俺のあやせがこんなに可愛いわけがない(4)終
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第4章  

 

最終回

 

 

12月24日クリスマスイブ―――

 

 

私は、一人、パジャマ姿で

自分の部屋のベットに寝ていた。風邪はもうだいぶ良くなっていたけど、外に出て、また風邪を

ぶり返したりしたら大変だ。安静にしていよう。

「プレゼント、桐乃に渡せなかったな・・・京介さんにも・・・」

私は何もすることがなかったので、少し前のことを振り返った。

 

今月のはじめの日、あの日、母と喧嘩した。クリスマスの日は家族と一緒に出かける予定だったのだが、

父も母も仕事で行けなくなってしまったと聞かされた。

私は反発したけど、どうしても行けないと言われ、結局喧嘩になって

家を飛び出した。

とぼとぼと街を歩いていると、数人の男達に囲まれてた・・・最悪だと思った。

そんなとき、私の前に現れたのは桐乃のお兄さんの京介さん。

この人を見ると、どうしてもからかいたくなってしまう。

私はついつい警官の人に嘘ついてしまった。

 

19日の日曜日、京介さんをさそって、桐乃のプレゼントを買いに出かけた。

朝から気分が悪かったけど、ちょっと無理して出てきた。

どうしても会いたかった。

お兄さんは、凄くシスコンで変態だけど、私に優しくしてくれる。

わたしがいくらワガママ言っても、ちゃんとそれに答えてくれて・・・桐乃がちょっとうらやましいって・・

思ってしまうぐらい。私の寂しさも・・・きっと気がまぎれると思った。

 

 

今頃2人でイベント楽しんでるのかな・・・

 「一緒にいてやるって言ったくせに・・・ウソつき・・」

あやせの目にはじわりと、涙が溜まっていた。クリスマスに一人ぼっちで部屋にいる自分が、惨めだった。

「だ、だめだ、こんな弱気になっちゃ・・・私は、みんなの模範になるくらいしっかりした女の子なんだから」

 

そんなとき、

 

ピンポーン

 

予鈴が鳴った。「誰だろう?」私が玄関まで行ってドアを開けると

 

「「「「.。.:*・゚メリークリスマーーーース!!*・゚。:.*」」」」

 

そこにはサンタの格好をした桐乃と、トナカイの帽子をかぶった京介さんと、加奈子と麻奈美さんがいた。

「え!?・・・今日はイベントがあったんじゃ・・?」

 

「それがさぁ、コイツがどうしてもここでパーティーしたいとか言い出してさぁ、

まぁあやせの事だし、仕方ないから乗って上げたってわけよ」

「んだよお前も乗り気だったんじゃねーかよ」

「っさい」ガスッ

「ってえ!!」

「ふふふ!みんなで食べ物用意してきたんだよ、私のケーキは自慢じゃないけどおいし〜よ〜」

「麻奈美さん・・」

「ったくなんで仕事断ってまでこなきゃいけないの?まぁ美味いもん食えるんならいいけど」

「おい、お前なぁ」 

 

「みんな・・」

 

「上がっていいか?あやせ」

「あ・・・・はい!」

すごく嬉しそうにあやせは笑った。

 

それからみんなで、クリスマスパーティーが始まった。

 

ここに来るまで何があったのかを説明しよう。

あの後、イベントに行こうとする桐乃に土下座し、麻奈美に頭を下げ、イベントに出ようとしていた加奈子に

どうしても来て欲しいと土下座し、ブリジットちゃんに土下座し、ブリジットちゃんには少し誤解されたみたいだが・・・

なんとかこいつらを呼ぶことに成功したわけだ。とても情けない話だが、頭下げただけで来てくれるのは、やっぱり

あやせの人徳があってこそだろう。お前は一人なんかじゃないんだぞって事を俺はあやせに伝えたかった。

 

みんなでチキンや、ケーキを食べながら、ワイワイ騒ぎ、プレゼント交換をした。

 

「って私なんもプレゼント持ってきてないんだけど・・・急だったし」

「お前なぁ・・・ちょっとこい」

加奈子と京介は部屋を出てていった 

「あれ持ってるだろ?これ着てなんかしろ」

「はぁ?これがなんか意味あんの?」

「いや、多分盛り上がるから、」

「チッ・・・わかったわよ」

 

扉から出てきた加奈子は、メルルのコスプレをしてステッキを振り回した。サンタの帽子もかぶっている。

 

「きゃああああああああああああああああああああああメルルううううううううう!!!」

お前は喜びすぎだから!!

