、キミのとなりで八話
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八話

 

 

 

 その声に心当たりがあるものの「いったい誰が?」と心に思いながら可愛らしい声の主の方へと振り向いた。

 

「えへへへ……」

 

 コロコロと笑う声の持ち主。希咲ちゃんだ。

 

 そして、希咲ちゃん一人と言うわけもなくその横には愛梨さんの姿が。

 急に独り言を呟きながら家を出た自分を思い出し体が熱を覚える……。

 

 とっ、取りあえず話題を……。

 

 見ると希咲ちゃんは保育園の制服なのだろう。

 

 紺の制服に赤のリボン、黄色いハットの帽子に猫の缶バッチを付けた姿という、何とも可愛らしい衣装に包まれ愛梨さんの手を繋ぎながらもその陰に隠れていた。

 

「これから幼稚園ですか?」

 

 可愛らしい服装に、幼稚園だと分かっていても聞いてしまう。

 

「うん、希咲を送って私も仕事行くとこ」

 

 希咲ちゃんと繋いでいる手を挙げながらこれからピクニックに行くかのように楽しそうに二人は「ね〜」と声を合わせる。

 

 正に仲睦ましい限りだ。

 

「私服で通勤OKなんですね!!」

 

 愛梨を見ると仕事と言う割にコットンレースにロンティーと春らしいカジュアルな服装だ。

 

「うん、ウチが働いてるの、老人ホームのデイサービス何だけど通勤は私服Okなんだここから近いし幼稚園とも近いからかなり便利」

 

 ほんと助かるよと“うんうん”頷く愛梨さんを横目に玄関前に来た俺はすかさずドアを開けた。

 

ガチャッ――

 

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 アパートを出ると、さきほどまでの話の続きをしながら三人で歩きだす。

 

 ほんの五分程度同じ道なのだがその間三人で会話を楽しみながら歩いたのだがやはり五分などあっという間。

 

楽しい時間なら尚の事で――

 

 すぐにその時は来てしまった。

そして分かれ道に来ると愛梨さんがクルリと振り返る。

 

「それじゃー私たちはこっちなので!大学ガンバだ」

 

 ここからは大学と幼稚園は別方向。

つまりはここでお別れだ。

 

「ガンバだ〜ッ」

 

 俺が言葉を返そうと口をあけると、俺の言葉より先に希咲ちゃんが愛梨さんの言葉に続いた。

 

 真似をする希咲ちゃんの姿は実に愛くるしく可愛らしい限りだ。

 

「はい、がんばります」

 

 そして俺はと言うと、とにかく二人に遅刻させるわけにはいかないとすかさず言葉を返した。

 

「あっそれとそんな敬語じゃなくて良いからね!初めは私も敬語だったけど1つしか変わらないし」

 

 思い出したかのように出しかけた足を止める愛梨さん。

 

「はい!!あ、うん?……愛梨さんも希咲ちゃんも仕事と保育園ガンバ!!」

「うん!!!じゃね」

「ばいば〜い」

 

クスクスと笑いながら幼稚園、仕事場へと向かう二人。

そんな二人に対し俺は――

 

「ばいばい……」

 

 二人の後姿を見送る

 

……何というか、うん、今日は良い日だ。

 

「……そろそろ俺もいくか」

 

二人の背中が小さくなり、ようやく俺も大学へと足を向けた。

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 桜並木を抜けた先にある校門を潜ると広く抜けるキャンパスへと足を踏み入れる。

 

 時刻は八時四十分。ゆっくりと歩いてきた事もありそこまで早すぎるわけでもなく大学に着く事が出来た。

 

「これくらいなら、ちょうど良い」

 

 バスの扉が開き続々と学生がキャンパス内に入ってくる。

駐輪場には自転車やバイクで来ている学生達。更にその奥には車が数台止まり、学生がキャンパス内に足を踏み入れる。

 

 正直三十分前だと早すぎると思うが十分違うだけでも気持ち的には変わって来るというも――

 

