機動戦士ガンダム サイド アナライズ ストーリー第四話〈中編〉
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機動戦士ガンダム サイド アナライズ ストーリー

第四話 「サイド0(ゼロ)降下阻止命令!!」〈中編〉

 

1.死闘

 

 完全に見誤っていた。

スペースコロニー・サイド0の守護者、銀色の大巨人の大きさとパワーを。

 私は遠くから見て三十メートル程度と目測していたが、大巨人の至近距離に

近づいたヒロタカのザクmarkUに設置された戦術コンピュータから送られて

くる詳細な分析データは恐ろしい数値を示していた。

 

・全長三十九メートル。ザクのちょうど二倍。

・推定重量約二百四十トン。ザクの約五倍。

・熱排気、その他から推測されるパワーはザクの二倍以上。

・スラスターの推進力なら八倍以上。

 

 つまり、ザクmarkUのまるまる二倍以上の体躯を持った強敵だということだ。

 この危機的状況を例えるなら十二歳の女の子が、立ち上がった飢える巨大グマと

鉢合わせしてしまった感じだろうか。

 大巨人の指はメガ粒子砲を兼ねているので上手く曲がらず

武器も掴めないためザクmarkUと比べ状況に応じた対応力には劣る。

 拳も握れないため、繰り出すのはどうしても無造作な突きのみになるが、

 恐ろしいパワーに重量が加わった超スピードの突きが繰り出せるなら、

それがどれだけのハンディになるというのか?

「ちぃっ、こんな馬鹿でかい奴とは思わなかったよ、こっちの頭の位置が

奴の腹のあたりって、どんな差だよ!」

 大巨人の腹の部分に、思いっきり殴りかかり十数発ヒットしているのだが、

まるで歯が立たない。

 装甲は同じ超硬質スチール合金製だが、相手の装甲が厚いからというより、

単純に機体の大きさと重量が違いすぎるので通じないわけだ。

 無防備で正面を向いていた大巨人は、

「お嬢ちゃん、もう気が済んだかい? そろそろこちらもやらせてもらおうか」

 というように、半身の姿勢になり、高速で右足を後方に下げた。

「ヒロタカ、回し蹴りよ、くる!!」

「判ってる、延髄切りかなんかだ」

 図体が大きくオーバーアクションなので何を仕掛けようとしているのか

おおよそ判る。

 が、それが判っていても避けられない爆発的なパワーと重量が乗った

回し蹴りだった。

 グワ―――ン!!

