真・恋姫無双〜妄想してみた・改〜第三十二話 |
「雪蓮…………」
「一刀……んっ…………」
天蓋が据え付けられたベットの上で剥き出しの体を重ねあう俺と雪蓮。
暗かった室内はすでに昇りきった太陽の光に照らされ、
芸術品のように美しい肢体が艶かしく揺れ動くのをぼうっとした頭で僅かに認識してから一言呟く。
「もう…………駄目……だ…………がくっ」
とっくの昔にライフバーが危険域に差し掛かっていたにも関わらず陽光は黄色に輝き、網膜を容赦なく突き刺して追撃を試みている。うぅ……一体どれだけ頑張ったんだろう。少なくとも二十、三十発ぐらいは余裕で超えてるはず……。数だけなら明らかに自己新記録だ。
霞む瞳孔を無理やり押し広げてアイデンティティーである種馬っぷりを見事陥落させた相手を視界に納める。
「ふふっ、なぁに、一刀? 情けない顔しちゃって。これくらいでへばっちゃうなんてあなたらしくないんじゃないの?」
したり顔で微笑む雪蓮。
恐ろしい事に、彼女はあれだけの回数を重ねてなおお盛んなのか、ねだるように指先を俺の胸板に這わせてきた。
「途中休憩及び食事を五回も挟む長丁場に晒されれば、いくら俺でも疲れてくるよ……」
「そうなの? もう一人のあなたはまだやれるって自己主張してるんだけどなー」
頬を緩めたままの表情で下半身を弄ろうとしているので慌てて制止の声を掛ける。
「それは生命の危機に陥った時に発症する危険信号だよ! 二日間昼夜続けてはもう無理です!!」
「ぶー、一刀のけちんぼ。久しぶりなんだからもっと獣になってもいいじゃない」
いや、どちらかというと俺はあなたに捕食される側の獣だったと思うのですが。
溜息一つ付いてやんわり彼女の手を戻す。
思い返せば自業自得か。
過去の世界で雪蓮と約束した持病―激しい戦闘の後で発症する体の火照り―を俺は全力で受け止めていた。目の前の女性は律儀にも、なるべくといった疼きの解消を周瑜や穏に発散することなく俺を待っていてくれたのだ。
ただ、積もり積もった性欲めいた憤りは留まるところを知らず、華琳や蓮華の件で建業へと報告に出向いた俺を有無を言わさず拘束し、そのまま行為に至ってしまう。
もちろん途中でいい加減にしろと周瑜から怒りの檄が何度も飛んできたが、体を重ねるか、食事と浅い睡眠を取るか以外考えられなくなった雪蓮は全て聞き流して俺から離れようとはしない。
裏切りの報もなんのその、呉の最高権力者は自分の都合を優先させてしまった。
(分かってたつもりだけど自由だなー、ほんと。休憩の度に鬼子母神もかくやといった周瑜の視線を受け流すんだから……)
本当に体力が無くなったのを見切ったのか雪蓮は名残惜しそうにして体を離して着替え始めた。
「まーここまで発散できれば上出来よね、うん。ありがと一刀♪」
軽いキスの後、促すように俺の服を放って用意を急かす。
嫌じゃないけど雪蓮にはいつも主導権を握られちゃうよな。
上に立つとかそんなつもりじゃないけど子供扱いというか、どこか余裕ぶった態度が口惜しい。
(……まあ、他の子にしても大なり小なり優位に立った記憶は少ないけどさ)
背中に大きく描かれた十文字の羽織を着込んで準備完了。
胴衣姿に銀の羽織というこの世界におけるマイスタイルを再確認する。
襟首、裾の長さと居住まいを正していると雪蓮が少しだけ俺を見つめてから、微笑みを向けてくれた。
「格好良くなったわね……。なんていうか、すごく男の子してる感じ」
「……色々背負うものが増えたからね。しっかり自分の足で立たないとみんなに申し訳ない」
「そっか……。ふふっ、いつのまにかおっきくなってたんだ……♪ じゃ、また後でね♪」
軽い調子で感嘆するような返事をして先に部屋を出て行く雪蓮。
ドア越しにちらりと見えたのは万が一の事態に備えていた周泰とその部下達だろう。
情事の声が漏れていたのか、一人顔を真っ赤に染めた周泰が自分の主を追って遠ざかっていくのが印象的だった。
(ふう……。やっと人心地つけたなー)
裁判は恐らく正午過ぎ、この世界でいう昼食後ぐらいに始まるかな?
