真・恋姫無双「新たなる地と血」第18話
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この作品は恋姫無双の2次創作です。

 

作者の勝手な解釈もある為、若干キャラの性格等のズレが生じる場合が御座いますが

そこらへんはご容赦のほどを。

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〜洛陽〜

 

此処は洛陽宮廷内、玉座の間には二人の少女がいた。一人は緑色の髪を両サイドに三つ編みで眼鏡を掛けた少女賈?こと詠は苛立ちを隠せず部屋の中をぐるぐる回り、もう一人薄い紫色の髪でわずかにウェーブが掛かった少女董卓こと月は俯き祈る様な格好でいた。

 

つい先日何進派と十常侍派がぶつかり合い、多くの死者を出してしまう事件が起こった。だがそれだけでは終わらず、劉弁皇帝陛下とその妹劉協が何者かに連れ去られてしまい、残った者達で捜索を懸命にしていたが、一向に犯人と二人の行方が掴め無いまま時だけが過ぎていった。

 

「董卓様。賈?様。大変です!」

 

そんな静寂の中、突如として一人の兵士が慌ただしく入ってきた。

 

その兵士の話を聞くと二人は顔を見合わせて呂布こと恋を先頭に入ってきた人物の姿に一瞬顔を綻ばせた。続いて入ってきた小さな少年,その後ろには父親であろう男が姿を現す。

 

そして最後に入ってきた禿げ頭に紐パンをはいた筋肉達磨、その姿に呆気に取られそうになったがその物体が肩に担いでいる人物に気が付くと薄い紫色の髪でわずかにウェーブが掛かった少女は驚き、もう片方の緑色の髪を両サイドに三つ編みで眼鏡を掛けた少女は怒り射殺さんばかりの視線を放つ。

 

だがそれより何より劉協の元気そうな姿に喜ぶ。

 

「劉協様、よくご無事で。」

 

二人の少女が劉協と呼んだ少女に礼をする。

 

「心配を掛けて済まなかったです。私はこの通り無事です。姉上もあの方達のおかげで助かりました。」

 

「その劉弁様は?いらっしゃらないようですが…」

 

「姉上は連れ去られる途中事故にあい今は安静にするようにいわれ、この者達の知り合いに預けられた。医者も同行しているので問題は無いです。」

 

劉弁陛下の無事を知ると安堵した。

 

「でそいつが…張譲が、犯人?まさか生きていたなんて…」

 

すでに貂蝉の肩から降ろされ目を瞑り只じっとしていた。

 

「ちょっとなんか言いなさいよ!」

 

何も喋ろうとしない張譲に苛立ち声を荒げる。しばらく問答していたがそれでも全く何も言おうとせずやがて埒が明かないと判断し兵を呼び張譲を牢獄へ連れて行くように命じ、それを見送った後董卓は男達に礼を言う。

 

「この度は劉弁様、劉協様を助けて頂いたばかりか、それを連れ去った張譲を捕らえて頂きありがとう御座います。私がこの洛陽を治めています董卓と申します。」

 

「私からも礼を言うわ「月様!詠!劉協様が帰って来たと言う事だが本当か!?」「恋殿〜!」「月っち、詠、張譲捕まったってほんまか!?」…」

 

話の最中三人の女性が報せを受け慌ただしく入って来た。一人は薄い紫色で短い髪の女性は華雄、もう一人は小柄な体格で薄い緑色の髪に帽子を被った少女は陳宮こと音々音、そして紫色の髪を束ね羽織を肩に掛け胸にはサラシ、袴姿の女性は張遼こと霞である。三人は劉協の姿を見ると囲み無事を喜んだ。

 

「あんた達、もう少し静かに入ってきなさいよ!此処をどこだと思っているのよ、全く〜。…はあ、話が途中だったわね。私の姓は賈、名は?、字は文和。今回劉弁陛下、劉協様を助けてくれて礼を言うわ。 所で本当に劉弁様は大丈夫なんでしょうね?」

 

