ちなみに恋、華雄、霞は静観していた。

軍略に関してはこの２人の方が優れているため、よけいな口出しは控えているのだ

そんな中、言い合いは更にヒートアップして行く・・・

「軍を見てみろ！今度前に出てるのは袁紹じゃなくて曹操、劉備、馬超の軍だぞ！将や兵の質だって違う！そんな状況で同じ策が嵌るわけないだろうが！！」

「ふん！兵数に関して言えば、袁紹軍より下です！将にしたところで恋殿にかかればどーって事ないのです！！」

「恋、恋って、お前はもっと全体を見ろ！恋に頼りきりの策を用いて、お前本当に軍師か！？」

「な！・・・・・」

その言葉に、陳宮からプチッと何かが切れる音がした。

「・・・お前、分かっているのですか？ここの権限はねねの方がうえなのですよ・・・」

静かな声で、陳宮は一刀にそう言った。

体は怒りに震えているようだ

「それがどうした！」

「・・・お前達！！」

「「「ハッ！」」」

陳宮は近くの兵士達に

「この男を命令違反で拘束するのです！」

そう言った・・・・・・

「なっ！ねね！何考えとるんや！？」

霞が戸惑いの声を上げる

いや、霞だけではない

「ねね、どういうつもりだ！？そんな事許されるわけが無いだろう！」

華雄も怒りの声を上げる

「うるさいのです！ねねがここの軍師なのです！策に従えない人間を罰して何が悪いのですか！？」

しかし、陳宮はその言葉を曲げる事は無かった・・・

縛られ、兵達に連れて行かれる一刀

その姿に、兵士達の士気は大幅に落ちていた。

「・・・・ねね」

恋は悲しそうな顔で陳宮を見る

「な、何ですか？恋殿？」

その目に動揺を隠せない陳宮

「・・・恋が、あいつら追い払ったら・・・一刀・・・放す」

「な！恋殿それは・・・・・」

「・・・じゃないと、恋、ねね嫌いになる・・・」

「そ、そんな・・・・」

ねねは目の前が暗くなった

恋に心底惚れこみ付いて来た

なのにその恋に嫌われてしまう

それは陳宮が最も恐れることであった。

「わ、分かりました、約束します！だから恋殿・・・」

「・・・約束」

恋はそう言うと城壁から降りて行った。

「・・・そういうことなら、私の全てを賭けて奴等を倒そう」

「せやな・・・本気でいくで」

華雄と霞も、殺気を溢れさせ、城壁を降りて行く・・・

そして最後に残された陳宮は

「・・・・・ねねは・・・間違って・・・ないのです・・・・」

そう呟いていた・・・・・・