真・恋姫無双〜妄想してみた・改〜第四十六話
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雪蓮と冥琳の二人を城門前で出迎え、イロイロあって冥琳と二人で先に玉座の間へと向かった。

 

「あら」

「む」

 

そこには、既に蓮華たちが勢揃いしていて……当然、華琳もいるわけで。

 

(内心、胸がドキドキしてます!)

 

過去のこととはいえ―華琳が直接、手を下したわけではないが―過去の雪蓮を殺したのは、まぎれもなく魏であり。

記憶の戻った冥琳が、華琳に対してどのような反応をみせるのか分からなかった。

 

(出来れば、もう少し時間が欲しかったな……)

 

お互いの頭を冷やすための時間、気持ちを整理する時間、etc。

無論、冥琳が華琳に対して害しようものなら全力で止めるつもりだ。

 

 

冥琳と華琳、両方がじっとお互いを見つめている。

言葉もなしに、目だけで何を語っているのか。

 

 

そんな、長いようで短い気まずい時間が、雪蓮の声によって動き始めた。

 

「あら、曹操」

「ごきげんよう、孫策」

「……」

 

優雅に玉座の間に入ってきた雪蓮。一方、冥琳は、雪蓮が入ってきても特にこれといった反応は示さず、

ただ華琳を見つめていた。

 

「冥琳、どうしたの?」

「曹操。貴様のしたことは忘れることは出来ん」

「あら、そう。ならどうするの? この場で私を殺す?」

「今、貴様を殺しても、か――北郷が悲しむだけだ」

「へぇ。一刀も好かれているわね。それで?」

「……雪蓮に謝罪してくれ。それで水に流そう。今後その事についてはこちらからは触れぬと約束しよう」

 

冥琳が華琳に謝罪をするよう求めた。あの“覇王”曹操が応じるとは到底思えな……くはないか。

なんだかんだで、彼女も筋を通したがる節があるからな。

 

(そこが、彼女の“覇王”たる所以だろうけど)

 

カツ、カツ、と雪蓮の元に歩み寄る華琳。

これまでの冥琳と華琳との会話を、雪蓮はただただ黙って聞いていた。

 

「……」

「孫策」

「なに?」

 

雪蓮の目の前で止まった華琳がした行動に、玉座にいる面々は皆目を見開いた。

……雪蓮を除いて。

 

 

 

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「ごめんなさい」

「「「「「!?」」」」」

「部下の失態とはいえ、それも上の者の責任でしょう。ほんとうにごめんなさい。

……でも、これだけは信じて。私は、“江東の小覇王”孫策と、正々堂々と戦いたかった」

「華琳……」

 

華琳の凛々しさに、清さに、思わず零れる溜め息。

彼女の部下である春蘭、秋蘭、桂花は元より、蓮華らも感嘆せざるを得なかった。冥琳も目を大きく見開き、驚いていた。

 

「……まさか、本当に謝罪するとは」

「私に出来る精いっぱいの謝罪よ。悪いけど、命で償おうだなんて思っていないわ」

「ほう?」

「この命は、一刀のモノなの。一刀が望まない限り死ねないし、一刀が私に死ぬことを望むとも思えないわ」

 

ちら、と一刀を見やる華琳に、“勿論”という意味を込めて首を縦に振ることで肯定した。

 

「私の謝罪を受け取ってくれるかしら、孫策?」

「ええ♪」

「はぁ……もう少し渋ってもいいだろうに……」

 

胸を張って尋ねる華琳に、雪蓮はすこぶる機嫌良さそうに頷いた。

そんな雪蓮を見て、冥琳は腕を組みながら額に手をやり、さも困ったような反応をした。

 

「だって誠意を見せてもらったし、一刀がここまで成長できたのも彼女の力があったからでしょ」

「それはそうだが……」

「んもう、冥琳ってば頑固なんだから」

「軍師の性でな……こればかりはどうにもならん」

 

先ほどまでの険悪な雰囲気はどこへといったか。

今、玉座の間を包んでいたのは、暖かくて優しい雰囲気だった。

 

