異世界冒険譚 魔法少女リリカルなのは月 A`S 24話 
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辛い過去……

その記憶は簡単には消えない。

管理人格はそれに捕らわれている。

 

抜け出せない無限の闇。

それから抜けられないのはきっと心が有るから。

裏切られるのが怖いから……

 

だからこそ未来への希望を……

 

魔法少女リリカルなのは月……始まります。

 

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yukito side

 

矢が放たれる。

 

放たれた先は……なのはちゃん!?

 

「なのはちゃん!」

 

俺は神速を使って放たれた矢を追い越しなのはちゃんの前に移動する。

 

「ATフィールド全開!」

 

――パキィン!

 

矢はATフィールドによって弾かれる。

 

ふぅ……危なかった。俺の結界が張ってあるから平気だと思うんだけど、やっぱりなのはちゃんやフェイトを狙われるとそっちを優先しちゃうな。

 

「ユエさん!」

 

「問題ない。だが……君達には遠くに居てもらおうか!」

 

「え? ……きゃっ!?」

 

俺は結界を操ってなのはちゃん達を遠くに飛ばした。

 

これで良い。少なくともなのはちゃんに気を取られることは無くなった。

 

「さて、それでは……むっ!?」

 

次の瞬間、地面が鳴動して火柱が上がる。

 

「な、なんだ!?」

 

「早いな……もう崩壊が始まったか。」

 

「崩壊だと?」

 

しまった! 忘れてた!

 

「管理人格! 早くはやてを起こしてくれ! 早くしないと……皆の命が。」

 

「もう遅い。こうなってしまっては誰にも止められん……私も……もう疲れ「諦めんな!」っ!?」

 

「確かに……無限の闇の中を進むのは辛いかもしれない。諦めてしまった方が楽かもしれない。でも……そんな時こそ諦めちゃだめだ!」

 

俺は天の道を往き総てを司る男の真似をして天を指さす。

 

「俺は知っている。100年の時を自らの死という形でループしている女の子を。その子も諦めてしまった事がある。それでも最後は自分の運命に立ち向かった! その子の運命を打ち破った仲間が言っていた!『運命なんて金魚すくいの網より簡単に破れる』……と。」

 

「…………」

 

「だからお前も諦めるな! お前たちが叶えようと思えば世界はお前たちに味方する! 知ってるか? はやてって笑うとすっげえ良い顔をするんだぜ? お前も絶対に気にいる! だから……そんな簡単に……」

 

金髪の優しい女の子が思い浮かぶ。

 

「生きてるんだ……お前はまだ生きているんだ! そのお前が生きる事を諦めたら……死んじまった人はどうすりゃあ良いんだよぉ……」

 

「それでも……無理だ……私にはその少女のように立ち向かうことはできない。」

 

「っ! なら……俺が止めてやる。」

 

俺は剣を構える。

 

「お前が止められないって言うなら……俺が力ずくでも止めてやらあああああ!」

 

俺は管理人格に突っ込んでいく。

 

「もう良い……お前も……私の中で眠れ……」

 

そう言って管理人格は夜天の書を差し出すようにこっちに向ける。

 

――ガキィ!

 

俺の剣はまたも防がれる。

 

!? 何だこの感覚っ! 吸収される!? しまった! そう言えばこんな事もできたか……

 

「ち…く…しょ……お……」

 

俺の意識が途絶える。

 

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「…………ちゃん。」

 

「…………」

 

「お………ちゃん。」

 

誰だ? うるさいな……

 

「おに……ちゃん。」

 

「……うぅ……」

 

「お兄ちゃん!」

 

「うおっ!?」

 

な、なんだなんだ!? 敵襲!?

