漢乃章 張譲伝
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※設定

北郷は張譲、何進の対立終盤(何進の死の一ヶ月前ぐらい)に降り。

張譲に引き取られてます・・ただ最後までの時間が無さ過ぎて未来は変わりません。

 

暗い暗い・・エンドですご注意を。

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張譲

宦官になる前は、それなりの欲と才能を持つ人物であったが。

 

宦官となり出世すると共に一級の処世術を得る。

宦官という「陰」の存在のため、貪欲に光(栄華)を求め続けている。

 

「わたしは人かな?」

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宦官

本来は善悪も無い制度である。

だが、善か悪かと人に尋ねられれば・・悪であろうと評するほうが多いであろう。

 

趙高・黄皓等、国の滅亡の遠因となった姦物を多数生み出している点。

生殖器を断絶する・・人の性を否定するような、ある種の「穢れ」の存在である点。

その他様々・・忌避すべき点は多い。

 

この忌避感は当時でも存在しており、

陳琳による曹操批判の檄文の中で、曹操の祖父が宦官である一点のみで非難された事は、その顕著な例であろう。

 

だが・・後の清帝国の時代になっても宦官制度は生き残る。

忌避されても必要な存在であったからだ・・帝の「道具」として。

 

帝のために、去勢とういう生物の本質を奪われた存在。

宦官は・・たしかに「人」ではなく「道具」であった。

 

それは宦官が実権を握り、宦官が皇帝のごとく栄華を誇るとも変わらない本質である。

事実・・宦官の中で皇帝個人を暗殺した物は存在しても、その権力をもって自ら皇帝になったものはいない。

宦官は道具・・道具は持ち主(帝)がいなければ存在しえ無いからだ。

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後漢末期

 

張譲ら宦官と、何進ら外戚は対立は日々激化する。

宦官と外戚の戦い・・それは歴史的に幾度も繰り返されたものだった。

 

そして・・その解決法は相手の首魁とその周辺を殺害した上で相手勢力と手打ちにするのが常套手段であった。

そう・・宦官らは何進を殺せば、問題は終わると考えていた。

 

だが・・何進の後を担った袁紹は、宦官の「全て」を根絶やしするよう指示する。

 

宦官の「殲滅」を実行したのは・・歴史的に袁紹ぐらいであろう。

この事は曹操・孫権・劉備等、その後の三国の雄にも出来なかった事であり・・中華の年表において極めて異質だと言ってもいい。

 

袁紹の生まれ(庶子)が同族嫌悪を生み出したか、何進の死に対する純粋な復讐心か、冷静な打算の上か。

それは今更確認できる事ではない・・。

 

とにかく・・袁紹は宦官の殲滅を実行した。

 

その殲滅で死亡した宦官の数は千単位であり。

それ以降、後漢と継承王朝魏では、さほど著名な宦官は現れなくなる事から分かるように、中原では宦官の力は確実に失われた。

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その殲滅・・虐殺時に張譲は帝を連れて逃げ出す。

 

しかし、数時間後・・盧植以下の追撃軍が迫った。

逃げる事ができない事を悟った張譲は、川の近くで従者の一人と共に馬車から降りその場に残った。

 

皇帝の馬車が離れ・・。

皇帝の・・その姿がみえなくなる。

 

道具は「主」が無ければ意味が無い。

 

道具で無くなった・・張譲は「張譲」になった。

張譲が皇帝の影でも道具でも無くなった瞬間だった。

 

 

「北郷よ、私から皇帝がいなくなった」

張譲は自分の体を見回す。

 

「私は道具ではなくなったが・・今の私は人かな?それ以外のなにかかな?」

 

「まわりはともかく・・俺には張譲さんは人だよ」

 

「さようか・・・因果なものだな」

張譲は微笑する。

 

「道具でありながら・・多くに「人」として認められたくて、光ある人の場所・・栄華を求めて醜く足掻き回った私が、最後はたった一人に認められるだけで・・こうも満足してるとは」

 

張譲はおかしそうに・・それでいて、ため息を吐く。

「はぁ〜・・・・愚かな事だな」

 

「・・・」

 

「しかも・・惚れた男を守れぬとは、女としても愚かだ」

そういいながら北郷を見つめる。

 

「普通、男が惚れた女を守るもんなんだけどな」

 

「ふん!馬鹿にするな!私は漢の重臣張譲だぞ。突然現れた浮浪者のお前なんかに守られたたまるか!!」

 

「はっははは・・張譲さんらしいよ」

 

「ふん!笑うな・・」

 

張譲が拗ねている間に、馬轍が近づいてくる。

盧植軍が近づいたようだ。

 

「・・そろそろだな、すまん北郷ついてきてくれるか?」

 

「ああ・・いいよ」

 

「そうか・・わたしはまこと愚かだ、最後すら誰かに依存せねば壊れそうだ」

張譲は北郷にすがるように抱きつく。

 

「ごめんな・・北郷」

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この外史では、張譲とその従者が入水自殺をしたと伝わる。

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暗いな〜・・。

我ながら、なんで恋姫物でこんなss書くのか・・。

 

嫌われ者の張譲を無理に擁護するため、情報を都合よく拾い集めてます。

加えて問題を含む手法(悪く言えば責任転嫁型擁護)を使用しております。

 

その点ssであるという事で御理解を。

説明
張譲を恋姫風に・・ssです。

文章云々の問題もありますが。
「暗い」話な点に最大の注意を・・。
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コメント
可哀そうな張譲(T?T)(無双)
だいたいドンナ書物を見ても張譲は悪人として書かれてますね。でも絶対的な悪も善もありえないのですから、こんな外史が有ってもいいのかも!?(きたさん)
すごく、興味惹かれる内容でしたw今度、ボクも張譲のお話を書いてみようかなww(月千一夜)
アル意味純愛ですね(aoirann)
タグ
張譲 〜伝 後漢 恋姫 

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