「まあ、冥琳は曹操と個人的に話をつけて、私情と決着をつけなさいな。それよりも一刀」

「ん?」

「……遅くなってごめんなさいね。あなたが倒れたと聞いたときは正直、気が気ではなかったわ」

「心配掛けてごめん。でも、今はこの通り平気だから」

 

ほっとした表情を一刀に向ける雪蓮。

一刀の座る玉座に近寄り、一刀の頬を綺麗で細長い指で撫でる。

 

「―冥琳がもっと早くに記憶を取り戻していれば、すぐにでも駆けつけて一刀を守れたかもしれないのに」

「意地悪を言わないでくれ、雪蓮……」

 

じと目で睨む雪蓮に、辟易したように返事を返す冥琳。

助け舟を請う為、一刀に視線をやる。

 

「雪蓮、そこまでにしてくれ。冥琳は悪くないさ。俺がもっと、信用のできる人間であれば良かったんだから」

「もう……すぐ自分のせいにするのは一刀の悪いクセよ?」

「まあこればかりはね……。それよりも、遠路はるばる御苦労さま。疲れてるだろ? 湯の準備はしてあるから、行ってきたら?」

「そうね。積もる話もあるけど……一刀も来る?」

「魅力的なお誘いだけど、遠慮しておくよ」

「おい、雪蓮……」

「あはは♪ 冗談よ。それじゃあ、湯に浸かってくるわね。いくわよ、冥琳」

「ああ。それではまた後ほど」

 

 

 

月と大喬の二人が、雪蓮と冥琳を浴場まで連れていった。

 

 

 

◆        ◆         ◆

 

 

「貴女、董卓ちゃんでしょ?」

「へぅっ!?」

「やっぱりそうなんだ。一刀のところにいたのね」

「……はい。ご主人様に、御世話になっています……」

「そう。……ごめんなさいね。連合に参加して、貴女にこんな目に合わせてしまって」

「いえ。戦乱の時代でしたから……仕方なかったと思います。

それに、私には、表舞台は眩しすぎましたから」

「割り切っているのだな、董卓殿は」

「はい。それに、こうしてご主人様のお傍にいられますので……へうぅ」

 

顔を赤くして、両頬に手を添える月がとても可愛らしくて、思わずその可愛さに嫉妬してしまう雪蓮と冥琳。

 

(あーあ、私もこんな風に可愛かったら一刀も放っとかないんだろうなー)

(なんと可憐な……一刀はやはり、董卓殿みたいな女子がいいのだろうか……)

 

「―あの、冥琳さま」

「あ、ああ。どうした、大喬」

「その……お役に立てなくて、ごめんなさい」

「気にするな。それよりも、“また”お前たちを利用してしまったことを許してくれ」

「! い、いえ……そんな、気にしないで下さいっ――ここです!」

「ほぉ……男と女で分けてるのか」

「はい。とはいっても、あまり意味を為していないのですが……」

「へぇ〜。なんで?」

「北郷さまが閨を共にした方と一緒に浴場に来られると、決まって女浴場の方に行かれるからです」

「あー……そういうこと」

「全く、色欲の強い男だ」

「まあ、一刀らしくていいじゃない。呉に居たときも似たようなものだったし」

「あいつはどこにいても変わらないか。……では董卓殿、大喬。案内ご苦労であった」

「「はいっ。それでは失礼します」」

 

 

月と大喬の二人を見送ってから、二人仲良く浴場に入っていった。

 

 

 

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雪蓮と冥琳は、身体を洗ってから浴槽に浸かった。

二人のその“たわわん”と実った乳房が湯に浮かぶ光景を一刀が見たならば、間違いなくケダモノと化していることだろう。

 

「あ゛〜、いいお湯……道中、かなり無理してたから尚更骨身に沁みるわね」

「ふふ、その発言は少し親父臭い気もするが……同感だな」

 

“ん〜”、と腕を天へと伸ばして、上半身を伸ばす。パキパキと小気味のいい音が鳴った。

 

