鳳凰一双舞い上がるまで 第三章 1話
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左慈SIDE

 

どこから説明すればいいのかよく分からない。

そう、あの時、私は死を覚悟していた。

管理者たちには体の『死』という概念がない。

体とはただの器。器が壊れても『魂』は消えることなく生き続ける。

器はまた新しく得ればいい。

 

だけど、あの時は違っていた。

私は完全に『氷龍』の意識に飲まれていた。

『氷龍』に残っていた何百年分の想いは、私の存在を上書きするほど強かった。

最もその刀を自分の体に刺し込んだは私自身だったわけだけど……でもそうしてなければあの刀はまた人を殺し続けただろう。

剣を握ってる者の思いが汚ければ汚いほどいい。『氷龍』はその力を利用し、自分の欲望を満たす。

殺して、殺して、ただ殺すだけ。

今頃私の体を得た奴がどこで何をしているかは知らないけど、凡そ感づいてしまう。

だって、そういった意志は私の中でも完全に消えているわけではないから。あいつが考えることを、私も考えられる。

ただ、あいつはそれを実践することを躊躇わない。そこが奴の恐ろしいところだ。

 

で、とにかく私はあの時完全にことを諦めていた。

でも最後の最後で妙なことが起こった。

奇跡と言ってもいい。

元々魂が肉体を持つには、魂を収めるほどの器がなければいけない。つまり強い管理者ほど、肉体を得ることは難しい。

だけど、弱りに弱くなってしまった私の魂は、自己防御本能を発動させ、その残った魂を他の器に移した。

そして、偶然に、ほんと偶然に私にぴったりな器があった。

それは、その場の近くにあった蛇。

 

それから私は倉の側にいながら彼女の力を利用して私の弱った体を回復させることに集中した。

蛇を器にすることができるほど弱くなっている私を他の、私を完全に滅せようとする管理者たちにバレてしまったらその時点で全てお終い。

だけど、ようやく蛇の姿からこうして人の体を保つほどまで力を蓄えることが出来た。

倉、あの娘の秘めた力は予想以上にすごかったのだ。本人がその力を制御できず感情の爆発とともに暴走するのも無理ではない。

 

倉……そう、そういう名前を付けてあげたね。

そして、その名を付けてくれた娘が、今目の前に居るこの娘……

 

「左慈さん……ですか?」

「ええ……鳳統ちゃん…でいいかしら」

「はい」

 

思ったよりこの世界の一刀と鳳士元が旅立つのが早くなってしまって…冬眠を言い訳にもう少し力を貯めようとしたけど、こうなってしまった以上仕方がないわ。

どうも今回の事件、嫌な予感がするしね。

 

「…………」

「…」

 

自己紹介をしたことはいいものの、鳳士元の顔には不安な気配が歴々だった。

 

「私たち、このままどうなっちゃうんでしょう」

「分からないわ……」

 

正直、形はなんとか人型を保てたものの、それが精一杯だった。

力は普通の女の人のそれともあまり変わらない。

 

だけど、当てがないわけではない。

北郷一刀たちが部屋のアレを見つけてくれたら……

 

「ひぅっ……ひぐぅ」

「あ」

 

あら、まぁ、大変…

 

「ひぅぅ……」

「……」

 

そうね。

いくら北郷一刀の前では大人気を保とうとしていても、まだちゃんと外に出回ったことがない雛軍師。こんなことが起きて不安にならないはずがないわ。

しかも、彼女が唯一当てにしている北郷一刀は今どうしているのかもさっぱりわからないまま。泣かないでは居られないでしょうね。

こんな時私に出来ることは……

 

「ほら、泣かないで<<ぎゅー>>」

「あ……」

 

今の私はただの女の人も同然。

出来ることなら、これぐらいしかないわ。

 

「きっと助けに来てくれるわ…あなたの大切な人が……」

「……うっ…でも…」

「信じてるでしょ?」

「………」

「きっと、今あの人も、あなたを救おうと精一杯頑張ってるわ。だから、あなたも頑張りなさい」

「……………はい…」

 

