異世界冒険譚 魔法少女リリカルなのは月 A`S 20話下
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yukito side

 

「いや、そんな必要はない。君はここで逮捕されるからだ。」

 

「っ!?」

 

俺は振り向こうとする。

 

「動くな!」

 

そう言われて前を向き手を挙げる。

 

「その声……クロノ・ハラオウンか!?」

 

「…………」

 

後ろにいる奴は答えない。

 

「……君が…空気を読まないのは…解っていたが……まさか高町…なのは、プレシア・テスタロッサと戦った後に仕掛けてくるとはな……君の空気の読まなさは天下一のようだな。」

 

「ああ、君を捕まえるにはこれくらいしなくちゃならないと思ったんだが……うまく決まったようで良かった。」

 

待て……こいつは今何て言った? さっきのなのはちゃんとプレシアさんが順番に仕掛けてきたのは……作戦だという事か!?

 

「貴様……まさか高町なのはやプレシア・テスタロッサを囮に……」

 

「……彼女達には悪いとは思ったけど……君を捕まえるためにはこの位しないとダメだと思ってね。」

 

クロノが悔しそうに言う。

 

その声には本当はやりたくはなかったという感情が込められている。

 

クロノは本当にやりたくなかったんだろう。プレシアやフェイトのために考えてやったんだろう。

 

それでも! だとしても! 幼馴染を! 大切な人を囮にされて黙っていられるほど、俺は冷めてない!

 

「キ…サ…マァ!」

 

妖力開放!

 

妖力を開放すると俺の両頬に合計6つの傷跡ができる。

 

「だりゃああああっ!」

 

妖力をスーパーサイヤ人の変身のように放つ。

 

「うわ!?」

 

俺が放った妖力によってクロノの体勢が崩れたようだ。

 

俺はその隙にクロノから離れる。

 

でも離れてどうする!? 出来ればクロノを一撃で倒したい。でもこの武器じゃ一撃で倒せるか分からない。武器を……

 

「トレース……ぐぅ!?」

 

ちぃ! もう、投影も出来ないか……しょうがない。見せたくはなかったんだけど。

 

背中に力を込める。

 

「ぐっぐぐぐっ……ガアッ」

 

――バサァ

 

俺の背中から翼が生えてくる。

 

「なっ何なんだそれは!?」

 

クロノも驚いている。そらそうか。人間から羽生えたらな。しかもバリアジャケットじゃないし。

 

この翼、別に妖怪とかの能力や翼じゃない。

 

ユエの羽だ。

 

しかもただの羽じゃない。ただの羽なら出す必要ないだろ?

 

この翼の能力は……

 

side out

 

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Chrono side

 

失敗した……僕は何を油断してたんだ。ユエなら何が起こっても不思議じゃなかった。ここは声を掛けずに気絶させておくべきだった。

 

離れたユエを見ると苦しむように力を込めている。

 

? 何をしているんだ?

 

「ぐっぐぐぐっ……ガアッ」

 

――バサァ

 

ユエの背中から翼が生えてくる。

 

「なっ何なんだそれは!?」

 

ユエが一層力を入れるとユエの背中から翼が生えてきた!?

 

デバイスみたいに機械的でも、バリアジャケットの様に無生物的でもない。生物的な翼だ。

 

(マズイよクロノ君!)

 

(エイミィ!?)

 

(あの羽が出てきた時から、ユエさんの周りの魔力が羽に吸収されてるの!)

 

(なに!? それじゃあ……)

 

(うん! このままじゃあ、ユエさんの魔力が回復しちゃうよ!)

 

――バリッバギッ

 

一瞬ユエから目を離すとユエから何かを砕くような音が聞こえてきた。

 

ユエを見ると……

 

「なっ、か…刀を!?」

 

side out

 

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yukito side

 

そうつまりこの翼は俺の周りの魔力を吸収してくれる働きがあるのさ!

 

え?もう知ってる? 俺説明したっけ? まあ良いや。

 

とりあえずこれで少しずつ魔力が回復できる。

 

後は一気に回復して投影する! 勝利のカギはこのスキルだ!