 「めーるめるめるめるめるめるめ〜〜〜めーるめるめるめるめるめるめ〜

宇宙〜にきらーめく流れ星〜?」

 

「ひゃああああああああああああ!!」

暴走気味の桐乃はほっといて、なんだかんだ言って加奈子はノリノリである。

 

みんなもそれを見て楽しんでいた。

 

 

こっからは俺が主導権を握る番だ。 

 

そう、今回俺は、あやせのためにプレゼントを用意して来ていた。

桐乃に頼んでいろいろ紹介してもらい、ちょっと高めのネックレスを買っていた。

当然そんな金は持っていなかったが、手持ちのモンハン3が思いの他高く売れ、

なんとか買えたのだ。うむ、こんなゲームより、あやせの方が大切だ・・・だよな?

これで拒否られたら、泣いて帰ろう。うむ。

「あ・・あやせ!あのさ、プレゼント用意したんだけど、受け取ってくれるか?」

俺は恐る恐るあやせに渡した。  う・・・超緊張する!!

「へーピュアエンゲージブランドのネックレスですか」

「い、一応桐乃に色々紹介はしてもらったけど、選んだのは俺だからな・・どう・・・かな?」

「ふーん・・・こんなので私が喜ぶとでも?」

「う・・い、いやいらないんならいいんだ!!」

複雑な表情されるのに耐えきれなくてあやせからネックレスを取り返そうとするが、避けられる。

「いらないなんて言ってないじゃないですか!どうせ、ほかに使い道ないんだから、

私がもらって上げるんです!」

そんなどうとっていいかわからないリアクションをされて戸惑っていると、隣りの麻奈美が声をかけてきた

 

「良かったね、あやせちゃんすっごく喜んでるみたいだよ?」

「お前にはそう見えるのか?・・・・まぁそれならいいんだけどさ・・」

いまいちふに落ちなかった。

そして、あやせを見てみると、なんだかキョロキョロしてそわそわし始めた。

「なんだ?トイレなら早く行ってこい」

「違います!!この変態!」

 バチーン「いてて!じゃぁなんなんだよ!」

「その・・・えっと、私からもそのプレゼントがあるんです・・」

「ナニィ!!それを早く言え!」

俺が期待を込めてあやせを見ると、真っ赤に頬を染めて、ベットの下から袋を取り出した。

おおおおおおおおおお!まさか、あやせからプレゼントをもらえる日が来るなんて! 

「一生懸命選んだんで、きっと気に入ると思うんですが」

な、なんだろう、そりゃあやせからもらったものなんて、なんだろうが嬉しいに決まっている。

マフラーとか手袋とかだろうか?期待しながら袋を開けてみると

 

そこには、『スクール○イズ』と書かれた箱が出てきた。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

エロゲだった。しかも・・・これって・・・グロやヤンデレに定評のあるゲームじゃねーの?

しかも噂だと、男同士のHシーンがあるとか・・・

「こんなので、俺が喜ぶとでも・・?」

「あれ?違いました?」

怖ええええよ!!なんでこんな血飛沫(ちしぶき)が飛ぶようなゲームで俺が喜ばなきゃならないんだよ!!

なんだろう・・週刊少年ジャンプを買ってきてとおふくろに頼んだら、月刊ジャンプを買ってきたなんてレベルじゃねぇ・・・

ジャンプ頼んだらシャンプー買ってきたみたいなもんだ。

「なんですか?・・その嫌そうな顔は・・もう」

ちょっと不機嫌になるあやせ。

いや、そりゃ嫌に決まってんだろ。

そうか・・・・・理解したよ、俺とあやせの間には、とんでもない誤解があるってことをな! 