「のわあぁあああ……!!」

「え゛っっ……」

 

 突然の奇声。

数人の集団が溜まる先から走り去るヤロ―が一人……。

 

「またか……」

 

 俺は毎回のことにある意味感心しながらもため息をつく。

 俺にとってこの光景というのは「何時もの事」であり、摂りとめ驚く事ではないのだ。

 

 もちろんそれは他の学生にも言えることで、その光栄を驚き、戸惑いながら見ているグループもいるが、毎回の事と特に驚く事もなく教室へ向かうグループがほとんどだ。

 

「可哀そうにまた一人撃沈したな」

 

眠たそうに欠伸をしながら俺の横に現われる優斗。

 

「よっ」

「ってか、何時の間に……いつもの事だが、毎回ヤロ―どもも懲りないよな」

 

 走り去った先に目を送り改めて思う。

 

「そう思うなら私の番犬になりなさい。態々殿方の誘いをお断りするのも面倒だわ」

 

 流れる髪をかき上げる彩華。

 先ほどのグループの中から何もなかったかのように現れる。

 

 そう、この大学では最早恒例行事となっている先ほどの出来事とは、彩華に告白し撃沈されるという何とも興味のない行事なのだ。

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あとがき

 

 

 

 

 

 

 

 

初めましての方は初めましてです!

この度は目を通していただきありがとです。

 

そしてお久しぶりな方はお久しぶりです!

再び目を通していただいてありがとうございます。

 

 

今日本は戦後最大と言っていいほどのピンチです。

被害にあわれた多くの皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

幸い私の住んでいる所はボーリング場の看板が落ちるものの、交通の不備等程度で被害という被害は出ていません。

 

私が出来ることといえば、義援金の寄付くらいしかありませんが、作品を読んでくださる皆様方が少しでも楽しまれていてくださっていれば光栄です。

 

 

 

さて、堅苦しいことをここで言っていても仕方ありません。

 

とりあえずKADENは近況報告しときます。

 

只今KADENはストックを増やしつつ各キャラクターの原画を描いてみたりしてます。ィエィ

 

今は希咲ちゃんを描いていて、残すは靴のデザインを完成するだけなのですが……。

 

コレがまた希咲ちゃんカワユスなのです(*´∀`*)

 

小さくて、ころっとして、ニコなのです!

 

とはいえ、私自身絵は上手くないので妄想も入ってますけどねww

 

今後の各キャラクター達を皆様に見ていただければなと思っています。

 

 

ん?

 

何らいれん、なにか言いたそうだね?

 

仕方ない、らいれんのフリートークinピスタチオの時間にはまだ早いけれど、譲るよ。

 

ではらいれんお願いします。

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らいれんの後悔滴る編集後記のペェジ

 

 フリートークinピスタチオって何やねん!?

 とまぁ恒例?のKADENさんからの無茶振りからつなぐ編集後記ですw

 長らく投稿出来なかった事を楽しみにしていた方々にお詫び申し上げます。

 

 色々と有りました……えぇ色々と……。

 きっかけは地震ですね。

 先ずkADENさんも書いてますが、私からも重ねて被災に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。

 

 ウチの方も揺れました震度5弱でしたか、生まれて初めての揺れの強さでした。

 

 そして今コレを書いているのが5月30日……約3ヶ月経ってしまうんですね。

 3ヶ月というと丁度アニメの1クール13話分に相当します。

 長いような短いような……。

 

 しかし私ことらいれんの記憶にはテレビから次々と送られる衝撃的な映像は忘れられません。

 そしてきっとこれからも忘れる事は無いでしょう。

 

 今の私に出来る事は僅かな募金程度ですが、協力して行きたいと思います。

 

 では今日はこの辺で締めたいと思います。

説明
お久しぶりです^^;
色々有りましてしばらく投稿することが出来ませんでした。
今日から再開したいと思います。
それでは第八話お送り致します。
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タグ
、キミのとなりに オリジナル 恋愛 家族愛 

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