真・恋姫†無双 ~君思うとき、春の温もりの如し~ 合間7
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小蓮達と川から城に戻り、俺は早速思春と話すために彼女を探した。

城の中を探していると雪蓮姉さんと冥琳がこちらにやって来た。

「一刀大変よ!近くの街が賊に襲われたって!」

「今は常駐の兵で守っているが、押されるのも時間の問題だ。

 済まないが援護に向かってくれないか」

冥琳が緊迫した様子で言う。確か襲われている街は配置の問題で、今は手薄の状態となっている。

そこを賊は狙ったのだろう。

「わかった。準備が完了したらすぐに向かう」

「お願いね。後、亞莎と茶々、烈火も一緒に向かわせるは」

そう言うと姉さん達は伝達兵を呼び他の武将を集めるように伝えた。

俺は出兵の準備をするべくその場を後にした。

結局、急な出陣のため、思春と話すことは出来なかった。

 

そして襲われている街の援護のために兵を連れて出陣することとなった。

一緒に行くこととなったのは、先ほど小蓮と一緒に川に行った凌統こと烈火と、

最近呉に入った呂蒙こと亞莎、そして亞莎の教育係として諸葛瑾こと茶々も付いてきている。

亞莎は俺付きの軍師として日々茶々や穏、冥琳達と勉強している。

まだまだ冥琳達には及ばないものの、その内に秘める才能は皆一目おいている。

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烈火は今回の出兵、自分の成長した姿を俺に見せると張り切っている。

 

亞莎はまだ緊張するのか、袖で赤くした顔を隠しながらどのようにして賊を攻略するかを考えているようだ。

茶々はいつもと変わらず冷静な顔をして、前を向き馬を進ませている。

俺はふと気になることがあり、茶々に聞いてみることにした。

「そういえば前の反董卓連合で、劉備のところに諸葛亮って言う軍師がいたけど、

 あの娘って茶々と何か関係あるの?」

軽い気持ちで聞いてみたのだが、茶々は俺の言葉を聞くとビクリとし、こちらに顔を向けた。

いつも冷静な茶々が驚くとは珍しい。

「……はい、朱里は、諸葛亮は私の妹でございます。

 しかし、かれこれ10年ほどあっていませんね」

驚いたような動作を見せたが、口調はいつもと変わらず至って冷静に答えた。

「そうか…でも、10年も会ってないんだろ。一緒にいたいとは思わないのか?」

「会って話はしませんが、手紙でお互いの近況は報告しあっています。

 それに私は呉の臣。そして朱里は劉備さんの家臣なのです。

 私も朱里ももう大人です、だから自分が決めたのならそれで良いのです。

 例えこの先戦場で相まみえてもお互い全力を出すでしょう。

 しかし私と朱里との姉妹の絆は永遠です。今はそれで良いのです」

「そういうものなのか……」

「はい。それにこの大陸が平和になれば、会う機会も出来ます。

 その時を楽しみに今は目の前の問題に取り組むのですよ」

そう言うと、普段あまり表情を見せない茶々がこちらを見て微笑んだ。

茶々の珍しい顔に俺は思わずドキッとした。

「私は呉の永遠の家臣でございます」

そう言うと茶々は微笑を引っ込め、また元の顔へと戻した。

俺は「そうか」とつぶやき、少し照れながら前を向き、馬を進めた。

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街までもう少しという場所で、俺達はどうやって賊を退治するかを考えていた。