残り少ない体力を回復させるように気だるい体をみっともなくもう一度ベットに投げ出してみる。
(あー、体力と精力は正しく比例しないもんなんだなー。まだ若干の元気があるマイサンが恐ろしいよ……)
誰も居なくなったであろう雪蓮の自室で人目もはばからず袴を煽り股間に目を落とす。
どうやら生命の危機だけでおっきくなっちゃたわけじゃないらしい。
(……雪蓮のセリフはこの意味じゃないよね?)
上げて落とす展開に良く遭遇する最近のせいで邪推の念が押し寄せてくる。
気になって袴をあげたまま、視線をなんとなく部屋の中に這わせていると、ドアの隅にどこかで見たことのある猫耳とおかっぱ頭が見え隠れしていた。
「……なにやってんの二人とも」
「はうっ!?」
「ぐっ! 節操なし極まりない変態のくせに私の穏行に気づくなんて!」
頭かくして猫耳フード隠さずという言葉を知っておくべきじゃないか、この子は。
咄嗟に隠れてしまう二人だが、なにやら数回の問答を交わすような声が聞こえた後、さらに一人増えた人物を引き連れてこちらに向かってくる。
「一昨日からお楽しみだったな、北郷。孫策殿の体はそれはそれは魅力的だったろう?」
「意地悪言わないでくれよ秋蘭……。事情は説明しただろ?」
「ふんっ、どうせならそのまま腹上死すればよかったのに。なんで生きてるの? 馬鹿の? 死ぬの? っていうか二回死ね」
「桂花様!? あ、あの私は兄様の事、流石だと思いましたよ!? 呉王を本当に、その……手篭めにしていた……なん……て……はうぅ……」
相変わらずの桂花と熟れ過ぎたトマトのような顔色で慣れないフォローを入れる流流。
こちら側の護衛として控えていた秋蘭はともかくこの二人は華琳の傍にいたはずなんじゃ?
「ふむ、先にいっておくが華琳様は現在、趙雲殿とこれからについて話し合っておられる。なんでも重要な準備があるそうだ」
俺の心を先取りした秋蘭がすかさず補足を入れてくれる。
やっぱり頼りになるなー。風の言うとおり、建業に連れて来る人間を選出しておいて良かった。
春蘭ではこうはいくまい。
姿は見えないが稟もここまで同行してもらっているし、準備は万端。
この前のように余計なトラブルは起こらないだろう。
あの日、平原での騒動はなんとか一件落着。互いのこの世界における気持ちを確かめた後、俺と蓮華は和解することができた。
その後、今までの時間を取り戻すかのようにねっとりしっぽり愛し合ったことで過去の記憶は彼女の中にも蘇り、数日後には秋蘭、桂花、季衣が残存兵と流流を連れて帰還。呉軍への裏切りについて申し開きの人員が整う。
「苦労掛けるな……。へたすりゃ全員この場で斬首かも知れないのに付いて来てもらって」
仰向けになっていた上体を起こして謝辞を述べた。
「我らは華琳様の命に従うのみ。主の身に危険が迫っているのならば如何様な状況や場所であろうとも馳せ参じるさ」
「そうです! なにがあろうとも華琳様も兄様も私が守ってみせます」
「……ありがとな……。よしっ! ここまできたら悩むのもしょうがない。軍議まで少し時間があるだろうから食事でも行こうか? 腹が減っては戦は出来ぬってね」
「ふ……。これから生死の掛かった大一番を前にしているというのに、なんとも剛毅な奴だな」
「あははっ、でもそこが兄様らしいですよね」
笑い合う二人に呼応して俺の口元も緩む。
「……単に自覚が無いだけじゃないの? スカスカのざるみたいな脳みそじゃ事の大きさを理解出来てないだけよ」
が、案の定というか、必要以上の距離を取って視界ギリギリまで後退していた桂花だけが文句を垂れる。
「桂花はいつも通りだなぁー」
「当たり前でしょ! なんで私があんたなんかと馴れ合わなきゃいけないのよ! あぁっ、考えただけでもおぞましい! この変態精子垂れ流しの海綿体めっ!! 私は華琳様が心配なだけでここにいるのよっ! 勘違いしないで!」
さすが鬼ツン。最近良く聞くテンプレにもデレの気配が一切ない。
「まーそれが桂花だもんな。うん、その調子で華琳の事これからもよろしく頼むよ」
「!? ばっ、ばっかじゃないの!? そんなの当たり前よ! なに格好つけてるの!? ……そんな事よりちゃんと手筈は頭に入ってるんでしょうね」
「? あ、あぁ。風や稟が考えた草案は全部覚えてるつもりだけど、格好つけとか別に意識して――」
「ふんっ!」
単に真っ直ぐ目を見て話しただけなんだけど。
これまた必要以上に首を背けてしまうので表情が読み取れない。どこかおかしかったか?