「一刀さ」

「ん?」

「逞しくなったと思わない?」

「確かに。顔も凛々しくなったな」

「アレを蓮華たちにあげちゃうのはもったいないわよね?」

「ああ、そうだな」

「私たちで頑張って一刀の子を授かりましょうよ♪」

「ああ、そうだ――ぶっ!?」

「なによ、一刀の子、いらないわけ?」

「そ、そんなわけないだろう! た、ただ、まだ心の準備が……こ、子どもか……うむ……」

 

(混乱してる混乱してる♪ こういう初心なところも冥琳らしいわね)

 

「ほ、欲しいな……一刀との子……」

「ん? 曹操たちの前では“北郷”って呼んでたのに……一刀?」

「! み、皆の前で名前を呼ぶのが恥ずかしいのだ……お前や一刀だけならば問題ないのだが」

「なんだかしおらしいじゃない……なんかずるい」

「なにがだ!」

「……まあいいわ。それよりも、曹操なんだけど」

「む?」

「アレも変わったわよね。昔――というか、“前の記憶”のときの曹操はもっと覇気があって、冷酷な一面もあったような気もするけど、

今の曹操には覇気こそあれど、冷酷な一面が無くなっているというか」

「丸くなったということか」

「そうね。あの曹操が簡単に頭を下げるだなんて、少し前なら想像もできなかったわよ」

「それもひとえに一刀が影響しているのだろう。お互いが影響し合っているのだ。

一刀は曹操から王としての在り方を学び、曹操は一刀から人としての優しさを知る。良い兆候だろう」

 

言っていることは穏やかなことだが、冥琳の表情は複雑そうだ。

胸中では、きっと“面白くない”と思っているに違いない。

 

「負けてらんないわね」

「ああ。負けるつもりもないがな」

 

 

二人が風呂に浸かりながら決意を新たにしていたとき、一方玉座の間では――。

 

 

 

 

 

 

「どうしたのよ、一刀」

 

マヌケな顔になってるわよ、と指摘されても即座に顔を変えられず、ただ“ああ”と返事することで精いっぱいだった。

 

「いや……まさか華琳が、あんなあっさりと謝るだなんて思わなかったからさ」

 

そう言った瞬間、首元に冷たい感触が。

 

「か、華琳さん?」

 

血、血が出ちゃってます!

 

「……はぁ。いくら“過去”のこととはいえ、私がしたようなものよ。謝罪するのは当然。

それとも、なに? あなたは、この私が、謝罪の一つも出来ないような人間に見えているの?」

「イエ、メッソウモゴザイマセン」

 

だから鎌をおろして!

 

「それに、“あっさり”ではないわ。色々な想いを込めて頭を下げたの。“あっさり”と表現されたら私の謝罪が軽いものに聞こえてしまうでしょう」

「う、確かに。ごめん」

「分かればいいのよ。それより、孫策たちが戻ってきたら――」

 

いつの間にかおろされた鎌。

慌てて一刀に駆け寄り、首の治療を施す蓮華は華琳に言う。

 

「こら、華琳。一刀に傷を付けるなとあれほど……」

「絶は一刀の血を吸わないと錆びちゃうのよ」

「「うそだッ!?」」

 

非難してくる蓮華に華琳は、嘘八百なことを言ってかわした。

 

「孫策と周喩が戻ってきたら、今後のことについて話す必要があるわ。

洛陽へ向かうこともそうだし、孫呉がどのようにこちらに手を貸してくれるのか話し合っていきたい。

いいわね、一刀?」

「ああ、そうだな。雪蓮たちが来るまで待とう」

 

 

 

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暫く皆で、話す内容を吟味していたら雪蓮と冥琳が帰ってきた。

 

「ただいま戻ったわ」

「議題はまとまったか?」

「ええ。まずはあなたたち孫呉がどのように“北郷”に手を貸してくれるのかを教えてくれるかしら」

 

冥琳が懐から竹簡を取りだし、華琳に手渡す。

遠目ながら、そこには文字がびっしりと書き込まれていた。

 