 

「スキル……バクバクの実。」

 

俺はソードサムライXを口に持っていく。

 

――バリッバギッ

 

おっ! バクバクの実の能力かなんだろうけど意外といける。

 

「なっ、か…刀を!?」

 

クロノもビビってるな。

 

「ごくん。」

 

ふう。御馳走様でした。

 

そして食べたものは俺の中で血となり肉となる。

 

つまりソードサムライXの投影に使った魔力が回復する。

 

「トレース……オン。」

 

武器選択

 

名称――エクスカリバー

 

不可――魔力不足

 

設定変更――真名解放能力削除。再度投影。

 

可――投影開始。

 

「是、エクスカリパー。」

 

「しまった!」

 

準備完了。俺は羽を広げ飛び立つ。

 

「これでどうだ!?」

 

クロノが魔力弾を放つ。

 

「神速発動。……くっ!」

 

迫ってくる魔力弾を神速の状態で避ける。

 

右…左…右…クロノの目の前に来た。

 

「おおぉおおお!」

 

クロノの右を通り抜けるようにエクスカリパーで斬り付け、回り込んで今度は左側を通るように斬り付けクロノの前面に移動する。

 

「俺のこの手が光って以下略! シャイニングフィンガー!」

 

これだけじゃまだ気絶するか分からないから、放す直前にディバインシューターを数個つけておいた。

 

「ばぁくはつ!」

 

俺の声と同時にクロノに付けておいたシューターが爆発する。

 

「是、デスティニーコンボ。」

 

まあ簡単に言えばガンダムデスティニーの1コンボだ。

 

「う…うあ…」

 

よし、気絶したか。

 

さっさとフェイトとシグナムの……!?

 

待て……何かを忘れている。

 

フェイトとシグナムが戦ってなのはちゃんとヴィータが戦う話があったはず……それでフェイトが……

 

「ひっ!?」

 

な…なんだ? この寒気は……

 

とりあえず早くフェイトとシグナムの戦いを止めないと!

 

「ジャンプ。」

 

俺はシグナムがいる次元世界へジャンプした。

 

side out

 

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Signum side

 

無人世界。私は黒い魔導師と戦っていた。

 

高科が魔導師の情報をくれなければ逃げていた……逃げていたら速度の速い魔導師の思う壺だったろうが……

 

それにしてもこの魔導師……先ほどから僅かだが速度が上がってきている。目で追えない攻撃が出てきた。この魔導師……強い。

 

「私はベルカの騎士ヴォルケンリッターの将、シグナム。そして我が剣、レヴァンティン。……お前の名は?」

 

「ミッドチルダの魔導師、時空管理局の嘱託、フェイト・テスタロッサ。この子はバルディッシュ。」

 

「フェイト・テスタロッサ。バルディッシュか。」

 

このコンビ…いいコンビだ。互いに信頼し合っている。もっと戦っていたいが……

 

「名残惜しいが……これで最後だ。」

 

そう言い私は構える。

 

「はい。」

 

テスタロッサも構えた。

 

テスタロッサは速い。もし更に速くなったら私は負けるだろう。

 

……主はやて……

 

主はやての顔を思い浮かべると私の心に炎が灯る。

 

そうだ。私は負けられない。テスタロッサがどれだけ速かろうと、どれだけ私が傷つこうとも……主のために……

 

「私は……私は負けられないのだ!」

 

――ゴゥ!

 

私が叫ぶと私の中の何かが解き放たれたような感覚がし、背中に炎の翼が灯る。

 

これは……高科の…技の……今まで出来なかったはず……ふっ、あいつが応援してくれているようじゃないか。

 

「行くぞ……フェイト・テスタロッサ。」

 

私達は同時に走り出す。

 

受けてみろテスタロッサ。高科に教えてもらった技を!

 

「舞え…紅蓮の翼!」

 

テスタロッサが攻撃の範囲内に入る。

 

「皇王天翔……なにっ!?」

 

 

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テスタロッサに攻撃しようとすると、テスタロッサの胸から腕が……!?