はぁ、なんとかなったかな。

 

「<<モニュッ>>…あ、あわ?」

「どうしたの?」

「あ、あの、左慈さん……暗くて今まで気づかなかったんですけど、どうして『裸』なんですか?」

「………え!?」

 

はっ!?しまった!服着るのすっかり忘れてた!!////////

 

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真理SIDE

 

「……」

 

…………

 

「北郷さん、ずっと元気がありませんね」

「……うん」

 

港に座ってただぼーっと長江を眺めている北郷さんの姿は、とても気を落としているように見えて、側から私たちが声をかけても、全然返事をしてくれませんでした。

もちろん、私たちも雛里お姉さんが攫われたことに気を落としているのは一獅ナすが、北郷さんの場合そんなものではありません。いつもはあんなに元気そうにしている北郷さんが、雛里お姉さんが居なくなった途端、急に暴れだすと思ったら直ぐにあんな風に何もしないまま落ち込んでいるんです。

やっぱり雛里お姉さんの存在は、北郷さんにとってとても大きなものなのです。

 

「……雛里ちゃん、探さないと」

「うん」

 

そう、倉ちゃんの言う通り、雛里お姉さんを探さなければなりません。

でも、どうやって?

北郷さんもあんな調子ですし、手がかりもありません。江賊たちの船はもうどこに行ってしまったのか見えませんし……

 

「あのー」

 

 

「……?」

 

この人は…確か長江に跳び込もうとする北郷さんを止めてくれた人ですね。

まだここに居たんですか?

 

「蓮華さまからお手伝いをするように言われました」

「……?」

 

女の人は私の姿はやっぱり見えない模様で倉ちゃんにのみ目を合わせながらそう言いました。

その倉ちゃんというと、「何言ってるの?」的な感じの目で相手を見つめています。

 

「あ、あの、取り敢えず、誰か教えてもらえたら……」

 

って、見えなければ声を聞こえませんね…

 

「…倉」

「…はい?」

「名前……倉」

「あ、…はい!私は周泰と申します。よろしくおねがいします」

「…こっちは……まr……諸葛均」

「はい?」

「……ここ」

 

倉ちゃんは私の後に立って私の両肩に手を乗せながら言いました。

そうすると、

 

「……はうあ!?」

 

周泰と言った人はすごいびっくりしました。

 

「な、何ですか?幽霊なんですか?!」

「…いくらなんでも初対面で幽霊と言われるとすごい傷つきます……」

 

前に自分で自分のことを幽霊以上存在感ないとか言ったことはありますけど、人に言われるとすごくムカつきます。

 

「はう…ごめんなさい、でも、さっきまでは全然見えなかったのに…」

「見えないわけじゃないです。あなたがそれほど周りに注意を払わないというだけです」

「あ……すみません」

 

はっ、なんか謝ってきました。

いえ、別に周泰さんが悪いというわけではないのです。これはこういう性質なので、普通の人は見れないのが当然といったら当然なものなのです……。

 

と言ってあげてもいいのですが初対面で幽霊とか言われたのもあるので取り敢えず流します。

 

「それで、私たちを手伝うというのはどういうことですか?」

「あ、はい、蓮華さまがあちらの殿方とこちらの方に救われましたので、そのお礼と言えばなんですが、攫われたお連れの方を探すことに何かお手伝いできることがあれば、是非とも言ってください」

「……」

 

見た目的に周泰というその人は武人のように見えました。それもかなり特化されているような様子で、そして後に北郷さんに近づいている人もまたどこかのお嬢さんみたいな感じがします。

……てわ?でもあの髪色や……あの服って……

 

「…失礼でなければ、あの方の名前がなんなのか教えてもらえるでしょうか」

「へっ!?え、あの……それは……」

 

周泰さんはどもりながら答えを避けました。

つまり、言えない理由がある人ということです。

荊州に居て、豪族並の地位を持ちながら名を名乗ることができずにこんな港で護衛もなく江賊に危険な目に合わされるほどの人物……といえば、多分あってるでしょう。

 

