『志摩君と出雲ちゃん』
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志摩くんと出雲ちゃん

 

 

 

杜山さんについていこうとしたら、坊に殴られた……。

仕方ないので、海岸をうろうろしとったら神木さんに会うた。

ええ機会だし、ちょい声でも掛けてこようかな。

 

「神木さん、何しとるん?」

 

「どこからどうみても泳いでる風にしか見えないと思うんだけど」

 

いつもどおりのツンデレっぷりやなあ。

そんなところに俺はメロメロなんや!

 

「一緒に泳いでもええ?」

 

「べ、別に構わないけど……///」

 

了解をもらったので、神木さんと一緒に海の水につかる。

あー暑い中水の中に入ると気持ちええな。

 

「志摩って、杜山さんのこと好きなの?」

 

「ぶふぅ!!!!!」

 

リラックスして、海の中で漂っていたらいきなり変なことを聞かれ

溺れかけた。

つか、なんでそうなるん……。

 

「いや、そないなことないけど。何でそんなこと聞くん?」

 

「さっき、杜山さんに着いて行きたそうだったからそう思ったのよ!///」

 

神木さんは耳まで真っ赤にしている。

かわええなあ。

俺は、決して杜山さんが好きなわけではなくて

実は……

 

「志摩廉造、今から勝負しなさい!」

 

「えええええ!?」

 

流れに任せて自分の思いを吐き出そうとした刹那、

予想もしなかった提案をされて内心焦った。

 

「あっちの島まで先に泳ぎ着いたほうが勝ち。いいわね?」

 

「なんで、いきなってそないな提案……」

 

「うるさいわね、私はもう行く!」

 

そのまま神木さんは泳いで遠ざかって行ってしまった。

訳は分かれへんが、神木さんに勝ったら言うこと聞いてもらえるのかな…

 

そんなことを考えているうちに、神木さんは結構遠くまで泳いでいってしまっていた。

考えとる場合ではおまへん、早う行かなきゃ。

そう思い、志摩は大急ぎで泳ぎ始めた。

 

神木さんが平泳ぎなのに対し、

志摩はクロールで泳いできたので

差はどんどん縮まっていった。

 

志摩は泳ぎが少々得意だったので、

あっという間に神木さんを追い越して、島へたどり着いてしまった。

 

「ははっ、神木さんに勝った!」

 

「なんでそんなに早いのよ……」

 

少し経ってから、神木さんも島に着いた。

泳ぎに自信のあったらしい神木さんはかなり悔しそうだ。

何はともあれ、俺が勝ったんや。

何かしてもらえるんやろうな……?

 

「神木さん、なにをしてもらえるん……?」

 

「うっ……いいわよ……なんでも言うこと聞くわよ。負けたんだし」

 

キタ。ツンデレ少女が自分に跪く瞬間。

予想以上にクるものがあるな……。

 

「じゃあ、俺の彼女になってください」

 

「え、何言ってんのよふざけな……」

 

「本気なんそやけども」

 

いつものヘラヘラした顔はやめて、真剣な顔で訴える。

俺は、誰よりも一番神木さんが好きなんや。

 

「俺は、神木さんの素直じゃないところや周りのことをきちんと見てるところとか

自分の意思を強く持ってるところとか、全てが好きなんや」

 

「……馬鹿なんであんたから言うのよ……」

 

「へ…………?」

 

「私も好きなのよ!あんたが!それを言おうと思って勝負したのに……」

 

マジで?神木さんが、俺を?

信じられへん。信じられへんけど、今はっきりこの耳で聞いてしもた。

神木さんは俺のことが好き!

 

「マジで……うれし」

 

危うく神木さんの前で泣いてしまうところやった。

嬉し過ぎる。

 

「本当、ばか」

 

そう呟いて、神木さんが近づいてきた。

 

「な、なんや……?」

 

「これから、よろしく」チュッ

 

「…………//////」

 

いきなり、素直になるなんて反則や!!!

俺はこれから先、大丈夫やのでしょうか。

 

愛しさで

心臓が張り裂けそうや。

 

おわり

説明
前回の小説の続きというか、別視点からのお話です。青エクの志摩君と出雲ちゃんの絡みが書きたかった(笑)ツンデレ少女美味しいね!あ、ちなみに志摩君が出雲ちゃんのことなんて呼んでるのか忘れたので、神木さんで統一しました。まちがってたらすいません!
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志摩 出雲 ツンデレ 神木 別視点 小説 

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