真・恋姫†無双〜とある外史の妖術使い〜7
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「詳しい話を始める前に、お互いの能力を参照出来たりしないのかしら」

 

「華琳に強固過ぎるレジスト(魔法耐性)を一時的に解除してもらって、あとはシェア(共有化)すればいいんじゃなかろうか」

 

「やってみましょう。★と風が寝ている間に。しかし、横文字の聞き取りや発音がさっと出来ると気持ち良いわね・・・」

 

「なんか、星の真名の発言に違和感が・・・おまけにいつ許されたの?」

 

「外史(作者)の都合でしょう。四人で交わりあった時、としておけば丁度いいわよ」

 

「メタぇ・・・んじゃ、シェアしてアナライズっと。まずは華琳からな」

 

******

 

名前:曹操(孟徳)

真名:華琳

 

統率:98+3(孟徳新書補正)

武力:75+∞

知力:91

政治:93

 

特殊能力:漆黒の覇気(身体能力大幅上昇、武力補正大幅上昇、魔法無効確率大幅上昇、

 攻撃有効範囲大幅上昇、隷呪の契約の強制力弱体化)

 隷呪の契・・・

 

********

 

「まだ途中までしか読んで無いんだけどさ・・・」

 

「ええ・・・この時点で我ながら、無茶苦茶というかチート振りにも程があると思うわ・・・」

 

「『大幅上昇』の詳細を見るとさ、全部測定不可とか書いてあるんだぜ・・・嘘みたいだろ・・・」

 

「本気でこの『滅』を振るえば、長江を真っ二つに割ったり、虎牢関を砕いてしまえたり・・・なんて」

 

顔を見合わせ、二人で乾いた笑いをこぼす。

そして、再び詳細の項目を見れば、『例:虎牢関の破壊は30%程度の出力で可』と但し書きが追加されていた・・・oh・・・。

 

「長江を真っ二つについては項目が無いわね・・・」

 

「突っ込むのはそこですか、華琳さんや。

ま、たぶん、割った後の露出する地面の広さや、水が元に戻るまでの時間に寄るんじゃない?」

 

「では、赤壁を一時的に騎馬隊が通れる一刻ぐらいに流れを割る・・・とか」

 

「・・・ホントに出たよ。その広さで割るだけなら15〜30%。ただ、その維持には逆に魔力が必要って」

 

「なるほど、むしろ形状維持とかの話になってくるのね」

 

「これは研究が必要だな・・・」

 

「寝てる間にさくっと行ってみましょうか。空飛べば、四半刻もかからないでしょ?」

 

「そうだね。んじゃ行ってみよう」

 

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そんでもって赤壁到着。・・・だが。

 

「早朝って意外に寒いのな・・・ガタガタガタガタ」

 

「ほんとに大丈夫なの? 私にこの天の上着を貸したままで」

 

「ダダダダ大丈夫だ、今から長江蒸発させて、その蒸気で暖を・・・」

 

「目的捨ててどうするのよ・・・ほら、使いなさいな。初期魔法の組み合わせで作ってみたわ」

 

それは麻袋。だが、触るだけで温もりが伝わって───。

 

「これカイロだ! すげー!」

 

「その辺りの小石を人肌より少し熱い程度に熱して、熱状態の継続を念じた術式をかけて・・・麻袋に入れただけ。

ただ、初期の火系統の魔法が使えれば、後は出力と効果時間の調整次第で出来るわ。

以前に、冬場の天の暖の取り方と言って、一刀が教えてくれたものよ」

 

これが公式チートの発想と応用力というのか・・・っ!

ただ、今はこの温もりが、なんとありがたい・・・!