「ハッ!まさか!!あなた、もしかして・・・!!」

「お?わかってくれたか?」

 

 

「私のパンツが欲しかったんですね!!この変態!!」

 

「ちげーよ!!!なんでお前のパンツを俺が欲しがらなきゃいけないんだよ!!

お前は俺を一体どんな奴だと思ってるんだ!!」

俺はテーブルの上に身を乗り出して必死に叫んだ。

そんな所をみんなが一斉に避けずんだ目で見ていた・・

「オマエラ・・・俺があやせのパンツもらって一体何するってんだよ」

「そ、そりゃ・・どうせ・・・かぶるんでしょ?・・わかってるんだから」

俺は本気で落ち込んだ・・・こんなポーズで→orz

「な・・なんですか、もう・・・京介さんには・・・これでも感謝してるんだから・・

そんな顔されては困ります。」

「そう思うんなら俺の考えを分かってくれ・・・」

俺がいい加減不憫に思ったのか、あやせは立ち上がり、タンスの中から取り出したものを

俺に差し出した。「なんだ・・・?」

手に取ると、なんだか布切れがあったので、広げて見た。

「ってこれパンツじゃねーか!!」 

「こ、こここの鬼畜!!これでいいんでしょ!?もう・・変態なんだから・・・」

顔を真っ赤にして差出していた!!ねぇどんだけなの!?女の子としてそれでいいの!?

「ま、まさか・・!現役女子中学生の脱ぎたてパンツじゃなきゃダメって言い出すんじゃないでしょうね!?」 

「生々しい言い方すんな!!」 

 

「あ、それ受け取ったらもう二度と口聞かないから」 

桐乃の一言でその場は氷ついた

「・・・・もういい・・俺が悪かった・・このゲームすげぇ嬉しいよ・・」

俺は泣きそうな顔から無理やり笑顔を作り、そう言った。

 

 

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クリスマスイブの夜。

外は暗くなっていて、

 

パーティーもお開きになり、みんなを送っていこうとしたが、断られ、全員がさっさと帰ってしまった。

  

 

 

桐乃にも帰ろうと言った所で、あやせに話があるから2人っきりにしてと言われ、外で待っている。

「うーん。一体何話してんだろう・・・」

扉の前に待っていると、いきなり扉が開いた。

ガスッ

「いってぇ!!」

桐乃がのっそり出てきた。

「・・・なんだあんたか」

ぐ・・コイツ・・・

「あんた、まだ片付いてないから、後片付けしといてよね」 

「はぁ?お前は一人で帰るのか?」

「あんたと一緒に外歩くなんて気持ち悪いこと言わないで・・」

そう言って、帰っていった。なんなんだあいつ・・・。

なんで俺一人で後かたずけしてるんだろう・・・・。ごそごそとゴミを袋に詰めて、ゴミ捨て場に置いてきた。

うん、だいたい片付いたな。

 

「俺、そろそろ帰るわ、もうおそいし」

かたずけが終わったので、ベットにいるあやせに声をかけた。

「?・・・どうした?」

こっちを見る視線が、なにやら意味深な気がした。まだ帰ってほしくないような、そんな気が。  

 

「あの・・・ちょっと聞いて欲しいことがあるんですけど」

「なんだよ、もうプレゼントも渡したし、ほかになんかあんのか?」

なんだろう、もしかして今日のパーティが気に入らなかったのだろうか・・? 

 

俺はあやせのそばによって、机の椅子を開き、そこに腰掛けた。 

 

そこで、あやせの口からは、自分には絶対に想像出来ない言葉が出た。 

 

 

 

 

「京介さんが好きです」

 

 

 

「だ・・・だから、私と・・・こ・・ここ・・恋人同士になってください」

  

 

 

俺は絶句した。

 

一瞬何を言われたのか、分らなくなり、意識が飛びそうになるほどの衝撃が体中を駆け抜けた。

心臓が、バクバク鳴っている。

全身から冷や汗なのかなんなのか分らない汗がふき出し、背筋が凍るような感覚に見舞われた。

 

「・・・・・・・あ・・・ぁ・・・・ぁ・・・・」

 

言葉が出なかった。 

 

ウソだろ・・・?