 

テスタロッサの後ろに先ほどまで居なかった男がいた。

 

「貴様!」

 

こいつがテスタロッサを!

 

目の前の男に何者かを問おうとすると……

 

「う……うわあぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!? アリシア!? アリシアァアアアアアアアア!?」

 

いつも聞いている声が、叫びをあげていた。

 

side out

 

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yukihito side

 

シグナムがいる世界。なんとかシグナム達が居る所にジャンプ出来て良かった。

 

お、シグナムが使ってるあれって皇王天翔翼じゃんか。出来るようになったんだな〜。

 

おっと感慨に浸ってる場合じゃない。

 

「シグナム! フェイ…………ト?」

 

俺がフェイトの方向を見るとフェイトが腕に貫かれて……フェイトの体からナニカガ……

 

「つぅ!?」

 

思い出す。

 

ダメダ、オモイダスナ!

 

部屋? 夜? 暗い場所。辺り一面黒黒黒……液体……か?

 

シラナイ。ソンナバショハシラナイ!

 

その場所に一点だけある赤……

 

オモイダスナオモイダスナオモイダスナオモイダスナオモイダスナオモイダスナオモイダスナオモイダスナオモイダスナ!

 

二つに千切れたナニカ。後ろから吹き飛ばされたようにナカが飛び散っている。褐色とピンクのカタマリを彩る赤。マッカナ……

 

「う……うわあぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」

 

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あとがき

 

どうもこんにちは作者です。

 

さてこの20話もようやく終了。なかなか大変だった。三連戦はやりすぎたかな。

 

まあそれはそれとして今回の異世界冒険譚は!?

 

プレシアと戦った後に来たクロノ。いつもの空気の読めない行動だと思ったら、なのはちゃん達を囮に!?

 

雪人君怒る。

 

ちなみにクロノ君がすぐに倒されましたけど、別にクロノ君が弱いわけじゃないです。

 

神速+抜刀でプレシアさんが倒されましたよね?

 

クロノは神速+エクスカリパー×2+シャイニングフィンガー+魔力弾の至近距離爆発。

 

これで倒れなかったらクロノは怪物ですよ。

 

シグナムさんはブラストキャリバー解放。さらに秘奥義解放。皇王天翔翼が使えるようになりました。

 

そしてその勝負に水を差す変態仮面。

 

貫かれるフェイト。

 

その姿を見て発狂する雪人君。

 

雪人君に何があったのか!?

 

次回ではそれを説明しません! あしからず。

 

それでは次回もサービスサービスゥ!

 

説明
交通事故によって死んでしまった主人公。しかし、それは神の弟子が起こした事故だった!?主人公はなぜか神に謝られ、たくさんの世界へ冒険する。

そして物語はA`Sへ・・・
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コメント
田仁志さまコメントありがとうございます。暴走ですからね、いつもの戦い方や、考え方ができません。なので戦い方によっては倒せます。(RYO)
おお!!暴走した!!!! ってか暴走したら誰か止められるのか!?!?!?!?(ペンギン)
aruto様コメントありがとうございます。犬夜叉ですね。ユエが妖気を使うときは6本の傷跡ができる設定でひとつ。月は最高。またCLAMPででないかな(RYO)
黒幕様コメントありがとうございます。暴走します。闇堕ちとか大好きなんで。(RYO)
brid様コメントありがとうございます。とうとう翼が生えてきましたからね。続きは俺も気になるー!(RYO)
つくよみ様コメントありがとうございます。う〜ん。あまりその辺は決めてないんですよね。決めるとそれだけでやらなきゃだし。とりあえず雪人君はテイルズ系の技を中心に教えたということで。(RYO)
また、犬夜叉ですか〜 やっぱり月はいいですよね〜(aruto)
もしかして暴走くる?(黒幕)
とうとう本格的に月化してきたけど・・・なんか発狂してる・・・続きが気になる・・(brid)
雪人がシグナムに教えた技は全部テイルズの技なのかな?(つくよみ)
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魔法少女リリカルなのは トリップ 多重トリップ フェイト・テスタロッサ 

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