「桂花様?」
「ふふっ、北郷も色々と成長しているというわけだ」
「秋蘭様まで……あの、兄様? これはいったい……」
「いや、俺に聞かれてもなにが起こっているのか理解できないんだが」
一向に頭を戻さない桂花と含み笑いのまま見つめてくる秋蘭。
状況の掴めない俺と流流の二人して首を傾げていると、不意にドアから人影が飛び出しこちらに突撃してくる。
「どーーーーん!!」
「たわばっ!?」
鳩尾へのダイレクトアタック。
空腹の今でなけりゃ確実に吐いてたであろう抜群の破壊力は誰によるものか。
痛む五臓六腑を押さえながらしがみ付いてくる体当たりの主に目をやると、
案の定というかこんな事するのは一人しかいないよなーっていう人物が頬をぷくーっとぱんぱんに膨らませて見上げている。
「お后であるシャオを差し置いて姉さまと情事に耽るなんて、夫としての自覚が足りないんじゃないっ!?」
予想は大正解。
小柄でおませな自称嫁、孫尚香こと小蓮が抱きつくというよりは締め付けるというぐらいの強さをもってぶー垂れている。
「桂花もそうだけど、シャオも全然変わらないよなー」
久しぶりの再会でも漲る行動力は健在のようだ。
懐かしくなって無意識に頭へと手が伸びる。
「せっかくお姉ちゃんが必要以上に奥手になって好機だと思ってたのに、帰ってきたらまた一刀好き好き状態に戻ってるし。……ねえ、シャオはいらない子なの?」
怒り顔から一転、瞳に涙を貯めて上目使いになる小蓮。
これが彼女の作戦だと分かっていても、この切なげな、寂しそうに哀願する表情を無碍には出来ない。
「心配いらないよ。小蓮はとっても大事な女の子。構ってあげられなくてごめんな?」
伸ばした手をしなやかに整えられた髪に這わせて撫で付ける。
「むふー♪ かぁじゅーとぉー♪」
すると望んだ反応が返ってきたのが嬉しいのか、すりすりと体を擦り付けて甘えんぼモードに移行してしまう。
(こうなると気が済むまで時間が掛かるんだよなー……)
とりあえず彼女のお気に入りであるおんぶの体勢を取ってご機嫌を伺っておくか。
慣れた手つきでシャオをリフトアップ。スクランダーばりの合体を繰り出す。
「きゃぁー♪」
「……ほ、本当に流石です。兄様」
「くっ、やっぱりただの変態だったわね……。その上幼女趣味まで発覚するなんて汚らわしい! 少しでも見直したのが間違いだったわ!」
「好かれるというよりは懐かれている、といった感じだがな」
仲睦まじいはずの光景に三者三様の感想が漏れている。
一瞬、記憶の戻っている小蓮と魏軍である三人の間に問題が起きるのではないかと危惧したが、意外にも背中から返ってきたのはいつも通りなセリフだった。
「羨ましがっても駄目だもんねー。一刀はシャオの旦那様♪ 一番甘えていい権利は譲らないんだから!」
「いえ、全然、まったく、これっぽっちも羨ましくないんだけど」
桂花の視線が痛すぎる。でも大丈夫、大概の罵倒には慣れてるからな。
「むしろそのまま絞め殺してほしいぐらいだったわ」
視線が絶対零度クラスまで冷たい。でも大丈夫、これぐらいの罵りでへこたれたりしない。
「えっ? 何で生きてるのか分からないんだけど。この変態は死して大地の肥やしにもならない不要物だし」
人権無視の罵詈雑言。大丈夫、そろそろ気持ちよくなってきた。
(悔しい! でもビクンッビク――)
「兄様?」
「――はっ!? 俺は今いったい何を……」
まさかのきっかけで新しい性癖に目覚めるところだった。危ない、危ない。
「……一刀。シャオが付いてるから安心してね?」
慈しむような声色ははたして何に向けられたものだろうか。
聞くのも怖いので、それよりも大事な懸念を質問してみる。
「シャオ。雪蓮の事……納得できたか?」
