母香炉女学園の謎 MEIKO vs GUMI! #3 マギカント
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<母香炉女学園の謎 MEIKO vs GUMI! #3 マギカント>

 

(母香炉女学園・2日目・放課後・生徒会室)

 

昨日、めぐみが壊してしまったドアはもう直っていた。

 

メイコ:さすが生徒会の力、即日修理だったのね

 

ピー、カチャ

 

今日は生徒会室の鍵はかかっていた。昨日、ルカから貰っていたICカードを使って鍵を開けて、生徒会室に入った。

 

メイコ:昨日の生徒会使用予定表の通り、今日はまだ誰も来てないわね。さーて、ルカさんからの依頼はさっさと終わらせて、本業の調査に時間を使わないと

 

メイコは諜報エリアに進み、デスクトップPCの電源を入れた。

 

PC:パスワードを入力してください

メイコ:昨日説明されていたわね。えっと、“MEIKO”っと

PC:認証しました。母香炉女学園サーバにようこそ

 

メイコ:しかし、こんな簡単にハッキングできるなんて、この学園、不用心過ぎると思うけど・・・・。まぁいいや。えっとルカさんからの依頼は、レオン先生の最近の動向だったわね

 

メイコはさすが探偵と言ったところである。手際よく、レオン先生の個人ファイルを探し当て、中に書かれていた内容を確認した。

 

ファイル:「1日目総括:“勇気めぐみ“とかいう変な生徒が入ってきたが、変なだけで人畜無害と判断。学級委員長になったが通常業務上の連絡だけしていれば、問題無しと思う」

メイコ:まぁ表現はきつい感じだけど、普通の業務日誌ってとこかな・・・・・・あれ? まだ続きがある?

ファイル:「メモ:ツンデレ風だがかわいい感じの亞北ネルと、儚げな感じがそそるスタイル抜群の弱音ハクは、要チェックだ。絶対落とす」

メイコ:・・・・なるほど、生徒会が学校側の弱みを握っているのは合点がいったわ。しかし、生徒会側が権力で押さえつけることには問題があると思っていたけど、ここの学校の先生には、それ以上の問題があるのね。こう考えると、どっちが悪人だか・・・・。まぁいいわ。CD-RWに保存っと。これでルカさんからの依頼は終わったわね。じゃあ、これからは“私”側の仕事をやらせて貰うわ

 

メイコはPCを操作して、生徒会サーバに移動しようとした。

 

PC:パスワードを入力してください

メイコ:共通なのかな? えっと、“MEIKO”っと

PC:認証しました

メイコ:やった!・・・・え? 続きがある?

PC:【CAUTION!!】PHASE1までしか閲覧できません

メイコ:く!! 同胞ともいえる生徒会役員の諜報部員ですら、自分のところのサーバへの進入権利を制限しているとは。何人も信用してない、そういうわけか。まぁいいわ。PHASE1までだと、どの程度の情報が閲覧できるのかしら?

 

PC:生徒会サーバ“PHASE1”へようこそ

 

1)今年度の学級委員長と生徒会役員の名簿

2)今年度の生徒会活動予定

3)生徒会長「巡音ルカ」からの挨拶

 

メイコ:ちっ! 使い物にならないわ! さすがに用心深いか・・・・。困ったな、やたらに“LUKA”とか入れてもたぶん、2重3重のパスワードを求められて、「はい、ご用」、か。困ったな。権利者パスワードまで行かなくても、せめてPHASE2,3位まで閲覧できるパスワードってないのかしら?

 

メイコは困ってしまった。敵陣の懐にいきなり入って調査するのも大胆だが、これしか的確な情報入手方法はないともいえる。

 

メイコ:んーーーーーーーーー、あ! 確かルカさん、“レン子”さんをみて、“キラーン☆”とか眼を光らせていたし、“自由に使ってもいいのよ”とか言っていたな・・・・。まだ彼女らに対しては警戒している感じはなかったし。ちょっと危険だけど、行けるかも!

