真恋姫無双 〜蜂蜜姫の未来〜 第4話
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この作品は恋姫無双の二次小説で袁術ルートです。オリ主やオリキャラ、原作キャラの性格改変やオリジナルの展開などもあります。

 

 そういうのが許せない、特定のキャラが好きな方はスルーしてください。

 ※一刀アンチ作品ではありません。

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第4話

 

 大地が美羽に保護されてから1週間ほど経った頃

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七乃視点

 

大地さんにお願いしていた件については、自主的?に部屋に籠って頑張ってもらっています。

大地さんがお嬢さまについたということに関しては喜ばしいことです。なんたって、天の御使いが袁家を選んだということですし♪

そこに関しては不満はありません。

 

でも、ですよ?

 

それは御使いに利用価値がある、あるいはそれを見いだせるかということでもある訳で。何にもできない穀潰しを置いておくほどお人好しじゃありませんからね、私は。

 

まずは天の御使いとしての知識を竹簡にまとめてもらってます。といっても大地さんは読み書きができないので口答で言ったことを信用できる文官に書き写してもらってるだけなんですけど。

 

知識の方は十分合格なんですけど、武の方はまだ調べてないので何とも言えないんですよねぇ。ま、それをこれから解決するんですけど。

 

 そんなこんなで私は八恵ちゃんの部屋へ向かっています。親友の着替えをこっそり……じゃなかった、親友をけしかけに行くんです。大地さんの力がどれほどのものなのか知っておきたいですし、それによって今後あそことどう接するかも決めたいですし。

 

 さてと、多分この時間帯は午後の鍛錬後の着替え中のはずです。

 

「八恵ちゃん、入りますよ〜」

「え?」

 

 お〜、八恵ちゃんのきれいな体の線がくっきりはっきりですね〜。

 眼福眼福♪

 

「七乃?どうしたんですか?」

「これはこれでお嬢さまとは違った魅力が……じゅるり」

「ヒィッ!?」

「なんちゃって、てへっ」

「てへっ、じゃないでしょう……」

 

 ムムッ!?

 

 『((素吐砺素|すとれす))』ってなんでしょう?まぁ、意味は分かりませんけど、私にはまったく関係なさそうなのは確かですね♪

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 ちなみに七乃が色々な言葉を使っている事に関しては漢7不思議を参照のこと。

 

 漢7不思議

 

 1、メンマ馬鹿=メンマへの愛は本物。いつか南蛮大麻竹で作ったメンマを食べるのが夢。

 2、不思議軍師=睡眠学習!頭の搭は受信機か!?

 3、勘女=勘で行動する戦闘狂。軍師泣かせの主君とは。

 4、金髪螺旋馬鹿=馬鹿のくせに生まれ持った幸運のおかげで領地の運営はいい感じ。

 5、不幸少女=不幸をため込む体質を持った不憫な少女。ため込んだ不幸が突然爆発する日があるので要注意!

 6、大将軍之閃=豆知識やいろんな諺、異国の言葉を使いこなす大将軍。好物はお嬢さま。

 7、謎之漢女=正体不明の漢女。その姿を見た者はいない……。

 

 7つ目を見たという証言はありません。一般人はその謎を見た瞬間脳が記憶することを拒絶し、自己防衛本能により前後の記憶を消去することで精神を保ちますから。一部例外もいますけど、ね(脳筋の奴らとか)。

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 八恵ちゃんが落ち着いたところで、私はここに来た本来の目的を告げます。大地さんと手合わせをしてほしいと伝えると、八恵ちゃんは少し渋っちゃってます。

私としてはもっとすんなり事が運ぶと思っていたんですけど、まさかここで躓くとは予想外ですね〜。

 

 なんで?

 

 私がそんな顔をしているように見えたんでしょうか、八恵ちゃんがその理由を説明してくれました。

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 八恵視点

 

 七乃が私の着替え中に部屋に入ってきたことは不問としましょう。

 どうせ分かっていて入ってきたのでしょうし、言うだけ無駄です。

 

 そんなことより、問題は七乃がここに来た理由です。

 最近大地殿は部屋に籠ったまま一向に出てくる気配がありません。そんな方と仕合をしてほしいなどと何を考えているんでしょう?

