いつか見た夕焼け |
いつか見た鮮やかな夕焼け
無邪気に綺麗だと騒ぐ後輩を
ただ、漠然と見つめていた
いつになく美しいはずの鮮やかな夕焼け
それに、何も感じない自分自身の歪みっぷりに
笑いがこみ上げた
綺麗なものを綺麗だと思えない
今以上に歪んでいたあの頃
綺麗なものなど
すぐ消える
美しい花がどんどん朽ちていく様を見て
所詮、物も心も何もかも
いつかは腐るものだと
腐らないものなど存在しないと
嘲笑っていた
そして
そんな醜く歪んだ世界を嘲笑っている自分が一番醜い現実に
やはり、嘲笑っていた
今も、歪んでいる心
それでも、今は
朽ちていく花を見て
いつかは朽ちるから、美しいのかと
思うようになった
刹那的だからこそ、美しい
不変でないからこそ、貴重
いつか見た鮮やかな夕焼け
今なら、綺麗だと感じることが出来るだろうか
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