魔女の系譜 |
魔女の系譜
ロザリーは喪服を纏う
彼女の13歳の誕生日に
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<少女>にはすべて<分かって>いた。
知識はない。自分のすべき所作をただ理解していた。
地下の、湿った闇から生えのぼる螺旋階段
虚ろな瞳の少女は、底の見えぬその暗がりへゆっくりと降りてゆく
その時彼女の手を引いていたのは果たして<誰>だったのか…
ほどなくして、<彼女>は一人の女の子を産んだ
付ける名前は既に決まっていた
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村人A 「あの峠の一軒家を訪ねるといい。
一本道だから迷うこともないだろう」
旅人 「ありがとう。ついでにもう一つ教えてください
その魔女は、いったいどのような姿をしているのですか」
村人A 「さあねぇ、我々も2,3年に一度訪ねるかどうかだから」
村人B 「会った者の話だと、妙齢の婦人だとも年端もゆかぬ少女とも」
村人A 「まあ考えてみりゃそれもおかしな話だがね。
なにせ俺らのじいさんばあさんが子供の時分からあの峠に
住んでるってんだから…」
村人C 「いやいや、それだから<魔女>なんだろう」
村人B 「違いねぇ」
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レオナード・アースキンの手記より抜粋
翌日、さっそく峠の一軒家を訪ねてみた。
予想に反し、そこには二人の母子が暮らしていた。
娘の方は5、6歳といったところだろうか。
母親は異様に若く、まだあどけなさが残っていて、この二人は
実は年の離れた姉妹なのではないかと終始疑った。
娘は名をロザリーといった。母親は名乗らなかった。
私は目的の薬を分け与えてもらい、オリンズへの道を急いだ。
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ロザリーの13歳の誕生日、母親が死んだ
ロザリーは泣かなかった
ロザリーは喪服を纏い、母の骸(むくろ)に火を放った
そのあと何をすればいいのか、ロザリーには分かっていた。
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