暮れゆく空に、手を伸ばして-呉伝-四章
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この世界が何なのか、俺はどうしてここにいるのか

 

まだ、何もわからない

 

何一つ、わからないんだ

 

 

こんな世界だ・・・“何が起こっても不思議じゃない”

 

そう思っていたし、ある程度の覚悟もしていたさ

 

けど、さ

 

 

 

 

「ぶるああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!

ぐぉしゅじんさんまあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!(ほっこり)」

 

「うわあああああぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!???」

 

 

 

 

いくらなんでも、これはないのでは?

 

 

ごめん皆、俺・・・もう、ゴールしてもいいよね?

 

 

 

 

≪暮れゆく空に、手を伸ばして-呉伝-≫

四章 染まる空、手を繋いで-後編-

 

 

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「どぅふふ♪

まさかん、こんな所で愛しのご主人様に会えるなんてん

貂蝉、感激・・・どぅふふふふ♪」

 

「ひ、ひぃっ!?」

 

 

ジリッと、にじり寄る野生の変態

俺は素早く後ろへと下がる

 

 

 

うん、どうしてこうなった?

 

俺は普通に、雪蓮と冥琳と一緒に買い物に来た

此処まではオーケー

 

そんでたどり着いた普通(店内のみ)のデパート“サカリパーク”についた

これについてはもう絶対にツッコまないぞ、うん

 

そしたら急に雪蓮がトイレに行きたくなって、冥琳と一緒にトイレへ

んで俺は二人を待つ為に、近くにあったベンチにホイホイと座っちまったわけだ

 

それから・・・

 

 

 

『野生の漢女が現れた』

 

 

 

な、なるほどな

 

 

うん、まったくわからないww

 

とりあえず・・・

 

 

「ここで会ったのも漢女の縁・・・今日はしっぽりムフフといきましゅぉぉうううう!!!!!」

 

「く、来るなああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!??」

 

 

逃げるんだ!!

全力で逃げるんだ!!

捕まったらきっと、俺は終わる!!(色んな意味で)

 

 

「どうして逃げるのん!?

いつもなら『よーし、締まってくぞーーーーーーww』って、私のこと受け入れてくれたじゃないのん!!」

 

「あーーー、あーーー!!俺には何も聞こえないぞーーー!!」

 

 

こっちの俺、なんてこと言ってんの!?

馬鹿なの!?死ぬの!?

べつにうまくねーよ、むしろ最悪だよ!?

ていうか、笑えねーよ!!

 

しかも、なんか周りの人たちにめっちゃ見られてるし!!

ああ、視線が痛い・・・

 

 

「お母さん、あの人たちって・・・」

 

「こ、こら!

絶対に見ちゃだめよ!」

 

 

・・・なにこれ、すっごい理不尽

俺何もしてないよね?

泣いてもいいよね?

 

 

「泣くならば、このお胸をおかしするわよん♪」

 

「だが断わぁぁぁぁる!!!!」

 

 

それは胸やない、鋼の胸筋や

 

いや、馬鹿なこと言ってないで逃げないと!

もう大分、距離は離れたと思うけd・・・

 

 

「振り向けばそこに、私がいるのよん♪」

 

「くぁwせdrftgyふじこlp;@:!!!!!!?????」

 

 

ち・か・い!!!!

 

もう俺とその野生の変態の距離は、僅かとなっていた

何コイツ、超足早いんですけど!?

 

 

「漢女の嗜みよん♪」

 

「納得できるか!!」

 

「つれないわねん・・・とりあえず、一回落ち着きましょう?

ぶるああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ!!!!!!」

 

「う、うわああああぁぁぁぁぁあぁああああああ!!!!??」

 

 

いや、お前のせいで落ち着けないんだけど!?

いちいち叫ぶのとか、まじコワイんですけど!?

 

 

「って、あ・・・」

 

必死に走りながら見かけた、見覚えのある姿

冥琳、それに雪蓮がトイレから出てきたところだった

 

不味い、このままだと二人まで・・・

 

「冥琳、雪蓮!!」

 

「あ、一刀♪」

 

俺の言葉に、笑顔で手を振ってくる雪蓮

俺も手を振りかえしたいところだけど、そんな場合じゃない

早く、逃げるように言わないと

 

「雪蓮・・・っ!」

 

 

 

 

 

 

「あ、学園長までいるじゃない♪」

 

「にげr・・・なん、だと?」

 

 

・・・え?