「そこに書いてあることは約束しよう」

「………………成程。全面的に協力してくれるわけね」

「何が書いてあるんだ?」

「これから来る物資―“北郷”の国家予算3年分―と、孫呉軍10万と、水軍2万、本国に残した5万の計17万人の寄与。

水軍指揮官の甘寧と船1000隻の正式な寄与。その他に軍師として周喩、陸遜と、相談役兼遊撃担当に孫策。

事実上、孫呉の国力を吸収したようなものよ」

「な……姉さま! 正気ですか!?」

「あら、あなたが反対するの?」

「し、しかし……本国に残した民が……」

「それならば心配要りません、蓮華様。これまで通り、孫呉は我らが治めます。

あそこに書かれているものは、“北郷一刀が使役できる権利”です。これくらいなければ、袁紹軍に対抗はできないでしょう」

「なんだかんだで冥琳も心配なのよ。袁紹軍みたいな大軍と一刀を戦わせるのがね。それならば一刀の下についたようにみせて、

実際は協力して敵に当たったほうが効率がいいわけ。今の“北郷”に孫呉まで治める力はないでしょう?」

「確かに」

 

今、平原を治めることで手いっぱいの現状、孫呉の力を得られ、さらに統治もしてくれるのなら願ったり叶ったりで。

これは間違いなく“北郷”にとってプラスになることだ。

 

 

 

「――これまで独自に“北郷”に放っていた細作からの報告によれば、役職は北郷の“王”くらいしかまともに決まっていなかったそうだが?」

「ああ、確かに。色々とゴタゴタがあって、それどころじゃなかったからな」

「我ら孫呉と、蜀の劉備殿とその仲間たちも合流し、人材が潤沢になった今こそ改めて役職を決める段階であると考えるが、どうだろうか」

「賛成ね。周喩、そこまで言うからにはある程度の代案は用意してあるのでしょうね?」

 

華琳の問いに、“ふ”と笑い、次いで“当然だ”と言った。

 

「独自に集めた情報を参考にしているので、修正する必要のある部分があるかもしれぬがな。

まずは暫定として――」

 

胸の谷間から一つの書簡を取りだし、長机の上に広げた。

 

 

------------------------北郷国役職者一覧(仮)------------------------

 

国主……北郷一刀

 

丞相……曹操

 

右大臣……孫権 左大臣……劉備

 

相談役……孫策

 

大将軍……呂布 補佐……陳宮

 

騎馬将軍……張遼

 

北郷十軍師……程c、郭嘉、荀ケ、周喩、陸遜、呂蒙、諸葛亮、鳳統、賈ク、張勲

 

警邏隊長……楽進

 

兵器開発部責任者……李典

 

装飾開発部責任者……于禁

 

メイド長……董卓 メイド副長……賈ク

 

後宮管理長……董卓 補佐……孫尚香

 

訓練生指導係……楽進、李典、于禁

 

曹操親衛隊……夏候惇、夏候淵、許緒、典韋

 

孫権親衛隊……甘寧、呂蒙、周泰、孫尚香、黄蓋

 

劉備親衛隊……魏延、厳顔、馬岱、趙雲

 

北郷親衛隊……曹操とその配下一同、孫権とその配下一同、劉備とその配下一同、呂布、孫策

 

士気向上担当……張角、張宝、張梁、袁術、張勲 士気向上担当補佐……北郷一刀(閨的な意味で)

 

北郷軍牙門旗持ち……典韋

 

隠密部隊隊長……周泰 

 

水軍指揮官……甘寧

 

工作隊……李典、馬岱、孫尚香、荀ケ、小喬、大喬

 

 

 

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「――という具合だ。どうだ?」

「さすが冥琳ね……」「すごいわね……」

「皆の特徴を的確に捉えてるな……」

 

冥琳の慧眼に、蓮華と華琳、一刀がただただ驚いていた。

 

「これなら各々の能力を活かせるわね。兼任は仕方ないのかしら」

「もちろん、暫定であるからそこは修正していけばいいと思うが」

 

華琳と冥琳が話している間、一刀は2、3度書簡を読みなおした。いや、見直した。

だが、当然のことながら書いている文面は変わらない。

 

一刀が目を疑った文面は――

 

 

 

>士気向上担当補佐……北郷一刀(閨的な意味で)