恐らくは呉軍の将、一人一人に誤解を解かなくてはいけないしがらみをあえてぶつけてみる。
背負われた姿勢で表情は窺い知れないが、ぎゅっと強く肩を掴んだ手に力を篭めてからシャオは気丈に言い放つ。
「一刀が誤解だって言うのならシャオは全部信じるよ。……ほんとは、納得はできても許せないけど」
「……シャオ……」
「でも、そんな気持ちでいたら一刀が困っちゃうでしょ? だから我慢する。きっといつか分かり合えると思うから」
「……孫尚香殿」
「た・だ・し! 一刀だけは譲らないからね? もうとっくの昔から唾つけてあるんだもん♪」
秋蘭が感嘆の声を漏らし、感動するも小蓮はふっと悲痛なくらい強かった握り手は緩ませ、巻きつくように両手をしなだれかける。
(強いな、シャオは……。ちゃんと心の整理が着けられている)
迷ってた頃の俺と大違いだ。
ありがとうと心からの感謝を述べてから、少しだけしんみりした雰囲気を払ってしまうべくわざと大声を上げる。
「んー! やっぱり腹が減ったなー。シャオも良ければいっしょに飯を食いに行かないか?」
「一刀のおごり?」
「もちろん。っていうかシャオは金払った事ないだろ?」
「ぶー。そういうのは雰囲気なの! 男にいくら貢がせるかで女の価値は決まるって言ってたもん!」
前から思ってたけど、そういう悪知恵をシャオに吹き込んだのは一体誰だ。この調子だと色々とシャレにならないんですが。
「あー……でも高い食べ物は勘弁してくれよ。あまり手持ちを持たせてもらえなかったんだ」
よもや修練時の賭けの負け分を払ってひもじいとは言えまい。情けなさすぎる。
出立時にお金を貸してくれた亞莎にはしばらく頭が上がらなさそうだ。
「あっ、でしたら私が何かお作りしましょうか?」
「? あんた誰?」
「えと、私は典韋と申します。こうみえても料理の腕には自信がありますのでお任せいただければ幸いです」
「んー、ほんとに?」
顔のすぐ横で首を傾げるシャオの頬に自分の頬をすり寄せて答える。
「ほんと、ほんと。流流の料理は天下一品だぞ? 実際にほっぺが落ちるんじゃないかっていうぐらいすごいぞ」
「兄様ってばもー……。それは大げさ過ぎます!」
俯き照れる流流だが、まんざらでもないのか緩んだ口元が隠し切れてない。
「ならば私も手伝うとするか」
「秋蘭様?」
「どうせなら我等の運命を決める大一番に備えてとびきり美味い食事を用意しておこう。そうなれば色々と弾みがつくだろう?」
「おぉー。なんか今から涎が出てきそうなくらい期待してきた」
「ふふ。存分に応えて見せよう」
と、いつものクールな笑みを見せてから秋蘭と流流が部屋を出て行った
無用のトラブルを避けるために俺達の来訪を詳しく知らされていない城内の人にとって秋蘭達の行動は特に気に障るものではないだろう。
過去に食した絶品の数々を思い出し、比喩ではなく涎が零れそうになった。
「―――そしてそれが最後の晩餐になるのだった」
「あんまりシャレになってないよ!?」
「ふんっ」
しかもこれから取るのは昼食だ。
行き場を無くして残ってしまった桂花に突っ込みを入れるとまたも真面目な口調で小蓮が語りかけてきた。
「ねえ一刀。これから姉様達といろんなことを話し合うんだよね?」
「? あぁ、過去の事とか、これからのこととか、打ち明ける内容は一杯あるけどそれがどうかしたか?」
「うん、それでね。多分話の主導権を握るのは冥琳だと思うの。記憶の戻ってないあの調子だと難癖をいっぱいつけられるだろうから、ちょっとした秘策を授けて上げようと思って」
「秘策? あの周公瑾を出し抜けるような策があなたみたいな人物にあるというのかしら」
「なんですってー!?」