 

 

ピタリと、足が止まる

それに伴い、つい今まで一緒に走っていた筋肉達磨も足を止めた

 

「あらん、雪蓮ちゃんに冥琳ちゃんじゃないのん♪」

 

「やっほー、学園長」

 

「こんにちわ」

 

にこやかに(おぞましく)、雪蓮と冥琳に向かって挨拶をしながら

二人とも、知り合いだったのか?

 

待て、それよりも今雪蓮はなんて言った?

 

 

「学園長・・・?」

 

「あらん、そんな他人行儀じゃなくってもいいわよん♪

私とご主人様の仲じゃない

いつも通り、“貂蝉”でいいわよん」

 

 

ご主人様と言われ一瞬気絶しかけるが、何とか堪える

今はそれよりも、聞くべきことがある

 

「学園長って、フランチェスカのだよね?」

 

「北郷、何を当たり前のことを」

 

俺の言葉に、冥琳は当然と言わんばかりに頷いた

 

これが・・・学園長?

冥琳の言葉を聞き、俺はチラリと学園長だという人物のことを見る

 

 

 

筋骨隆々でピンクのビキニパンツ一丁でもみあげおさげなオッサン

 

 

 

見れば見るほど、教育上によろしくない

 

 

「きゃ、そんなに見つめちゃいやん♪」

 

「おーけー、頼むから黙ってくれ」

 

これは、アウトだ

このデパートの名前がもう普通に聞こえてしまうくらいに、コイツの存在はアウトだ

それくらい酷い

 

「あ・・・」

 

そう思った瞬間、思い出す

そういえば、学校の校門にコイツそっくりな銅像があったことを

 

てことは・・・

 

 

「まじで、学園長?」

 

「当たり前よん♪」

 

 

決めた

 

俺・・・明日から、引き篭もるんだ

 

 

 

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ーーーー†ーーーー

 

「一刀、見て見て♪

これなんてどうかしら?」

 

「うん、いいんじゃないかな」

 

「やった♪」

 

そう言って雪蓮が持ってきたのは、赤いビキニタイプの水着

うん、似合ってる

ていうか、すごいふつくしい

 

 

「ほ、北郷・・・どうだろうか?」

 

「おぉ・・・それきっと似合うよ冥琳」

 

「そ、そうか」

 

冥琳はそう言うと、いそいそと黒いスカートのようなヒラヒラのついた水着を持って雪蓮のもとへと歩いていく

うん、ああいうのも似合うなぁ冥琳は

恥ずかしがっているところも可愛いし♪

 

うん、なんかいいなぁ

こう、好きな女の子の水着選びについていくのって・・・良いよなぁ

 

 

 

「ご主人様、これなんてどうかしらん♪」

 

「ぐああぁぁぁぁああああ!!

目が、目がああぁぁぁぁぁああああああ!!??」

 

「あらん、そんなに似合ってたのかしらん♪」

 

 

ち・げ・え・よ!!

破壊力っていう意味では、最高レベルだったけどな!ww

なんせ今、視界いっぱいにモザイクが出てきたしねww

 

 

・・・ごめん、笑えないや

 

 

「はぁ・・・どうしてこうなったんだ?」

 

本当に、どうしてこうなったんだろう?

 

 

あれから、二人と合流後・・・何故か学園長、“貂蝉”までもが買い物に同行することに

『いや、なんでさ?』とツッコむ暇すらないままに四人で移動を開始

そんで見つけたお目当ての水着屋さんの中に、四人でホイホイと入っちまったわけだ

 

 

 

「よかったのか?