「孫家の方ですか?」

「!?」

「はう!」

 

図星のようです。

 

「……真理、行く」

 

先に行動に移ったのは倉ちゃんの方でした。

助けた人たちがどういった人たちだったのか知った途端、倉ちゃんは後を向いて歩き出しました。

 

「え?あ、あの…」

「………大変申し訳ありませんが、お手伝いは結構です。そちらに居る孫家の方も、早く北郷さんか離れるように言った方がいいです」

「あ……」

 

私は周泰さんをその場にそのまま置いといて、先に行ってしまった倉ちゃんを追いかけました。

 

「倉ちゃん」

「……」

「……怒ってるの」

「…別に……」

「…」

 

明らかに相手に怒りを隠せなかったじゃない。

倉ちゃんは以前、孫家の孫策さんに自分たちの家族も同然だった人たちを一気に殺されました。

一年も経ったあの出来事ですが、未だにそれは倉ちゃんにとっては消せない傷であるでしょう。

そんな人と同じ家の人なのです、見た目では多分妹か、その辺りでしょう。

倉ちゃんがされたことを考えれば、その場であの人に向かって走らなかっただけでもすごいというものです。

 

「もし、あの時あたしがあの人を助けるって言ってなかったら……雛里ちゃんを助けれたかもしれない」

「……!」

 

だけど、倉ちゃんがそう言った時、私はそれだけは正してくれなければいけないということが分かりました。

 

「それは違うよ、倉ちゃん」

「…」

「例えその人があなたが嫌いな人だとしても、命の危機に合っている姿をそのまま見逃すのはダメだよ。雛里お姉さんだって、自分を助けるために他の人が死ぬのを見逃しましたと言ったら、きっと喜ばないはずだよ」

「………」

 

倉ちゃんは顔をしかめました。

でも、本当にそうなんです。

 

もし倉ちゃんが復讐なんてものを考えているのなら、さっきその場でその人を殺しにかかっていればいいです。

でもそうしなかったのは、倉ちゃんにその気がないってこと。

とすれば、例えその人が誰だと知っていた状態でも、目の前で危険に迫っている人を助けない筋はないのです。

最も、あの時はまだ雛里お姉さんが危険だったって知らなかった時のこと。あの人を助けないなんて選択肢はありません。

 

「……」

「…旅館の方に行こう。雛里ちゃんを攫って行った江賊たちと旅館のおじさんが何か引き取りをしていました。何か解るかもしれない」

「…<<コクリ>>」

 

倉ちゃんは黙々と頭だけ頷いて前へ進みました。

 

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明命SIDE

 

「………大変申し訳ありませんが、お手伝いは結構です。そちらに居る孫家の方も、早く北郷さんか離れるように言った方がいいです」

「あ」

 

諸葛均さんはそう言って先に行った倉さんを付いて行ってしまいました。

……一体、どうしてなのでしょう。

今港に居るあの方も、そしてこの方たちも、皆蓮華さまや私のことを嫌悪しているように見受けられます。

私たち孫呉は孫堅さまの死の後崩れている状態ですが、人からあのような目で見られるようなことはしていないと存じています。

なのに、この三人は我ら孫家に対して何か悪い感情を持っているようです。

 

そして、さっき行った倉さんの目、

あの目はまるで…仇をみているような目です。親を殺した仇。自分が殺すべき相手を知らずに活かしてしまったかのような呆気なさと怒りが混じったような顔。

 

おかしなところはそれだけではありません。

あの殿方は、私が賊に囲まれている彼を助けるために賊を斬った時、ものすごく怒っていました。

それはまるで私が何の罪もなき人を殺したかのような目付きでした。

 

私は今まで将として戦場に立ったことは少ないです。

私の仕事は、まだ戦場に出たことがない蓮華さまの護衛を兼ねて、諜報部隊を運営することを任されていました故、実質上戦場で戦いをしたことはあまりありません。

だけど、そうしなければならない時には私は私たちを邪魔するものを容赦しません。そうするように教育されて、今までそうしてきました。

敵に情けなど不要だと。孫呉の敵なる者は全て殺さなければならないと。

この人たちはそうじゃないのでしょうか。どうして自分たちの命を狙う賊たちに情けをかけるのですか?どうして助けたばかりの私たちにはあれほど冷たい視線を投げて、傷ついた賊たちのためにはそう怒ることができるのですか?