「煽るなよ桂花っ! ったく、シャオ? 気にせず続けてくれ」
リスもかくやといった頬の膨らませ具合を宥めて耳を傾ける。
相変わらず敵か味方か悩む存在だ。
(……永遠のフィフティフィフティな気もするが)
「むー……。まーいいけどね。秘策はずばり、姉様よ。何だかんだいって冥琳も姉様には逆らえないもの」
「……えーとつまり、最終的な決定権は雪蓮にあるって事?」
「大正解♪」
両足と片手を突き出し、元気一杯にボディランゲージ。
「はぁ、どんな奇策が出るかと思えばそんなの当たり前じゃない。取り正して聞く内容じゃなかったわね」
「――いや、そうでもないぞ」
「あんた、何言って……」
確かに俺の頭じゃ周瑜の考えを見抜いたり、出し抜く事は難しいだろう。
けど、彼女の主君は自由奔放が服を着て人間になったようなあの雪蓮だ。
雪蓮の性格上、周瑜からの進言が道理に適っていたとしても気に入らなければ撤回させてしまう可能性が高い。
「狙うならそこか」
王としての彼女が相手だとはいえ、本質は変わらないはず。
なるほど。分の悪い賭けに一枚のジョーカーを手に入れたってところか。
「ありがとなシャオ。すごい参考になった」
「むふん♪ 夫に尽くすのは妻の務めだもん! まったくー、一刀はシャオがいないと頼りないんだから♪」
「ぅゎょぅじょっょぃ」
時代を超越した嫌味を華麗にスルーして新しく考えを馳せる。
本当なら秋蘭か稟も交えて協議したいところだけど、二人とも急がしそうだしな。
しょうがない。ここはある意味、気心の知れた軍師殿に相談してみるか。
「桂花。呉軍から協力を得られるとして、あの作戦を実行するには何を要請すればいいと思う?」
「はぁ? それぐらい自分で考えなさいよ。何で私があんたの疑問に答えなきゃなんないのよ」
「華琳の為でもか? 現状俺達は一蓮托生だろ」
「!? 卑怯な言い方をして! くっ、なんてむかつく奴かしら。こんな状況じゃなかったら落とし穴に突き落としていたところよ。命拾いしたわねっ」
気に入ってたのか、あれ。
まぁ、付き合い長いからどこでどう要求すれば願いが通るか、大体把握出来てるんだけどな。
犬猿の仲である猫耳軍師と二人、切り札を使用した場合の状況対応を煮詰めていく。
残り数時間。
武力だけでは解決できない問題が差し迫ってきていた。
追記:
仲間外れにされたと勘違いした小蓮に時間ぎりぎりまで引っ付かれたのは言うまでも無い……。締まらないなぁ。
<つづく>
<シャオの朝がけ、蓮華の反撃>
「んっ……」
今日は休みだ。
なのでゆっくりしよう! そうしよう!
―もぞもぞ
「ぺろっ……」
下半身がぬくい。主に一部がだが。
掛け布団に手をかけて中を覗くと、そこには――
「ちゅっ……あ」
「あ」
おませなあの娘、小蓮たんがおりました。
「一刀ー? 朝よ、起き……て……」
「あ」「あ」
小蓮がナニをアレしている状態→蓮華さん硬直→俺も硬直(主に一部)→(完)
「二人とも……少しいいかしら……?」
蓮華から発せられる黒きオーラに、一刀と小蓮は首を縦に振ることしかできなかった。
「こくっ」
「おうふっ」
―蓮華、絶賛説教中―
「ぐすっ……だってぇ……」
「だってじゃないわよ、まったく。……羨ましい」
3時間にも及ぶ説教の果てに、小蓮はグズってしまっている。
一方の蓮華は、ある程度スッキリしたのだろう、もう怒ってはいないようだ。
俺?
俺は今寝台に括りつけられているよ♪ ご丁寧に四肢ともね☆
「あの、蓮華さん? 俺はなんで縛られているんでしょうか?」
「あなたのその荒ぶるモノに聞いたら?」
聞けるわけないでしょう。
「これからあなたと……その、ま、まぐわうところをシャオに見せつけるの!
