孤高の御遣い Brave Fencer北郷伝16
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虎牢関の戦い二日目

 

 

 

 

 

虎牢関の戦いで文字通りの大損害を被ってしまった袁紹、袁術の軍

 

その被害の大きさにこれ以上の戦闘の継続は不可能であると、流石の麗羽も分かっていた

 

「・・・・・・・・・・」

 

袁家の頭領二人組とその家臣達は絶望に打ちひしがれていた

 

軍議を再度開いたものの、その場の雰囲気が重く、まったく前に進まない

 

華琳「麗羽!しっかりなさい!あなたはこの連合の主催者でしょ!私達を集めた以上、最後まで責任を持ってもらうわよ!」

 

華琳は余りの情けなさに麗羽に活を入れようとするが

 

麗羽「・・・・・・・・・・」

 

麗羽は俯きまったく反応しない

 

華琳「・・・・・それじゃあ、次は私の軍が先方を勤めさせて貰うわね」

 

麗羽「・・・・・好きになさってください」

 

華琳「次の虎牢関は私の軍だけではとても無理よ、私と共に戦ってくれる者はいるかしら?」

 

各諸侯「・・・・・・・・・・」

 

訪れるのは沈黙、それもそのはずである

 

袁紹と袁術の軍は30万と20万、あわせて50万の大軍であったのである

 

それをわずか4万の軍で、しかも虎牢関という有利な素材を捨てて一方的にねじ伏せたのだから

 

これでは各諸侯は動くに動けなかった

 

この連合で功を立て、後々の自分達の立場を有利にしたい

 

しかし、だからといってこのまま突っ込んで滅ぼされては元も子もない

 

そんな中

 

翠「よし、ここはもう一度あたしの軍が行こう」

 

華琳「あら、馬騰は病気がぶり返したと聞いているけど?」

 

翠「だから、あたしが代理として軍を率いると言っているんだよ」

 

華琳「・・・・・まあいいわ、味方が増えてくれるのは嬉しい限りだし」

 

翠「・・・・・・・・・・」

 

翠は葵から聞いたことを思い出していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

回想

 

 

 

 

 

 

葵「いいか翠、もし袁紹が、いやこの連合が危ないと思ったら、涼州の軍をお前が率いて戦うんだ」

 

翠「え!?だってこの戦いは最後まで傍観するんじゃ!?」

 

葵「別に最後までといった覚えは無いっての!考えてもみろ、確かに俺達の目的は真相を確かめることだが、ここで連合軍が負けてしまえば涼州の皆にまで迷惑をかけることになっちまう」

 

翠「それは・・・・・まあそうだな」

 

そう、戦争に負けてしまえば自分達どころか自分たちの領土の民にまでいらぬ罰が下るかもしれない

 

葵「だから、そうなってしまった時、お前が俺の代理として軍を率いてくれ」

 

翠「・・・・・わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

以上回想終了

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翠「(しっかし・・・・・まさかいきなり危機的状況に陥るとは思っていなかったぜ)」

 

言われたすぐ傍から連合軍崩壊の危機

 

袁紹、袁術の軍の脆弱振りに翠もほとほと呆れていた

 

雪蓮「それじゃあ、私も参加させて貰おうかしら」

 

華琳「あら?孫策の軍もだいぶ疲れているのではなくて?」

 

雪蓮「そうでもないわよ、確かに水関ではこちらもかなり梃子摺ったけど、虎牢関ではそれほどの被害は出ていないわ」

 

華琳「・・・・・そう、ならお願いしようかしら」

 

雪蓮「ええ、大船に乗ったつもりでいてね♪」

 

雪蓮はかなりご機嫌だった

 

それはなぜかというと

 

雪蓮「(あははははは♪董卓軍には感謝しなくちゃ♪まさかあれほど袁術の兵を減らしてくれるとは思ってもいなかったしね♪)」

 

これから独立を狙っている雪蓮達からすれば、これは嬉しい誤算だった

 

冥琳「(雪蓮、あまり調子に乗るなよ)」

 

雪蓮「(分かっているわよ、でも気分がいいんだからしょうがないじゃない♪冥琳も内心嬉しいくせに♪)」

 

冥琳「(ふっ、それはまぁな♪)」

 

雪蓮「(ほらみなさい♪)」

 

二人は、またもアイコンタクトでお互いの意思を理解する

 

桃香「あ、あの・・・・・わたし達は・・・・・」

 

華琳「分かっているわ、劉備の軍は後方で待機していて頂戴、流石にこれ以上の戦闘は不可能でしょうし」

 

朱里「ありがとうございます」

 

その後、桃香を除いたその他諸侯も虎牢関の戦いに赴くこととなった

 

これは各諸侯にとって苦渋の決断だった

 

この連合に参加した以上、勝手に抜けたりしたらそれこそ袁紹にどんな嫌がらせを受けるか分からない

 

この戦いで大損害を被ったとはいえ、袁紹の影響力は漢王朝内でもかなり強い

 

ならばこの戦いでなるべく多くの功を揚げ、今後の自分達の立場を安定にすることに全精力を注ぐ

 

ここまできたら玉砕覚悟でいかなければもはや未来は無いという判断だった

 

そして軍議は解散された

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

袁術軍

 

美羽「・・・・・七乃、彩」

 

七乃「・・・・・なんでしょうか?お嬢様」

 

彩「美羽様?・・・・・」

 

美羽「わらわは、何故自分がここにいるのか分からなくなってきたのじゃ・・・・・」

 

七乃「・・・・・お嬢様・・・・・」

 

彩「・・・・・美羽様」

 

美羽「・・・・・少し考えてみたのじゃ・・・・・わらわは、二人にはすごく迷惑を掛けているんじゃないかとな」

 

七乃「お嬢様!そんなことは!」

 

彩「その通りです!美羽様!我々は美羽様のためならばどんなことでも!」

 

美羽「もういいのじゃ!」

 

七乃「・・・・・お嬢様?・・・・・」

 

彩「・・・・・美羽様?・・・・・」

 

美羽「わらわは・・・・・少し考えたい・・・・・しばらく一人にしてくれるか?」

 

七乃「・・・・・お嬢様・・・・・はい」

 

彩「・・・・・仰せのお通りに、美羽様・・・・・」

 

美羽「・・・・・ありがとうなのじゃ・・・・・七乃、彩・・・・・」

 

そうして美羽は自分の天幕に一人で入っていった

 

七乃「・・・・・お嬢様・・・・・」

 

彩「・・・・・美羽様・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから美羽は、大好物の蜂蜜水をほしがる時間帯になっても一向に出てこなかったのである

 

これには七乃と彩も驚いていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

袁紹軍

 

 

麗羽「・・・・・・・・・・」

 

斗詩「・・・・・あの、麗羽様」

 

猪々子「姫〜〜〜、元気出しなよ」

 

斗詩「文ちゃん、いくらなんでも無理だよ」

 

猪々子「そりゃそうだけどさ・・・・」

 

ここまでやられてしまえば、流石の麗羽も立ち直るには時間が掛かると二人は思っていた

 

しかし

 

麗羽「・・・・・ふふふふ・・・・・」

 

斗詩「麗羽様?」

 

猪々子「姫?」

 

麗羽「ふふふふふ、ふふふふふ、お〜〜〜〜〜〜っほっほっほっほっほ!!お〜〜〜〜〜〜っほっほっほっほっほ!!」

 

斗詩「・・・・・・・・・・」

 

猪々子「・・・・・・・・・・」

 

今迄で一番の高笑いを挙げ始めた麗羽に二人は面食らってしまう

 

麗羽「わたくしとしたことが、肝心なことを忘れていましたわ」

 

斗詩「麗羽様、どうしたんですか?」

 

猪々子「壊れちまったのか?」

 

麗羽「お黙りなさい、猪々子さん!まだ洛陽一番乗りと帝を救い出す功が残っているではありませんか!水関や虎牢関なんて小さい小さい!そんなもの他の人達にくれてやりますわ!」