「でだ、賊とは言え相手の数は多い。まともにぶつかれば被害が大きいな」

「そうですね。呉を袁家から取り戻したばかりなので、どこも人員不足です。

 出来るだけ被害は少なくしたいですね」

俺と茶々が話していると、

「あ、あの!私に考えがあります!」

亞莎が手を挙げ言った。

「……では亞莎さん、考えを聞かせてください」

「はいっ!領主が雪蓮様に変わって、最近この辺では賊を止めようとする者たちが出ていている様です。

 先程偵察の方に聞いたのですが、街を攻撃している賊の中に後方に配置し、

 あまり攻撃に参加してない者たちがいる様です。

 その者たちはおそらく賊を止めたい者たちなのでしょう」

茶々に言われ、自分の考えを述べる亞莎はそこで一息つく。

「…そこで、その者たちに賊の時の罰を軽くするからこちらに寝返るようにと言うのです。

 賊を止めたいと思っていた者たちはこちらの申し出を受け入れることでしょう。

 そうすると見方の降伏を知った残りの賊は混乱し、その隙を強襲します」

亞莎は自分の考えを言い終えると俺達の顔色をうかがった。

「……降伏した賊はどうするんだ?いくら降伏したとはいえ、お咎め無しとはいかないだろ」

「はい、それも考えがあります。

 北の曹操さんが行っている屯田の制度を取り入れるのです。

 賊の人たちのほとんどは元は飢えで仕方なく他の人を襲うようになった農民です。

 屯田とは普段は荒れた土地の開墾を行ってもらい、有事の時は兵として戦ってもらいます。

 元が農民なので田畑を耕すのが得意なはずです。

 それを労役とし、罪を償ってもらいます。さらに我々は人員不足の解消も行えます」

俺の質問に亞莎は答えた後、こちらを怖ず怖ずと見た。

「……良いんじゃないか。でも姉さんたちの説得は亞莎、お前がするんだぞ」

そういうと亞莎は「はい!」と元気良く答えた。

「では早速取りかかりましょう」

茶々はそういうと、皆それぞれ準備をはじめた。

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少し離れていた者たちはやはり賊を止めたいと思っている者たちであった。

その者たちに罰の軽減を伝えた。

本来なら賊は皆死罪が当たり前である。

それを軽減するということで皆喜んで降伏を受け入れた。

仲間が降ったことを知ると、残りの賊は混乱し士気は低下していった。

そこを俺たちが左右から強襲した。

「おりゃおりゃおりゃー!!我が鉄塊と岩塊で砕けぬものは無し!!」

そう言い左右に持った大剣を振り回し、烈火は敵を吹っ飛ばして行く。

見る見る内に賊は打ち倒されていった。

そうすると馬に乗った一際装備が豪華な者が烈火の前に現れた。

「好き勝手やってくっるじゃないか、小娘!!」

賊の頭らしき人物はそう言うと、槍を握り締め烈火に向け馬を走らせた。

「うぉおおおお!!」

賊は槍の一閃を突き出すが、その攻撃は烈火に届かない。

「遅い!」

賊の攻撃を避けた烈火は跳び上がり、馬に乗る賊の首目掛けて剣を振る。

烈火が着地すると、馬の上にいた賊の首は体と切り離され地面に転がっていた。

頭がやられたと知ると、賊の混乱はさらに広がり、逃げ出す者や降伏する者たちが出てきた。

こうして俺達の部隊は大した被害を出さずに、逆に人員の確保を行うことに成功し、街を救うことができた。

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賊討伐も成功し、城に戻った俺たちは姉さんの所に報告に向かった。

亞莎は屯田の有用性を姉さんや冥琳に伝え、姉さんたちはその考えに賛同した。

戦いの事後処理を終えるころには日も暮れ、辺りは暗くなっていた。

賊討伐で疲れているが俺は大切なことがまだ残っている。

俺は今、思春のために買ったかんざしが入った木箱持って廊下を歩いている。

目的地はもちろん思春の部屋。

部屋の前に到着すると深呼吸を行い緊張をほぐした。

そして俺は思春の部屋の扉をトントンと叩いた。

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今回はいつもと違う場所(Linux環境)で更新したので変なところがあるかもしれません。

あったら教えてください。直します。

 

さて、亞莎と茶々の拠点でした。でもあまりそれっぽく無いorz

茶々の方は「公私を混同しない」という諸葛瑾のエピソードを書こうと思いました。

亞莎は彼女の軍略を披露するエピソードをと思い書いてみました。

しかし作者が良い策を思いつかない所為でアンポンタンな感じに…

他の人たちはどうやって策を考えているのでしょうか?

良い軍略をまとめたサイト見たいなのってないんでしょうか?

 

あと、凌統こと烈火の武器について。

彼女の武器は鉄塊と岩塊という二振りの大剣。

その名の通り鉄と岩でそれぞれ出来ています。

鉄塊は父凌操の形見。

呉には他の陣営のように大きな武器を振り回す武将がいなかったので、

大きい武器を持たせてみようと思い考えました。

 

あともう一つ。今回の拠点、合間5から次回の合間8はそれぞれ個別のキャラの拠点となっていますが、大きく見ると思春の拠点となっております。

ということで次回は思春のまとめ拠点。

一体どうなる?ではノシ

説明
今回は一応亞莎と諸葛瑾こと茶々の拠点です。あまりそれっぽく無いですが…
思春と話そうとした矢先の出兵…
よろしくお願いします。
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コメント
>320i様 小さくて力持ち!も萌え要素だと思います。(lovegtr)
タグ
真・恋姫†無双 孫権 一刀 思春 呂蒙 亞莎 諸葛瑾 茶々 

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