 

「それじゃ肌寒いことだし、さくっと割るわよ。二割程度で行ってみましょうか」

 

万能というだけだって、魔力やら覇気の細かい出力調整も得意分野の我らの覇王様。

素振りでもする感覚で軽く振られた大鎌から放たれた、漆黒の氣刃はいとも鮮やかに、悠々たる大河の流れを断ち切ってみせた。

 

・・・シュールすぎる。試した華琳本人がポカーンとしてるんだから、ほんとにあり得ない光景である。

モーゼの海が割れる逸話を目の前で見せられた感覚?・・・いや、ごめん、うまく例えられない。

 

「はっ! か、一刀! 早く形状記憶の術式を!」

 

「お、おう! シェイプ・メモリー!・・・でいいのかな」

 

形状記憶!・・・って叫ぶのも流石になぁ。とりあえず、断ち切られた水が元の流れに戻ろうとするのを留めるのには成功したようだ。

ひょいっと華琳を抱えて、川底に降りていく俺。素直に身を預けてくれる華琳。

・・・こう素直な一面を不意に見せてくれるんだ、可愛いよなぁ。

 

「少し考えれば、全属性使える私は飛べるのよね」

 

「大技使った直後だし、いいんじゃない?

さすがに魔力は俺の方がたっぷりあるし、星とか風のお陰で風属性は俺も負担少なく、微調整も効き易いし」

 

「二人きりの時に、他の女の話を出すのは無粋よ?・・・まぁ、それも一刀らしいのだけど」

 

「おお、川底って柔らかいんだなぁ」

 

「少し粘着性を持っているのね。田んぼや畑に使えないものかしら」

 

「持ち帰ってゆっくり調べてみる? 多分、そういう魔法もあるだろうし」

 

のんびりそんな内容を話し合う俺達の頭上から、叫び声が聞こえるが、きっと気のせいだ。

華琳だって、『あえて』反応していないし。・・・うん、あえて。

 

「そっ、そこの妖術使いめっ! この孫仲謀が成敗してくれるっ! お、大人しく首を差し出すが良いっ!」

 

・・・・・・。なんでいるんだよ・・・。突き出した剣先も震えてるし。

 

「なんでいるのよ・・・」

 

おお、シンクロした。頭に手を当てる仕草まで同時だったよ。

 

「一隻だけみたいだし、こっそり海戦の訓練とか、そんなとこかなぁ・・・孫権さんだっけ」

 

「確かこの時期だと初陣前よ。だから、明らかに声が震えているし・・・」

 

「どうしよう」

 

「肌寒い事だし、帰りましょ」

 

「そうしよう」

 

華琳は俺の首に腕を回し、俺はそっと華琳の揃えた両足を持ち上げて、さっと先程のお姫様抱っこの態勢に戻る。

うむ、我ながら無駄の無い、滑らかな体捌きである。

 

「ふふ、動作に迷いがなかったわね」

 

「そりゃ、やり易いように華琳が姿勢を変えてくれるしね」

 

さっと飛び立ち、大河の堰止めを解除する。

そのせいで、あの孫呉の姫様の船も流れに飲み込まれかけているようだが、

まぁ、熟練の水夫たちがいるし、何とかするだろう。

 

「甘興覇もいたようだわ。あの殺気、覚えがあるもの」

 

「おー、怖い怖い。出来ればもう会いたくないけど」

 

そんな暢気なことを言いながら、俺達は宿泊先の酒家へと再度ひとっ飛びするのだった。

 

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ちなみに戻りながら、隷呪の契約の項を読み解くと、

契約者たる俺には逆らえないけど、代わりに自分の特性にあった系統の術が使えるようになる、ってものだった。

(華琳はあの覇気である程度相殺出来てしまうというのがおっそろしい)

 

風と星については、以前のアナライズ結果を見せておいた。

風については、備考欄も含めていろいろおかしいことだらけだ、という認識で一致した。

 

検索結果に自分の意志でまるまる干渉できて、メッセージ化出来るって、やっぱり異常だよねぇ・・・。

華琳と違った意味での特殊性なのだろう、きっと。

 

「おっと、兄ちゃん。風の姉ちゃんが起きたみたいだぜ」

 

