魏エンドアフター罪を背負いながらも…… 四話
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ここは天下一品武道会の会場。

俺達は対戦表を見ていた。

 

「及川、残念だったな……」

 

俺はそう言って及川に手を置く。

及川の相手は思春だ。

及川の顔は全てが終わったかの様な顔だった。

 

「ごしゅ……刃ちゃんは……あらま」

 

そう言って貂蝉は口を手で覆う。

俺の相手は凪だけど……何か不味いのだろうか?

てか、周りの人が俺達を避けるんだけど。

貂蝉のあまりの迫力で避けてるんだよね?

及川はされても良いけど俺が誤解されてる訳じゃないよね?

因みに卑弥呼は敵の正体を調べている。

 

「ちょっと待てや、失礼なこと思わんかったか?」

 

全く……こいつは何を言ってるんだ。

 

「何を言ってるんだ。

俺がそんなこと思ってると思ってるのか?」

 

「思っとらんのか?……確かにそうやな。

わい等は親友や。かず……刃がそんなこと思ってるわけ……」

 

「思ってるに決まってるだろう?」

 

「てめぇ!武器構えろや!」

 

及川が変なのはいつものこと。

そんなことは確認しなくても分かってる筈なのに何で今更そんな聞くんだか……

 

「何でわいが呆れられるんや!おかしいやろうが!」

 

及川が喧しいがいつものことだから放っておく。

全くそんなんだから彼女が出来ないんだ。

 

「何やその『そんなんだから彼女が出来ないんだ』みたいな顔は!」

 

「分かってるじゃないか」

 

「余計なお世話や!」

 

全く本当にうるさい奴だ。

顔だけは良いんだが性格で損をしている奴ってのはこう言う奴を言うんだろうな。

 

「もう、つっこまへん。

刃が『こいつは性格で損をしてる』って顔をしてわいを見てももうつっこまへんぞ」

 

「何だ、詰まらん」

 

「死ねや、このリア充!」

 

つっこまないと言っておきながら喧嘩は売るのか、と言うとまたうるさくなるからやめておく。

ああ、そうそう、こんなことしてないで正史の人達に対戦表がどうなったのかを見せないとな。

こんな感じになったよ。

 

一回戦対戦表

 

第一仕合俺VS凪 

 

第二仕合及川VS思春

 

以下省略

 

以下省略は酷い?

それはこの世界を創ってる神様に言ってよ。

俺は世界を管理してるだけなんだからさ〜(適当)

 

「及川ちゃん、刃ちゃんは誰と喋ってるのかしら?(ヒソヒソ)」

 

「頭イカレたんとちゃう?(ヒソヒソ)」

 

さて、俺のことを愚弄した奴を片づけるかな?

 

「及川、覚悟は良いな?」

 

「何でわいだけ……ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!」

 

及川は天に召されました。(チーン……)

 

「死んでたまるかぁぁぁぁっ!」

 

「黙れ」

 

「ごふぅっ!」

 

及川は天に召されました(チーン……二回目)

 

「だから死んでたま『貂蝉に犯されるのと黙るの、どっちが良い?』……」

 

一瞬で黙ってくれた。

最初からこうしていれば良かったかもしれない。

因みに貂蝉は俺の隣で鼻息を荒くしている。

 

「随分仲が良いのね」

 

俺達がふざけていると華琳が秋蘭と春蘭を引き連れてやってきた。

周りの客は華琳から放たれている覇気に迫力され華琳から離れている。

俺はあまり緊張せずに刃の仮面を被りこう言った。

 

「あまり緊張し過ぎると武を全て発揮できないからな。

緊張を解している」

 

「緊張感がなくなり過ぎても駄目なんじゃないの?」

 

「そうかもな。俺はそろそろ行こう。

一回仕合目だからな」

 

「刃、応援してるで〜」

 

「応援してるわ〜」

 

俺は二人の応援を受けて舞台へと向かった。

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及川side

 

「さてと……曹操はんは何かわいに話があるんやないのか?」

 

一刀の姿が完全に見えなくなった後わいは微笑みながらそう尋ねた。

 

「中々ね、春蘭、秋蘭、この者と話がしたいわ。

ちょっと二人きりにさせて」

 

「華琳様!?」

 

夏候惇が驚いた顔をする。

まぁ、しゃぁないわな。

いきなりそんなこと言われても納得できへんやろ。

 

「大丈夫よ、春蘭、私は一刀に守られてる」

 

「……御意」

 

「分かりました」

 

二人がそう返事をすると貂蝉も離れた。

あいつ、性格と顔と性癖で損をしとるよなぁ……

良い奴なのに……

 

「それで何の話や?」

 

「一刀の事よ」

 

やっぱりかぁ……ここは適当に誤魔化しとくのが吉やな。

 

「どうやって戻したら良いのかまだ分かっとらん。わいの仲間の一人が『そんな解答を聞きたい訳じゃないわ』何やと?」

 

「私はね、何で一刀が刃と名乗っているのか、その理由を聞きたいの」

 

こいつ……気付いてたか。

そんなことを思っていると心を読んだのかこう言われた。

 

「当たり前でしょう?私は一刀の所有者よ」

 

「愛されとんの〜一刀も」

 

「ええ、私が唯一愛した男だもの。

それで、聞かせてくれるのかしら?