>士気向上担当補佐……北郷一刀(閨的な意味で)

>士気向上担当補佐……北郷一刀(閨的な意味で)

 

 

 

(どういうことなの……)

 

「合っているだろう」

「否定はできないわね」

「確かに士気向上するね♪」

 

冥琳と華琳、桃香の追い打ちによって一刀は“_| ̄|○|||”せざるを得なかった。

 

 

 

 

「さて。それでは、我ら孫呉が“北郷”に求める見返りなのだが」

「ああ、なんでも言ってくれ! 俺に出来ることならなんでもするよ!」

「ほぉ……言ったな? 雪蓮、聞いたか?」

「ええ、もちろん聞いたわ♪」

「え? え?」

 

なにこれこわい。

 

「まずは、孫呉にお前の胤を蒔くこと。これは孫呉に属する全ての将を対象にしている。

次に……雪蓮と私は“建業”で孫呉を治めなくてはならないが、その際、一定期間お前がこちらに出向き、孫呉の運営を手伝え」

「なるほど。俺が呉にいた頃のことをすればいいのか」

「ああ、そうだ。……何より、お前と離れていると雪蓮が癇癪を起こすからな。三ヵ月に一度、最低四週間は滞在してもらいたい」

「ぶーぶー。冥琳だってさびしいくせにー」

「否定はせんがな」

「待ちなさい。王である一刀が国を空けてもいいと思っていて?」

「何のための丞相なのだ? “魏”の王であった曹操殿ならば、かつての魏の半分以下の規模である“北郷”も治められよう」

「成程……その為に私を丞相にしたの……。小賢しいわね」

「さて、どうする、北郷? お前がこれを受け入れないのならば、今回の話は全て白紙にさせてもらうが」

「もちろん、受けさせてもらうよ。ただし、袁紹軍との件が終わってからにしてもらっていいかな? さすがにゴタゴタしているうちにはいけないからさ」

「うむ、いいだろう」

「冥琳……協力してくれて、ありがとう」

「あ、頭を上げろ、北郷! ……わ、私とお前は、“運命共同体”だからな」

「?」「にやにや」

 

 

 

一見、ムチャな要求にも見える冥琳からの提案。だが、それによって得られる力は破格な物だ。

未だに不機嫌そうにしている華琳をどう宥めたものかと思いつつ、冥琳に感謝の意を表するためにも、一刀は頭を下げた。

まさか頭を下げられるとは思っていなかった冥琳が、一刀に頭を上げるよう言ったついでに最後の方に何か言っていたが、一刀には聞こえなかったようだ。

しかし、冥琳のすぐ横に位置していた雪蓮には聞こえていたらしく、終始笑顔であった。

 

 

 

 

 

◆          ◆          ◆

 

 

「華陀、文醜と顔良の容体は?」

 

軍議が終わってから、俺は真っ先に文醜と顔良のいる部屋へと向かった。

彼女たちから、袁紹軍について聞きだすためだ。

 

「回復に向かっているな。二、三日もすれば目を覚ますだろう」

「そうか……華陀はこれからどうするんだ?」

「卑弥呼からお前の助けをするよう言われていてな。一刀さえ良ければ、ここに置いてもらいたいのだが」

「願っても無いことだ。是非お願いするよ」

 

 

 

それから、華陀と他愛のないことを話してしばらく時間を潰していたが、

ふと文醜の方を見ると、指が“ぴく”、と動いていた。

 

「……華陀。一応、洛陽行軍の前に兵を診てきてくれないか?」

 

一瞬、きょとんとした表情になった華陀であったが、俺の意図を汲み取ってくれたのか、

 

「ああ、分かった。かなり時間が掛かると思うから、二人の様子を見ていてくれ」

 

と言ってくれた。

そうして華陀が部屋から出ていき、離れていくのを感じてから……。

 

 

 

 

 

「文醜さん、起きてるんだろ?」

「…………ああ」

 

袁紹軍の重鎮の一人である彼女と話すことにした。

 

 

 

<つづく>

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【彼女たちがもしも妊娠・出産したら】

 

 

 

〜蓮華の場合〜

 

「登、泣き止んでちょうだい」

 

蓮華が登を抱いて必死にあやしているが、泣き止む気配がない。

見るに見かねた一刀が登を抱いた瞬間、登が泣きやんだ!