 防御した左腕のブロックが一瞬で弾かれ、ザクの後頭部を狙った

大巨人の右足が突き刺さる。

 口につながる動力パイプを蹴り千切られ、ヒロタカのザクは三回転ほどして

すっ飛び、付近のビルや住宅を十軒ほどなぎ倒してようやく止まった。

「げ、げふっ……!」

 物凄い衝撃を受け、瞬間的にかかる強烈なGからヒロタカを護ろうと

ヘルメットや与圧服、シートベルト、衝撃緩和シートの四点セットが

懸命に働いたが、そのカバーですら防ぎきれ無かった。

 バイザーが吐いた血で染まる。

「ヒロタカっ!!」

「くっ……! や、やるな……、メ、メインカメラはまだ、イカれてないか。

頭は、つながって、るようだ……」

「大丈夫!?」

「なんとかな…… 連邦にはモビルスーツがないから、どうしても演習試合は

ザクとの模擬戦闘になるけどこんな強い奴、相手にしたことないぜ。姉ちゃん

この位強い奴造って乗せてくれよ」

「こんな大きすぎて艦艇にも載せられない、採算度外視の規格外決戦兵器みたいなの

量産したら国が傾きますっ!」

「ソーテルヌ中佐。おとりこみ中、申し訳ありません」

「どうしたの?!」

 老練で冷静沈着さに定評があるトシオ・フルカワ少佐が深刻な表情で話しかけてきた。

「サイド0が地球の重力圏の影響を受け始めました。加速が増しています。

ヒロタカ少尉にあの無人機を早く始末して頂かないとーー」

「無理は承知の上でね」

「はい」

「そういうことよ、ヒロタカなんとかしないと……」

「なんとかって、どうすんだよこいつ?!」

 蹴り飛ばされ、倒れてまだフラフラ状態のヒロタカのザクの目前へ、瞬間移動を

したかの様に現れた大巨人は、ザクの胸を串刺しにしようと、AIコンピューターに

記録された武術の達人の突きを再現するかのように超スピードの無慈悲な突きを

繰り出してきた。

 ザクの胸は右がミノフスキー核融合炉、左がコクピットでどちらも大穴を開けられれば

致命傷だ。

 機体を寝転がして必死に躱すが、掠っただけでザクの右肩の分厚いシールドがバターの

ように抉られていく。

「くそ、図体がデカイくせになんて素早いんだ! おまけにこっちは動力パイプを

蹴り千切られたせいか動きが鈍くなってきた。今度から造るモビルスーツはやっぱパイプは

内蔵型に戻したほうがいいぞ姉ちゃん」

「そ、そうするから、なんとか倒して戻ってきて!」

 余裕のあるふりをして批評なんかしているが、足下のフットペダルの踏み込みや手元の

レバー操作のスピードは超人クラス。そこまでしないと、あの無人機の反応速度について

いけないってことだ。

「空中戦駄目、格闘戦も歯が立たないってんじゃ、何か奴が持ってない凄い武器でも

ないとーー」

「凄い武器……」

 目の前で今にも死にそうな愚弟にハラハラさせられて頭が回らなかったが、言われて

みて我に返り、やっと頭がフル回転で回り始めた。

 

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 現状確認とこちらの利点をもう一度検討する―――― 

 まずヒート・ホークで向かっていけば、今度こそ全開パワーで腕ごと

蹴り千切られるだろう。

 次に格闘戦をやめてザクマシンガンに切り替えたとする。

 AIの危険度判定がアップしてしまい、今までコロニーの崩壊につながるから

あえて使うのを止めていたメガ粒子砲一三門を再度使わせてしまうことになる。

 そうなったら一巻の終わり。

 ある意味舐めてかかっている、地上戦の今倒さない限り勝機はゼロだ。

 残るはクラッカーによる一時的な目眩まし。

 これは非常に有効だ。

ミノフスキークラフトバリヤーを発生させる装置があちこちに設置されているから、

コロニーの中はミノフスキー粒子で充ち満ちている。

 それで大巨人のレーダーは使用不可能だから、現在モノアイの光学センサーや

聴覚センサーに頼っているはずだが、クラッカーは使用すれば光学センサーを

麻痺させる大光量の光と聴覚センサーを狂わす音波を同時に発生させるから四十秒程度、

敵を行動不能にできる。

 もちろんその間に攻撃して破壊するなんて真似ができないのは今の戦いで実証済みなので、

ここは逃げの一手を決め込み、形勢立て直しを図るしかない。

「ヒロタカ、クラッカーよ! クラッカー使って逃げて! 場所は私が指示するから!!」

「わかった、よーーし、喰らえデカブツ!!」

 大振りで腕を上げた大巨人の僅かな隙を狙って目の前にクラッカーを叩きつける。

 

 バシュッ!! ズバババババ〜〜〜〜ッ!!

 