 

斗詩「・・・・・・・・・・」

 

猪々子「・・・・・・・・・・」

 

麗羽「いいですこと、斗詩さん!猪々子さん!洛陽一番乗りの功は必ず私達が頂きますわよ!」

 

いきなりいつもの麗羽に戻った

 

斗詩「・・・・・ぷっ、くすくすくす」

 

猪々子「くっ・・・・・あっはははははははは!」

 

二人はおかしくて吹きだしてしまった

 

麗羽「あら?二人とも何が可笑しいんですの?」

 

斗詩「くすくす、いいえ嬉しいんです」

 

猪々子「ああ!ようやくいつもの姫に戻ったな!」

 

麗羽「?何を言っていますの?わ・た・く・し・は雄雄しく、勇ましく、華麗な袁本初ですわよ!お忘れで!」

 

斗詩「ええ!その通りです!」

 

猪々子「やっぱ姫はそうでなくっちゃ!」

 

麗羽「そうでしょうともそうでしょうとも!お〜〜〜〜〜っほっほっほっほ!お〜〜〜〜〜っほっほっほっほっほ!」

 

麗羽の高笑いはどこまでも響いていった

 

そんな中、麗羽の天幕から出ていた悠は

 

悠「(・・・・・本格的に袁紹軍も潮時かな)」

 

麗羽に見切りをつけ始めていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

劉備軍

 

 

 

 

 

 

朱里「みなさん、今回はわたし達は後方待機です」

 

星「ほっ・・・・・それはよかった」

 

愛紗「正直助かった・・・・・」

 

鈴々「・・・・・良かったのだ」

 

劉備軍の将三人組はかなり暗かった

 

雛里「みなさん、どうしたのですか?」

 

星「・・・・・実は先の呂布との戦いで、こちらの武器がもはや使い物にならなくなってしまったのだ」

 

そう言いながら星は自身の愛槍龍牙を見せた

 

朱里「はわわ、これはひどいです」

 

雛里「あわわ、もう使えませんね」

 

桃香「うわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜」

 

星の龍牙は、見るも無残な状態だった

 

槍先は切り飛ばされ、槍の中部も金剛刀による切れ込みが無数にあり、元の形を保っていなかった

 

愛紗「わたしの青龍堰月刀も・・・・・もう限界です・・・・・」

 

鈴々「にゃ〜〜〜〜・・・・・鈴々の蛇矛も折れそうなのだぁ〜〜〜・・・・・」

 

桃香「・・・・・・・・・・」

 

朱里「・・・・・・・・・・」

 

雛里「・・・・・・・・・・」

 

愛紗の青龍堰月刀は刃もそうだが、龍の装飾が龍としての形を残していなかった

 

鈴々の八丈蛇矛は金剛刀の攻撃を受けすぎて、矛の先端が無いも同然だった

 

金剛刀の強度はこの世界の武器の比ではなく、それを恋が振るえばその破壊力は世界一といっていい

 

ここまでやって破壊されなかっただけでもたいしたものなのだ

 

雛里「・・・・・とにかく、我が軍はこれ以上の戦闘継続は不可能です」

 

桃香「うん・・・・・みんなお疲れ様、後はゆっくり休んでいて」

 

星「ありがとうございます、桃香様」

 

愛紗「申し訳ありません、桃香様」

 

鈴々「にゃ〜〜〜〜、ごめんなのだお姉ちゃん」

 

桃香「いいんだよ、星ちゃん、愛紗ちゃん、鈴々ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

孫策軍

 

 

雪蓮「というわけで、今回も私達の軍が先鋒ね♪」

 

蓮華「お姉様!?いくらなんでも軽率ではありませんか!?」

 

冥琳「蓮華様、そんなことはございません、確かに山賊狩りの北郷一刀と天下無双の呂布が相手ではこちらも分が悪いでしょう、しかし何も我々がこの二人を一度に相手をするわけではありません」

 

穏「そうですよ蓮華様〜、こんな規格外な人達の相手は他の人に押し付けちゃえばいいんです〜♪」

 

雪蓮「そうよ、私達の他にも虎牢関を攻める諸侯はいるしね」

 

冥琳「それに決定的なことがあります」

 

蓮華「それは何?」

 

冥琳「何故だか分かりませんが、北郷一刀はこちらの主な将を殺す気が無いということです」

 

純夏「そうね・・・・・」

 

思春「それは・・・・・その通りだろうな」

 

明命「でも、こちらの武器は殆ど使い物になっていません」

 

第二回戦でも呉の将達の予備の武器は、一刀の忠久によってボロボロにされていた

 

純夏「ほんと一刀の武器って何で出来ているのかしら?あの大剣もそうだけどあの腰の細い剣も常識はずれな性能を持っているし」

 

雪蓮「ええ・・・・・南海覇王も剣としてはこの大陸でも群を抜いた性能を持っているけど、あれは南海覇王のさらに上を行っているわね」

 

蓮華「・・・・・正直信じられません」

 

明命「わたしの魂切と似ていますけど、中身は桁違いです」

 

「・・・・・・・・・・」

 

あれほどの武器をこの大陸で作るのはまず不可能、ならばあの武器はどこから来たのか

 

一同は考えるが答えはやはり分からない

 

そんな中

 

祭「ええい!!しっかりせんかひよっこどもが!!」

 

雪蓮「祭!?」

 

蓮華「祭!?」

 

冥琳「祭殿!?」

 

穏「祭様!?」

 

純夏「祭様!?」

 

思春「黄蓋殿!?」

 

明命「はうあ!?祭様!?」

 

祭「さっきから聞いておればお主ら、袁術が大損害を被ったからといって浮かれておるのではあるまいな!?」

 

雪蓮「それは!・・・・・まあ、あるわね」

 

冥琳「・・・・・そうですね」

 

蓮華「確かに驕りがあったわ・・・・・」

 

祭「我らはこれから天下へ向かって旗揚げをするんじゃぞ!なのにこんな所で武器の話をするくらいなら、少しでも自分自身の武を鍛えたらどうじゃ!今回の戦で我らは山賊狩りの北郷一刀一人にここまでやられているんじゃぞ!!」

 

純夏「あたしだってこのままで終わる気なんかありません!」

 

思春「それはもちろんです!」

 

明命「はい!より一層努力します!」

 

祭「ならば!帰ったらまた徹底的に絞ってやる!だから死ぬことは許さんぞ!」

 

純夏「げっ!!?」

 

思春「うっ!!?」

 

明命「はうあ!!?今まででもかなりきつかったのにですか!!?」

 

呉の武官達は自分達が言ったこととはいえ、少し後悔していたのかもしれない

 

だが

 

雪蓮「祭、私からもお願いするわ、帰ったら私を一から鍛え直して頂戴」

 

蓮華「お姉様?」

 

冥琳「雪蓮?」

 

穏「雪蓮様?」

 

祭「策殿?」

 

呉の王自らが鍛えてくれと願い出たことに一同は少し面食らった

 

雪蓮「正直に言うわ・・・・・私、山賊狩りの北郷一刀に憧れている」

 

一同「!!??」

 

今度はいきなりの爆弾発言である

 

雪蓮「彼の武はもちろん、彼そのものにもね」

 

蓮華「それはどういう意味ですか?お姉さま?」

 

雪蓮「まあ要するに、彼に惚れちゃっているってわけよ♪」

 

冥琳「雪蓮!?//////」

 

穏「雪蓮様!?//////」

 

蓮華「お姉様!?//////」

 

純夏「雪蓮!?//////」

 

思春「ななっ!?///////」

 

明命「はうあ!?雪蓮様も北郷さんを好きになってしまったのですか!?///////」

 

雪蓮のいきなりの告白に孫呉の将達は赤くなってしまう

 