 

メイコはPCのパスワード入力画面で、こう入力した。

 

“LENKO”

 

PC:第2パスワードを入力してください

 

“BOKUKKO”

 

PC:認証しました。このパスワードでは、PHASE3まで閲覧できます

 

メイコ:ビンゴ!! よし! このCD-RWにPHASE3までの内容を全部保存っと

 

PC:データのディスク保存、受け付けました。CD-RWを挿入してください

 

メイコはCD-RWを挿入し、警戒しながら2,3分待っていた。

 

PC:保存終了。閲覧履歴、ログイン履歴は保存しますか?

 

メイコ:当然消去(ルカさん、レン子さんには信頼を置いているんだな。足跡消去まで許可しているとは)

 

PC:処理、完了しました。ログアウトします

 

メイコ:(ふぅ〜、第2パスワードは直感だったけど、やはり“ボクっ子”だったとは・・・。さて、探偵社のPCで調べるとしますか)

 

メイコはPCの電源を切ると、退室し、ICカードで鍵をかけ、そそくさと下校した。

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(母香炉女学園・2日目・放課後・生徒会室・メイコの退室の数分後)

 

ルカ:さぁ、レン子さん、入って

レン子:あ、あの、ボクに何の用なんですか?

ルカ:生徒会役員の仕事の打ち合わせよ。レン子さんは会計だったわね。専用のPCソフトの操作について、教えておこうと思って

レン子:そうなんですか

 

二人はルカのICカードで入室した。そしてルカは円卓の上のノートPCを起動させた。

 

ルカ:会計ソフトはここに入っているわ。ここのノートPCにはパスワードとかかけてないから、自由に使ってね

レン子:はい

 

程なくしてソフトが起動した。

 

ルカ:じゃあ、椅子に座ってね

 

レン子は椅子に座り、ルカは後ろでかがんでいた。レン子はトラックパッドに手を置いて操作しようとした。

 

ルカ:あ、それはこうね

 

ルカはレン子の手の甲を包むようにして、手をそっとかぶせた。

 

レン子:ちょ・・・・

 

ルカ:操作はこう。

 

スラ〜

 

ルカは手をかぶせたまま、トラックパッドに置いたレン子の指をスライドさせて、ソフトを器用に操作した。そして、ルカはレン子の耳元に息を吹きかけた

 

ふぅ〜

 

レン子:ふぇ・・・・・

 

ルカ:レン子さん、かわいいわね・・・・・

 

プチッ

 

レン子:(イタ! な、なに? たぶん後ろの髪の毛が1本くらい抜けた?)

 

ルカ:はい、冗談はここまで。このソフトの操作はこれが基本よ

レン子:さっきの・・・・冗談なんですか????

ルカ:勿論、冗談よ。ここ女学園だから、こんな感じで迫ってくる先輩とか多いから、これから気をつけてね。特にあなたみたいな“ボクっ子”はターゲットになりやすいから

レン子:は、はあ

ルカ:これから生徒会活動中に、続きの操作を教えて行くから。会計はPCと友達にならなくちゃね。頑張ってね♪

レン子:は、はい!

 

こうして、PCをシャットダウンしたあと、二人は退室した。

 

ルカ:(さて、これで新入生のDNAは揃ったわね。転入生のメイコさんのは・・・いいか、ありゃ。GUMIのは仕事の打ち合わせで貰ってあったし。さて、これからが忙しいわね・・・・・)

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(母香炉女学園・2日目・放課後・生徒会室・ルカ達の退室の数分後)

 

ピーーーー、ガチャ

 

めぐみ:さーて、予定表も確認したし、当分生徒は入ってこないわね。それにあれだけ、“アホの子キャラ”を植え付けて置いたから、当分はノーマークでしょう

 

めぐみは素早く諜報エリアのPCに移動し、PCを立ち上げた。

 

めぐみ:さて、ルカ会長の仕事はさっさと終わらせて、本業に移りますかね

 

めぐみはPCをさらっと操作して、女学園サーバに入ることにした。

 

PC:パスワードを入力してください

めぐみ:昨日説明されたやつね。えっと、“MEGUMI”っと

PC:認証しました。母香炉女学園サーバにようこそ

 

