうせ泣き付いてくるだろうとしか思ってないだろうが、俺達を甘く見すぎだよ。しっかりと先鋒はたさせてもらうとしようか」

 

そう三人が言い合うと顔を見回してニヤリと笑いこれからの事を考えながら戻っていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

袁紹の嫉妬と逆恨みで先鋒を任されることになってしまった孫策軍

 

しかしきっと袁紹は後悔する事になるだろう…

 

虎の力をなめた事を…

 

なにより虎を力で脅しこき使おうとした事を…

 

さぁここにいる皆よ活目して見るがいい!

 

孫呉の兵の力を!!

 

なぜ孫家が虎と称されるか…その理由をその目で確かめてみよ!!

 

 

今ここに歴史に名を刻む事となる戦いの火蓋がきって落とされたのだった。

-17ページ-

はい。これからの展開を考えているのが楽しくてしょうがない秋華です。

 

思春「あの料理で秋華をしとめられなかったのが悔しい思春だ…」

 

何いきなり怖いことを言ってるんですか?

 

思春「フン!!」

 

あーなんかすねてますね。

多分何かあったのかもしれませんが…私には分かりません。

 

思春(なぜ本編であんなにも曹操が一刀にべったりなのだ!!あそこにいるのは私のはずだ!!)

 

とにかく今回のお話はどうでしたでしょうか?

 

思春「…まぁそうだな。前言っていた通り顔合わせまではすんでいたようだが…やけにあっさりすぎはしないか?」

 

んーそれはですね。黄巾党の時に一度会っているので別にまた詳しく書く必要が無いかなって思ったんですよ。まぁ…書くべきとこはちゃんと書きましたが…

 

思春「そうか?なら別にいいのかもしれんが…あと原作とは少し違い孫家が先鋒になったがそれはどういうことだ?」

 

えーと確か前読んだ本には孫家…といっても孫堅さんなんですが先鋒だったんですよ。あれはなんて名前だったかな…

 

思春「…大方演義だとは思うが…まぁそういうことなら仕方が無いな」

 

と言うことですので、ちょっと原作とは違ってきますが頑張って書きたいと思いますので楽しみにしてくれている方、ちょっと興味を持ってくださった方は次回を待っていてください。

 

思春「せっかく面白そうになったんだ。ヘマをするなよ?」

 

イエス・マム!!

 

さて次回ですが…

 

前曲に配置されてしかも自分達だけで先鋒を勤めないといけなくなってしまった雪蓮達

 

いきなり現れた難局にどう立ち向かっていくのか?

 

いつもと違う袁術の意味とは?

 

今日の思春ちゃん偉大なる絵師さんに影響される!?

 

こうなると思います。

 

思春「………最後。あれは冗談か?…もしそうなら笑えないが!?」

 

いや本気ですよ?

 

思春「なお笑えん!!」

 

あはは…ではいつもと同じように今日の思春ちゃん……

 

思春「ちょっとまった!!」

 

なんですか?いくら止めても無駄ですよ?

 

思春「いや…ちょっと今回だけ私に言わせてほしい事がある。」

 

は!?

 

思春「…たのむ。」

 

なに!!あの思春がたのむだとぉぉぉぉ!!

 

思春「そんなに驚く事か?」

 

まぁ普通は驚きますよ。

……わかりました。今回だけですからね!?

 

思春「わかっている」

 

…なんだか、良く分からない状況になりましたがとりあえず思春の話を聞いてあげてください。

それではまた次回お会いしましょう!あでゅー☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思春「んっ…あのだな。今回私に言わせて欲しかった理由は今も頑張って私達が生きている世界を作ってくれている作家さんが、この作品を見て頑張ろうと思ってくれたからだ。いろいろ大変だとは私も分かっているが…それでもできることなら完結まで頑張って欲しい。私にはそれしかいえないのが悔しいが…な。そ…それでだな…////私の言葉が力になっているのなら私の言葉で応援をしたいと思う。い…一度しか言わないからな!!///だからちゃんと聞いてくれ…////わ…私は貴方達が好きだ!!大好きなんだ!!これからも頑張って!!そしてこの作品を見てくれている人も大好きだ!!私は…いや…多分私達はそんな皆を愛しく思っているぞ。だ…だから////これからもよろしく頼む!!」

 

 

やべ…ちょっと涙出てきた。

まさか思春がこんなこといってくれるなって…

 

思春「///今回だけだ…」

 

なんか今回すべて思春に持ってかれたよ…。

私としてはかなり複雑だが……でもイイ!!

 

説明
なんというか…前回思春の手料理を食べたおかげでこんなに早く投稿できてしまった秋華です。

なんだろ……あの痺れで頭が活性化されたのか?