祭「はっはっはっはっはっは♪策殿のような女を惚れさせてしまうとは、北郷もやるのう♪ワシもあやつのことが好きになってしまったかもな♪」

 

その後孫呉の将達の一刀の話題は尽きることは無かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曹操軍

 

 

 

 

 

 

 

華琳「みな!次の戦いはわたし達が先鋒を務めることに決まったわ」

 

桂花「承知しました、華琳様」

 

凪「はっ♪」

 

凪は嬉しそうに返事をした

 

凪「(ようやく、噂の山賊狩り様に会える♪)」

 

凪は嬉しくてしょうがなかった

 

あの天下無双と謳われている呂布に勝ったという北郷一刀にようやく会える

 

そう考えるだけでワクワクが止まらなかった

 

しかし

 

「・・・・・・・・・・」

 

凪以外の将達は呂布との戦いから立ち直れていなかった

 

なにせあれだけの大人数でかかっていって、かすり傷一つ付けられなかったのである

 

しかも山賊狩りの北郷一刀はあの呂布に勝ったという

 

もはや自信喪失といってもいいだろう

 

華琳「みな!しっかりしなさい!」

 

桂花「ちょっと!華琳様の御前で何やっているのよ!」

 

凪「そうだぞ!沙和!真桜!しっかりしろ!」

 

沙和「・・・・・凪ちゃん・・・・・凪ちゃんが山賊狩りさんに憧れているのは知っているけど・・・・・」

 

凪「ななな!?何を言っているんだ!?沙和!?////////」

 

真桜「ウチらはけっこう心理的につらいんやで・・・・・」

 

凪「・・・・・・・・・・」

 

凪は少しだけ罪悪感があった

 

自分はこの二人の親友なのに、どうしてもう少し二人のことを見てあげられなかったのだろうかと

 

自分達を助けてくれた山賊狩りが目の前にいてうかれていたとはいえ、これはあまりに不甲斐無いではないかと

 

季衣「・・・・・華琳様・・・・・」

 

華琳「どうしたの?季衣」

 

季衣「僕・・・・・どうしたらいいのか分からないんです」

 

華琳「・・・・・・・・・・」

 

季衣「董卓は悪いやつで、僕達は正義なんですよね、なのになんで負けちゃうんでしょう?」

 

流琉「・・・・・季衣」

 

華琳「・・・・・・・・・・」

 

季衣「僕、ぐすっ、もっともっと強くなりたい!そして、ぐすっ、どんな悪者にも絶対に負けないくらい強くなりたいんです!ぐすっ」

 

華琳「・・・・・季衣」

 

華琳は半泣きの季衣の話を真っ向から聞いていた

 

そして

 

流琉「・・・・・私もです、華琳様」

 

秋蘭「流琉?」

 

流琉「私、思ったんです、今の私達じゃ華琳様のお役に立てないって」

 

秋蘭「流琉!?」

 

流琉「だから!私も、もっともっと強くなります!そして華琳様の親衛隊として恥ない将になります!」

 

秋蘭「・・・・・流琉」

 

華琳「・・・・・流琉」

 

流琉「だから、ぐすっ、それまで、ぐすっ、待って貰えますか?ぐすっ」

 

秋蘭「・・・・・流琉」

 

秋蘭は流琉を抱きしめた

 

流琉「秋蘭様・・・・・うわ〜〜〜〜〜〜〜〜ん、あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!」

 

秋蘭の腕の中で流琉は盛大に泣き出してしまった

 

そんな中

 

春蘭「・・・・・華琳様・・・・・」

 

華琳「春蘭?」

 

桂花「春蘭?」

 

秋蘭「姉者?」

 

春蘭は華琳に近づいていき、そして

 

春蘭「うわ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!華琳様〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

 

華琳「しゅ、春蘭!?どうしたの!?」

 

桂花「ええええ!?」

 

秋蘭「姉者!?」

 

泣きながら華琳に抱きついた

 

春蘭「華琳様〜〜〜〜〜〜!!私は、ただただ悔しいのです!!悔しくて悔しくてしょうがないのです!!」

 

華琳「春蘭・・・・・」

 

桂花「・・・・・・・・・・」

 

秋蘭「姉者・・・・・」

 

春蘭「覇王曹孟徳一の家臣を自負しておきながら、この有様!!しかも季衣と流琉を泣かせてしまって、わたしは悔しくてしょうがないのです〜〜〜〜!!」

 

周りのことなんかお構いなしに泣きじゃくる春蘭に一同は唖然としていた

 

春蘭「わたしも、もっともっと強くなります!そしていつかあの呂布を超えて見せます!だからもう暫く待ってもらえないでしょうか、華琳様〜〜〜〜〜〜!!」

 

もはや春蘭は支離滅裂だった

 

華琳「・・・・・春蘭」

 

秋蘭「・・・・・華琳様、私も姉者と気持ちは同じです」

 

華琳「・・・・・秋蘭」

 

秋蘭「華琳様・・・・・わたくしももっともっと強くなります、ですからわたくしにもお時間を頂けないでしょうか?」

 

華琳「・・・・・・・・・・」

 

桂花「・・・・・・・・・・」

 

華琳は春蘭を抱きしめながら秋蘭の話を聞いていた

 

沙和「・・・・・華琳様、沙和も強くなります」

 

真桜「・・・・・ウチもや、大将」

 

凪「沙和、真桜・・・・・」

 

華琳「・・・・・・・・・・」

 

沙和「沙和、お洒落しか取り柄がないけど、これからは将としても華琳様の役に立てるように頑張るの!」

 

真桜「ウチも、からくりくらいしか取り柄がないけど、それでも!いつか華琳様の隣で胸を張って歩いていけるようになるわ!」

 

凪「沙和、真桜・・・・・」

 

沙和「だから凪ちゃん、これからも沙和達の親友でいてくれる?」

 

真桜「ウチもこれからちゃんと鍛えるわ、だから凪、手伝ってくれるか?」

 

凪「・・・・・ああ!もちろんだ!」

 

凪と沙和と真桜は硬く手を握り合った

 

華琳「(ふふ、私は幸せ者ね♪)」

 

これだけの良将達に囲まれ華琳はとても幸せそうだった

 

そして

 

華琳「みなの気持ち、この曹孟徳が確かに受け取った!みな!私に付いてきてくれるか!!?」

 

一同「はっ!!!」

 

この時はじめて、みなの気持ちが一つになった瞬間だった

 

零「・・・・・・・・・・」

 

そんな光景を見て零は

 

零「(なによこれ、こんな有様じゃあ、野望なんて夢のまた夢ね)」

 

自軍の将達が一致団結して事を起こそうと躍起になっている様を見て思う

 

このままではいけないと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

虎牢関

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・曹操か」

 

霞「また葵のばっちゃんかい!」

 

嵐「・・・・・また馬騰か」

 

菖蒲「流石に袁家の兵は見えませんね」

 

雫「それはそうでしょう、先の戦いでかなりの損害を与えましたからね」

 

恋「・・・・・・・・・・」

 

音々音「懲りないやつらなのです」

 

そして虎牢関の前には曹、馬、孫、その他諸侯の旗が翻っていた

 

徐栄「隊長、今回も氣の斬撃で撃退できませんか?」

 

一刀「・・・・・いくらなんでもこれは届かないな」

 

徐栄「そうですか・・・・・」

 

敵軍は一刀の氣の斬攻撃の射程の外に陣を敷いていた

 

一刀「・・・・・みんな、少し聞いてほしい」

 

霞「なんや?一刀」

 

嵐「どうした?一刀」

 

菖蒲「どうしたんですか?一刀様」

 

雫「一刀様?」

 

恋「かずと?」

 

音々音「どうしたのですか?」

 

徐栄「隊長?」

 

いきなり暗い雰囲気になった一刀に一同は少し戸惑った

 

一刀「少しだけ・・・・・俺の我侭に付き合ってほしいんだ」

 