 

「きゃっきゃ♪」「おー、かわいーな、登♪」

「……(´;ω;`)ブワッ」

「な、泣くなよ、蓮華……」

「だ、だってぇ……」

 

見るに見かねた一刀が蓮華を抱いた瞬間、蓮華が泣きやんだ!

 

 

 

 

一刀さんの負担が多すぎて心配です。

 

 

 

 

 

 

〜星の場合〜

 

懐妊した星がお腹を撫で摩り、照れ笑いながら

 

「主……責任はとって貰いますぞ……♪」

 

と、言いながら頬にキスをする光景が。

 

 

 

 

 

星は可愛いなぁとまた襲う一刀さんが見えました。

 

 

 

 

 

〜焔耶の場合〜

 

おなかが大きくなり始めてオロオロする焔耶。

 

(かわいい!!)

 

あわあわしてぴたっと止まって戸惑い気味にお腹を撫で撫で。

それで“えへ、えへへ”とか笑うのね。

 

 

 

 

 

辛抱たまらんくなった一刀さんが焔耶さんを襲う図が思い浮かぶようです。

 

 

 

 

 

〜美以、ミケ・トラ・シャムの場合〜

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「「にゃーにゃーにゃーにゃー!!」」」」」」」」」」

 

 

 

一度に産む数がやたら多いと言う事だけは予想がつく。

 

 

 

 

「にぃに、むつごだじょー!」

 

 

 

 

 

〜愛紗の場合〜

 

 

「ご主人様……子だけでなく、私も可愛がってください!」

 

と照れながら。

 

 

 

 

 

 

 

自分の娘に嫉妬する愛紗さんかわゆすなぁ〜。

 

 

 

 

 

〜華琳の場合〜

 

「私、常にあなたの子どもを妊娠していないと情緒不安定になるみたい……」

 

 

曹操さんは、正史では20人以上の子をもうけたそうな。

きっと華琳さんも、一刀の子どもを20人以上もうけるに違いない。

そしてきっと、妊娠ジャンキーに……!

 

 

 

 

〜春蘭の場合〜

 

「姉者、おめでとう」

「うむ……なぁ、秋蘭」

「なんだ」

「北郷がもう一人増えるのか?」

「……なに?」

「いやな、桂花が言っていたんだが、北郷の子を産むと北郷がもう一人増えるらしいのだ」

「すまん、意味がよく分からない」

 

 

 

アホの子可愛いっていうお話。桂花表に出ろ。

 

 

 

-7ページ-

 

・作者コメント

 

茨城に住んでるんですけど、震度6クラスの地震が直撃しました。被災なう。

小学生の弟をブーブーで迎えに行っていたんですけど、電線がぐらんぐらん揺れてて凄く怖かったです。

 

家に帰ってみると、それはもうひどい有様でございました。

テレビは倒れてますし、つけっぱで出かけたはずのパソコンも消えてるし、水使えないし電気も使えないしで、

あたしは死を覚悟しました。

 

(ネットできないなら……! ネトゲできないならあたしは!!)

 

でも余震がひどくてそれどころじゃなく、近くの中学校のグラウンドでブーブー止めました。

怖い怖い言いながらカフェオレ飲んでました。おいしかった!

 

 

 

 

 

そんなこんなで相変わらずのあたしですが、生きてます!

日用品も調達して籠城する気マンマンです。お外には出たくないでござるー。

 

心配してくださった方、ありがとうございます!

