真・恋姫無双 魏end 凪の伝 41
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村の外に張ったいくつもの天幕の影の一つに屈みこむ、一刀と明命。

 

二人共村人の姿となり、一刀はさらに用心の為に顔を布で隠していた。

 

「もうすぐ書簡にあった天幕です。私が中の兵の気を逸らしますので、一刀さまはそのうちに天幕の中へ」

 

小声で話す明命に頷くと、明命は夜の闇に融ける様にして見えなくなる。

 

残された一刀は一人待っている間、静かに息を吐く。

 

周囲をうかがう様に首を伸ばしたすぐ横で人の気配を感じて、慌てて頭を引っ込めた。

 

「異常は無いか、よく見ろよ新人」

 

「はっ!」

 

「よし、では次はあっちの天幕だ」

 

「はっ!」

 

気配は二人組みの兵の巡回だったらしく、一刀のすぐ横を通り過ぎていくのを一刀は息を殺して見送る。

 

(うおー・・・あっぶねー!)

 

ドキドキする胸を撫で下ろし、キョロキョロと辺りを見回すがとりあえず人の気配は無い。

 

一刀はもう一度確認すると、目的の天幕へと素早く走る。

 

そこには・・・『太平妖術の書・真書』への鍵がある筈────

 

 

 

風が出て行った後、入れ違いになる形で明命と斗詩が帰ってきた。

 

戻ってきた明命の手には書簡が握られ、聞けば突然現れた管輅に渡されたという。

 

「ふ〜ん・・・管輅、ねぇ・・・」

 

雪蓮がその書簡を広げてみるが、見た事の無い文字で何かが書かれているという事しか分からない。

 

「日本語・・・?」

 

一刀を除いて。

 

雪蓮の持っていた書簡を受け取り、読み進めた一刀の表情が訝しげなものに変わる。

 

「何て書いてあるんですかー?」

 

七乃ののんびりとした声にも反応せずに考え込む。

 

「うう・・・無視されましたよ?」

 

「ま、まぁまぁ・・・」

 

落ち込む七乃を斗詩が慰める。

 

「えっと・・・魏の陣営に忍び込まなければならないんだけど・・・できるかな・・?」

 

「明命なら大丈夫よ・・・けど、どういうこと?」

 

顔を上げた一刀の問いに雪蓮が応え、明命も「はい!大丈夫です!」と頷いた。

 

「この書簡に書かれている事だけど────」

 

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手を伸ばせば春蘭が助かり、一刀が戻ってくる。

 

それはあまりにも甘い誘惑だった。

 

三国同盟と天秤に賭けてもそちらに傾く程に・・・。

 

華琳の手が于吉の持つ"赤い石"に伸ばされる。

 

後少し。

 

後少し手を伸ばせば衰弱した春蘭を助け、記憶を失った一刀を助けられる。

 

三国同盟を・・・一刀の望んだ平和を捨てれば────

 

『君に会えてよかった』

 

『もう・・・俺の役目はこれでお終いだろうから』

 

『その物語を見ていた俺も、終端を迎えなくちゃいけない・・・』

 

『ああ・・・もう終わりみたいだからね・・・』

 

『ごめんよ・・・華琳』

 

『さよなら・・・誇り高き王・・・』

 

『さよなら・・・寂しがり屋の女の子』

 

『さよなら・・・愛して"いた"よ、華琳────』

 

一刀の笑顔が、薄れていく。

 

何度も何度も夢に見た。

 

繰り返す悪夢で枕を濡らした夜も一度や二度ではない。

 

三年という月日は、想像以上に長かった。

 

強い意志でさえ挫ける程の年月。

 

『いつか戻ってくる』

 

そう思っていた。

 

三年経ち、そう思わずには居られなくなった。

 

『例え戻ってこなくても、私は・・・大丈夫』

 

そう思っていた。

 

三年経った今は・・・もう・・・無理だ・・・。

 

そして一刀は今、同じ村にいる。

 

会いたい。

 

触れたい。

 

抱きしめたい。

 

すぐにでも連れて帰りたい。

 

華琳の指先が"赤い石"触れる。

 

これさえあれば────

 

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しかし──── 華琳の手がゆっくりと戻される。

 

その手の中に"赤い石"は無かった。

 

"赤い石"は于吉の手の平に残されたまま。

 

「どうしましたか・・・?」

 

于吉の問いに華琳は俯いたまま答えない。

 

だがその問いかけた于吉の声は、どこか優しげな響きを持っていた。

 

「やはり・・・それを取る気にはなれないわ・・・」

 

「例え、夏侯惇を失ってでも?」

 

「そうね・・・」

 

「例え、北郷一刀殿を失ってでも?」

 

「ええ・・・」

 

顔をあげた華琳の表情には薄い笑みが浮かんでいる。

 

その表情の真意が掴めず、于吉はわずかに戸惑う。

 