一刀が刃と名乗っている理由を」

 

わいは頷いて一刀が刃と名乗った理由を話した。

 

「馬鹿ね」

 

言うと思いました〜

 

「それで、一刀をどうにかする策はあるのかしら?」

 

「ある」

 

「そう、頼むわよ」

 

曹操はんはそう言って夏候惇と夏候淵が居る方に向かって歩いて行った。

さて、わいも武器の準備でもするかの……決勝まで駒を進める為に。

 

「及川ちゃん!かっこよかったわ〜!!」

 

その前にこの化け物をどうにかせぇへんとあかんらしい。

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舞台上

 

 

一刀side

 

 

及川と別れた後俺は舞台上に居る。

因みに司会は地和がしている。

 

『さぁ始まりました!天下一品武道会!

一回戦目第一仕合!魏の警備隊隊長代理!楽文謙!』

 

『『『うわぁぁぁぁぁぁっ!』』』

 

隊長代理?凪が隊長じゃないのか?

 

『文謙はご存知の通り警備隊隊長は北郷一刀しかいないと言って隊長になるのを断った一刀の忠犬です!』

 

忠犬って……嬉しいけどさ……

 

『さてそれに対するは!三国の武将に挑んだ命知らず!刃!』

 

誰が命知らずだ。

ったく……

 

「刃殿、隊長を戻す術は見つかったのでしょうか?」

 

凪はそう言って不安そうな顔をして訪ねてきた。

全くそんなことで……

 

「大丈夫だ、帰って来る。

だから今は気にせず構えろ」

 

「はい!」

 

世話が焼ける部下だな……

 

『では……始め!』

 

ドゴォォォォォッン!

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第三者視点

 

 

仕合を始める銅鑼が鳴った瞬間凪は一気に一刀と距離を詰める。

近距離で決着を着けようとしていると誰もが思うが凪はいきなり止まり気弾を放った。

 

「走ってる最中に気を溜めたか」

 

一刀はそう呟くと刹那に手をかける。

 

「試してみる価値はあるな」

 

一刀がそう呟くと……気弾が真っ二つになって消えた。

 

「な!?」

 

凪は一刀が何をしたのかと一刀を良く見る。

先程と変わっている点は一刀が刹那を抜いているところだけ。

それを見て凪はまさかと思い一刀に尋ねる。

 

「まさか、気弾を斬ったのですか?」

 

「俺も気が使えてな、こんな芸当が出来るとは思わなかったがな。

さて、次は俺から行こう」

 

「!」

 

一刀の言葉に凪は構える。

それを見た一刀は刹那を鞘にしまい凪との距離を一気に詰める。

凪は気を溜めて気弾を放とうとしたが……

 

バタン……

 

凪は倒れた。

 

「安心しろ峰打ちだ」

 

そう言って一刀は刹那を鞘にしまった。

それと同時に

 

『しょ、勝者!刃!」

 

『『『うわぁぁぁぁぁっ!』』』

 

その歓声を受けながら一刀は観客席に戻って行った。

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観客席

 

 

一刀side

 

 

「流石一刀やな〜」

 

観客席に戻った瞬間及川がそう呼んで来た。

俺は及川の頭に拳を落とす。

 

ガンッ!

 

「いったいわぁ〜……何すんねん」

 

「刃と呼べって言っただろうが」

 

俺はそう言いながら席に座る。

そこである違和感に気付く。

 

「あれ?貂蝉は?」

 

そう、あのでかい化け物が居ないんだ。

 

「いきなりわいを襲って来たからちょっと眠ってもらったわ」

 

それならしょうがないな。

死んだらそれで皆のためになるさ。

……主に男の。

 

「じゃぁ、頑張れよ。次は甘寧さんとだから」

 

「はぁ……そうやった」

 

「頑張れよ、及川」

 

「おう、頑張るわ」

 

及川は笑顔で舞台へと向かっていった。

説明
四話目投稿です。
では、始まり〜
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コメント
華琳相手に隠し事はムリだ(VVV計画の被験者)
刃=一刀だということに気づいているとは、華琳怖っ!!(ファイズ)
やはり、華琳に隠し事は出来ませんな。(劉邦柾棟)
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