わかりません。

 

だけど、確かなことはもし私たちが彼らの怒りを招くようなことをしたのであれば、それを恩として返すの孫家のためでしょう。

 

・・・

 

・・

 

 

二人を追って着いたのは街の旅館街。

二人は旅館の親父と話をしようとしていました。

だけど…

 

「だから、私は何も知らないと言っておる!さ、さ、帰ってもらおう!」

「ちょっと待ってください!確かにここで女の子が一人江賊に誘惑され…」

「知らないって言ってるだろ!」

「……!」

「倉ちゃん、ダメです!」

「……でも」

「……わかりました。今は引き上げましょう。後で官軍と共にお尋ねいたします」

「ふん!官軍なんてこねーよ!皆江賊に負けるのが怖くて出立しねーんだ!おかげで俺たちは……」

「……」

「と、とにかくさっさと帰れ!俺は江賊たちが荒らして行った旅館を片付けなくちゃならない!」

 

こんな感じで、中にも入ってもらえずに、二人はそのまま旅館から追い出されてしまいました。

旅館の親父は自分が江賊たちと組んでいたことを否定しているようです。

 

「……どうして止めるの?真理ちゃんが見たんでしょ?あの人が雛里ちゃんを渡すの…」

「と言っても、他の人は私を見ることができないし、それに他の証拠もないじゃない。私たちだけで入っても手がかりを探す時間は与えられないよ」

「……じゃあ、どうすればいいの?」

「こっそり裏から侵入して手がかりを探すしか……でも鳳統お姉さんが選んだ部屋は二階にあるし、旅館のおじさんがもう片付けてしまったかもしれない」

 

なるほど、こんな時こそ私の出番です。

 

「私が行きます」

「てわわ!」

「!!」

 

私が突然居た屋根から飛び降りて二人の前に現れると、諸葛均さんはびっくりして、倉さんは持っていた棒を私に向けて攻撃姿勢を構えました。

 

「私、隠密行動や諜報は得意です。任せてくらたら、必ずお連れの方を探す手がかりを見つけて見せます」

「……お前らの手伝いなんて要らない<<ギロリ>>」

「っ」

 

倉さんの目はさっきよりも遙かにきついものでした。

江賊を相手してた時にもこんな険しい目はしてませんでした。

ですが…

 

「本当に、信用してもいいのですか?」

「…!はい!」

 

「…!真理ちゃん」

「倉ちゃん、私たちは今どうしても雛里お姉さんを助けなくちゃいけないの」

「…あたしが行ったらいい」

「侵入して手がかりを探すと言っても、そう簡単なことじゃないよ。倉ちゃんもしおじさんにバレたらどうするの?」

「………」

「お願い……今回だけで良いから、雛里お姉さんを助けるためだから」

「………」

 

倉さんは暫く諸葛均さんを見て、また私の目を見ました。

私はなんとか私の真意を倉さんにぶつけようと並べく真剣な目で倉さんを見つめました。

 

「……分かった」

 

そして、やっと倉さんから許可が落ちました。

 

「ありがとうございます。では、ここで少し待っていてください。お連れの方がいた部屋を教えてもらえますか?」

「雛里お姉さんが居た場所は…二階で入って右から二番目のところでした」

「わかりました」

 

諸葛均さんから答えを聞いて私は軽くそこにある壁を蹴って旅館の二階に昇りました。

 

「てわっ!すごい」

「…!」

 

二人が驚いている姿を後ろにして私は窓を開いて部屋の中に入りました。

 

 

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半刻ぐらい過ぎて、私は二人がいたところに戻ってきました。