「三国同盟を破棄してしまえば、再び戦乱の世になる。そうなると、数え切れない程の人が死ぬ・・・。

 

二人と平和を天秤にかけるわけにはいかないのよ」

 

そう話す華琳にはもう笑みは無かった。

 

「────何故、ですか?・・・夏侯惇と北郷一刀殿お二人と、虚構となった三国同盟・・・何故、

 

貴方はそこまでして三国同盟を守ろうとするのですか・・・?」

 

真剣な表情の于吉の問い。

 

「約束だからよ。いい国をつくって見せる・・・それが一刀との"約束"」

 

刹那の瞬間、華琳の瞳から一筋の涙が零れる。

 

涙を流したことなど本人でさえ気付かない一筋の涙。

 

究極の選択は、身を切られる程の想いだっただろう。

 

「・・・分かりました・・・」

 

差し出していた"赤い石"を懐に戻し、于吉は後ろを振り向く。

 

天幕を出ようとした足が止まった。

 

「・・・最後に一つだけ・・・夏侯惇は恐らく大丈夫ですよ・・・北郷一刀殿が何とかしてくれましたから」

 

「!!?」

 

于吉の言葉に華琳が驚愕する。

 

「それはどういう事!?」

 

詰め寄ろうとした華琳だったが、その瞬間には于吉の姿が掻き消えていた。

 

「────くっ!?」

 

小さく舌打ちをして急ぎ天幕を飛び出す。

 

「きゃあ!か、華琳さまっ!?」

 

と、そこには丁度季衣が華琳の天幕を訊ねようとしていた所だった。

 

「春蘭の天幕に急ぐわ!!」

 

「え、え!?あ、あの?!」

 

混乱する季衣に構わず春蘭の居る天幕へと駆け出す。

 

心臓が激しく鼓動していた。

 

あの男はお世辞にも信じれるような男ではない。

 

『北郷一刀殿が何とかしてくれましたから』

 

だが、その言葉だけは信じたい気持ちだった。

 

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お送りしました第41話。

 

ワタクシ、大失敗をしました・・・。

 

先日、オリジナルを上げたんですが・・・その中にurlが隠されていたのをご存知でしたかな?

 

urlで飛べば、お年玉代わりの『風の泣き顔(色つき)+おまけ』の画像フォルダに飛ぶはずだったんですが、

 

えー・・・upする画像を間違えてまして、マイ ピクチャのフォルダをupしてしまってました・・・。

 

夜中にふと目を覚ました時に急に気になって見て見たらビックリして慌てて消しましたよ。

 

見てしまった方がいらっしゃったらごめんなさい・・・何という御見苦しいものを・・・。

 

誰も私の写真なぞ見たくもねーってね (;´д`)トホホ

 

ウアー・・・いんたーねっつは怖いですね。

 

危うくtinami違反になるとこでした。今でも動揺しているくらいです。

 

皆さんもup間違いにご注意ください。

 

あ。あけましておめでとうございます。

 

今年もよろしくお願いします。

 

『風の泣き顔(色つき)+おまけ』は後ほどupしますのでお待ちください。

 

このトリック思いついて正月かけて必死でオリジナル直してたのに・・・。

 

そしてこの41話でネタバラシをする予定でしたが、とんでもないものがバレマシタネ。

 

アハハハハハハハハハハハハハハハハハ。

 

・・・新年一発目にドデカイ失敗をした秋三でした・・・トホホ。

 

ああー!凹むー!!!

 

説明
あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします。
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コメント
sai様、華琳なら・・・それでも華琳ならなんとかしてくれる・・・!の精神でw(北山秋三)
よーぜふ様、三国同盟以前の戦いとはまるで違う立場というのを表しています。アンナノハミルモノジャナイデスヨ。(北山秋三)
BX2様、ミマチガイデスヨ。コスプレナゾシテマセンッテ。(北山秋三)
きのすけ様、さーて・・・どうなりますことやら。いくつか案はあるんですけど・・・。(北山秋三)
nameneko様、そこはこれからの一刀の頑張りかと・・・w(北山秋三)
poyy様、現状では華琳だけが真剣に継続を望んでいるという状況ですね。(北山秋三)
華琳しか三国同盟継続望む・・・この大陸の平和はどうなるんでしょうかね。(sai)
2国は欲望のまま己が道を進み、大陸を統べるといった魏のみが同盟を望む・・・ なにはともあれ、画像見たかった・・・(ぇ(よーぜふ)
華琳には孤軍奮闘ですが頑張って欲しいですね。・・・ボクハナニモミテマセンヨ?(BX2)
けど三国同盟おわっちゃいそうだよなぁ(きの)
華琳だけか皆にも継続を望んでもらいたかったな(VVV計画の被験者)
華琳だけは三国同盟継続を望むんですねぇ。(poyy)
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真・恋姫†無双 北郷一刀  なぎ 華琳 季衣 春蘭 

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