恋姫外史・あるところに一刀第15話
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恋と再会した一刀達

 

恋は、食料を探しに来ていたらしい

 

少し行った所で湖があるらしく

 

「・・・みんな・・・待ってる」

 

そう言って、先程ガサガサしていた所に入る

 

そしてそこから何かを持ち上げた

 

それは果物が大量に入った袋だった・・・・・

 

 

 

 

そして恋の先導の元、一行は開けた場所に出た。

 

確かにそこには大きな湖があった

 

「おーーーー、でかいな、魚も取れるんじゃないか?」

 

「・・・コクッ」

 

恋は頷いた。

 

そして恋は、そこから左に歩き出す

 

その方向には恋の兵士達が数十人、湖のそばで野営していた。

 

彼らは恋の側に居る一刀達を見ると、一様に驚きの表情を浮かべたが、すぐに駆け寄ってきて再会を喜んでくれた。

 

中には泣き出す者までいたほどだ

 

そんな中、一刀は恋に訊ねた

 

「陳宮は、どうしたんだ?」

 

「・・・・・・」

 

恋の顔に影が差す

 

「そうだ!アイツのせいで、一刀は殺されかけたんだぞ!何処に居る!!」

 

華雄は一刀が襲われた場面を思い出したのか、怒りを隠そうともせず恋に聞く

 

「・・・・ねねは」

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結果から言うと、陳宮は一番奥の天幕の中に居た。

 

しかし、そこには今までの自信に満ち溢れた傍若無人な陳宮は居なかった。

 

そこにいたのは、体育座りの姿勢で膝を抱え、全然動こうとしない陳宮と言う名の抜け殻だった

 

「「・・・・・・・」」

 

恋に言われ、天幕の中を外からそっと覗き見した一刀と華雄は、無言でそこから離れた。

 

そして恋に詳しい事情を聞く

 

「・・・ねね、あそこから逃げた時から、変わった・・・・」

 

恋の話だと、陳宮は虎牢関から逃げた時からおかしくなったらしい

 

恋が話しかけても、一言二言しか口を聞かないのだと言う

 

食事もほんの少ししか食べないで、天幕が出来てからはほとんどあの中で過ごしているのだそうだ

 

それを聞いて、先程まで怒り心頭だった華雄も心配そうに

 

「どうしたらいいのだろうか・・・・」

 

と悩みながら言った。

 

「・・・恋にも、分からない」

 

恋も悲しそうにそう言う

 

実際、恋の部隊の生き残りも最初は陳宮に対して怒りを抱いていたのだが、陳宮のあの変貌ぶりに何も言えなくなってしまったらしい

 

「・・・・ふむ」

 

一刀は少し考えるそぶりを見せる

 

そして

 

「ちょっと、アイツと話して来るわ」

 

と言って、陳宮の天幕に向かった・・・・・

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バサッと天幕の入り口から一刀は中に入る

 

「・・・・恋殿ですか?」

 

弱々しい声で、顔を上げずに、膝を抱えたまま陳宮は訊ねた。

 

「何引き篭もってんだよ、チビッ子軍師」

 

「!」

 

その声にガバッ!と顔を上げる陳宮

 

そして一刀の顔をみて目を見開く

 

「お、お前・・・生きていたのですか?」

 

「おお、見ての通りだ。ピンピンしてるぜ」

 

腕をまくりあげ力瘤を作ってみせる一刀

 

「で、お前はこんな所に引き篭もって何やってんだよ」

 

「う、うるさいのです!お前には関係ないのです!!」

 

先程からは考えられない大声を出す陳宮

 

ただ、多少声がかすれているが・・・

 

「みんな心配してんぞ?さっさと出て来いや」

 

「嘘なのです!」

 

「ああ?」

 

「みんなねねの事などお荷物だと思っているのです!恋殿が居なければ何もできないと、それどころか足を引っ張ってるだけだと!!・・・・ゴホッ!エホッ!・・・・・」

 

喉が渇いているのに大声を出したので、咳をする陳宮

 

「ふーん、みんなそんな事言ってたのか」

 

「そう思っているに違いないのです・・・・」

 

「・・・・なるほどな」

 