ホイホイ入ってきちまって・・・俺は場所なんて選ばない、種馬野郎なんだぜ?」

 

「一刀、どうしたの?」

 

「いや、ごめん・・・なんか、言わなくちゃいけない気がしてさ」

 

「? そう」

 

 

雪蓮からさっと目をそらし、俺はこっそりとため息をついた

 

まぁ、貂蝉も悪い奴じゃないんだ

むしろ話してみると、けっこう良いやつだった

ちょっとまぁ、色々とアレなだけで・・・

 

「いや、そこけっこう重要じゃん」

 

「細かいことは言いっこなしよん♪」

 

「ですよねー」

 

そうですよね

心の中を読まれた気がしたけど、気にしたらダメですよねww

 

 

「よっし、買ったわ♪」

 

「私もだ」

 

「私もよん」

 

 

三人は言いながら、俺のもとへと歩いてくる

聞けば三人とも、俺に見せた水着を即買いだったとか

 

いや、もう少し悩んでもいいのでは?

 

あと貂蝉・・・そんなの着たら、確実に捕まるからな

いや、今でも捕まらないのが不思議なくらいなんだけどさ

 

 

「それじゃ、もう少しぶらぶらとしてから帰りましょう?」

 

「ああ、そうだな」

 

「あらん、それならいいところがあるわよん♪」

 

「さっすが学園長♪」

 

 

そんな俺の疑問なんて、三人(本人含む)にはどうでもいいわけで

俺たちはデパート内をブラブラすべく、水着屋さんをあとにした

 

 

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ーーーー†ーーーー

 

「あーーー、楽しかったーーー♪」

 

そう言って、背伸びをする雪蓮

その様子を俺と冥琳は、笑いながら見つめていた

 

現在、俺たちは寮へと帰る為の道を三人で並んで歩いている

 

あれから四人で様々な場所をブラブラとし、気づいた時にはもう時刻は夕方だった

貂蝉はデパートに知り合いがいるとのことで、その時点で俺たちとは別行動となった

そんで現在、こうして三人で歩いている

 

 

「うわぁ・・・」

 

そんな中、突然雪蓮が何処かを見つめ足を止めた

何事かと、俺と冥琳も足を止める

 

「どうしたんだ?」

 

「あれ見てよ」

 

「あれって・・・」

 

言って、指をさす雪蓮

俺と冥琳はその方向を見つめ・・・そして同じように声をあげていた

 

 

「これは・・・」

 

「おお〜・・・」

 

「ね?

綺麗な夕日じゃない?」

 

 

その言葉に、俺は頷いた

 

俺たちの視線の先には、ゆっくりと沈んでいく夕日が

そして、赤く染まっていく空が広がっていた

 

 

「綺麗だな・・・」

 

ぽつりと呟く

 

本当に、綺麗だと思った

夕焼け空・・・だけじゃない

 

 

 

「ほら、冥琳もそう思うでしょ?」

 

「ああ、美しいな」

 

 

 

その空の下・・・紅く染まる空に包まれるように笑う、二人の姿が

 

本当に、綺麗だったんだ

 

それは、いつか俺が望んだことで・・・もう二度と手に入らないと思っていたもので

俺はただ、静かに二人のことを見つめていたんだ

 

 

 

「さって、それじゃ帰りましょう♪」

 

「だな、いくぞ北郷」

 

 

 

そんな俺に向かって差し出される、二人の手

 

 

「あ、ああ!」

 

 

一瞬驚きつつも、俺はすぐに二人の手をとった

その手が、すごく温かかったのを覚えている

 

俺がずっと求めていた温かさが・・・そこにはあったんだ

 

 

「あぁ、お腹空いたな〜・・・って一刀、良いモノもってるじゃない♪」

 

「あ、そういや胡麻団子買ったんだっけ」

 

 

だからこそ、俺は“気づけなかったんだ”

 

 

「いつの間に、そんなものを買っていたのだ?」

 

「いや、ちょっと知り合いにコレが好きな子がいてさ

気づいたら買ってたっていうか・・・」

 

「ちょっと〜、また誰か別の女の子のことじゃないでしょうね〜!」

 

「ちょ、痛い痛い痛い!!?