めぐみ:はぁ〜、ここの女学園は、知られたくないことがないか、セキュリティに無頓着か、どれかね。まぁ仕事が楽でいいわ。えーっと、ルカ会長からの依頼は、プリマ先生の最近の動向だったわね

 

めぐみもさすが探偵と言ったところである。ささっと、プリマ先生の個人ファイルにハッキングして、中に書かれていた内容を確認した。

 

ファイル:「1日目総括:“咲音メイコ“とかいう”おばはん生徒“が転入してきたが、見た目相応なのか、静かでまじめなので無問題。学級委員長になってくれたのは助かった。3年次はたいがい”もめる“のだが、すんなり終わってくれた。特に問題無し」

めぐみ:“おばはん生徒”って・・・・。メイコさんも気の毒ね・・・・。まぁ、普通の業務日誌ってとこかな・・・・・・ありゃ??続き??

ファイル:「メモ:1年B組とC組にかわいい双子姉妹が入ってきた。特にC組の“ボクっ子”は好み。担任がうらやましい・・・・。もう目を付けたので、近いうちに誘うつもり」

めぐみ:あちゃー、レン子さんとリンさん、もう狙われているわ・・・。ルカ会長も怪しかったけど、まぁこの女学園もたぶんに漏れず、いろいろあるのね・・・。まぁいいわ。これはCD-RW保存っと

 

PC:保存終了しました

 

めぐみ:この情報だけから判断しても、生徒会長が学校側を怪しむのも頷けるわね。でも、私の仕事は“ここから先の秘密”。さて私のIDではどこまでみられるわけ?

 

カチャカチャ

 

PC:このIDでは女学園サーバのPHASE3までの閲覧に限られます

 

1)各教員の個人日誌

2)学園の歴史

3)女学園運営指針

4)校則

 

めぐみ:ちっ。学園長の個人日誌までは入れないか・・・・。ルカ会長、頼むよ〜。これが大事なんでしょ!? さて、どうしようか・・・・・・さすがに明日ルカ会長にGUMIとして訊くしかないわね。はぁ〜。あー、でも、なんか情報欲しいわね。どっかの教員のでもみておくか

 

めぐみ:うちのレオン・・・・・だめか。国語のローラ・・・・・・特になし。英語のアン・・・・・飴の話を業務日誌に書くなっての。体育のアル・・・・・・健全で面白くないわね。社会のミリアム・・・・・・お! いいのめっけ!

 

ミリアム:うちの学園長はなにを考えているのだろうか? 私たち教員の髪の毛を全員分提出させて、何をしようというのか? 最近、時計塔の方に行くのを目撃した教員がいるらしいが、やはり“マギカント造成”の噂は本当なのだろうか? 社会教師として、あのような歴史に存在しなかったものは認めたくないが、それにしては理科のプリマですら、苦虫をかんだ顔で認めていたのだから、真実みはあるのだろう。魔法と科学、ルーツは錬金術で同じだが・・・。は! もしかして、あの髪の毛から、私たちのコピーでも造成するのだろうか? それがマギカントとかいう名前のバケモノだとしたら・・・。辞職願い、出した方がいいのだろうか・・・

 

めぐみ:・・・・うっわ、こりゃまた、ディープな内容ね〜。“マギカント“だって。えっと、スペルは・・・”Magicant“。なるほど、”Magic・ant“、つまり、”魔法造成人間“ってことか。どっかの映画にあった”レプリカント“(Replicant)とかいうのと似ているのかな。まぁいいや。探偵社で内容を解析してみるか。こっちのCD-RWに保存っと

 

2,3分後

 

PC:保存終了。閲覧履歴、ログイン履歴は保存しますか?