 

 

 

さて、本編ですが。

孫呉と合流しましたね!この後は文醜とお話して、しばらくして船が到着し次第洛陽へと向かう予定です。

華琳さんは冥琳さんに意地悪されてますが、無害です。

 

 

おまけはあまり気にしないでください。

 

 

余震ひどくて夜寝れてないです。

地震怖いぉ……。

とりあえず近くのコンビニで1万円募金してきました。他の被災者さんに届くといいなぁ。

説明
第四十六話をお送りします。

―孫呉との合流、求められる種馬―

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コメント
ko-ji@GMさん>ありがとうございますー! 華琳可愛いですよねー! 一刀がいるかいないかで彼女たちのポテンシャルが物凄く変わってくると思うんです。恋とかはもう顕著ですよねw一刀のいない蜀じゃ前線に出ませんが、一刀がいると一刀の隣にいますもんw(よしお)
アロンアルファさん>お心遣いありがたいです〜! 頑張ります!(よしお)
肉体的にも精神的にも辛いでしょうが頑張って乗り越えていけることお祈りいたします。(アロンアルファ)
youさん>ありがとうございます! 雪蓮が相談役なのは、本国に帰らないといけないので重鎮におけないためですw 応援ありがとうございます!!(よしお)
ご無事で何よりです。雪蓮が三公でなはく相談役なのはワザとですか?応援しています! (you)
FALANDIAさん>意地悪な桂花、イイ!(・∀・) 沿岸のすぐ傍の方たちは家ごと押し流されたりで言葉もないです……酷い有様ですよねぇ。ありがとうございます!(よしお)
桂花ェ・・・。私も仕事場にいましたが、広島まったく揺れない。人に聞くまでまったく知らなかったですよ。ご無事でなにより!(FALANDIA)
タケダムさん>悩み事を色々と聞いてくれる姐御女房……あると思います!!(よしお)
namenekoさん>いつも犬猿の仲なのに、やけに桂花さんの嘘を真に受けてしまう春蘭かわゆすなー!(よしお)
相談役の孫策ってwww(タケダム)
春蘭、桂花の言う事は真に受けてはいけません!(VVV計画の被験者)
rinさん>ありがとうございますー!嬉しいです!(よしお)
柾棟さま>すみません、1000も上がらないかもしんないですw700かな……(よしお)
ご無事で、よかったです。  お疲れ様(rin)
え!? 攻撃力1000上がるってマジですかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww!?  コワwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww!?(劉邦柾棟)
320iさん>御心遣いありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!(ノд`) そう言って頂けると、投稿した甲斐がありました!tinamiは優しいユーザーさんでいっぱいやー!(よしお)
闇羽さん>おー!なかーま!そしてご無事でよかったです! 節電とか水とか色々大変ですよねー;;(よしお)
村主7さん>ありがとうございますー(つд`) 直下型地震が振動も被害も一番ひどいんですよねー。こちらは横揺れでしたが……うぅん、怖いよー。冥琳さんの手腕は大したもんやでー!(よしお)
柾棟さま>一刀の血を吸うと攻撃力が1000上がります!(よしお)
砂のお城さん>吹かざるをえない!(よしお)
俺も茨城で家の中がえらいことに…でもまぁお互い怪我は無いようで何よりですねw(闇羽)
茨城・・・ともあれご無事で何よりでした 阪神当時は夜中にも関わらず下から「ドン!」と突き上げる衝撃で目が覚めたものでした  しかし4p目の陣容・・・歴史シュミレーションならほぼ天下見えた面子でw(村主7)
華琳さん 血を吸わないと絶が錆びるというのはさすがにやり過ぎだよおwwwwwwwwwwwww!?(劉邦柾棟)
よーぜふさん>す、すげー!よく爆睡できましたねww そろそろうちのブーブーがガソリン切れて動かなくなってまうですよ……ガソスタどこもやってないのがネックですわぁー。 一刀はあれですね、きっとムードメーカー的ななにかなんですよw(よしお)
レスキューポリスさん>ありがとうございますー! うち、第一グループだったんで本来ならこの時間は停電してるんですけど、延期になったっぽい!わーい!(よしお)
いやまあ、確かに地震は怖いですね、十数年前幼稚園児のときに、神戸住みなんでうけましたが・・・まあ爆睡してたんですがねw それはさておきブーブーいうなww っと、冥琳かw(ry というか結局一刀、おまけでも”士気向上”してるじゃないかww(よーぜふ)
茨城て、、、ご無事で何よりです。(レスキューポリス)
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