「・・・・・・・・・・」

 

一同は黙って一刀の言葉に耳を傾ける

 

一刀「俺は、曹操に用がある、だから今回だけは俺の単独行動を許してほしいんだ」

 

「・・・・・・・・・・」

 

一刀「このまま篭城を続ければ、5日は軽く持たせることが出来るだろう、でもどうしても曹操に会わないといけないんだ」

 

霞「・・・・・ええよ、一刀」

 

一刀「霞・・・・・」

 

霞「一刀には世話になりっぱなしやからな、ここで軽く恩返しさせて貰うわ」

 

嵐「同感だ、一刀の好きにしてくれていい」

 

菖蒲「いいですよ、一刀様」

 

雫「ちゃんと帰ってきてくださいね、一刀様」

 

恋「いいよ・・・・・かずと」

 

音々音「仕方ないのです」

 

一刀「みんな・・・・・ありがとう」

 

そういって一刀は深々と頭を下げた

 

一刀「それじゃあ行って来る!」

 

一刀は虎牢関から飛び降りて曹の旗に向かっていった

 

恋「・・・・・恋も行く」

 

音々音「恋殿!?一刀についていくのですか!?」

 

恋「(フルフル)・・・・・かずとの邪魔をするやつ・・・・・倒しにいく」

 

雫「では、菖蒲さんが同行してください、霞さんと嵐さんと徐栄さんはここの防衛を」

 

霞「え〜〜〜、ウチも行きたいわ〜〜〜」

 

嵐「わたしもだ」

 

雫「駄目です!これ以上は「いい」・・・・・恋さん?」

 

恋「誰も来なくていい・・・・・一人で行く」

 

音々音「恋殿!?いくらなんでも一人というのは・・・・・」

 

恋「大丈夫・・・・・恋・・・・・絶対負けない」

 

恋は一刀から渡された龍滅金剛刀の柄を握り締めた

 

霞「・・・・・まあ、恋の活躍は聞いとるからな」

 

嵐「そうだな、なんせ袁紹軍30万の殆どは、恋一人に討たれているようなものだからな」

 

菖蒲「一刀様の金剛刀を持った恋さんは、まさに天下無双の化身ですから」

 

徐栄「一番近くで見ていた、徐晃様が言うと説得力がありますな」

 

雫「わかりました、恋さん、一刀様をお願いします」

 

音々音「恋殿は天下最強なのです!」

 

恋「(コク)・・・・・行って来る」

 

そして恋は、一刀の邪魔をしそうなその他諸侯に突っ込んでいった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曹操軍兵士「報告いたします!!」

 

春蘭「どうした!?」

 

桂花「どうしたの!?」

 

曹操軍兵士「北郷一刀が単独で我が陣営に突っ込んできます!!」

 

華琳「なんですって!?」

 

虎牢関から本当に単独で走ってくる一刀を見て華琳は唇の横をつり上げた

 

華琳「飛んで火にいるなんとやらね、みな!ここで北郷を捕らえるわよ!」

 

一同「はっ!!」

 

華琳「季衣と流琉はわたしの横にいなさい!あなた達に北郷はまだ早いわ!」

 

季衣「はい!華琳様!」

 

流琉「力不足なわたし達をどうかお許しください」

 

曹操軍一同は一刀の前に立ちはだかっていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

馬騰軍兵士「報告です!」

 

翠「なんだ!?」

 

馬騰軍兵士「北郷一刀が単独で曹操軍に突っ込んで行っています!」

 

翠「な、なんだって!!?」

 

翠は曹操軍に向かって本当に単独で向かっていく一刀を見て呆れていた

 

翠「あいつ馬鹿なのか!?いくら強くても曹操の軍は8万はいるんだぞ!それに他の諸侯だって・・・・・」

 

そう翠が言っている間にも

 

他諸侯兵士「北郷だ!!!討ち取って名を挙げろ!!!」

 

ここまでなんの功も得ていない諸侯達は、欲に目がくらんで一刀を側面から矢で強襲しようとする

 

しかし

 

怒轟御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御音!!!!!

 

怒我亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵!!!!!

 

他諸侯兵士達「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

恋「・・・・・かずとの邪魔は・・・・・許さない」

 

恋の振るう金剛刀によってあっさりと吹っ飛ばされる

 

一刀「ありがと!恋!」

 

恋「(フルフル)・・・・・ふっ!はっ!」

 

怒轟御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御音!!!!!

 

怒我亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵!!!!!

 

その後も恋はたった一人でその他諸侯達を相手にしていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翠「・・・・・あれが呂布か・・・・・」

 

翠は群がる他諸侯を次々と吹っ飛ばしている恋の姿を見て、一瞬でこれは勝てないと悟った

 

翠「・・・・・あいつの相手は出来ないけど、北郷なら・・・・・おい!馬休!」

 

馬休「何だ!?姉貴!?」

 

翠「しばらく軍を預ける!」

 

馬休「な!?姉貴はどうするんだ!?」

 

翠「ちょっと北郷がどういうやつなのか見てくる、後頼んだぞ!」

 

馬休「お、おい!姉貴!」

 

翠「やっほ〜〜〜〜い♪強いやつ強いやつ♪」

 

そうはしゃぎながら翠は華琳の陣営へ走っていってしまった

 

馬休「・・・・・ったく、いっつも貧乏くじを引くのは俺なんだよな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華琳「秋蘭!北郷に矢を浴びせてやりなさい!あれほどの虎はそうそう簡単に止まる相手じゃないわ!」

 

秋蘭「はっ!夏侯淵隊!弓構え!」

 

ギリギリギリ・・・・・

 

秋蘭からの指示で夏侯淵隊はいっせいに弓を引き絞る

 

秋蘭「・・・・・放て!!!」

 

シュババババババババババ!!!

 

一刀の正面から大量の矢が襲い掛かってくる

 

一刀「〜〜〜〜〜〜〜っ・・・・・しっ!!」

 

シュビビビビビビビビビビ!!!

 

一刀は全身に氣を纏い、縮地で矢をジグザグにかわしていく

 

金剛刀という錘を外した一刀のその速さ、まさに疾風迅雷

 

秋蘭「ちっ!何てすばしっこいやつだ!夏侯淵隊!さらに射てやれ!」

 

ギリギリギリギリギリギリ・・・・・・・・

 

最前線に展開している盾の部隊の後ろから秋蘭の全部隊が弓を引き絞る

 

秋蘭「放て!!!」

 

シュバババババババババババババババババババババ!!!!!!

 

さっきとは比べ物にならないほどの矢の雨が一刀を襲う

 

一刀「(くっ!これはかわせないな!)」

 

一刀は走りながら忠久を抜いた

 

キキキキキキキキキキキキキイン!!

 

一刀は走りながら矢を弾いていく

 

そして

 

一刀「ふっ!」

 

ズバン!

 

曹操軍兵士達「ぐわあ!!」

 

曹操軍の前面に辿り着いた一刀は、最前線の部隊の盾を忠久で両断し薙ぎ倒した

 

一刀「・・・・・お?」

 

シュバババババババ!!!