 クラッカーに怯み、ふらついた大巨人の攻撃から抜け出したヒロタカのザクは一目散に

走って逃げ出した。

 一見モタモタと走っているように見えるが、全長十八メートルのモビルスーツだから

歩幅があるので時速八十キロ程度のスピードは出ている。

 どこへ逃げ込むかだが、コンピューターに登録されたサイド0のデータマップを操作して

現在地から東西南北、四十秒間にザクで移動できる範囲にある、地形や建物を片っ端から

はじき出す。

 コロニーの内側に建設されているため、海や空港こそないが、ハイウェイに山や湖、

工場に住宅、ショッピングモールに遊園地、牧場といった、およそ人間が快適に暮らすのに

必要な設備は全て揃っている。

その中で、私は一番近くにあった巨大な工場 ――〈プラモデル工場〉にヒロタカを

誘導することに決めた。

「近くに〈ポンタイ〉の工場があるでしょう、そこの重化学プラントへ逃げて!」

「ああ、すぐ近くにあるな。プラモ工場か、よしわかった!」

 ザクを全速で走らせ、プラモデル工場の重化学プラントに向かわせた。

 クラッカーに怯んでいた大巨人もセンサー類の自動修正が終了し、クラッカーの効力が

失せるのと同時に、すぐプラモデル工場へ向かってきた。

 軽くスラスターを効かせて機体を浮かせ、突進する。

 もちろん小走り程度のつもりだろうが瞬間的に時速六百キロを超える。

 風圧で近くにあった樹木や簡単なプレハブ住宅が根こそぎひき裂かれる。

「奴が来たわよ、残ったもう一個のクラッカーを持って、重化学プラントのプラスチック

製造棟へ急ぎなさい!」

「了解!」

 ヒロタカのザクがプラスチック製造棟に着いたのと、大巨人が到着したのはほぼ同時だった。

 到着地点を予想し、最短ルートでやってきたのだろう、無人とはいえ周りの施設は全て

薙ぎ倒されていた。

 バーニアでしばらく浮いていた大巨人はまた地上に降りて、〈もう逃げられはしない〉と

こちらを睨むように仁王立ちした。

 心理的に恐怖感を与えるための間をわざとおいてプレッシャーを与えている。

 大巨人のAIはコロニーを地球衝突まで維持することと、確定ターゲットを殲滅すること

のみに徹した殺戮マシーンだった。 

「ヒロタカ、左へ五十メートル、停まれというまで少しずつ移動して!」

「わかった!」

 じわりじわりと左へザクを移動する。

 それを察知して、自分も左へ少しずつ移動して対面する状態を崩そうとしない大巨人。

 そうこうしているうちに、全高百メートルはあろうかという円筒のタンクが

七つズラリと並ぶ位置まで大巨人が移動した。

「よし、いいわよ停まって!」

「そうか、わかったぞハルカ姉ちゃん! タンクの前に誘導して、奴に煮えたぎる

プラスチックでもぶっかけて動きを鈍くするか、ガスタンクでも打ち抜いて爆風で破壊する

つもりだな!? それとも無塗装だから薬品でも浴びせて錆びさせるとか(笑)」

「あんたこの期に及んでホントに馬鹿ね、あいつのパワーや推進力見たでしょ!?

プラスチックが多少冷えて固まろうがそんなもん、なんの鎖にもならないわ! 

それにガスタンクなんか爆発させたらあいつより、あんたの方が先に巻き込まれて

お陀仏でしょが? 薬品を浴びせる!? 濃硫酸だろうと濃硝酸だろうと、あいつが

ボロボロになって動けなくなるまで悠長に待ってられないわよ、地球にもうすぐ

このコロニーが落ちるって時に」

「なら、どうすんだよ!?」

 

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「今、奴がちょうどNO.4のタンクの前に来てるわね。そのタンクの高さ六十五メートル