不思議の一つ、自立意志を持つ宝ャが、俺の胸元から顔を出す。というか、ついてきてたんかい。

 

「宝ャ・・・貴方が話せるのも自分の意志を持つのも色々驚きだけど、風の状態まで判るわけ?」

 

「おぅよ、華琳さま。意志の疎通まで何でもござれだ・・・ガクガクブルブル」

 

「どうした、宝ャ?」

 

なんか痙攣しているようにすら見えるんだが。

 

「嫉妬力が最大限にまで昂ぶった時にオーラ力は肥大化する・・・その余波を、宝ャは感じてしまっているのよ・・・」

 

何深刻な顔してメタの極みの発言してるんですか華琳さまーっ!

え、なに、風も漆黒の覇気みたいなのに目覚めるってことですか!?

 

「あら? 嫌な感じが消えたわね」

 

「『うるさい』っていう星の姉貴の声が直前に聞こえたから・・・もしかすると」

 

「「「手刀か拳骨が入ったんだな(のね)」」」

 

気絶したってことですね。グッジョブ、星。メンマは枕元においてあるからな。

ちょっとピリ辛にしてみたんだ、どうか食べてみてほしい。

 

「着いたら、風を連れて散歩してくるわ・・・」

 

「雛里も連れて行ったらいいわ。その間に城にいる秋蘭とかに一度、連絡や指示などを出してくるから」

 

「うん、判った。ん? 秋蘭、こっち来てるの?」

 

「八つ当たりで汝南、南陽で暴れて制圧してしまったのよ・・・私もまだまだってことね。

あ、潰したのは城と兵士だけだから、民や城下町には支障ないのだけどね」

 

・・・いや、むしろすごいよ、華琳。

たぶん一人でやったんだろうなぁ・・・。もう軍なんかいらなくない?

 

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華琳さまとのデート回でした。

次回は冒頭から嫉妬によるオーラ力を肥大させた風と、

あわわわわわわわわわ・・・状態の雛里んと、

朝の空の散歩と洒落込みます。

 

華琳さまとのいちゃいちゃ書くの楽しいわ〜。

話が全く進まなかったけどな!

説明
隷呪の契約を結んだ、一刀とヒロイン三人組。はてさて、どちらが隷属する立場なのであろうか。
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コメント
華琳様チートすぎワロタ(笑)(迷い猫@翔)
>ノワールさん 超神水があるぐらいだし・・・って、あれそれは俺の別作品だったかwwww(通り(ry の七篠権兵衛)
>jonmanjirouhyouryukiさん 美羽の傍にいた武官勢は今頃治療中でせうwww(通り(ry の七篠権兵衛)
>殴って退場さん なんという誘拐wwwww(通り(ry の七篠権兵衛)
>quarterさん うんうん初陣前だからチカタナイネ! 華琳さまは元々チートだったから多少上乗せ合っても問題なし!www(通り(ry の七篠権兵衛)
>徐越文義さん 華琳さまもいくらチートとはいえ、人の子なので我を失うことだってあるのよ!(よ!(通り(ry の七篠権兵衛)
>アロンアルファさん ただ、一刀と華琳が本気で喧嘩したら大陸無くなる気がするんだwwwwでも二人のことだから、結界張ってから喧嘩するかな・・・やりかねん(通り(ry の七篠権兵衛)
>オレンジぺぺさん へたれぽくて可愛くね?(通り(ry の七篠権兵衛)
最早ドラゴンボールとかの世界ですな、華琳…でも、力を使った当の本人が呆れているのが良いです。(ノワール)
ここで蓮華と出会ったので、お持ち帰りと思ってしまったww(殴って退場)
蓮華様初陣前なら仕方ないなw 華琳様の能力のチート具合がwwww(quarter)
色々とチート過ぎるが、誇り高い彼女の事だ、それを乱用してでの覇道は良しとしないでしょうから、ある意味大丈夫でしょう。マア大半の標的は誰かさんでしょうからwww(アロンアルファ)
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