「俺の名は北郷一刀。そしてこの子が息子の「北郷一樹です。」劉弁様に付いては問題無い。腕の良い医者が付いているからな。」

 

名前を聞いた瞬間、董卓、賈?、そして劉協の傍で話をしていた霞は「えっ?」と固まりこっちを見た。

 

「…ごしゅじん…さ、ま?」

「「…かずと?」」

 

「ご主人様、ご主人様〜」

「一刀ぉ、えらい逞しくなってんなぁ〜、何があったんや?」

「あんた今まで一体何してたのよ?!しかも子供まで連れて?!誰の子よ?!」

「…ご主人様」

 

月は嬉しさの余り泣き出し、霞は成長した姿に驚き、詠は一樹の存在を問い質し、そして恋は一刀に擦り寄っていた。残った者達は呆気に取られていた。

 

月達の知り合いだとはなんとはなく分かったが男をご主人様と呼ぶ意味が分からないでいた為に。

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場所を移し、月達には今までの経緯と他の者達には以前の世界での話をした。月達は一樹と泉の事に驚くと同時になんとも言えない表情をした。劉協・華雄・音々達三人はぶっ飛んだ話に半分以上付いて行けずにいた。

 

「で、あんたは何しに此処に来たわけ?」

 

「何って劉協を此処に送り届けに…」

 

バンッ!!

 

詠が机を叩く。その音に回りの月達は驚いた。

 

「…あんた馬鹿にしてるの?只劉協様を送り届けに来たんじゃ無い事ぐらい見抜けないでいると思う?それだけだったら門の前まで送り届ければ済む話。

けど此処まで入ってきたってことは大方、以前と同じ様にあんたを誘い出そうとする白装束の連中がいないかそれを探りに来た。違う?」

 

「流石賈文和。「茶化すな!」茶化してはいないさ。劉協達の事が無ければこの後の事の隙に何処かに逃がそうかと考えていたんだけどね。関わり合っちゃたから最後まで付き合うよ。」

 

「でもそんな事をすればご主人様は皆さん達と戦う事になりますがそれでよろしいのですか?」

 

「辛く無いって言えば嘘になるけど、だからって月達を放っておくことも出来ないよ。」

 

「へぅ…」

 

「こら〜月に色目を使うんじゃない!この変態!!」

 

ポッと顔を赤らめている月の横から詠が突っ込みをいれる。

 

「でも張譲は捕まえたし、北郷の探している連中もいないんじゃあ、大丈夫じゃないのですか?」

 

「甘いわね、音々。死んだと思っていた張譲が生きていたのよ。他の連中も生きてる可能性があるわ。あの連中がしぶといっていう事を今回の件で嫌って言うほど思い知らされたわ。

だからそんな甘い考え捨てなさい。あんたも軍師を名乗るならこれぐらい思い付きなさい。」

 

「なんですとー!そう言う詠だって張譲が生きているなんて思ってもいなかったくせにー!」

 

「う、うるさいわね!今回はやられたけど次はそうは行かないんだからね。」

 

「次なんてあって堪るかです〜」

 

二人が言い合いを始めたが他の人達は止めようともせずお茶を飲んでいた。一応尋ねたがいつもの事で特に気にする必要な無いと言われたので一刀もお茶を飲む事にした。

 

「なあなあ一刀、孟ちゃんのトコにもおったんやろ?」

 

お茶を飲みながら霞が聞いて来た。

 

「ああ、居たよ。それがどうしたんだ?」

 

「いや、それがな聞いてぇな。」

 

どこぞのおばさんがするように笑いを浮かべながら片方の手を口にあて、もう片方の手を上から下へ振る。

 

「恋の奴、一刀の使ってた部屋入っていってん。ほんでな暫く動かんかって帰るんにえらい苦労したわ。」

 

「…懐かしい匂いした。」

 

恋は饅頭を頬張りながらそう言った。

 

「そう言えば一刀、最初にここに連れて来たん恋やったな。やっぱり匂いでか?」

 

「(ふるふる)最初に見つけたのセキト。恋その後で思い出した。」

 