うんうんと頷く一刀

 

「・・・何を納得しているのですか」

 

「いや、ただ・・・」

 

一刀はこう言った

 

「自分でそう認めてるんだな、と思ってよ」

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「な、何を・・・」

 

陳宮が反論しようとするが、その前に一刀は言葉を続ける

 

「だって誰も直接言ってきてないんだろ?なのにそう言う考えが浮かんでくるって事は自分でも思い当たるふしがあるってことだ」

 

「そ、そんな事・・・」

 

「否定できるのか?出来ないよなあ、あんな惨敗しておいて。それでもなお自分が優秀だと言い続けられるのは只の馬鹿だ」

 

「う、うう・・・・・」

 

思い出したくないあの時の事を思い出しているのだろう

 

陳宮の眼に涙が溜まっていく・・・

 

「それで引き篭もって現実逃避か、情けねえなあお前。それで恋の横に居られんのか?」

 

その言葉がトドメだった

 

「黙るのですーーー!!」

 

陳宮はバッと立ち上がり、こちらに向かって飛び蹴りを放ってきた。

 

「陳宮キーーーーーーーック!!」

 

「むっ!」

 

ドカッ!

 

その飛び蹴りを両腕でガードする一刀

 

そして着地した陳宮は、大声でまくし立てた!

 

「そうです!ねねは役立たずなのです!恋殿の横に居る資格など無いのです!でも・・・ねねには恋殿しか居ないのです!だから・・・・・ねねは・・・・・」

 

いつの間にか陳宮の眼から涙がこぼれていた

 

「・・・だったら横に居られるようにすればいいだろ?」

 

「・・・・・え?」

 

一刀の言葉に陳宮は呆然とする

 

「だから、役に立たないなら立てるようにすればいい、それだけの話だろうが」

 

「・・・・・・・」

 

「ただし、やるなら中途半端はやめろよ。本当に恋の役に立ちたいなら生半可なことじゃあ役にたてんぞ」

 

そう言って一刀は天幕から出ようとする

 

「ま、待つのです!」

 

それを陳宮が引き止めた

 

「・・・なんだよ」

 

「何故ですか」

 

「何が?」

 

「何故ねねに励ますような事を言うのですか!ねねが憎くないのですか!?」

 

「・・・別に?お前俺に恨まれるような事したか?」

 

「な・・・したでしょう!虎牢関でケンカをしたではありませんか!」

 

「ケンカくらい仲が良くてもするだろ」

 

「お前を拘束したではありませんか!」

 

「ああ、番兵が縄解いてくれたからどっちかって言うと軟禁だったなあ」

 

「こ、虎牢関の負けはねねの・・・・・」

 

「勝負は水物、絶対なんてねえよ」

 

「・・・・・・・・・」

 

「こぼれた水は、また汲めばいい。まあ、しっかりやれや」

 

陳宮は分からなかった

 

こいつは何なのか

 

どうして自分を責めようとしないのか

 

それどころか自分を助けるような事をするのか・・・・

 

「もう言いたい事は無いか?だったらもう行くぞ」

 

今度こそ出ようとする一刀

 

「待つのです!」

 

それをまた引き止める陳宮

 

「・・・何だよ、言いたい事があるなら全部言っとけ」

 

はぁ、とため息をつく一刀

 

それに対して陳宮は

 

「・・・・あ」

 

「あ?」

 

「あ・・・あり、がとう、です・・・・・」

 

「あん?俺は礼を言われるような事してねえぞ?ただ言いたい事言っただけだぞ?」

 

「う、うるさいのです!素直に受け取るのです!!」

 

「・・・・はいはい、で、他にはもう無いのか」

 

「・・・あるです」

 

「じゃあさっさと言えよ・・・・」

 

もう飽き飽きといったかんじで一刀は言う

 

「・・・・音々音」

 

「何だ、それ?」

 

「ねねの真名です!!」

 

「ああ、縮めてねねなのか」

 

「そうです!以後そう呼ぶがいいです!」

 

「・・・・いいのか?」

 

「さっきからそう言ってるです!おとなしく受け取りやがれです!」

 

「・・・まあ呼びやすいし、お前がいいって言うなら」

 

