激走戦隊カーレンジャー 一億総離婚!?その届けにブレーキを!
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「冬は鍋に限るなあ。」

バリバリアンの中では宇宙暴走族ボーゾックのならず者たちが鍋をつついていた。

「ほんと、目の前で火が燃えてるから心の中まであったまるぜ。」

ガイナモに続いてグラッチが言う。

「そうだ、今回の作戦はこれで行くぞ!」

今までバリバリアンの中を覗き込んでいた宇宙の悪の支配者、暴走皇帝エグゾスが声を上げる。

「鍋ぇ?」

「違う、今回はそこにあるそれだ!」

豆腐を指差す。

「ボーゾック一の豆腐屋、GG(ガリガリ)リーニー!お前だ!」

「俺の出番かリーニー!」

「よし!GGリーニーの成功を祝って乾杯!……と、バリッカーに乗って出撃するのに酒はまずいか。」

「何を言っている、そもそもお前たちは暴走族だろう。」

 

「モニターの前のみんなは酒を飲んだ奴に運転させるんじゃないぞ!」

グラッチがカメラ目線で言った。

 

 

一億総離婚!?その届けにブレーキを!

 

 

自動車会社ペガサスでは社員が鍋をつついていた。

「いやー、ボーゾックの奴らも今頃鍋食っとったりしてな。」

「まあ、冬だしな。」

「あっ、お前ら、肉ばっかり取りやがって!」

「まあまあ、社長、落ち着いて。」

「いーや、こいつら、普段からサボってばっかりのくせにこういうときにはいいものばかり取りやがって、許さん!」

 

鍋の中が空になる。

「じゃあお前ら、気をつけて帰るんだぞ。」

「ごちそうになったでございます!」

「ありがとうございましたー!」

 

次の日の朝、ペガサスの社長、天馬総一郎はGGリーニーに遭遇した。

「おはようございます。」

ただの気のいい宇宙人だと思った総一郎は挨拶を返そうと立ち止まったところで光線を浴びる。

「トーフ?トーフ、トーフ?」

瞬間、総一郎の体は四角くて真っ白くて弾力があり、崩れやすい……一口で言えば豆腐になっていた。

 

「社長、まだ来ないのかよ。」

「そういえば変ね。朝礼の時間にはいつも確実に来てるのに……。」

ペガサス社内にサイレンが鳴り響く。

「みんな、ボーゾック……」

ペガサス社内にふよふよと浮かぶ豆腐が入ってきたのはそのときのことだった。

「ヒヤヤッコ!ミソシルユドーフ、アブラアゲ!」

「社長でございますか!?」

「トウニュウヲ、アツメテニツメ、モガミガワ!」

「宇宙人に豆腐にされたんですか!?」

「ヌノニイレ、シボレバデキル、オカラカナ!」

「それで緊急事態だから今日は臨時休業ですか」

 

「ボーゾック発生だっぷ!」

社長が出て行ったところで改めてダップが出てくる。

「激走!アクセルチェンジャー!」

 

「トーフトフトーフトーフフトーフーフ?」

天馬家で呆然とする市太郎のそばで浮かんでいるのは総一郎の妻の良江である。

 

「ふむ、ボーゾックのせいでお母さんが豆腐に……」

「ノキシタデコオラシャデキルシミドーフ!」

「父ちゃんもやられたの!?」

「ヒヤヤッコ!トーフモショーユモダイズカラ!」

「市太郎君のお父さん、いきなり奥さんになんてことを!」

「ミソシルノミソモトーフモダイズナノ!」

「お母さんまで!お2人とも、落ち着いてください!」

「作戦は成功リーニー。」

「お前が2人を豆腐にしたボーゾックか!何が目的でこんなことを!」

「子供は夫婦にとってのかすがいリーニー。でも、豆腐になれば「豆腐にかすがい」の言葉通り、かすがいはかすがいとしての役目を果たさなくなるリーニー。

そうしてやれば夫婦はすぐに離婚する!そうして市役所の窓口も混乱してクレーマーを増やすリーニー!ついでにチーキュはケンカだらけの星になるリーニー!」

「話は聞かせてもらったぜ!」

「カーレンジャー!」

 

「トーフダロ!トーフハトーフダクズレテロ!」

「トーフニモイッスンノムシニモゴブノタマシー!」

「ちょっとした言い争い程度で離婚するですって!?やめなさい、2人とも!

人間も豆腐も宇宙から見れば小さくてもろいところは同じなのに!むしろ本官のほうが白い分、豆腐に近い!

ボーゾック!チーキュの一般市民を豆腐にするぐらいなら本官を豆腐にしろ!」

「シグナルマンはチーキュ人じゃないリーニー。それに、単身赴任だからケンカする奥さんもいないリーニー。」

 

「シグナルマンは二人をなだめててくれ!あのボーゾックは俺たちが倒す!」

 

ケンカに疲れたのか、口をきかなくなる2人。なだめるようにシグナルマンが言う。

「豆腐は煮ても簡単には色がつきません!豆腐の白は永遠の白なんです!豆腐のように、純粋な真っ白い心になって!」

「トーフ……」

「トーフ……」

どちらからともなく、寄り添いあう二人。豆腐の上の角が絡み合う。

 

住宅街で数々の夫婦を豆腐にしながらも、カーレンジャーとGGリーニーの戦いは続く。

そしてついにカーレンジャーの攻撃がGGリーニーを吹き飛ばす。

「ぐわぁっ!このままじゃ勝てないリーニー!こうなったら芋長のイモヨーカンで……って、イモヨーカンと高野豆腐を間違えて持ってきてしまったリーニー!」

「食らいやがれ!ブースターキャノン!」

「あっ、さっき襲ったどこかの会社の社長の家っぽいところのお茶菓子があったリーニー!イモヨーカーン!」

「ちくしょう!あともう少しのところで巨大化しやがって!VRVマシン!」

「本官も出動だ!サイレンダー!」

「おおっ、あれは!白くて四角くて!豆腐そのものだリーニー!」

サイレンダーにかぶりつくGGリーニー。

「硬いリーニー!」

「サイレンバルカン!」

「バルカンの弾ごと豆腐にしてやるリーニー!」

光線を浴びて豆腐にされるサイレンダー。

「いただきますリーニー!」

「シグナルマン!」

「ま、まずいリーニー!気持ち悪いリーニー!」

サイレンダーから離れてくずおれるGGリーニー。

「今だ!ビクトリーツイスター!」

「ロボットを豆腐にすると……オイルのにおいがするリーニー!」

 

絡み合っていた豆腐が、

「元に戻った……」

 

「良江ー!」

「あなたー!」

「どうしても駄目ってならともかく、つまらないことで離婚なんてするもんじゃないよな。」

「うむ、そうだな。一生を共にすると約束するほどだったはずなのだからな。」

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いつもどおり。
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コメント
話の題材はとてもいいと思います、あと地の文章を増やせればもっといいかなと個人的には思いました。(okura)
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