ロールずきん
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 昔々あるところにロールずきんという赤い頭巾を被ったとっても可愛い女の子が居ました。

その可愛さたらもう「包帯の上に赤ずきんとか斬新すぐるwwww可愛さ100倍wwwwwwwwwもえwwwww」と全国民に言わしめるほどでした。

しかし、それは今回のお話とは関係ありません。

 

「――なんども言うけどね、よおくお聞き」

 

ばいきんお母さんが言います。

 

「このかごを持って森へ行くんだよ

 そしてね、森に住むおばあs……美少女に渡すんだ」

 

 ばいきんお母さんは途中まで何かを言いかけましたが、ロールずきんは聞いていませんでした。

ロールずきんが早速家を出ようとすると、 ばいきんお母さんが止めました。

 

「お待ち、森には狼がいるよ、そいつはお前の仲間だと囁くが、聞いちゃいけない。

 甘い言葉で騙してお前を食べちゃおうとするのさ」

 

 ロールずきんは静かに頷くとカゴを持ち直して家を出る。

初めて通る森の道。そこは今までお母さんに止められていたトコロ。

ロールずきんはカゴを待つ美少女のもとへ、 森の道を歩いて行く。

 

「おねえちゃん!」

 

 木の影から狼が飛びついてくる。

 

「(いいかい? 森の狼の言う事は聞いちゃいけないよ)」

 

 ロールずきんはお母さんの言いつけを守り、 狼を無視して進んでいく。

私は何も見なかった、強くそう思いながら。

 

「おねえちゃんはおねえちゃんだよ!」

 

 狼は囁きかけます。

 

「たしかに、黒いおねえちゃんはわるさをする……

 でも私はしってるよ!

 いつもがんばって白いおねえちゃんのままで頑張ってるおねえちゃんを、

 私はしってる」

 

 黙って歩いて行くロールずきん。

狼は闇の中へ溶けていく。

 

「ロールパンナちゃん」

 

 狼が話しかける。

 

「私は知っています。

 ロールずきんちゃんの心が食パンのように白く、美しいことを」

 

 ロールずきんの歩みが少し遅くなる。

 

「私は見ました、

 ロールずきんちゃんが一本の雪に埋もれそうな花を一生懸命守っていたところを。

 私は信じています。

 あなたがわるいこころに打ち勝つことを、

 私は信じています」

 

 目を閉じ、立ち止まり。

また、歩き出す。

少し歩みが遅くなる。

 

「俺は信じてるよ、

 ロールずきんちゃんはきっと帰って来るって」

 

 歩みを止めて、強く眼を閉じる。

手を、握りしめる。

 

「俺は待ってる、

 うきぐも城でわるいこころに打ち勝った様に、わるいこころを消し去る時を、

 俺は待ってる」

 

 目を閉じたまま前へ真っ直ぐ走りだすロールずきん。

まるで何もかも置き去りにするように、ただまっすぐと走る。

 

「まって! 目を覚まして!

 そっちへ行ってはだめぇっ!」

 

 目を見開き、止まる。

周りを見渡す。

何も無い、何も見えない。

この先に何がある?

私が行くべき道は何処だ。

 

「なーにやってるのよ!

 待ちくたびれちゃったじゃない!」

 

 気付くともう森の美少女の家の前に着いていた。

ドキン美少女はカゴをひったくる。

その勢いでカゴの中身が見えた。

顔。

そこには宿敵の顔があった。

 

「そうよ、このカゴの中はアンパン猟師の新しい顔よ。

 もう、新しい顔は作れない。

 これを壊してしまえばもうおわり」

 

 宿敵の、おわり。

長い戦いのおわり。

 

「それを渡してはだめ!

 おねえちゃんは戻れなくなる。

 もう、おねえちゃんと会えなくなる……

 そんなの、いやだよ!!」

 

 最後の一言で狼側に落ちるロールずきん。

これを渡してはいけない。

私は私に戻る。

ロールリボンでカゴを取り戻し、メロン狼に渡す。

狼は急いで猟師の元へ。

 

「な、なによー!

 私は知らないわよ!」

 

 一目散に逃げてしまうドキン美少女。

すると外から悲鳴が聞こえた。

 

「キャアアアアアア! おねえちゃーーん!」

 

 狼の声だ!

すぐさま家を飛び出すと、ロールずきんの目の前にはばいきんお母さんメカが!

 

「なーにやってんだロールずきん!!

 

 お前が生まれたのはアンパン猟師を倒すためだと言っただろう!」

 

「ちがうわ! おねえちゃんはみんなと一緒に幸せに暮らすために生まれたのよ!」

 

「だまれ!」

 

 アームを動かし、狼を締め付けるばいきんお母さん。

 

「イヤアアアアアア!」

 

「メロン狼!! ……rrrrrrッロォラァアアア!!!」

 

 ばいきんお母さんメカにロールリボンが当たる。

ガキーン!

鈍い音が響く。

 

「ふ、ふーんだ!そんな攻撃……ぉお!?」

 

 震え出すバイキンメカ。

ばいきんお母さんはもう諦めかけた顔をしていた。

震えが止まったかと思うと、直ぐに爆発した。

 

「おっぼえてろよー……」

 

 ドップラー効果で捨て台詞を残しつつ、消えていくばいきんお母さん。

消えた。

もう消えた。

 

「これで、おねえちゃんのわるいこころは無くなりました」

 

「え?」

 

 メロン狼は優しい声で語りかけてくる。

 

「ロールずきんちゃんは、わるいこころを打ち破って生まれ変わったんだよ」

 

 いつのまにかお父さんもいる。

 

「これで一緒に暮らせるね!」

 

「おめでとう」

 

「おめでとう」

 

「おめでとう」

 

「おめでとう」

 

「おめでとう」

 

「ありがt――」

 

 

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――ガバッ!

飛び起きる。

 

「これは……」

 

 夢だったのか……

 

「…………狼メロンパンナ……か」

 

 そこから私は夢で見た狼メロンパンナの絵を何枚か描いてみた。

すると、驚くほど可愛く、公開したついーとはどれも数百単位でりついーとされた。

いつの間にか狼メロンパンナの漫画を描くようになり、

アニメ化され、新しい家が郊外に立った。

それ以来、何度かばいきんまんが家に来たが、ファンの一人だと思った担当編集者が追い払ってくれるようになり、

わるいこころが出てくることは無くなった。

休みの日にはメロンパンナがあそびにきてくれたり、ローラに会いに行ったり、

少し、忙しいけど幸せになれました。

 

 

 

                   お し ま い

 

 

 

 

 

「……納得いかないのだ!!」

 

「諦めなさいよ、今回の主人公はロールパンナちゃんだったんだから。

 私なんて最後ちょっとしか出番なかったのよ?」

 

「はひ……」

 

 

 

                      [完]

説明
姐さんがスカート似合うと聞いて書いてみました  
原作者とは一切関係有りません
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タグ
それいけ!ロールパンナ メロンパンナ ばいきんまん ドキンちゃん パロディ 

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