 

しかし、またしても矢の襲来に会う

 

一刀「ふっ!」

 

それを物凄いジャンプ力で避け

 

一刀「ふっ!しっ!はっ!ぜあっ!」

 

夏侯淵隊の中に着地し、右側にいた敵兵を切り上げ、袈裟切り逆袈裟に次々と切り倒していく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華琳「・・・・・やはり精鋭といっても、雑兵程度じゃ歯が立たないようね・・・・・秋蘭!兵達を下がらせなさい!」

 

秋蘭「華琳様・・・・・はっ!夏侯淵隊!下がれ!」

 

秋蘭の指示で夏侯淵隊は次々と下がっていく

 

華琳「凪!沙和!真桜!北郷を出迎えてあげなさい!」

 

凪「はっ!」

 

沙和「わかったの!」

 

真桜「おうさ!」

 

三羽鳥は揃って一刀に向かっていった

 

華琳「春蘭!」

 

春蘭「はっ!華琳様!」

 

華琳「おそらく、凪達三人では北郷を止められないでしょう」

 

春蘭「・・・・・そうでしょうね」

 

華琳「凪達が危なくなったら、あなたが助けに入りなさい!」

 

春蘭「はっ!この夏侯元譲、命に代えても「ならないわ!」・・・・・は?」

 

いきなり春蘭の言葉を遮る華琳に春蘭はきょとんとする

 

華琳「命に代えてなど許さない、必ず生きて戻りなさい!」

 

春蘭「華琳様・・・・・はっ♪必ずや♪」

 

春蘭は、予備の七星餓狼を振り回しながら嬉しそうに三羽鳥の後を追っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・ん?兵達が退いていくな・・・・・お?」

 

沙和「てやーーーーーー!!」

 

ヒュン!ヒュバッ!

 

沙和は予備の二天を一刀に振るう

 

一刀「・・・・・よっと」

 

キイーーーーン!

 

沙和「きゃん!」

 

たいした気合もなく、斬撃ごと沙和を沈黙させる

 

二天の片方は簡単に折れてしまった

 

真桜「退け沙和!!どぉらーーーーーーー!!!」

 

ギュイイイイイイイイイイイイイン!!!

 

沙和をさがらせ、真桜も恋に壊される一歩手前だった螺旋槍で一刀に突撃する

 

一刀「何!!!?」

 

この時代ではありえない音を聞いた

 

ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!

 

真桜「こんのーーーーーーーーー!!!」

 

一刀「っ!!・・・・・なんなんだ!?こりゃ!?」

 

一刀の忠久と真桜の螺旋槍がぶつかり合い火花が散る

 

一刀「くううううううううう!!!」

 

真桜「ぬううううううううう!!!」

 

しばらくの間一刀と真桜の我慢比べがあったが

 

ジュインッ!!

 

真桜「なんやて!?」

 

螺旋槍は忠久の強度に負け、先端が飛んでいってしまった

 

一刀「せい!!」

 

ガキーーーーーーーーーン!!

 

真桜「おおわ!!!」

 

真桜は何とか一刀の攻撃を防いだ

 

沙和「真桜ちゃん!」

 

凪「真桜!」

 

真桜「大丈夫や、これくらい・・・・・どないしたんや?」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

螺旋槍を見て、一刀は面食らっていた

 

一刀「(なんなんだこれは!?いくらなんでもオーバーテクノロジー過ぎるだろ!)」

 

ここは1800年前の時代のはずなのに、何故こんなものがあるのか不思議でしょうがなかった

 

一刀「・・・・・君達はいったい、誰なんだ?」

 

凪「・・・・・我が名は、楽進!」

 

沙和「于禁なのー!」

 

真桜「ウチは李典や!」

 

一刀「(名前を聞いたわけじゃないんだけどな・・・・・まぁいいか)」

 

パラレルワールドなんだから何でもありなんだろうと一刀は無理やり割り切った

 

一刀「楽進文謙に于禁文則に李典曼成か?」

 

凪「っ!?・・・・・何故知っているのですか!?」

 

沙和「沙和達、字まで名乗ってないよね」

 

真桜「どうゆうことなんや?」

 

一刀「君達自身を知っているわけじゃない・・・・・ただ、君達の名前を俺は良く知っているんだ」

 

凪「どうゆうことなんですか?」

 

一刀「説明するのは面倒だ、止めておこう・・・・・それよりまだやるのか?」

 

凪「っ・・・・・沙和!真桜!下がってろ!」

 

沙和「凪ちゃん!いくらなんでも無茶なの!」

 

真桜「せや!この男はあの呂布に勝ったっちゅうんやで!」

 

一刀「(勝ったというより、ギリギリ負けなかったと言ったほうが正しいかな、金剛刀を持った恋には死んでも勝てる気がしないぞ、俺)」

 

少しだけ捻じれた情報が飛びかっていることに、一刀は困っていた

 

凪「分かっている、でも仕方ないんだ・・・・・北郷殿、山陽の町では助けていただいて感謝しています、遅ればせながらありがとうございました」

 

一刀「え?・・・・・ああ!あの時か!たいした事はしてないよ」

 

凪「いいえ、お礼だけはちゃんと言っておこうと思いまして」

 

一刀「(う〜〜〜〜ん、この子はいい子だな〜〜〜)」

 

凪「でも今回ばかりは、この前の借りを返すことができません」

 

一刀「気にしなくていいよ、それより・・・・・」

 

凪「なんでしょう?」

 

一刀「・・・・・・・・・・」(じ〜〜〜〜〜〜)

 

凪「な、何を見ているのですか?」

 

一刀「・・・・・・・・・・」(じ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜)

 

凪「北郷殿?」

 

一刀「・・・・・・・・・・」(じ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜)

 

凪「あ、あの・・・・・」

 

一刀「・・・・・・・・・・」(じ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜)

 

凪「・・・・・/////////////////////」

 

凪は、『そんなに見つめないで』と言わんばかりに赤くなった

 

一刀「・・・・・うん、やっぱりいい素質を持っている」

 

キン!

 

一刀「いいだろう、かかって来い」

 

忠久を鞘に納め一刀は徒手空拳になった

 

凪「!?・・・・・どういうつもりですか!?」

 

一刀「別に舐めているわけじゃない、それとも怖いのか?」(クイクイ)

 

一刀は『どこからでも掛って来い』と言わんばかりに手招きする

 

凪「っ!・・・・・行きますよ!北郷殿!」

 

凪は得意の格闘術で一刀に挑んでいった

 

凪「はあああああああああああ!!!」

 

ゴオウ!ヒュンヒュン!シュバババ!!

 

一刀「よっ、ほっ」

 

パン!パン!スススススス

 

一刀は片手で凪の連撃をさばき、受け流していく

 

凪「くそっ!はああああああああ!!!」

 

凪は右回し蹴りを放つ

 

一刀「・・・・・しっ」

 

蹴りを摺り足で後ろに下がってかわし、そのまま懐へ潜り込む

 

一刀「足元が疎か!」

 

凪「え!?わっ!」

 

バシッ!  ドスン!

 

一刀は片足立ちになった凪の左足を払い、凪に尻餅をつかせる

 

凪「くっ!まだまだ!」

 

ゴウワッ!!ブンブン!!ブオォ!!!

 

さっきよりも力強い攻撃を繰り出すが

 

一刀「だめだめ!そんな大振りじゃ、せっかくの拳の速さが台無しだ!しっ!」

 

ガシイッ!!

 

凪「うっ!?」(ガクン!)

 

攻撃をかわされながら一刀の鋭いローキックを受けて、凪の腰が落ちる

 

凪「(なんなんだ、今の技は!?)」

 

今までに受けたことのない攻撃を受けて凪は困惑する

 

一刀「どうした、好きに攻めていいんだぞ」

 

凪「っ・・・・・せい!」

 

凪も先ほどの一刀のようにローを放つ

 

一刀「遅い!!」

 

ドスッ!

 

凪「ぐう!」

 

蹴りが来るよりも速く凪の懐に飛び込み、掌底を鳩尾に入れる

 

一刀「こうやるんだ!ふっ!」

 

ビシィッ!!ガシィッ!!

 

凪「ぐああ!!(ガクンッ)・・・・・くっ!」

 

左右からのあまりに速い二回のローキックに凪は崩れ落ちそうになるが、何とか踏みとどまる

 

一刀「・・・・・やっぱりいい素質を持っている、かなり強めに蹴ったんだけどな」

 

凪「それはどういう意味ですか?」

 

一刀「君はこれからドンドン強くなれるということだよ、そしていつの日か俺を倒せるくらい強くなれる」

 

凪「本当ですか!?」

 

一刀「だから、君の本気を見せてくれないか?」

 

凪「は、はい!喜んで!」

 

そう言って凪は後ろに飛んで距離を開けた

 

一刀「(・・・・・何か来るな)」

 

一刀は警戒して構えた

 

凪「いきますよ!北郷殿!・・・・・はぁぁぁぁぁああああああああああ!!!」

 

メラメラメラ!