胡麻団子は、ほら・・・って、あれ?」

 

「どうしたのよ、一刀」

 

「いや・・・うん、なんでもないよ」

 

 

今思えば・・・この時には既に、始まっていたんだと思う

 

 

 

 

 

 

「胡麻団子が好きな子なんて・・・俺の知り合いに、いたっけ?」

 

 

 

 

“俺と彼女の物語”

 

“君じゃない、君との出会い”

 

 

全ては、一つの物語の中

 

少しずつ・・・少しずつ、動き始めていたんだ

 

この夕日がゆっくりと沈んでいくように、ゆっくりと紡がれていく物語が

 

 

 

 

 

・・・続く

-5ページ-

★あとがき★

 

どうも、四章公開ですw

さって、少しだけ物語の“何か”が見えてきた感じな今回のお話

物語のテーマである“夕焼け空”もいよいよ登場

まだまだ謎に包まれた今作ですが、まぁまだ序盤ですからww

 

相変わらず、ギャグったりシリアスったりと忙しいですがww

≪雲の向こう、君に会いに≫の外伝も書かなきゃと、中々に忙しい中の更新だったのでそこらへんは暖かい目で見ていただければなとww

 

しっかし、ネタが溜まったなぁ

そろそろ・・・カオスな恋姫が書きたくなってきたw

 

真紅の君も書かなきゃなぁ・・・やばい、やることは山積みだ

 

ひとまず、来年の1月までをめどに目標を立ててみました

 

 

 

〜TINAMI〜

≪呉伝≫ 遅くてもそれまでには完結

≪キミオト♪≫ 一学期編の完結〜夏休み編突入

≪空の果てまで、君と二人で-華伝-≫ 連載開始

 

〜なろぅ〜

≪雲の向こう、君に会いに-魏伝-≫ せめて、【一刀編】の終盤まではいきたいなぁ

≪真★恋姫†無双シリーズ≫ 全ルートの序章から〜15話くらいまではいきたいです

蜀√、呉√、魏√、漢√、南蛮√、五湖√、その他√

 

 

 

 

・・・あ、あれ?

軽く死ねるんじゃね?

 

 

ちなみにこの作品も、最終章あたりからは挿絵を入れる予定w

リア友も手伝ってくれるとのことで、今から楽しみですww

ほかにも、挿絵のお手伝いさんを募集しちゃいます(ぇwwww

 

それではww

説明
なんちゃって恋姫SS、四章公開いたしますww

今回も無駄に漢女率が高い気がww
ま、しかたないよね〜ww(ぇ

それじゃ、どうぞお楽しみください
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コメント
一刀に嫌な兆候が見られるようですね・・・物理的に見た漢女による一時的な混乱なら良いのですが^^;(深緑)
記憶が…これはまた泣かされそうな予感!!とりあえず学園長帰れw 何という壮大な目標…可能な範囲で頑張ってくださいb(ちくわの神)
霞む、滲む、見えなくなる。揺らいで、削れて、薄れてく。怖いのに、恐いのに。消える欠片は掴めなくて。どうしよう?どうすればいい?出来ない。何も。揺らぐ決意も、滲む想いも、もう、磨耗しすぎてて。(水上桜花)
漢女が怖い!それ以外感想がなかった。(ZERO&ファルサ)
もうこれ小説にしたほうがいいよ!!!(リンドウ)
とりあえず今回の感想は学園長オンリー。一刀の記憶とか霞むほどのインパクト。(mokiti1976-2010)
記憶の中、最初からを本にして窓辺で(ry 徐々に大切だった物を無くして行くか………(十狼佐)
記憶が薄れてきている‥‥??(だる)
漢女・・・それはいるだけで空気を壊すNatural Air Breaker そして始まるシリアス 泣ける話を待っています(悠なるかな)
記憶の剥離、ですか? なんという・・・ ちゃあんと大丈夫ですよね?でないと・・・ とりあえず学園長帰れ(よーぜふ)
ぶる夜さん、あれ?話の感想が貂蝉しか出てこないorz ぶる夜さん、もっと雪蓮と冥琳の甘々話をプリーズ♪ ぶる夜さぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁぁぁん!!(mighty)
コレハ・・・マズイ。(中原)
すんません。本文よりカオスなタグが気になっちゃってwwww(tom)
笑いとシリアスの差が激しすぎるwww(poyy)
一刀の苦悩が描かれているはずなのに前面に筋肉がガンガン出てきてそれすら霞むっていう…www(FALANDIA)
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真・恋姫†無双  北郷一刀 雪蓮 冥琳 怒涛の筋肉ラッシュ! まだまだ、筋肉ラッシュww 

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