そんなばかな、俺の知ってるあやせは、そんなこと言う人間じゃなかったハズだ・・・

そもそも俺の事嫌ってるんじゃなかったのか?

そうだ・・・いつも俺の前では不機嫌そうにしてるじゃないか・・・

俺は、走馬灯のようにいままであったあやせとのエピソードを思い出していた。 

だいたいいつも俺のこと変態だとか鬼畜だとか言っておいて、好きだと?

バカな・・・バカなバカなバカなバカな

 

「きょ・・京介さん!」 

びく と反応した俺にあやせは声をかけた。

「何黙ってるんですかぁ!わ、私の言う事が聞こえなかったんですか?」

聞こえていたさ、でもあまりの衝撃で声が出なかったんだ。

「あ・・あのさ、お前俺のこと変態だとか言って・・・嫌いじゃなかったのか?

本当に、俺がどういう人間か、知ってて言ってるのか?」

「知ってるもん・・・京介さんは・・いつも変なこと言うけど、シスコンって言えるぐらい妹思いで、

私が無理言ってもちゃんと、応えてくれて・・わがままも聞いてくれて・・・・

私にとっては、やさしいお兄さんだもん!」

「な・・な・・マジかよ」 

それを聞いて俺は顔がかぁっと熱くなった。その声はかすれていたけれど、あまりにも素直で、曇りのない本音だったから。

 

 

「い、言っておきますけど、考えさせてとか、ちょっと待ってとか・・・返事を先延ばしにすることは無しですからね・・・!」

 

座ったまま口元まで布団をかぶって隠し、涙を目にため、顔を耳まで真っ赤にして

心細そうに消えそうな声を一生懸命出して言った。

 

「は、早く返事を言ってくれないと、私・・泣いちゃうんだから・・」

 

 

俺は・・何がわからないの分らないぐらい戸惑っていた・・・

だけど、これだけは言えた。かえす言葉なんて、そんなの、コイツに言う事なんて、

最初からたった一つしかないじゃないか。

 

 

「俺も、あやせのこと好きだぞ」

 

 

そのまま、泣きそうにしているあやせを抱きしめた。

あやせは、少し驚いたが、すぐに俺に身を預けてきた。

 

身体は暖かくて、ほのかに香る石鹸の臭いが俺の心を落ち着かせてくれた。

風邪ひいてる時は気付かなかったけどあやせの体って、なんて柔らかくて心地良いんだろう・・・・

「あやせ・・・ありがとうな・・こんな俺を好きになってくれて」

そう言うと、あやせの額から涙がポロポロとこぼれた 

「ふ・・ふぇ・・・ひっく・・・ひっく・・・ぅっ・・・・ぅ・・・・ぐすっ・・・ひっく・・・・

うえぇぇぇぇぇん」

「結局泣いてるじゃねーか」

「だ・・だってぇ・・・」 

 

 

「私をこんなにさせた責任は、とってもらいますからね」

 

「ああ・・任せろ」

 

 

 

 

その日、高校三年生のクリスマスイブの夜、俺とあやせは恋人同士になった―――

 

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朝。高坂家の自室。

 

窓の隙間から見えた空は晴れていて、寒空が広がっている。

この時期は、布団から出るのが辛い・・・辛いハズだった・・・

俺はむくりと起きて、頬を引っ張った

「むぐっ」

・・・・・・・・

・・・・

うむ、やはり痛い。そして、枕元の上を確認すると、そこには、スクール○イズと書かれた

少し大き目の箱、つまりエロゲーが置いてある。

 

「夢じゃ・・・ないんだよな」

 

つい口元が緩んでしまう。今鏡を見たら、壮絶に気持ち悪いものが写るだろう。

これを見た親父やおふくろには、変な目で見られ、桐乃にキモイと言われても、仕方がないかもしれない。

 

「落ち着け俺・・落ち着くんだ・・・」 

 

このままではいかん、気を引き締めろ・・俺!! 

 

「すーはーすーはー」

  

バチン!バチン!

深呼吸をして、両手で頬を叩いた。そうだ、いつものなんてことないクールな自分をとりもどすんだ!