 

一刀「っ・・・・・(氣が足に集中していくな)」

 

凪「はああああああああああああ!!!猛虎蹴撃!!!」

 

ゴオオオオオオオオ!!!

 

凪は一刀に向かって得意の氣弾を放った

 

一刀「くっ!」

 

ドゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!

 

一刀は腕を交差しその氣弾を正面から受けた

 

凪「(やった!今までで一番の威力を出せたぞ!)」

 

沙和「凪ちゃんすごいの〜〜〜〜♪」

 

真桜「こりゃ噂の山賊狩りも無傷っちゅうわけにはいかへんやろ!」

 

氣弾による砂埃が晴れていくと

 

凪「え!?」

 

沙和「そんな!?」

 

真桜「嘘やろ!?」

 

全身に氣を纏い、凪の氣弾を完全に打ち消し無傷の一刀がそこにいた

 

一刀「かなり強い氣なんだろうが、まだまだ練りが足りないな」

 

凪「くっ・・・・・」

 

一刀「楽進・・・・・才能ある君にめんじて、少しだけ俺の氣の本気を見せてやろう」

 

凪「え!?」

 

一刀「す〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ・・・・・・はぁぁぁぁあああああああああ!!!!」

 

ブオオオオオオオオオオオオ!!!

 

凪「っ!?(すごい氣だ!まるで竜巻だ!)」

 

一刀の全身の氣が輝き、一瞬目が眩むような閃光が走る

 

凪「うっ!!」

 

沙和「きゃ〜〜〜〜なの〜〜〜〜〜!!」

 

真桜「なんや!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華琳「これは!!?」

 

桂花「なんなの!!?」

 

春蘭「凄い氣だ!!」

 

秋蘭「くうっ!!」

 

季衣「眩しっ!!?」

 

流琉「うっ!!」

 

零「わわっ!!」

 

曹操軍の全ての将が眩い光に目が眩んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪蓮「あの光は」

 

冥琳「なんなのだ!?」

 

純夏「一刀!?」

 

穏「うっ!目が」

 

蓮華「眩しい!」

 

思春「あれは!」

 

明命「凄い氣です!」

 

祭「光がここまで届くのか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桃香「なんなの?あの光」

 

星「あれは・・・・・一刀殿の氣ですね」

 

愛紗「しかし、今までとは比べ物にならないぞ!」

 

鈴々「にゃ〜〜〜〜〜〜、今まで本気じゃなかったのか」

 

朱里「はわわ・・・・・」

 

雛里「あわわ・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翠「待ってろよ〜〜〜〜!北郷一刀!」

 

愛馬麒麟に跨って曹操軍の陣営に向かっている翠

 

そこに

 

ピカッ!

 

翠「な、なんだ!?」

 

曹操軍の中から放たれる一瞬の閃光に軽く混乱してしまう

 

翠「なんだったんだ?」

 

そのまま翠は曹操軍の中に入っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恋「ふっ!はっ!」

 

怒轟御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御音!!!!!

 

怒我亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵!!!!!

 

その他諸侯兵士達「ぎゃはああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

一刀が曹操軍に切り込んでいる間に恋はその他諸侯の相手をしていた

 

その時

 

カッ!!

 

恋「っ!??」

 

突然の曹操軍からのまぶしい閃光に手が止まってしまう

 

恋「・・・・・かずと?」

 

一刀の身に何か会ったのかと心配してしまうが

 

恋「・・・・・(フルフル)・・・・・はっ!ふっ!」

 

怒我亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜庵!!!!!

 

怒轟御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御音!!!!!

 

その他諸侯兵士達「ごっはああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

自分に勝った一刀がそう簡単に負けるはずがないと、無理やり助けに行きたい衝動を押さえ込み金剛刀を再び振るいだす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霞「なんや、今の光?」

 

嵐「眩しかったな」

 

菖蒲「一刀様に何かあったのではないですか!?」

 

雫「一刀様・・・・・」

 

徐栄「隊長・・・・・」

 

それぞれが一刀の心配をしていると

 

音々音「みんな心配しすぎなのです!」

 

一同「!?」

 

音々音の言葉に全員が耳を傾ける

 

音々音「あいつは・・・・・一刀は・・・・・恋殿に勝ったのですぞ!だから心配無用なのです!」

 

その言葉に

 

霞「・・・・・せやったな」

 

嵐「ああ、いらぬ心配だな」

 

菖蒲「そうですね」

 

雫「一刀様は、絶対大丈夫です」

 

徐栄「隊長は大丈夫です!」

 

音々音「その通りなのです!だからねね達はここの防衛に集中すればいいのです!」

 

一刀と恋が単独で敵陣に向かっている間にも虎牢関には劉備、孫策、曹操、馬騰、袁紹、袁術、公孫賛以外の諸侯達が攻め込んできていた

 

しかし、董卓新鋭防衛隊の防衛力に跳ね返されていたのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凪「・・・・・・・・・・」

 

ゆっくりと目を開けるとそこには

 

凪「・・・・・凄い」

 

一刀「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」

 

薄皮一枚まで氣を絞込み、肌に掛けて氣の光を放つ一刀がいた

 

さらに

 

沙和「・・・・・綺麗なの〜〜」

 

真桜「・・・・・ほんまや」

 

一刀からこぼれる氣の粒子、それは

 

凪「・・・・・まるで羽だ」

 

その氣の粒子は羽のような形をしており、地面に落ちた途端にぱっと消えていく

 

一刀「楽進、気を抜かずに来い、この状態だと加減が難しいからな」

 

凪「は、はい!・・・・・はああああああああああああああああああ!!!!」

 

凪はかつて山陽の町で見た羽を思い出しながら、一刀に挑んでいった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華琳「・・・・・・・・・・」

 

春蘭「・・・・・これは」

 

秋蘭「・・・・・どおりで呂布に勝つわけだ」

 

桂花「なによこれ///////」

 

季衣「わぁ〜〜〜〜〜〜〜・・・・・」

 

流琉「はにゅう〜〜〜〜〜////////」

 

零「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

陳留の将達は一刀の姿に釘付けだった

 

一刀が動くたびに羽のような氣の粒子が舞い、長い髪が靡き、氣によって煌めく

 

華琳「ふふふふ♪ますます欲しくなったわ♪」

 

一刀を欲する気持ちにますます磨きがかかる華琳

 

曹操軍兵士達「・・・・・・・・・・」

 

自軍の兵士達も一刀の姿を見て呆然としていた

 

そこに

 

翠「・・・・・・・・・・」

 

いつのまにか馬騰軍から曹操軍の中に入って来た翠が華琳の横にまで来ていた

 

華琳「あら馬超、どうしてあなたがここに・・・・・」

 

華琳は翠の様子がおかしいことに気付く

 

そしてその理由にも

 

翠「・・・・・/////////////////」

 

他の将とは違い、翠は一刀に見惚れていた

 

彼が纏う氣に零れ落ちる羽、そして決定的なのが自分と同じポニーテールをしており、それが彼が動くたびに煌めく

 

華琳「・・・・・ふ〜〜〜〜〜〜〜〜ん♪」

 

翠「?・・・・・な、なんだよ・・・・・」

 

華琳「馬超、彼に惚れちゃったのね」

 

翠「★■※@▼●∀っ!?//////」

 

いわずと知れたむちゃくちゃ語である

 

翠「な!な!な!な!何を言ってるんだ!そんなわけがないだろう!///////////////」

 

華琳「あら、否定することないじゃない、それにその気持ち分からなくもないわ」

 

翠「・・・・・どういう意味だよ・・・・・」

 

華琳「私も、彼が好きに成ってしまったということよ♪」

 

翠「★■※@▼●∀っ!?////////」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな華琳と翠のやり取りの間にも

 

凪「はあああああああああああああああああああああ!!!!」

 

ドドーーーーーーーーーーーーン!!ズドーーーーーーーーーーーーーン!!