 

「もう! お兄ちゃんは! こんなにかわいい子が起こしてあげてるのに起きないなんて失礼よ!」

 

「……え?」

 

いきなり起こされて周りを見ると……金髪の女の子がいて、俺の事をお兄ちゃんと呼んでいた。な、何を言ってるか分からねえとは思うが俺も何をされたのか分からねえ。催眠術とか妄想乙とかそんなチャチなもんじゃ断じてねえ。もっと恐ろしい闇の書の幻術の鱗片を味わったぜ。

 

「お兄ちゃん!? 聞いてるの!?」

 

「おおっ!? ど、どうした!?」

 

そう言うと目の前の女の子は少しふてくされたように言う。

 

「もう! やっぱり聞いてなかったの!? お母さんがご飯出来たから呼んできてって言ったから、こうして来てあげたのに……」

 

「あ、ああ。そうだったのか……」

 

「……そうなの。」

 

「悪い悪い。ありがとうな。」

 

俺は女の子に手を伸ばして頭を撫でる。

 

「んっ……お兄ちゃん……ズルい……」

 

「フフッ……じゃあ行こうか……」

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アリシア。

 

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俺とアリシアは部屋を出てリビングへ向かう

 

廊下に漂っている朝食の匂い。いきなりお腹が空いてきた。

 

リビングについた。アリシアが先に入る。

 

「お母さーん! 呼んできたよー!」

 

「おはようございます。プレシア。」

 

俺は黒髪の女性に挨拶する。

 

「ああ、おはよう。珍しいね。あなたが起こされてすぐに起きないなんて。」

 

「俺にだってそういう日くらいありますよ。」

 

「そう? まあ、良いわ。二人とも座りなさい。もう朝食は用意出来てるから。」

 

「は〜い!」

 

「はい。」

 

俺たちが席に着くとプレシアもエプロンを外して席に着く。

 

「「「いただきます。」」」

 

おだやかな朝食が始まった。

 

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朝食が終わった後、俺は散歩したくなった。

 

「行ってきます。」

 

そう言って俺は家から出て行こうとする。

 

「あら? どこに行くの?」

 

プレシアがそう聞いてきた。

 

「すこし散歩してきます。」

 

「そう。気を付けてね?」

 

「はい。」

 

俺は家を出る。

 

…………

 

あれ? しまった。ぼおっとしてた。かなり時間が経っているらしい。世界が茜色に染まっている

 

「! ……ここは……」

 

見たことがある場所だ。

 

「あれ? 誰か居るの?」

 

俺が少し呆けていると後ろから誰かが呼びかけてきた。

 

俺は振り向く。

 

「あ! な〜んだ。お兄ちゃんか。」

 

そう言ってアリシアは近づいてくる。

 

「こんな所までどうしたの?」

 

「さあ……逃げてきたのかもしれない。」

 

「どこから?」

 

「……過去から……とか。」

 

「プッ……何それ〜お兄ちゃんらしくないよ。」

 

「……そうだな。俺らしくない。」

 

「そうだよ〜。」

 

アリシアはクルッと後ろを向いて言う。

 

「帰ろっ! お兄ちゃん!」

 

そう言ってアリシアは帰ろうとする。

 

「なあ。」

 

俺が呼びかけるとアリシアは足を止める。

 

「俺の事……恨んでるか?」

 

「……それは……」

 

アリシアは口ごもる。

 

「いや……やっぱり言わなくていい。君が言っても、もう何も変わらない。」

 

俺は何を聞いてるんだ。

 

「君は俺の記憶が作り出した幻だ。そんな君が何を言おうと俺の言って欲しい事しか言わないだろう? もしも君が本物だとしても……聞いたところで何にもならない。俺は山崎涼太じゃなくて高科雪人だからな。」

 

「…………そう……だね。」

 

「俺は……もう行くよ。なかなか……楽しい時間だった。」

 

「うん……」

 

「来い。エクスカリバー。」

 

俺がそう言うとエクスカリバーが手に現れる。俺はエクスカリバーに魔力を込める。

 

「極光よ……我に勝利と栄光を……エクス……」

 

剣を振るう。

 

「カリバーーーーー!」

 

光の剣が世界に罅を入れる。罅はどんどん大きくなっていく。

 

「俺はそろそろお別れみたいだ……」

 

「うん。バイバイ。お兄ちゃん。」

 

女の子は俺に手を振る。

 

「ああ、さよならアリシア……」

 

世界が光に包まれた。

 

side out

 

 

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nanaoha side

 

 

――ガンガンガン!