 

 そもそも私は大地殿と既に戦っているのです。まぁ、あのときは二人だけでしたが。

 

 そして、ふと私が顔を上げると七乃がこちらを不思議そうな目で見ています。これは事情を説明しなければいけませんね。

 

「七乃、実はですね……」

 

回想

 

 皆が真名を交換した二日後

 

 私は朝の鍛錬の為に城の中庭へ出ると木陰に大地殿が座っていました。その姿が妙に気になった私は、大地殿に何をしているのかと尋ねると精神集中の一環だと教えてくれました。

 

 聞けば大地殿には武の心得があるらしく、幼いころから様々な事を仕込まれてきたそうです。

 

 興味があった私は大地殿に一手仕合ってもらいたいと告げると大地殿は快く受けてくれました。私は自分の獲物の三尖槍を、大地殿は木の棍を持ち中庭の真ん中辺りで対峙したんです。

 

 

 静かな中庭に一陣の風が吹く。

 

 瞬間

 

 八恵が槍の穂先を地面すれすれに構え、駆ける。

 

 大地は棍を構え、待ちの姿勢に入る。

 

 自分の槍の間合いに入った瞬間八恵が槍を逆袈裟に振るうと、大地は足を半歩後ろへ下げ致命傷にならないよう体を反らす。そして構えていた棍を水平に突き出し、八恵の喉元を突いてきた。

 

 槍を受け止めると思っていた八恵は予想を裏切られた形になり、振り上げられた槍を無理やり手元に引き寄せながら棍を弾く。八恵はさらに棍を弾いた反動で槍の石突きを胴に突き入れる。

 

 すると、大地はそれを待っていたかのように棍を手放し八恵の懐へ入り、そのまま八恵に背中を向ける形になり、槍を持つ腕を掴むと背負い投げの形に入る。

 

 八恵はとっさの判断で掴まれた腕を振りほどこうとするが、大地は完全に腕を絞めており振りほどけない。

 

 そのまま八恵は背中を地面に強かに打ちつけた……かに思えたが、なんと足で踏ん張っていた。

 

 絵的には相当シュールなものだろう。投げた大地自身も苦笑していた。

 

 女性が両足で地面に踏ん張っているのだ。

 

 この時代に日本の柔道などあるはずもなく、八恵は受け身など取れなかったということもあったのだが……。

 

 

 その後、二人で話をしました。

 

「大地殿は無手なのですか?」

「いや、基本的には武器を使うんだけど相手の虚を突きたいときとか近くに武器が無いときにも戦えるように無手は必須だったんだ。得意なのは剣と弓だな」

「ですが、大地殿の国では戦争は無かったのでしょう?なぜそこまで……」

「大規模な戦争は無かったが、個人を狙った暗殺とか組織ぐるみの犯罪とかはあったからな。俺の家系はそういうトラブルを解決するためにあったのさ」

「妬羅武留?」

「揉め事とか面倒事って意味だ。実際、殺しの依頼なんて年に数回有るか無いかだし、暗殺とかよりは要人警護の方が数が多かったけどな」

 

 

 それからは朝の鍛錬を一緒に行ったりしています。

 

回想アウト

 

 

 大地殿はこの時代で言う間諜の様なものなのでしょう。ですが、大地殿自身はまだ見習いだったらしく実戦経験は無いということでした。

 

 私としては、大地殿を早いうちに戦場の空気に慣れさせるべきだと思います。何故かというと、今の袁術軍には一線級の武将の数は多くありません。今は私が武官筆頭として調練などを見ていますが、兵の質を上げるにはあと数人は武将が欲しいのです。

 最近は雷薄や楽就といった者たちが頑張ってくれていますが、やはり将としてはまだまだ心許ない。七乃はどちらかというと文官よりですし、軍師も欲しいですね。

 

 と、言い出せばきりがないのでここまでにしておきましょう。さしあたっての問題は大地殿の実践の機会と部隊編成、軍師の確保といったところでしょうか。

 

 

 色々ありましたが

 

「と、いうことで七乃。私は負けたんです。あの方はまだ本気を出してはいなかったようですが」

「そうなんですかぁ。まぁ、八恵ちゃんが負けたんなら腕は確かなんでしょうね。あとは文字が読み書きできるようになってからってとこですか」

「まさか大地殿の国とこの国の文字が違うとは思いませんでしたね」

「まぁ、ありえないことではないですけど。逆に私たちが大地さんの国に行ったときはあの人に教えてもらうことになるんじゃないですか?」

「…………それですよ!大地殿が使っていた文字を使えば暗号として使えるんじゃないの!?」

 