「・・・・フォアアアアアアアアアアアオ!!!」

ハッ!いかんいかん思わず叫んでしまった。 

もう一度、気を引き締めて・・・

「ふぉ・・・フォアアアアアオ!!」

しまったまた叫んでしまった。 

 

ガスッ

「っさい!!!」

 

となりの部屋から壁を蹴る音と、機嫌の悪そうな声が聞こえてきた。

「やべ・・」

 

 

部屋から出て、朝食をとる時間になった。

親父とおふくろ、右には妹の桐乃と並んで、いつものように朝食を食べる時間が始まった。

なに、なんてことはない。いつもと変わらず、高坂家の食卓だ。

オヤジは小難しそうな顔をして新聞を読み、味噌汁をすすっている。おふくろはお隣のあの人がどうだとか、隣り町のどこかで事件

があったとか、俺にはどうでもいいような独り言を言っている。

隣りに座っている桐乃だってそうだ。一人無口で淡々と卵焼きと白いごはんを頬張っている。

 

そこで、俺は真剣な表情で、こう言った。

 

「あ、あのさぁ、俺、女子中学生の恋人が出来たんだけど」

 

 

「ブゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

「ゲホゲホゲホゲホガハッゴホッ!!」 

 

「うわっ!親父きたねぇ!」

 

味噌汁をすすりながら俺の話を聞いていた親父がイキナリ吹き出した!!

 

こういうことは、どう隠していても、一緒に住んでるんだ。どうせバレる。だったらもういっそのこと話てしまった方が

いいんじゃないだろうかと思ったのだが、俺の顔にはネギだか豆腐だかわからない残骸が顔に吹きかかっていた。

 

「プルルルル、あ、もしもし精神相談所の〇〇さんでしょうか?、あの、息子の事で相談がありまして、」

 

「おふくろーーー!!!俺は正気だから!!!どこに電話かけようとしてるんだ!!?」

 

「ゴクゴクッブハーっ!・・・ふぅ・・・」

オヤジは近くにあったお茶を飲み干し、落ち着きを取り戻したようすで懐から携帯電話を取り出した。

「プルルルル・・もしもし、少年科の〇〇を呼んでくれ、ああ、そうだ、すまない・・・私の息子が

受験のストレスでとうとう犯罪に手を染めたみたいなんだ・・ほんとにこんな息子に育てた覚えはないんだが・・」

 

「って全然落ち着いてねぇ!! 違う!!違うから!! そういうんじゃないから!!

 なんで非行に走った少年みたいな扱いになるの!?」

ヤバイヤバイマズイ!急いでとりあえず親父の通報を止め、おふくろの受話器の電話が切れるボタンを押した。

こんなに取り乱すなんて・・・!!一体いままでこの親達は俺をどんな目で見てきたんだ!!

そして、俺はこのことを伝えることに最も恐ろしい、恐怖の懸念(けねん)を抱くことがあった。

そう・・・さっきから親父やおふくろの挙動を止めるので精一杯だったのだが、桐乃の顔だけは

怖くて見れなかった。なんせ、俺がただでさえ女性の友達を家に連れてくるとき嫌がるのに、

親友であるあやせが俺の恋人になったと告白しているんだ。どんな恐ろしいリアクションが帰って来るのか。

・・・・・・・・

・・・・・

さっきから何も言って来ない・・・ 

恐る恐る桐乃の表情を見てみると・・・・

「なに?」

「い、いや・・・お前は驚かないのかなって・・・・」

「はぁ?なによ祝福して欲しいの?フン、おめでと・・・」

 

・・・・・・・・あれ・・? 