 

ユエさんが私達を飛ばしてから少し経って闇の書さんがこっちに来た。

 

ユエさんはどうしたの!? って聞いても答えてくれない。

 

私達を見つけるとユエさんが張った結界みたいなのを破ろうと攻撃してきている。

 

「闇の書さん! 話を聞いて!」

 

「そう。私ハ闇ノ書。総てヲ壊ス物ナリ。」

 

「闇の書さん!」

 

「私達の話を聞いて!」

 

私もフェイトちゃんも呼びかけているんだけど全然聞いてくれない。

 

闇の書さんは殴るのを止めて少し離れる。手を私達に向けて魔力を溜めはじめた。

 

「咎人達ニ滅ビの光ヲ……総テを打ち抜ク光トなレ。」

 

そう言うと闇の書さんの手に周りの魔力が集まり始めた。あれって!

 

「私の魔法?」

 

そう言っている間に魔力はどんどん溜まっていく。

 

「スターライトブレイ……」

 

闇の書さんが魔法を放とうとした時に……

 

――ドン!

 

闇の書さんから金色の光が一筋放たれる。

「あ……アァ……」

 

闇の書さんが驚いた顔をする。

 

闇の書さんの前に月と太陽が描かれた魔方陣が出てくる。

 

魔方陣から翼が出てきて何かを包み込む。数瞬後、翼が開く。そこに居たのは……

 

「……どうだ。夜天の書。お前の闇を耐え抜いたぞ……」

 

ユエさんだった。

 

side out

 

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yukito side

 

 

「……どうだ。夜天の書。お前の闇を耐え抜いたぞ……」

 

闇の書の闇から抜け出した俺は管理人格にそう言い放った。

 

「ナゼ……永遠ノ優しイ夢から抜け出ス?」

 

「なぜ……か。たぶん……俺が、俺だからだ!」

 

「…………」

 

そう言うと管理人格は沈黙する。

 

? 何があったんだ? さっきとちょっと違う気がするし……喋り方もなんか変だ。まあ良い。調子が悪いなら今がチャンス。

 

俺は走り出す。

 

管理人格に近づいて剣を振るう。

 

管理人格は俯いている。取った!

 

――ドスッ!

 

「……え?」

 

いきなり腹に衝撃が走る。激痛がして意識が飛びかける。

 

――腹部・痛覚遮断

 

痛覚を遮断して体勢を立て直す。

 

「グ……がはっ!?」

 

俺は咳き込む。手を見ると血が付いていた。

 

何が刺さってるんだ? まあ、せいぜいがブラッディダガーとかだろ。

 

俺は腹部に刺さった何かを抜くため、その場所を見る。

 

「え?」

 

……何だ……これは……?

 

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!

 

こんな物がどうして刺さっている!?

 

俺の腹から刃が飛び出している。見たことのある剣だ。

 

それも当然か……俺が今持っている剣だからな……

 

「エクス……カリバー?」

 

そこには約束された勝利の剣……エクスカリバーが刺さっていた。

 

 

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あとがき

 

はいこんにちは〜。

 

今回は雪人君が闇の書の幻想を見せられる話。

 

最後はエクスカリバーが刺さる!

 

さて! 今回のあとがきはこれだけ! みんな! 楽しんで見てくれたかな!?

 

それでは皆さん次回は多分決着がつく前? だと思うので楽しみにどうぞ!

 

それじゃあみなさん! また来週!

説明
交通事故によって死んでしまった主人公。しかし、それは神の弟子が起こした事故だった!?主人公はなぜか神に謝られ、たくさんの世界へ冒険する。

そして物語はA`Sへ・・・
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コメント
ZERO様コメントありがとうございます。ありがとうございます。次も頑張るんで見ていってくれると嬉しいです。(RYO)
bridさまコメントありがとうございます。奪われたというかコピーされました。かなりやばいですね。(RYO)
黒幕様コメントありがとうございます。後ろからアー! ですからね。仕方ないかと。(RYO)
つくよみ様コメントありがとうございます。普通にわからんですよね。この謎が全部わかるのは結構後になると思います。そこまで読んでいってくれれば嬉しいです。(RYO)
吸収したときに何かが変質したんでしょうかね?次も楽しみです。(ZERO&ファルサ)
ふむ〜取り込まれた時に魔法資質を奪われた・・・のかな?だとすると・・・・いろいろやばそうなことに・・(brid)
おお雪人よ、刺されてしまうとはなにごとだ!(黒幕)
正直、今回は謎が多すぎてなにがなにやらって感じだったので次が早く読みたいです!!(つくよみ)
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トリップ 魔法少女リリカルなのは 高町なのは フェイト・テスタロッサ 

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