「へぇ〜セキトがねぇ〜」

 

感心して庭で一樹と劉協と一緒に遊んでいるセキトに目をやる。

 

「正確には違うかな。」

 

「ん、どう違うん?」

 

最初見つけたのはセキトだが駆け寄った相手は一樹、セキトはどうも一樹に懐いただけと言う事らしい。後を追いかけてきた恋は一刀の姿を見て思い出した事を説明する。

 

「やっぱり一刀の子やから?」

 

「さあ?それはわからない。単に気が合っただけかもしれないし。」

 

それは確かめようもなく、子供達とセキトが無邪気に遊ぶ姿を眺めるだけだった。

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〜袁紹陣営〜

 

「さあ斗詩さん。洛陽で暴政している董卓とか言う小娘を退治しに行きますわよ。この雄雄しく美しく華麗な袁本初が。おーっほっほっほっほっほっ!」

 

詠の危惧した通り、生き残った十常侍の一人は袁紹こと麗羽の元へ行き、洛陽でのある事無い事を言い、洛陽奪還の話を持ち掛けていた。それを聞いた麗羽は嬉々揚々とそれを受け、各諸侯に檄文を送るよう顔良こと斗詩に命じていたが、斗詩はそれを必死に止めようとしていたが麗羽は全く聞きいれようとしていなかった。

 

「姫ぇ〜、そんな話聞いた事無いですよ〜。大体あの人怪しすぎますよ、その話自体胡散臭いですからやめましょうよ〜」

 

「お黙りなさい!そんな話自体どうでもいいんです。大切なのは、この『名門』袁家の私を差し置いて皇帝陛下の居る都を任されているということです。」

 

「姫ぇ〜、それって単なる嫉妬ですよ〜。文ちゃんも何とか言ってよ〜」

 

「諦めろよ斗詩。ああなった姫は止められないんだから。」

 

同僚の文醜こと猪々子に助けを求めるが既に諦めていた。

 

「もし違ってたら私達唯じゃすまないよ〜」

 

「ま、そん時はそん時だ。」

 

「文ちゃ〜ん」

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〜華琳陣営〜

 

「さて皆集まったわね。今日はこれが麗羽から届けられたわ。」

 

そう言って華琳は書簡を見せた。それを回し全員が読み終わった頃を見計らい華琳は参加することを言う。

 

「しかし華琳様、一つ懸念事項が…」

 

「分かっているわ、一刀のことね。」

 

「は、北郷がもし董卓の元にいるとすれば厄介この上ないことです。」

 

「だから止めろというの、秋蘭?」

 

「…」

 

秋蘭は無言のまま華琳を見つめる。

 

「そうね、一刀が向こうにいると確かに厄介だわ「華琳様」でもね、それがどうだと言うの?確かに以前は負けたわ。でもね障害は大きければ大きい方がいい。それに以前の借りが返せるいい機会じゃない。

わたしの覇道を邪魔する者は一刀であっても容赦はしないわ。」

 

「分かりました。」

 

「そう言うことよ皆。準備は怠らずしっかりやりなさい。」

 

『御意!』

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〜孫策陣営〜

 

「雪蓮、袁術はなんと言っていた?」

 

袁術こと美羽に呼び出された雪蓮。冥琳は呼び出した理由は既に分かっていた、後は袁術がどうするかだけを雪蓮に確認する。

 

「袁術ちゃん参加するんだって、袁紹だけ良い格好させられないってさ。」

 

雪蓮としてはこの話を孫呉再興の為に受けようと思っていたが雇い主である袁術の動機に頭を痛めていた。

 

「良いではないか雪蓮、客将である我々が勝手に参加する訳にはいかないんだから。ま、戦では何が起きるか分からないけどな。」

 

「冥琳、わっる〜い顔。何企んでるんだか。けどそうよね、勝手に参加する訳にはいかないし、戦では何が起きるか分からないもんね。」

 

「そう言う事だ。手配の方は既に済ましてある。今蓮華様達にしてもらっている。今回小蓮様はどうする?」

 

