ある意味最強の国家の研究者の弁
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一人の男が、自分の研究所で巨大ロボットを作っていた。

 

今の日本では、別に珍しい事ではない。

 

何せ、様々な侵略者たちがこの5年足らずで襲ってきたのだ。

 

他の国では、量産機の開発に余念がないが、日本で開発されている主流と言えばスーパーロボットだ。

 

「くっ、駄目だ。

 これではスーパーロボットとは言えん」

 

「コレでか?」

 

男の言葉に、国会議員は驚きの声を上げる。

 

彼がココに来たのは、単純に古い友人がスーパーロボットを噂を聞いて来たに過ぎない。

 

資料と、今取れたデータを見ても、十分スーパーロボットと言えると議員は考えていた。

 

まず、量産機の3倍もの出力を安定して出している。

 

装甲もスーパーロボットとしては弱いが、どう悪く言っても量産機向けの装甲ではない。

 

「お前には、スーパーロボットとリアルロボットの違いが分らんか?」

 

「ワンオフを前提とするか、量産を前提とするかだろ?」

 

議員の言葉は間違いではない。

 

基本的にスーパーロボットは量産がされない。

 

それは、量産性というものを無視した作りが多いからだ。

 

更には整備性、コストといった物も度外視される。

 

『一騎当千』それこそがスーパーロボットの条件とされているのは、それゆえだ。

 

では、リアルロボットと呼ばれる、量産機はどうか。

 

当然だがコストの問題と量産性、整備性全てが重視される。

 

性能が良かろうと、これらが悪ければ採用はされない。

 

それは、議員が言ったワンオフか、量産という前提に当てはまる。

 

「ふん、そんな物は軍や商売人の分類に過ぎない」

 

「では、博士は何が違うと言うのですか?」

 

「物理法則を無視するか否かだ」

 

その言葉に、議員は大きく口を空けて驚きを隠せなかった。

 

「スーパーロボットと言うのは、物理法則を無視してこそスーパーロボットなんだ。

 さらに言えば、世界の法則に喧嘩を売って勝てたロボットこそがスーパーロボットだ」

 

男の理屈はこうだ。

 

この世界で最も有名なスーパーロボットと言われれば何か。

 

「彼の有名なマジンガーZ。

 正確にはその後継機であるグレートマジンガーだが、量産計画があった」

 

「え、あぁ、あったなぁ。

 ですが、最終的には没になったけど」

 

性能云々よりも、コストの問題で少数生産で終わってしまった。

 

その結果、スーパーロボットはワンオフ機という認識が広まっている。

 

「それは、技術力不足だ」

 

「なら、各スーパーロボットの研究所の技術力は、飛びぬけていのか?」

 

「いや、その考えは、俺を含めて正しく間違っている」

 

議員の言葉を男は否定する。

 

「まず、各研究所は、ただひたすらに自分の研究に特化した技術力だ。

 コレは、それぞれの方向性がバラバラだし、安定性がかけるという点で技術力が高いとは決められない」

 

「ま、まぁ、そうだけど、技術力はあるのは」

 

「だいたいそれを民間に回せないからな。

 やはり安定力が欠ける」

 

それは単純に実験中のものだからだ。

 

だが、そのどれもが高出力なのは間違いない。

 

「どの動力も個性的だよなぁ。

 さっき出てきたマジンガー系の光子力って何だって何度思ったか」

 

「光子力は、まだマシな方だ。

 ゲッター線とかビムラーとか、意思を持っていると噂されるエネルギーまで存在するんだぞ」

 

どれもこれも安定性がかけて、とても扱える物ではない。

 

そんな中で、光子力エンジンは、まだ量産が可能な技術だ。

 

「なら、リアルロボットってのは?」

 

「物理法則内で動いているロボットだ。

 先に言っておくが、ガンダムの一部はスーパーロボットだぞ」

ガンダムの一部が何か議員にも分っていた。

 

「ZとかZZとかか?