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

凪の氣弾を完全に直撃しているのに一刀はびくともしなかった

 

凪「でえええええええええええええええええええい!!!!」

 

ゴウ!ブワッ!ブン!シュババ!!

 

加減が出来ないと言っていながらも一刀は凪の攻撃を完全に受ける側に回っていた

 

それでもかすり傷すら付けられない

 

沙和「・・・・・ねえ、真桜ちゃん」

 

真桜「奇遇やな、ウチもや」

 

自分達のことを放っておいて戦場であるにも拘らず稽古をしている二人になんとも言えない感情が湧いてきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「っ・・・・・すまない楽進、これ以上は付き合えない」

 

凪「え?うわっ!?」

 

ガキャーーーーーーーーーーーーン!!!ガシャーーーーーーーーーーーーーーン!!!

 

凪「そ、そんな・・・・・」

 

凪の手甲閻王は一刀の当身により砕かれた

 

一刀「ふっ」

 

ズン!

 

凪「ぐっ!・・・・・北・・・郷・・・・殿・・・・・」

 

一刀の当身を鳩尾に受け、凪は気絶した

 

一刀「しばらく、眠ってろ・・・・・ふぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・・・」

 

凪を優しく地面に寝かせ、力を抜くと体を覆っていた光が消え、羽のような粒子も消えていった

 

華琳「あら、もう終わりなの?もう少し見せてくれてもいいじゃない」

 

一刀が本気を見せたのは約二分、華琳はもっと見たいという思いがあった

 

しかし一刀は

 

一刀「ご要望には応えてあげたいけど、あれはそんな単純なものじゃないからね・・・・・それより、君が曹操だな」

 

華琳「あら?初対面だと思うけど」

 

一刀「前に一度だけ君を見たことがあるんだよ」

 

華琳「そう、山陽の町ではわたしの部下達が世話になったようね、だいぶ遅れたけど御礼を言わせて貰うわ」

 

一刀「あの時は偶然だったんだ、お礼を言われるようなことはしていない」

 

華琳「そう、なら北郷、単刀直入に言うわね・・・・・・」

 

一刀「わたしのところに来ないか?じゃないのか?」

 

華琳「話が早くて助かるわ、その通りよ」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

少し間をおいて一刀は再び語りだした

 

一刀「・・・・・もし俺が、この大陸に来て始めに会ったのが曹操だったら、そうなっていたのかもしれない」

 

華琳「・・・・・・・・・・」

 

華琳は黙って一刀の話を聞いていた

 

一刀「でも!俺は客将とはいえ、月・・・・・董卓に世話になっているんだ!自分に出来る最低限の責任くらいは果たそうと思う!」

 

シュキン!

 

そう言いながら一刀は忠久を抜き華琳に向けた

 

華琳「・・・・・ふふふふ♪ますますものにしたくなったわ・・・・・春蘭!!」

 

春蘭「はっ!!」

 

華琳「かなりきついでしょうけど、やれるかしら?」

 

春蘭「はっ!華琳様!・・・・・北郷一刀!!この夏侯元譲が相手になってやる!」

 

一刀「夏侯惇か、曹孟徳の家臣きっての忠臣と聞いているぞ!」

 

春蘭「その通りだ♪私以上に華琳様に忠誠を誓っているものはおらんのだからな♪」

 

一刀「その忠臣ぶりに、夏侯惇の兵士達は精鋭揃いだと聞いているぞ!」

 

春蘭「そうだろう♪そうだろう♪なんせ・・・・・」

 

秋蘭「姉者!乗せられているぞ!」

 

春蘭「おおっと!いかんいかん!」

 

一刀「・・・・・面白いな、この人」

 

秋蘭「面目ない、しかし武のほうは一流だ、甘く見ていると痛い目にあうぞ!」

 

一刀「そのようだな」

 

一刀は忠久を肩より少し上に持ち上げ垂直に構える

 

一刀「いくぞ!夏侯惇!」

 

春蘭「来い!北郷!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪蓮「・・・・・どうなっているのかしら?」

 

曹操軍に単身で切り込んでいった一刀が気になってしょうがない雪蓮がいた

 

純夏「雪蓮・・・・・気になるのか?」

 

雪蓮「そりゃあね、なんせ始めて惚れた男だし♪」

 

純夏「一刀もとんでもない女に好かれてしまったわね」

 

雪蓮「あら、あなただってそうでしょ、純夏♪」

 

純夏「ああああたしは別に!!/////////」

 

雪蓮「あははははは♪純夏ってばわっかりやす〜〜〜〜♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮華「・・・・・・・・・・」

 

蓮華は、姉と純夏の言葉に戸惑っていた

 

蓮華「(どうしてしまったの、わたしは・・・・・こんな感情、はしたないわ)」

 

自分のこの感情の正体が嫉妬であることは分かっていた

 

しかし実の姉に対して嫉妬しているなんて認めるなんてことは、孫武の血を引くもとのしての自負が許さなかった

 

思春「・・・・・蓮華様」

 

思春はそんな蓮華を見て、一刀にむかっ腹が立っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明命「それにしても冥琳様〜」

 

冥琳「どうした?明命」

 

明命「いつまで傍観しているつもりなのですか?ぐずぐずしていたら虎牢関の功が他の諸侯に取られちゃいませんか?」

 

そう、ただ今孫呉は虎牢関が他諸侯に攻められているのを高みの見聞をしていたのだ

 

穏「明命ちゃん〜、わたし達があの董卓軍が守る虎牢関を自力で突破することはまず出来ないんですよ〜」

 

明命「はうあ!?そんなんですか!?ならこの戦はわたし達の負けということですか!?」

 

冥琳「落ち着け、あくまで自力で突破することは出来ないと言っただけだ」

 

明命「それはどういう意味なのでしょう?」

 

穏「董卓軍の目的は、おそらく時間稼ぎです〜」

 

冥琳「そうだ・・・・・わたし達が直接手を出さずとも、向こうは数日で兵糧が尽きる」

 

穏「その時こそ、わたし達が総攻撃するのですよ〜」

 

明命「なるほど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春蘭「どおりゃあああああああああああああああ!!!」

 

カアーーーーーーン!!キイーーーーーン!!ガアーーーーーーン!!キイーーーーーーーーーン!!

 

一刀「ふっ!くっ!ぐっ!」(ビリビリ)

 

春蘭の七星餓狼(予備)と一刀の忠久がぶつかり合う

 

一刀「(っ!技もクソも無い力押しだが、腕力は一流だな)」

 

一刀は、春蘭の有無を言わさぬ馬鹿力に少しだけ手が痺れていた

 

春蘭「(くそっ!こちらが攻撃しているのに、何故刃が欠けるんだ!?)」

 

七星餓狼(予備)は数合打ち合っただけですでに刃毀れしていた

 

それに対して一刀の忠久は傷一つ無い

 

真桜「(なんやあの剣、いったいなんで出来てるんや?)」

 

真桜は一刀の持つ忠久に興味津々だった

 

そんな一刀と春蘭の一騎打ちを見ている者がいた

 

他諸侯の兵「(あいつは・・・・・北郷一刀、あいつを討ち取れば一生食っていける)」

 

ギリギリギリ・・・・・・・

 

そう言って兵は弓を引き絞り一刀に照準を合わせようとする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春蘭「でりゃああああああああああああ!!!」

 

一刀「しっ!ふっ!」

 

カアーーーーーーーン!!キイン!キイン!キイン!ギリギリギリ!!