 

「どうでした?何か手がかりになりそうなものは…」

「はい、まずお連れの方が居た部屋ですが、空っぽになっていた水の瓶から少しだけ睡眠剤の匂いがしました。恐らく自然に部屋に置いてあるその水を飲ませて、眠らせてから江賊に渡したのかと思います」

「…それじゃ、やっぱり旅館のおじさんが直接手を出してることは明らかですね」

「はい、部屋を用意しながら薬を入れた水を用意しておいたのでしょう。それと…」

 

私は胸に入れといた、部屋から探してきたあるモノを取り出しました。

 

「こういったものが部屋にあったのですが……」

「……?」

「…何?」

 

鉄と瑠璃でできている、何か精妙なカラクリのようでしたが、こんなものは初めてみたので寝台の下にあるものをそのまま持って来ました。

手のひらに丁度おけるような大きさの丸い外形に上にちょっと尖ってる部分があって、瑠璃の上には格子の線のようなものが描かれてあります。

諸葛均さんと倉さんもキョトンとした顔でそれを見つめていました。

 

「何に使うものなのでしょう……?」

「…一刀なら、多分知ってる」

「あの殿方ですか?」

 

倉さんがそのからくりを私の手からもらって裏を見たり回してみたりしながら言いました。

 

ピッ!

 

「!」

「なんですか、今の音は?」

「あ、これ見てください!」

 

そこで、倉さんが触っていたら何か音がして、瑠璃の部分に2つの点が現われました。

一つは瑠璃の真ん中を示していて、他の点はちょっと離れたところで見えたり見えなかったりしていました。

 

「……何、これ?」

「良く分かりませんけど…北郷さんなら多分わかるでしょう」

「それじゃ、お二方は先に港に戻っていてください。私はさっきの睡眠剤を武器にして、旅館の人に何か情報をもっと吐かせてみます」

「……ありがとうございます」

 

諸葛均さんがそう私に言ってくれましたけど、

 

「………」

 

まだ倉さんは私を嫌っているようです。

 

「倉ちゃん、行こう」

「……うん」

 

諸葛均さんに言われて港に戻る倉さんでしたが、一体何がそこまで私たちを嫌っているのでしょう。

……とにかく、今は私に出来ることをしたいと思います。

 

 

・・・

 

・・

 

 

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雛里SIDE

 

「…はい、良いと思います」

「あ、ありがとう」

 

なぜか裸だった左慈さんに一刀さんの鞄からなんとか服を選んで着て頂きました。

暗くて色とかは良くわかりませんが、脚の方が柔らかい素材にできている旗袍(チーパオ)です。

 

……にしてもどうして一刀さんの鞄にはいつもこういったものが普通に入っているのですか?

 

「うん?」

「どうかしたの?」

「いえ、何か…鞄の奥に光ってるものが…」

 

鞄の上の面に、何か赤い光が点いたり消えたりしていました。

 

「……見つけたようね」

「はい?」

「うん?何も言ってないよ?」

「………」

 

でも、これから一体どうしましょう。

このまま船が到着するまで何もしないままに居たら、例え一刀さんが早く探しに来てくれても間に合わなくなってしまうかもしれません。

 

「直ぐに見つけてくれるわ」

「え?」

「……だからあなたは心配しないで、無駄に危ないことして危険な目に合わないで龍に捕まったお城のお姫様のように待ってあげたらいいの」

「左慈さん……?」

「…男はね。普段は暢気にしてるし、あまり頼りなさそうにしてる時もあるけど、でも自分が好きな女の子が危険にあったら、皆英雄になるのよ」

「あわわ……」

「だからね、あなたは助けてもらったらどんなご褒美をあげようかそれだけ考えていなさい」

「ご、ご褒美ですか?」

 

あわ……あわわ……

じゃ、じゃあ、またキスとか…でもそれは割と今まで何度もしたから褒美にならない…?

だったらもっとすごいこと……を……?

………

あわっ!私に何考えちゃってるの?!