 『名案でしょう!』と豪語する八恵に七乃は一瞬きょとんとしたが、すぐに満面の笑みで一言。

 

「それならもう取り掛かってもらってますよ?」

「はい?」

「だから暗号文の製作なら5日前から始めてもらってるって言ってるんです。言ってませんでしたっけ?」

「言ってないでしょう!」

「じゃあ今言いました。聞きましたよね?」

「そういうことを言ってるんじゃありません!それで、そのことを美羽様には?」

「言う必要あるんですか?」

「それは……ないかも」

「ですよねぇ」

 

 七乃の話では大地殿にこちらの読み書きを教えるのと並行して、片仮名という文字の表を作ってもらっているらしい。それ自体は出来上がっているらしいのだが、それを実用化するために必要な人材の選定が難航しているとのことだった。

 

 それだけ言うと七乃は用は済んだとばかりに部屋を出て行く。

 

「まったく。やりたい放題ですか……」

 

 部屋で八恵は静かにため息をついた。

 

視点アウト

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 その頃大地は日課の勉強に勤しんでいた。もともと歴史(日本の戦国時代)が好きだった大地は、三国志も流し読み程度ではあったが読んだことがあった。内容はあまり覚えていないが、有名どころの武将や軍師などは某無双ゲームと併用して覚えていた。

 

 今は戦力になりそうな人材のリストを製作している。ちなみに、今日までに大地が行ってきたことをまとめると最低限の読み書き、農業についての改善案、暗号文の作成、人材リスト、街の区画整理案、と馬車馬の如く七乃に扱き使われていた。

 

 文字については漢字ということもあり分かるものもあったが、送り仮名が無いため文章にされると途端に読めなくなってしまうということが露呈した。

 

 読み書きについては継続中だが、教えてくれている者が言うには飲み込みも早くこのまま順調にいけば一月もあれば大体はできるようになるとのことだった。

 

 七乃の方にも報告がはいっているのか、時折大地の部屋に訪れる事がある。大抵は他愛ない話が多いのだが、今日に限っては違っていた。

 

「大地さん、実はやってほしい事があるんですけど聞いてくれます?」

「聞いたら問答無用でやらされて、聞かなかったら社会的に抹殺されるんだろ?」

「分かってるならいちいち突っかからないでくださいよ。私だって暇じゃないんですから」

「美羽の寝顔、泣き顔、笑顔その他諸々を見る時間の事を言ってるなら、問答無用で頭にたんこぶを作ってやるぞ?」

「暴力はんたーい」

「お前のせいで毎度毎度美羽が俺の所に駆け込んできて、作業が全く進まないんだよ。分かっててやってんだろ」

「そんなこと言って結局お嬢さまの相手をしてあげてるあたり、優しいですよね〜」

「話をすり替えるな。で、今度はどんな面倒事だ?」

 

 大地の周りの空気が一変する。幸い今は昼時だったため、大地の手伝いと勉強を見ている者は食堂へ行っていた。対する七乃はどこ吹く風と受け流しているが。

 

 七乃が雑談の為に来たのではないことぐらい分かっていたし、最近城内が慌ただしくなってきている事を薄々感じている。何かビッグイベントでも控えているんだろう。

 

「簡潔にいうと盗賊の根城を潰します。なので、大地さんにも働いてもらおうかと思いまして」

「そこが俺の初陣って訳か」

「じゃ、そういうことなので私はもう行きますね〜」

 

 部屋を出ていこうとする七乃を大地は強引に引き止め耳元で何事か囁いた。

 

「…が……ときは………ほしい」

 

 その言葉を聞いた七乃は大地の顔を訝しげに見つめる。

 

「どういう意味でしょう?」

「そのままの意味だけど?」

「ふ〜ん。まぁ、悪い気はしませんね♪」

 

 それだけ言うと、七乃は大地の腕を振りほどき部屋を出ていった。

 

「結構本気なんだけどな……」

 

 果たして大地が七乃にささやいた言葉とは一体……。

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あとがき

 

いやぁ、出ませんでした。たったこれだけの文章なのにこんなに悩むことになるとは。

悩んでこの程度かと言われると痛いところですけど

 

大地は一体七乃に何を囁いたのか!?

 

モチベーションが上がるので何かしらの感想があればいいなと思っている今日この頃だったりして……。

 

それではしつれいします

説明
えぇ〜い!?難産とはこのことか!?

それではどうぞ。
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真恋姫無双 真恋姫†無双 袁術√ 蜂蜜姫 七乃 

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