 

めぐみ:ルカ会長直下とはいえ、さすがに消去かな

PC:処理、完了しました。ログアウトします

 

めぐみ:さて、まだこのミリアムとかいう教師のは続きがあったからな。解析しないと

めぐみはPCの電源を切ると、退室し、ICカードで鍵をかけ、そそくさと下校した。

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(放課後・赤井探偵社・MEIKOのデスク)

 

MEIKO:さて、このCD-RWの内容を確認しないとね

 

MEIKOは自分のPCにCD-RWを入れると、調査用のソフトに読み込ませて、内容を確認した。

 

MEIKO:ん〜、この“ルカの部屋“って、いかにもなやつ以外は、全部役に立たないわね。じゃあ、真打ちから行くか

 

MEIKOは“ルカの部屋”というフォルダ内の書類1個を読み込ませて、内容を確認することにした。

 

PC:【新学期1日目 今日の収穫】マギカントの新しいベースDNA候補として、鏡音レン子、リンの新入生二人、転入生の咲音メイコがリストアップされた。有能性と若々しさから考えて、メイコの方はオミットしようとも思っている。百合系で近づいて、髪の毛1本を採取すればいいので、簡単である。今日の会議後、リンの髪の毛は入手した。優しくリードしたら、あっさり落ちてくれたので助かった。一応冗談ということで片づけて置いたが、その気になってしまった時の事も考えておいたほうがいいようだ。明日はレン子を落とす事にしよう。これで数体分のDNAは揃った。後日、各人の趣味などを調査し、“ベースマテリアル”と“宝石”を決定していかなければいけない。これからが大変だ

 

MEIKO:な・・・・・なにこれ・・・・・。これ“生徒会長”の日誌よね。でも書かれている内容は、完全にマッドサイエンティストそのものじゃないの!! えっと、なに、マギカント“Magic・ant”、これは“レプリカント”(Replic・ant)と絡めて直訳すると“魔法造成人間”。なによそれ! ここ女学園でしょ! 理科室でできるレベルじゃないわ!・・・・ということは、どこかに“秘密の研究施設”があるって事か・・・・。なるほど、学園長が調べてくれって、言い出すわけだわ。これじゃ。とりあえず明日は“MEIKO“として執務室のドアをたたくことになりそうね

 

MEIKOは大きな背伸びをした。

 

MEIKO:それにしても、ルカさんの百合チックなところは、この計画のための“作った性格”だったとはね・・・。レン子さんにリンさん、可哀想な気もするな・・・・。あ! そうか! 1年と私以外は、“すでに髪の毛を採取されている”、のか。って事は、全部、美味しく戴いちゃったってわけか・・・・。はぁ〜、高いカリスマ性って、時として凶器よね・・・・。まぁいいや。明日報告する内容は充実している気がするけど、なんか怖いわね・・・

 

こうして夜遅くまで、赤井探偵事務所の窓の明かりはついていたのだった。

 

(続く)

 

CAST

 

咲音メイコ(MEIKO):MEIKO

勇気めぐみ(GUMI):GUMI

 

生徒会長・巡音ルカ:巡音ルカ

生徒会書記・鏡音リン:鏡音リン

生徒会会計・鏡音レン子:鏡音レン

 

プリマ先生:Prima

レオン先生:LEON

ローラ先生:LOLA

アン先生:SWEET・ANN

アル先生:Big・AL

ミリアム先生:MIRIAM

 

学園長:エキストラの方

 

***

 

<学級委員長と生徒のクラス割>

 

学園長:黒井木之子

 

1年A組:委員長・勇気めぐみ、生徒・亞北ネルと弱音ハク、先生・レオン

1年B組:委員長・鏡音リン

1年C組:委員長・鏡音レン子

 

2年A組:委員長・初音ミク、生徒・重音テト

2年B組:

2年C組:

 

3年A組:委員長・工藤カイ子

3年B組:委員長・咲音メイコ、先生・プリマ

3年C組:委員長・神威学子

3年D組:委員長・巡音ルカ

 

<部活動>

 

剣道部:部長・神威学子

軽音楽部:部長・初音ミク、部員・重音テト

アイス同好会:会長・工藤カイ子

説明
○ボーカロイド小説シリーズ第5作目の”母香炉女学園の謎 MEIKO vs GUMI!“シリーズの第3話です。
☆ジュブナイル探偵SFファンタジーモノ(?)です!
○今回はMEIKOさんとGUMIさんのダブル主役です。
○pixivで人気の良かったシリーズです。
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Vocaloid ボカロ小説 MEIKO GUMI 鏡音リン 鏡音レン 巡音ルカ 海外組 

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