「だから!ねねがいいとさっきから言ってるのです!」

 

「わーったよ!うるせえなあ!」

 

「うるさいとは何ですか!人が真名を預けてやったのに!」

 

「ずっと叫んでるからだろうが!もう行くぞ!」

 

そう言って入り口に手をかける一刀

 

「ああ、それと・・・・・」

 

「何ですか」

 

「心配かけた恋達に、ちゃんと謝っとけよ」

 

「わ、分かってるのです!」

 

「ならいいけどよ・・・・」

 

そう言って一刀は天幕から出て行った・・・・

 

 

 

 

「・・・おかしなやつです」

 

ねねがそう言うと

 

グーーー!

 

ねねのお腹が鳴った。

 

「そういえば、ご飯食べて無かったのです・・・」

 

そう言って天幕を出るねね

 

そして食事の後、あいかわらずの傍若無人な態度で皆の所へ謝って回るねねの姿がそこにはあった・・・・・

 

 

そしてしばらく後、ねねの軍略はとても広い視野で考えられているとして、各国の軍師から注目を集めることになる

 

 

 

それは

 

 

 

恋と言う太陽で見えなかったものが

 

 

 

北郷一刀と言うサングラスで

 

 

 

見えるようになったかのようだった・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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どうも、アキナスです

 

さて、ねねのこれからの活躍はあるのか?

 

合流した一刀達がこれから目指すものとは?

 

そんな疑問を残しつつ、今回はこの辺で

 

それでは次回に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「南斗烈脚斬陣!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
恋と再会した一刀達

恋に連れられて着いたところでは・・・・
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コメント
PONさん:むむむ・・・答えがみつからない。どう答えても言い訳になりそうです・・・(アキナス)
慰めるためとは言え「それじゃ負ける」とまで言って策に強硬に反対したから軟禁されたのに「悪い策ではない」とか・・・。説得力がまったく感じられません。慰めるのはいいのですがもう少し的確に慰めていただきたい。(PON)
シリウスさん:一刀の好感度は2、3位がいいところかも?(アキナス)
ねねはLVが上がった! 素直さ 2 恋大好き度 2 一刀好感度 5(シリウス)
断罪者ヒトヤ犬さん:南斗紅鶴拳ですか、彼も・・・ていうか南斗六聖拳はみんな印象深い人達でした・・・(アキナス)
闇羽さん:仁星の涙が北斗を呼ぶ・・・なんて言ってみたり(アキナス)
俺はユダが好きですね、「キャバクラユダ」と「死あたぁ伝説」の二つを知っていればもっと楽しいですよ!是非ググって下さいW(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
村主7さん:そ、それは確かにマニアックな・・・・。ちなみに一刀君は、今回立ち直らせようとまでは考えていませんでした(本当に言いたい事言っただけ)(アキナス)
陳宮が本当の軍師としての一歩を踏み出したって感じでしょうか。 さて、俺は聖帝十字陵の聖碑を積みに言ってきますね(マテ(闇羽)
南斗と言えば「人間砲弾」が真っ先に浮かぶコア思考なんで(マニアック過ぎ?) しかし立ち直させただけでなく更なる上昇まで・・・凄い補正ですなw(村主7)
トトクロさん:心配してくれてありがとうございます南斗聖拳ではシュウが一番好きなんです・・・・次点はレイ(アキナス)
・・・シュウ、ちょっと解り難かったかも?w あと、ねねが復活〜しかも、覚醒してる? しかし、前回休まれると言いながら・・・相変わらずの更新速度 Σ(゚∀゚*) 無理をして体を壊されない様にね〜^^(トトクロ)
desgodさん:結構、的を射てるかも・・・・(アキナス)
2828さん:少しだけですけどね・・・・(アキナス)
劉邦柾棟さん:どうぞ、お楽しみに・・・・(アキナス)
大神さん:自由すぎる男ですから・・・・(アキナス)
賢さが3上がった。デレ度が2上がった。ツン度が4下がったってところですか(((desgod)
テーレッテーねねはLvが上がった(マテ(2828)
これからどうなるのかが楽しみです。(劉邦柾棟)
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真・恋姫†無双 あるところに一刀 

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