あなたが誰のものなのかをハッキリさせるためにね!」
「やぁーだぁー!! 目の前で他の女に抱かれてるところなんて見たくなーい!!
シャオ、そんな趣味ないもん!!!」
顔を真っ赤に染めながらじりじりとこちらにすり寄ってくる蓮華。
一方のシャオは、椅子に括りつけられているせいでどうすることもできない。
せめてもの抵抗にと椅子ごと飛び上がってみるが、椅子の脚が軋むだけでどうにもならない。
しばらくぴょんぴょんと少しでも一刀に近づこうと懸命に飛び跳ねていたが、
先の発言を聞いたシャオは、その様を想像してしまったのか泣きだしてしまった。
蓮華は我関せずといった風で……既に一刀が括りつけられている寝台の上を這っている。
ギシギシと音の鳴る中で、蓮華は女豹の如く近づいてゆく。
「な、なんという……! 括りつけられているがこのシチュエーション……凄く……イイ……」
縛られている俺ににじり寄る美女!
俺という愛する者を寝取られる美幼女!
まるで取り合いをされているような……そんな背徳感にも似たこの感じ……何かに目覚めてしまいそうだ!
「シチュー? ま、まぁいいわ……。覚悟しなさい一刀……。記憶が戻ってから数え切れないほどまぐわったけど、
シャオがシていたことはまだシていなかったわね……。孫呉の女を本気にさせたらどうなるか、その身体に教えてあげるわ!」
―バッ!
蓮華が一刀目がけてダイブした。
「だめぇぇぇぇぇ!!!」
シャオの絶望の慟哭が室内に響き渡る。
<続きはWEBで>(続かない。このお話は本編と関係ありません)
説明 | ||
第三十二話をお送りします。 ―色々アツき孫呉― 開幕 |
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PONさん>生きろ……(よしお) 最早言うべきことは一言しかない。モゲロ(PON) 瓜月さん>きっとこの一刀は干からびる(キリッ(よしお) 2828さん>楽しめていただけたなら僥倖!(よしお) また最後wwwww(2828) FALANDIAさん>う、WEBだけども!ここ規制厳しいんですもの!兄者! う〜ん、戦闘力は白蓮よりちょっと劣るんだろうけど、軍師としての才覚なら白蓮よりも上回ってますし白蓮の上位互換じゃないですかねー?(よしお) 320iさん>小覇王はいつでも積極的ー!即妊娠ですね、分かります!(よしお) ここもwebだぜ兄弟。しかし、三国の記憶を受け継いだ一刀は何でも平均以上に出来るようになってるわけですが、これはつまり、・・・・・・魅力特化型白蓮?(FALANDIA) ポチさん>も、もう時既に遅しかも……?でもきっと、一刀はSでもMでもいけると思うのです。(よしお) きたさんさん>そう言って頂けるとわたしも書いてよかったなーって思えます!稀に本編と関係するものもありますので目を離しちゃいやですよ〜。(よしお) このまま呉に居続けると、一刀がMに目覚めてしまいそうで心配です。(ポチ) タケダムさん>朝駆けが一転……ですからねえー。カワイソス(´・ω・`)(よしお) よーぜふさん>ですね!積極的な彼女とか……はなぢものですw(よしお) 闇羽さん>ぶっちゃけていいますと、わたしくことよしお。えろえろな濡れ場を書きたくて書きたくてしょうがありません!!もう、もう!たまらんち!(よしお) はりまえさん>三女は猫……むむむ。確かに。それも発情期を迎えた猫ちゃんですね、分かります!(よしお) きのすけさん>いつもいつも押されるだけの彼女ではない、ということですねぇ〜w(よしお) 毎回続かない最終ページが、一番気になるのは私だけでしょうか?(きたさん) 小蓮哀れw(タケダム) さすがさすが本気になった蓮華様は恐ろしいぜ!!w(よーぜふ) 続きはどこかのいちはちきんOKなサイトで掲載ですね。わかります(ぇ(闇羽) 長女が虎なら次女は豹なら三女は・・・・猫です。(ちょっと猫って何よ!?by孫の三幼女)(黄昏☆ハリマエ) 蓮華様が本気になったw(きの) |
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