は!…まさか思春それをわかってて!!……………ないよね


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コメント
多分10p目だと思いますが、美羽の台詞なのに麗羽の名前になっています。(神木ヒカリ)
美羽が何やらありげ?高笑いは麗羽が全てまかなってくれるでしょうから、美羽と七乃は実は・・・ってな所を期待した^^ ・・・華琳は何時も全開だw(深緑)
ZEROさん_覇王さまは自然を装うのがうまいようですからww美羽についてはぜひ楽しみにしてください!!(秋華)
SempeRさん_アホっ子って…ww確かにそうですけどあれは行き過ぎたと思いますよ?ww美羽が違う事についてはこれからどんどん明らかにしていく予定なのでまっていてください。(秋華)
ちくわの神さん_そうなんですよね〜。ちょっとまともにするだけで好感度がかなり上がっちゃうんですよ。wwやはり美羽はかなりのハイスペックだと言う事が分かりますね。(秋華)
hokuhinさん_おお!また読めないと言われてしまいました!嬉しいです!期待に応えれるように頑張ります!(秋華)
華琳が自然に人攫いとはすごいですね。 美羽がどんな変化がおきたのか楽しみです。(ZERO&ファルサ)
袁紹は馬鹿じゃないんです、アホの子なんです!www 美羽がちょっと違うのはどういう意図があってなのか、これからが楽しみです。(SempeR)
おぉ、こういう美羽は何故かはわかりませんが好感が持てますwww(ちくわの神)
いよいよ始まった反董卓連合ですが、麗羽が呉を嫌っているのと美羽の変心?が物語を面白くしてるな。今後どうなるか読めないわ。(hokuhin)
13pどなにやら恐ろしい→となにやら恐ろしいかな? 最後2828282828ww(2828)
320iさん_あーその予想は結構当たってますよ?wwだけど想像通りではないと思います。思春のメッセージでそう思ってもらえると思春も大喜びだと思いますよ?あとで言っておきますね?(秋華)
ダンデムさん_2828しすぎですよwwとてもうれしいですが…2828で倒れないようにしてくださいね?(秋華)
主水さん_誤字指摘ありがとうございます。そう言ってくださるととても嬉しいです。何か今とてもいい感じなのでまた近いうちに上げることになりそうですよww(秋華)
はりまえさん_さ〜どうなるでしょうね?ww華琳さんについては多分おもしろそうだからに八割ぐらいあるんだと思いますww(秋華)
よーぜふさん_本当に覚醒したみたいですよ。なんていうか…今神様が降りてきてくれているようです!!さて今度は誰をかわいく書こうかな〜ww…あ、思春は決定してますので…(秋華)
瓜月さん_誤字指摘ありがとうございます。いかにも袁紹…新しい言葉ですね。意訳すると”馬”と”鹿”になるんでしょうか?ww美羽については悪いようにする予定は今のところありませんwwけっこう美羽好きなので…(秋華)
かもくん_ありがとうございます!完結まで頑張りますよ!!(秋華)
紫電さん_そうですね。ある意味同じですが…あとは言わなくても分かりますね?wwここの思春はデレ率をいつもよりかなり多めになってますので…ww(秋華)
ラストの思春に2828282828www(タンデム)
p17 「これかの展開」ではなく「これからの展開」では? 原作とは違った作品を楽しみに待たせていただきます。自分のペースで頑張ってください。思春ちゃん本当に良い子ですね。(主水)
まぁ、どの世界でも袁紹は馬鹿なんですよねぇ。(poyy)
一刀ほしがるのはいたら心地いいのか、はたまた戦力でほしいのか半々だな。にしても先鋒は本編とは別話にしたのがいいね。さてどうなる事やら(黄昏☆ハリマエ)
冥琳さん・・・こわかわいい!(ぇ 華琳さんもなんかかわいいですけどね?w そして美羽さん・・・もしや更生フラグ? ま、一番は思春さんのかわいさですが・・・秋華様も思春さんの愛の料理で覚醒したようで。次話もたのしみにしてます。(よーぜふ)
おもしろすぎます!!完結までがんばってください!(かもくん)
ポセンさん_たぶんそれが華琳さまクオリティだと思いますよ?一刀の無防備さについては原作からのお約束と言う事で……(秋華)
華琳さま普通に持っていこうとしたな、一刀も無防備すぎる、次回も期待。(ポセン)
フルーさん_あ…誤字だと思います。ありがとうございました。すぐに直します(秋華)
mightyさん_おお!早いコメントありがとうございます。読めないですか…それは嬉しい言葉です。出来るだけ次回も早くに投稿できるように頑張ります!!……mightyさん?…だめしっかりしてくだい!!死なないで〜〜〜(泣(秋華)
誤字ですかね?「雪蓮をあんな視線を送っていた」→「雪蓮に」じゃないですかね?(フルー)
砂のお城さん_おお!早いコメントありがとうございます。華琳様の行動に吹いてもらってよかったです。劉備についてですが、戦い自体を嫌っているというところを前面に出していくつもりなのでこんな感じにしてみました。思春ちゃんについてはまぁいつもはデレばっかなのでたまにはイイナ〜と思っています(秋華)
なんとも読めない展開!これは次回どうなるか楽しみですね〜♪ ・・・・・・(返事が無い思春に骨抜きにされたようだ(mighty)
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真・恋姫無双 恋姫無双  反董卓連合編へ突入!! 安心の袁紹(変わらない意味で) やはり敵は曹操のみ!! 

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