あたりのところへクラッカーを思いっきり投げ込んでブチ抜いて!!」

「えっ!? いいけど、なんか浴びせるのは無駄だって今言っただろ?」

「浴びせるのは無駄とは言ってないわよ。ほら早く投げて!」

「よくわかんねぇけどハイハイ、よっと!!」

 ザクに思いっきり投げつけられたクラッカーはタンクを軽くぶち抜いた。

 その穴から透明な液体が滝のように噴き出し、下にいる大巨人に降りかかる。

 無論、それが人間にとって猛毒の薬品だろうが強酸だろうが効くわけがないので大量に

浴びても全く委細かまわず、こちらを睨みつけたままだ。

 クラッカーを投げられてもセンサー調整済みなので次からは効かないし、自分以外の

見当違いの方向に投擲されたものなので全く無視だ。

「よーし、かかった!! 今よ! ヒロタカ、ヒート・ホークでその液体に軽く触れなさい!」

「えっ? ああ、了解!」

 ヒロタカが近くに降ってきた液体に、熱を通したヒート・ホークで軽く触れると

ひき放たれた矢のように炎がタンクと大巨人に伝わり、大爆発を起こした。

 さしもの大巨人―― AIにも突然何が起こったかわからず、わからないままに

連続する大爆発で、損傷を被っている。

「うわーーっ!! なんだ、これは!?」

「あははは、いくら大巨人でも、機体の隙間から内側に染みこんだ〈液体爆薬〉には

勝てないでしょ!?」

 笑う私に、ついてこれないヒロタカが聞いてくる。

「〈液体爆薬〉? なんでそんなもんがプラモ工場に!?」

「わかんない? 〈液体爆薬〉…… ガソリンよ。プラモデルの原料のプラスチック

ペレット(粒)の原料って何?」

「石油だろ。……そうか! プラントで重油、軽油、ガソリンいろいろに精製して

分離したものをこのタンクで貯蔵してたのか!」

「そう。ヒロタカのザクと戦ったり、スラスターふかしてここまでやってきたんだもん。

冷却用の吸排気口とか当然開けてるでしょ。そこへガソリンなんか浴びたらそれはもう、

身体の中に液体爆薬を入れたようなものよ。機体の中なんて、どんなモビルスーツでも

無防備だからひとたまりもないわ」

「なるほどね。俺とザクを殺すだけしか眼中なかったもんな、あのAI。

人間のパイロットなら、少しは周りの状況に注意したり、身を守ろうとかするもんだけど、

痛みも自分の危険も考慮に入れない、プログラムされた任務遂行しかできなかったのが

命取りになったわけか」

 仁王立ちだった大巨人は爆炎の中、崩れ落ちて両ヒザ立ちになってもがいていた。

 モノアイが上下左右あちこちに動く。

 四方八方にでたらめなメガ粒子砲の乱射を繰り返していたが、しばらくすると

それも停まった。

 分厚い装甲も内部からのプロペラントの小爆発には耐えきれず、ところどころ破れている。

「今よ、ヒロタカ! ヒート・ホークでAIの入っているコクピットを壊して!!」

「へっ、わかってるって!」

 ヒート・ホークは電磁誘導によるプラズマ効果を利用して、特殊合金製の刃に

三千度近い高熱を発生させ、目標物を切断するジオン軍モビルスーツ専用の手斧だ。

 その威力は超硬スチール合金や強靱なチタン合金でさえ、数撃すれば断ち切ってしまう。

 ヒロタカのザクはヒート・ホークを振り上げ、ザクの全長程度になったヒザ立ちの

大巨人に向かって突進する。

 断末魔といえるメガ粒子砲を数射してきたが、狙いを定めない射撃などいくら破壊力が

あろうとヒロタカには通じない。軽々と躱され懐に入られてしまう。

「てえぇぇぇぇ―――い!」

 ジオン軍のモビルスーツのコクピットがある左胸にヒート・ホークの連打を叩きつける。

 連打連打連打連打――――――!!

 さすがの大巨人の超硬スチール合金も引き裂かれ、中のAIがむき出しになる。

 もちろん容赦しない。

 連打連打連打連打――――――徹底的に叩きつけて粉砕する。

 それまで燃えさかる炎の中、もがいていた機体が完全に停止した。

 ピンク色に爛々と光り輝いていた大巨人のモノアイが消灯する。

 

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「終わった。やっと…… ヒロタカお疲れさん、戻っていいわよ。あとは中からコロニーを