「シャオは置いていくわ。万が一ってこともあるし、最悪シャオだけでも生きていれば孫家は途絶えないでしょうし。それに一刀に任せれば良いわ。」

 

「北郷を気に入るとは限らんがな。」

 

小蓮さま、嘗て自分と蓮華との争いに嫌気が差し、強引に出撃。そして捕まって北郷の元へ降り一目見て北郷を気に入った事を聞いてはいた。この世界でもそんな心配は無いだろうが一応心配するフリをする。

 

「だ〜いじょうぶよ。あの娘私達の妹よ?きっと一発で気に入るわよ。」

 

「…なんとなく説得力があるな。」

 

「それに一刀にこの戦で逢えると思うわ。」

 

「ほう、なぜだ?」

 

「勘よ。」

 

「全くお前と来たら、またそんな不確定なものを… だがお前のその勘は馬鹿に出来んからな、軍師泣かせだよ。」

 

雪蓮の方は既に連合で一刀に逢えると思いそちらに気をやっていた。そんな雪蓮の姿を見て冥琳はやれやれと肩を竦めていた。

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〜劉備陣営〜

 

「皆さんに今日集まっていただいたのは、袁紹さんから檄文が届き、その事についてでしゅ。あぅ、噛んじゃいまひた。」

 

「朱里ちゃん、何て書いてあるの?」

 

「はひ、洛陽で董卓という人が皇帝陛下を蔑ろにしてやりたい放題行い民を苦しめているとの事で、連合を組んで、皇帝陛下を救い董卓をやっつけましょうという内容のものでしゅ。」

 

「そんな、酷いことを… じゃあ洛陽の人達を助けなきゃ!ね、愛紗ちゃん、鈴々ちゃん」

 

諸葛亮こと朱里に檄文の内容を聞いた劉備こと桃香は義妹である関羽こと愛紗と張飛こと鈴々に同意を求めた。

 

「勿論です、桃香様。董卓のような悪はこの関雲長が切り捨ててくれます!」

 

「悪い奴は鈴々がやっつけるのだ!」

 

「あ、あの〜董卓さんが悪者とは「朱里ちゃん、雛里ちゃん。早速準備して!」は、はひ!」

 

桃香の勢いに負け思わず返事をしてしまった朱里達であった。もっとも愛紗と鈴々の二人も既にやる気を出し話をさせて貰えない状態で董卓は暴政を行なっていないと言う独自の情報を伝えられずじまいであった…

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あとがき

 

各陣営が動き出しました、今回のお話。

 

マアぶっちゃけいつもどおりな各陣営ですw

 

話は変わりますが第2回同人恋姫祭りを行なっていますね、作者は今回不参加。

 

なぜなら何にも浮かばなかったからですorz

 

単発小ネタとかをこう言う時用に考えておいて書き留めとか無いと駄目ですね…

 

次回は出来れば参加したいです。

 

ではまた次回〜

説明
各陣営のお話。
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コメント
JEGA さん色々とご指摘有難う御座います。修正しました。(アロンアルファ)
月達のの知り合い→「の」が多い 見抜けないでいると思う。→「思う?」では? 苦労したわ。」」→」が多い やっつけましょうと内容の→「という内容の」ではないでしょうか? ああの〜→あ、あの〜では?この先の文章でも句読点を全然使ってなくて、かなり読み難い所が有るので、もう少し区切った方が良いと思います(JEGA)
瓜月 さん 張譲さん意外な人気(違う(アロンアルファ)
IFZ さん ホント劉備陣営は一刀が居ると居ないとでは何この雲泥の差、ってくらい劣化が激しいですね。(アロンアルファ)
転生はりまえ$さん 一部の方は一刀へのリベンジが強いですね。(アロンアルファ)
ここでも天然桃髪おっぱい娘は(汗) (IFZ)
まあ一部おなじみのとおりになってこりゃまた当然のようになると・・・・・違うとすれば記憶保持のままということだな。さてさてどうなるどうなる♪(黄昏☆ハリマエ)
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