 

いや、そりゃあ機嫌は悪く見えるが、なんの変哲もない、いつもどおりの妹だった。 

 

その後親父やおふくろを説得するのに数十分掛かり、今度あやせを家に連れてくると言ってその場はなんとか納めた。

 

その時時計の針は二本とも真上を指していた。

 

 

後であやせに聞いたのだが、クリスマスの告白の後、あやせは真っ先に桐乃と麻奈美に付き合ったということを報告していたらしい。

ただ、機嫌が悪くなるようなことにはならなかった。それだけは、桐乃の中で、何かが変わっていたみたいだった。

 

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1月1日元旦

 

俺は、神社にお参りに来ていた。寒くて鼻が痛い。上着を何枚も着込み、白い息を吐きながら歩いていた。

今回麻奈美は気を利かせてくれたのか、来ていない。

「あけましておめでとうこざいます。京介さん」

神社に行く途中の階段を登ろうとしたとたん、後から声をかけれた。

振り向くとそこには、一人の女神・・マイエンジェルあやせが着物で立っていた。

あの告白から、メールや電話はしていたものの、会うのはそれっきりである。

う・・お・・・

ただそこにいるだけで、周りからの目線を集めている。息を飲むぐらい美人で可愛らしい・・・これが俺の・・・ゴクリ。

「あけましておめでとう、あやせ」

「ひゃっ!ちょっと!寄って来ないで下さい気持ち悪い・・」

突然気持ち悪がられた!orz

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「なんですか?そんなしょげた顔して落ち込んで。」

 

い・・・いや、なにその態度・・・・俺達恋人同士になったんだよな・・・・あれ・・? 

これ付き合う前と態度変わってなくない!?

俺が泣きそうな顔をしていると、あやせが寄ってきて

 

「な、なんでそんな顔するんですか!こんなところで立ち止まって、後つかえてるんだから・・・もう」

そう言いながら、たどたどしく、顔を赤く染め、一度俺の顔をキッと睨んだ後、手をつないだ。

 

「・・・・・・おまえ・・・その照れ隠しはどうかと思うよ?」

 

照れ隠しだった。今後の付き合いが、非常に心配になる。

 

「だ、だいたいねぇ!人前でこんなことしてると、周りから変な目で見られるんですからねっ!!

いつも通りに罵られてればいいでしょう?」

「いや、そんなこと言う方が変な目で見られるからね!?」 

「うう・・言っておきますけど、京介さんが言ったことは全部桐乃と麻奈美さんと、あなたのお父さんとお母さんに筒抜けなんですからね」

「・・・・・・・」

あれから結局親父にあやせとメルアドと電話番号を交換し、連絡を取り合う中になっていた。 

なんで俺とあやせとの関係を幼なじみと家族全員に把握されなきゃいけないんだよ・・・。  

 

そんなこんなで、言い合いをしつつ、俺達はお参りして、おみくじを引いて、合格祈願のお守りを買った。

 

なんだかんだ言って、あやせは凄く楽しそうだった。

当然俺もこんなに浮き浮きしたのは初めてじゃないだろうか

って思うくらい楽しかった。

 

 

「これで大学落ちたら分かってますか!?」

「え・・?落ちたらどうなるんだよ」

「もちろん死んでもらいます」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

なぜか落ちたら死ぬことは確定していた。

「だ、だって、あの大学に合格することを前提に私のお母さんに交際を認めてもらったんですから。

ちゃんと受かってもらわないと」

「そ・・そうだな、今度お前の母さんと親父さんにも挨拶させてくれ」

あやせは握る手に力をいれて、俺を心配そうに見つめてきた。

 

 

 

 俺の・・・なんて、こんなこと非常に独占欲の強い言い方かもしれないが、あえて言わせて貰おう

 

 

 

 

俺のあやせがこんなに可愛いわけがない・・・!

  

 

 

 

【End】

説明
小説ラストです。
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コメント
読んでてめっちゃ面白かったっすd(^_^o) 俺も瀬奈希望w (くぼー)
連載終了お疲れ様でした。最初から最後まで綺麗にまとめたあやせ話だったのではないかと思います(枡久野恭(ますくのきょー))
ん?あ、おわったのか。・・・えええええあやせに病√以外があったなんて(VVV計画の被験者)
お疲れでした。ヤンデレ以外√はめったにないので楽しませていただきました。次回作をお待ちいております。(希望瀬奈(てらこり)
綺麗なあやせエンドって初めて読んだ………。ヤンデレがデフォな子なのに。と、最後になりましたが面白かったです。次回作お待ちしております(希望フェイトさん(本命瀬奈))(huyu)
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