二歩後ろ
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あいつは、いつも俺の二歩後ろを歩く。

当然だ。同盟国とはいえ、相手は格下の下の下。

事実上同列のこの同盟。

正式な場ならともかく、廊下を歩く際に大日本帝国如き弱小国がこの大英帝国の隣を歩くなど許されない。

けれど、いつからだろうか。

その距離を、詰めてほしいと願いはじめたのは。

気付かれないように、そっと視線を後ろに流す。

まっすぐに俺を見るその眼に、思わず満足げな笑みが零れた。

「何見てんだ」

足を止めて首ごと振り返ると、大日本帝国はパチパチと目を瞬かせた。

自分の考えを読ませないその眼の強さに、大英帝国は思わず口笛を吹きそうになった。

その所作、言動、プライド。なにをとっても、開国して高々四十年の国だとは思えない。

「別に、見てはおりません。ちょうど、そちらに視線を送った瞬間だったのでは?」

「別にどうでもいいが。おい、大日本帝国」

「なにか?」

「……なんでもない」

いつか。いつかいつかいつか。

「ひきずり落としてやる」

「はい?」

今はまだ、この距離のままで。

……時間だけは、たっぷりあるこの体。

説明
大英帝国→←大日本帝国
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ヘタリア 腐向け 掌編 英日 朝菊 帝国島国 

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