 

また数合打ち合い、鍔迫り合いに持っていく

 

他諸侯の兵「(捉えた!)」

 

動きの止まった一刀に兵は矢を放とうとする

 

恋「っ!?かずと!ふっ!」

 

怒轟御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御音!!!!!

 

他諸侯の兵「ぎにゃあああああああああああああああああああ!!!」

 

一刀の危機に気付いた恋がその兵士を吹っ飛ばす

 

しかし

 

ヒュン!

 

恋「あ!?」

 

すでに矢は放たれてしまった

 

だが、その矢は

 

春蘭「!!?」

 

狙いがずれて春蘭に飛んでいく

 

秋蘭「!!?姉者!!!」

 

華琳「!!?春蘭!!!」

 

翠「!!?」

 

秋蘭と華琳と翠はこの矢は確実に春蘭に当たると確信した

 

三人が春蘭の死を予感したその時

 

一刀「はああああああああああああああああああ!!!!!」

 

春蘭「うおおおおおおおおおお!!!?」

 

全身に氣を纏い、一刀は春蘭を押し飛ばした

 

ザシュ!!

 

一刀「ぐうっ!!」

 

その矢は一刀の右頬を抉り、地面に突き刺さった

 

ボタボタボタ

 

右頬から大量の血を流す一刀

 

春蘭「・・・・北郷・・・おまえ・・・」

 

この時春蘭は、自分は一刀に助けられたんだと理解した

 

一刀「恋!退くぞ!」

 

恋「・・・・・わかった」

 

一刀と恋は虎牢関へと退いて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「(曹操は俺の知っている曹操だったか・・・・・・・よかった)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桂花「華琳様!追撃を!」

 

華琳「その必要はないわ!」

 

零「華琳様!?」

 

華琳「春蘭と秋蘭なら分かるわよね?」

 

春蘭「はい、あそこで北郷がわたしを押していてくれなかったら、あの矢は確実にわたしに当たっていました」

 

秋蘭「はい、華琳様、北郷は姉者の命を救ってくれました」

 

華琳「それに、追撃をしたところで逃げられてしまうでしょうね・・・・・それにしても」

 

桂花「華琳様、何を?」

 

華琳「・・・・・彼も心臓を一突きされれば死ぬ、血の通った人間ということね」

 

地面に落ちた一刀の血に触れて華琳はそう言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翠「・・・・・北郷一刀か////////」

 

翠は顔を赤くしながら自分の陣地へ帰っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

虎牢関の前に群がっていた他諸侯を蹴散らし一刀と恋は帰ってきた

 

霞「一刀!?どないしたんや、その傷!」

 

一刀「ちょっとへまをやっちまってな」

 

菖蒲「・・・・・酷い」

 

音々音「・・・・・・・・・・」

 

一刀の右頬にざっくりと付いた傷に菖蒲と音々音は息を呑んだ

 

あと数センチずれていれば、致命傷になりかねないであろうその傷に

 

雫「・・・・・・・・・・・」

 

スッ

 

一刀「雫?」

 

一刀の傷に雫が触れた

 

雫「一刀様・・・・・もう打って出ないで下さい・・・・・これ以上心配させないで下さい・・・・・」

 

最後の方は鳴きそうな声だった

 

一刀「・・・・・分かった、もう止めておこう」

 

ギュッ

 

雫「!?」

 

そういって一刀は雫を抱き寄せた

 

一刀「心配させて悪かったな、雫」

 

雫「////////////////」

 

始めて一刀に抱きしめられた雫は、幸せすぎて死んでしまいそうだった

 

霞「あ〜〜〜〜〜ん、雫ばっかりずるいやんか〜〜〜〜ウチかて一刀の心配しとったんやで〜〜〜」

 

嵐「わ、わたしだって///////」

 

菖蒲「わ・・・・・わたしも////////」

 

恋「恋もギュッてして///////」

 

音々音「ね、ねねは別に心配なんてしていなかったのですぞ!/////////」

 

徐栄「(嘘こけ)」

 

一刀「分かった分かった」

 

その後一刀は董卓軍の将全員を抱きしめてあげた

 

将達は全員ご満悦だった

 

嵐「それにしてもさっきの光はなんだったのだ?一刀」

 

一刀「あれは回天丹田と言って、最大氣力で身体能力を何倍にも引き上げる技だ」

 

霞「まだ氣が上がるっていうんか?一刀もう無敵とちゃうか?」

 

嵐「わたしも同じ事を考えたぞ」

 

菖蒲「それを使えば、恋さんとの勝負も余裕が出てくるのではないですか?」

 

一刀「いや・・・・・回天丹田は、北郷流の中でも特に禁じ手の技なんだ」

 

雫「どういう意味ですか?」

 

一刀「あの技は、氣の消費が激し過ぎてすぐにばててしまうし、使い過ぎると体にかかる負担が飛躍的に大きくなってしまう、こればっかりはどれほど技を極めてもどうにもならない物理的な壁で、どんなに体を鍛え体力を底上げしても、使えば使うほど寿命が削られてしまうんだ」

 

雫「っ!!?そんな危険な技を使ったのですか!!?」

 

一刀「いや、すぐに止めたから「そういう問題ではありません!!」・・・・・・」

 

雫に怒鳴られ一刀は面食らってしまう

 

霞「一刀!これからはその技は絶対禁止やで!約束したってや!」

 

嵐「こればかりは守ってもらうぞ、一刀!」

 

菖蒲「一刀様がそこまでする必要なんてありません!」

 

恋「かずと、もう使わないで」

 

音々音「絶対守りやがれなのです!」

 

徐栄「隊長!約束して下さい!」

 

一刀「・・・・・分かった、もう二度と使わないよ」

 

こんなにも自分のことを心配してくれている者達がいて、一刀は幸せだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうもseigouです

 

ちょっと長くなりすぎましたかね?

 

ペースが遅くなって申し訳ありません

 

最近疲れが溜まってきまして、なかなか進みません

 

キャラを増やしていくと時々そのキャラのことを忘れてしまうんですよね

 

たま〜に焦りますよ

 

それでは次回もお楽しみに

説明





難攻不落、絶対無敵、七転八倒虎牢関




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コメント
この一刀凄いよぉ?。さすが種馬のお兄さん。(IFZ)
およ、ここの北郷は記憶持ちですかなー? そして信頼の種馬力ですねw(はこざき(仮))
風見さんへ、これであっていると思いますよ(Seigou)
軍議のところで全精力とありますが、全勢力の間違いではないのですか?(風見海斗)
一刀が目を失わないで良かったぁ。 (readman )
待ってました。早めの続きを希望します。(シン)
次回楽しみだ。(黄昏☆ハリマエ)
皆さん誤字指定ありがとうございます(Seigou)
さあ、お前が立てた旗の数を数えろ!フラグ一級建築士の名は伊達じゃないですね。続き待ってまーす!(kabuto)
すごい勢いで旗立ててったや(きの)
5p、華琳「飛んで火にいるなんとやらね、みな!ここで北郷を捕らるわよ!」→華琳「飛んで火にいるなんとやらね、みな!ここで北郷を捕らえるわよ!」 7p、おれぞれが一刀の心配をしていると→それぞれが一刀の心配をしていると フラグ壊しすぎだろ(VVV計画の被験者)
P10 董宅→董卓 ですよ〜。春蘭の失明フラグを圧し折ったか・・・フラグクラッシャー一刀の誕生だな。(東方武神)
3p、8行目「星は地震の愛槍龍牙」→「星は自身の愛槍龍牙」かな? 更新乙です♪(アラトリ)
星の槍には刃は無かったかと、先端に二つのトゲはありますけどW(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
すいません編集中でした(Seigou)
最後、文章切れてるよー。続きプリーズ。(ryu)
拡散していく種馬力www(poyy)
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北郷一刀 恋姫 FF 日本刀 北郷伝 借りキャラ 

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