 バイオセンサーとか言うものを積んでいるとか」

 

「サイコミュ関連のシステムを組んでるのは、殆どスーパーロボットだ。

 量産できるし、理論を理解されているから一応リアルロボットだが、半分はスーパーロボットだ」

 

議員もそれは納得できた。

 

何せ、サイコミュ関連のシステムを組んでいる機体は、一部の人間にしか扱いきれない物だ。

 

それから先を考えると、突然怖くなったので話題を変える事にした。

 

「それで、このロボットのエンジンは何だ?」

 

「気だ。

 人体に宿っていると言われるエネルギーだな」

 

男はそのまま、パイロットから気を吸収して動力を動かすと自慢げに言った。

 

確かに動力自体は、凄いかもしれない。

 

何せ、動力の補給が全く必要ない。

 

まぁ、そういったスーパーロボットはそれなりにいるのだが。

 

「……それ、パイロット大丈夫か」

 

「早く疲れるが、それぐらいだ。

 命に問題がないようにちゃんとリミッターは数をしかけてある」

 

「参考までに外れたらどうなる?」

 

「ミイラだな。

 まぁ、そこまで行かなくても必殺技も使える」

 

「やっぱりそれが重要だよな」

 

議員から言えば、それこそがスーパーロボットの醍醐味である。

 

コレがないロボットをスーパーロボットとは言わないと言えるほどに。

 

ミイラと言う言葉は無視した。

 

「何をいうか、パイロットのセンス次第でどんな物も必殺技だ。

 コレは剣に気を通して、それを更に巨大化させるのが基本だな」

 

「まて、それは不味い。

 テスラ・ライヒ研究所が特許を持っている」

 

議員の発言に男は驚きを隠せなかった。

 

「何!?

 技にまであるのか!?」

 

「正しくは兵装なんだが、斬艦刀のせいで殆どの大型剣は、あそこが持っている」

 

「大丈夫だ。

 兵装じゃない。

純粋な技だ。

そもそも、あっちは実剣で、こっちはエネルギー系に分類が」

 

「特機の兵装は、結構似たり寄ったりで特許が厳しいんだ。

 後発は苦しくなる一方だぞ」

 

例えばロケットパンチ、コレに似た武装をしていた場合、光子力研究所に許可を貰ってその分の金額を支払う事になる。

 

もちろん、作っていない場合は別だが、それは特殊な例だ。

 

それを証明する必要もあるため、殆ど認められない。

 

これがスーパーロボットが乱雑に開発されない原因でもある。

 

大半は出来た後に言われて泣く泣く潰すのが実情だ。

 

男のように、研究に没頭している人間が殆どだから仕方ないと言えばそれまでだが。

 

「くっ、予算が、予算がもうギリギリだってのに」

 

「せめて、表の仕事もしっかりとしろよ」

 

政府から援助が出ない研究者たちの実情なんてこんな物である。

 

「……そういえば、その動力、安全域までで売り出せるんじゃねぇか?」

 

「あ」

 

基本的にそういう所が見えていない。

 

もちろん、そういった伝がないというのもあるだろう。

 

だが、それ以上に、注目を浴びたいのだ。

 

自分が作ったスーパーロボットが世界を守るのを見たい。

 

ある意味で最強の国家『日本』にいる研究者たちは、それこそが原動力なのだ。

 

「さて、コンビニで廃棄する飯でも確保するか」

 

「ある意味、強いよな」

 

生活力はないが、生存力は結構高いのもこの手の研究者の強みである。

 

 

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アニメやゲームでのスーパーロボットとはなんぞ?

私は「物理法則に喧嘩を売るロボット」と解釈しました。

それをちょっと語ってもらいたかっただけの小説です。

 

 

そして、今回前作とかかわりの無いものを書いた理由、早く見習いを抜ける目的もあります。

応援メッセージを頂いているのに見えないんです。

 

それと関連して、前作『種馬の最期』の続編ですが、以下の設定で書こうと思っています。

 

『ファンタジー要素あり』『TS(原作キャラはしません)』『オリキャラ多数』『チートオリキャラ(男)』『チート(?)一刀』『ハーレム』です。

なお、主人公は、あくまで一刀で、メインヒロインは華琳です。

あっ、リストラされたキャラも出るかも知れません。

 

……自分で書いてて何ですが、地雷が多すぎる気がします。

これでも大丈夫でしょうか?(汗

説明
スーパーロボットとはなんぞや?
ある時、不意に思った事を代弁させてみました。
そして、あの世界の日本ではこういった人間もいるかもしれません。
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コメント
ロンロンさん< ガオガイガーは片足ぐらいはリアルロボット、SRXは半分はリアルロボットだと思ってます(souga)
O-kawaさん< ウハウハでしょうね。 ただし、襲撃の被害も大きいのでトントンじゃないでしょうか?(souga)
逆にガオガイガーやSRX等は半分リアルロボットなのだろうか?(龍々)
ロケットパンチの場合は色んなロボが装備してますから光子力研究所ウハウハでしょうね。(O-kawa)
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