で、でも、確かに命の危険から助けてもらえれば、一刀さんに何か返してあげなければ……

じゃあ、やっぱり……

 

「あ、あわ〜〜ん?」

「鳳統ちゃん?」

「ふぅ……//////」

「あら、まぁ……完全に妄想モードに入ってるわ。郭嘉化しなければいいのだけど……」

 

・・・

 

・・

 

 

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余談

 

真理SIDE

 

港に帰ってきたらなんか変なことになってます。

 

「孫権さま!」

「思春、良いから取り敢えず立ってわかりやすく説明でもしろ。お嬢さんが困ってるだろ!」

「HA☆NA☆SE!」

「絶対いやー!」

 

「「………」」

 

なんですか、これ。

 

 

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あとがき

 

左慈再登場です

 

変わったこと

・一人称:僕→私

・自分の体は左慈(氷龍)に乗っ取られたので、蛇から人間化してます。

・完全に人間型になるのに力を使いすぎたのでほかの仙術が使えない状態です。

・しかも完全な人間でなく、肌の所々に蛇の鱗が残ってます(捕まってる船の中が暗くて今は二人とも気づいていません)

 

自分の外史では管理者にとって肉体は重要でなくその魂が大事なことになっています。例えば実は貂蝉は別にあの体じゃなくてもいいってことです(でもこの外史では貂蝉は悪役なので皆さん望んでるようなこと起きません)

 

黙々シリーズを知らない方々のために言っておきますと、左慈は最初の外史(無印)で貂蝉に負け、強制的に体を殺され新しく復活しました。でもそれが話の途中で紗江(司馬懿のオリキャラ)の体を乗っ取ったことで性別が女になってます(体の性別は管理者にとって重要じゃありません)

それから今作では序盤で姿を失せた結以(孟節のオリキャラ)と結婚して娘も居る状態です。

皆さん感づいているでしょうが、今回を持ってぶっちゃけて言いますと、結以の腹の中にいるのは倉ちゃんです(ネタバレ、激しいネタバレ)どうして倉が親と離れるようになったかは後々話すことがありましょう。

 

次回までが一刀側と蓮華たちの側の立場を整理するところになるのではないかと予測します(あくまで予測)

お楽しみにしていてください。

 

 

あ、後、救出された時の雛里ちゃんからの一刀へのご褒美募集していま(ガーン!)

 

 

ノシ

説明
真・恋姫無双の雛里√です。
雛里ちゃんが嫌いな方及び韓国人のダサい文章を見ることが我慢ならないという方は戻るを押してください。
それでも我慢して読んで頂けるなら嬉しいです。
コメントは外史の作り手たちの心の安らぎ場です。
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コメント
通りすがりの名無しさん&gt;&gt;一刀「僕を殺す気か…」(TAPEt)
ZERO さん&gt;&gt;どんな萌え方ですか?(TAPEt)
敬語を使われていた頃に戻りたいヒトヤ犬 さん&gt;&gt;あなたさんが自重してくださったら私はいつでも敬語を使う準備ができています(TAPEt)
山県阿波守景勝さん&gt;&gt;まぁ……作者として色々申し分ないんですけどね。この外史では人にあまり恵まれてない一刀です。(TAPEt)
シリウスさん&gt;&gt;誰か描いてほしいですねw。自分は絵は描けないので無理ですw(TAPEt)
抱き枕になってもらうのも(ry(通り(ry の七篠権兵衛)
鱗がある女性か・・・ なんかいいひびきですね。(ZERO&ファルサ)
↓おまえらwwww(ゆっきー)
↓それも捨てがたいがここはやはり足で踏ん(ここからは燃やされていて読めない)(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
やはり蛇はさっちゃんだったのか……どうもこの世界の一刀は運というか、民衆に嫌われていると言えばいいのか……ご褒美はもちろん胸に抱きついてのキ(グシャ)(山県阿波守景勝)
蛇のさっちゃん 祝!人間化  きっと艶やかな女性になったんだろうなぁ… 求)イラスト化 (シリウス)
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