艦砲射撃して、乗組員全員を避難艇で退避させてグワジンを自爆。仕上げに待機中のムサイで

とどめをさせばサイド0も粉々になっておしまいよ!」

 緊張が解け、だらしない笑顔になってしまった私は弾む声で帰還命令を出す。

「了解、今ーー」

 ヒロタカがザクを振り返らせ、グワジンに向けてスラスターをふかしてジャンプをしようと

機体を屈ませた瞬間、大巨人のモノアイが突然点灯し、胴体から大巨人の頭部が鋭い加速で

飛び出した。

「ーー戻らねえよ!」

 頭部にある予備AIの起動をヒロタカの勘は一瞬早く察知していた。

 すでに空中高く飛び上がり、機体を横倒しに傾け、空中でボールを蹴る

サッカー選手の様な姿勢になりながら、ザクの左足で大巨人の頭部を蹴り飛ばしている。

「てめえの考えなんざ見え見えだ! 消し飛べAI野郎!!」

 が、ザクの左足が頭部にヒットした瞬間、頭部の口部分に仕掛けられたメガ粒子砲が

火を噴いた。

 灼熱した重金属粒子のビームが、熱したフライパンに入れたバターのようにザクの左足を

ドロドロに溶かしていく。

 ビームは勢いを落とさず、そのまま一直線にザクの頭部をも撃ち抜いた。

「うおおおおぉぉぉぉ―――っ!」

 それでもヒロタカのザクはドロドロに溶けていく左足を最後まで振りきり、

大巨人の頭部を蹴り潰して破壊した。

 頭部をメガ粒子砲で撃ち抜かれ、姿勢も崩れたザクは空中で機能停止し、燃えさかる大巨人の

胴体に向かって落下する。

 地上に落下したザクの機体と激しく衝突した大巨人の胴体は、その拍子に機体のどこかに

あったプロペラントタンクに穴を開けてしまったのだろう、プロペラントに炎が引火し、

ついに大巨人は大爆発を起こして四散した。

 衝突の勢いと爆発に巻き込まれ、左腕と両足が千切れ飛び、ふき飛んだザクはゴミのように

転がり、工場を三、四棟倒して停止する。

「ヒロタカ―――っ!!」

 ザクmarkUから送信されてくる音声や画像にノイズが混じり、ひどく荒れて見づらい。

 コクピット内の映像やデータを送信してくるザクmarkUの無線装置は頑丈で

壊れにくいことに定評がある。

 機体の中で一番頑丈な装甲板でコクピットは囲まれており、そのパイロットシートの

背もたれ部分に無線装置が仕込まれていれば壊れにくいのは当然だ。

 そんな損傷しにくい場所から送られてくる画像がここまで荒れているなんて、

画像なんか見なくてもコクピットが今どんな状況なのか、設計に携わった私には

嫌でもわかってしまう。

 顔から急速に血の気が引いていくのを感じながら、次々と頭に浮かぶ悪い想像を

必死に振り払い、作り笑顔を浮かべて懸命に呼びかける。

「ヒロタカ!! ヒロタカ!! ヒロタカ!!」

 何回、何十回、名前を呼んだだろう。

 

「……ヒロタカ、ヒロタカうるせえ……」

 かすれて元気はないが、いつも通りのかわいげのない返事が返ってきた。

「ヒロタカ、良かった……! 死んじゃったかと思った……」

「まだだ。まだ少し用事がある。終われねえ」

「終わったわよ! あいつも倒したし、すぐにあんたの救援に行くから!」

「来るな! 奴を倒すのに時間をかけすぎた……俺よりコロニーを潰す方が先だ! 

姉ちゃんはグワジンに自動射撃と自爆プログラムをセットして、乗組員を早く待避させろ! 

地球に近づきすぎたら終わり……だ、時間がねえ!」

「何いってんの! 使いを出してでも助けに―――」

「もう……無駄……だ。シートベルトが全部ちぎれて頑丈なシートに収まった無線が

荒れてるんだ。俺がどんな状態か……判るだろ?」

 内蔵の一部が破裂して、大きな破片が何個か身体を貫通してシートに突き刺さり、

訓練していない一般人ならショック死してる状態…… そんなの判りたくない!!

 堪えていた涙があふれる。

「最後にコロニーの中の……バリア発生機を全部ぶち壊してやる。あと頼んだよ」

 背中にあるランドセルと呼ばれる巨大なスラスターパックと、機体に備え付けられた

姿勢制御のスラスターを全部使って右腕と胴体だけになってしまったザクをふらふらと

浮上させ、さっき投げ出したザクマシンガンを回収し、コロニーの数カ所に設置された

ミノフスキークラフトバリア発生装置に向かう。

 

 

後編につづきます。(とんでもないところで中断してすみません)

説明
※最初にお詫びします(笑) 今回都合によりとんでもないところで中断していますが、続きはなんとか作りますのでしばらくおまちください。今回、中編にしていますが後編二本立てに後でまとめ直すつもりです。
(中断している場所で大体中断理由の見当がつくと思いますが。こいつは難しいーーっ どうしょうオチ(笑))

 サイド アナライズ ストーリーの前半を締めくくる、
ソーテルヌ少将の悪夢二本立てです。このお話を読んでから
前の話を読み返すと隠れていた伏線がわかったり、キャラクターの行動に深みが増して面白いかと思います。
 今回は敵が強すぎてなかなか倒せず苦労したうえに、結末をどうつけるか苦労しました(笑)

 実はソーテルヌ少将は将軍格なので、本来なら
最低二万人程度を配下にして指揮する、すごいお人なの
ですが、なぜ独立小隊で三百人程度の統率しかしないのかというお話も今回出てくると思います。
 二万人以上の統率をしてソーテルヌ少将の本領を発揮する激戦はシリーズ終盤で語られると思います。
 軍事上の敵を破って輝かしい戦績をあげていたのはソーテルヌ少将の場合は中佐の頃までで、少将になった
その後はもっぱらジオン軍に起きた軍事的トラブルの火消し役や開発面での功績が多いです。
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