『第3回同人恋姫祭り』 魏√アフター 一刀のいたクリスマス:アフター
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頭痛が痛い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

馬鹿なことをいってるのはわかっているのだけどそれほど私は混乱している。

とりあえず頭を冷やすために状況を整理しましょう。

 

いまだ外は薄暗い。

 

ここは私の寝室。先ほどまでクリスマスの準備の疲れかぐっすり寝ていた。

 

 

その寝室の床には真っ赤な服を着て倒れている男(?)。

 

 

傍には白く、大きな包み。

 

 

そして私の手には血(?)がついた絶。

 

 

はて、こんな状況を以前にも体験したような。いや想像だったかしら。

つまり私はクリスマス前日に侵入してきたやからを無意識で斬り捨てたわけね。

それにしても私の寝室に侵入者を許してしまうしなんて、まったく警備は何をやっているのかしら。

クリスマスの準備で疲れていて意識的に気づけなかった私がいうのも滑稽でしょうけど。

 

とりあえずこのド派手な侵入者の顔を拝んでやろうと近づく。

輪郭がはっきりしてくるにつれて、なぜかドキドキと胸が高鳴る。

鏡がないからわからないが、もしかしたら顔が真っ赤になっているかもしれない。

 

どういうことかしら。

期待と不安が入り混じったこの感情が理解できずに戸惑う。

ただわかるのは侵入者を見れば決着がつくってこと。

 

意を決して私は近づき。

 

突然起き上がった彼に寝台に押し倒された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、こつ然と私の前から消え去ったあなたがなぜそんな恰好でここにいるのかしら?」

 

「いやぁあの時は本当に申し訳ないというか、刃、刃が当たってる当たってる!」

 

「当ててるのよ!」

床に正座した一刀の首に絶を押し当てたまま思わずキレた。

一瞬桃香やら愛紗やらになぜか殺意が芽生えたがひとまず置いておきましょう。

それよりもまずは目の前のこの馬鹿をどうにかしなければならない。

 

一般的に言えばこの再会は感動的になるはずだと正直思う。

 

運命によって分かたれた二人。

けれどもその運命を跳ね返し、再度舞い降りる一刀。

私は誰よりも速く駆けより、一刀に抱きつく。

そして「お帰りさない」と声をかけ、唇を押し付ける。

 

ちょっとぐらい夢を見たっていいじゃない。(三国統一後、ある一派によって多少洗脳されています)

なのになぜ、なぜこんな漫才のような再会を果たさねばならないのか!!

 

無意識にだが愛しき人を侵入者と間違えた上に、殴り気絶させる。

 

お帰りなさいと言おうと思ったら、なにを間違えたのか手で口を塞がれ押し倒される。

 

そして驚き、反射的に一刀の鳩尾に膝をいれてしまい一刀悶絶。

 

落ち着いたところでついつい正座させて今に至る。

 

ちなみに人を呼ばなかったのは明日はクリスマスだし、その準備で皆疲れているためゆっくり眠らせて

あげましょうという建前で、本音は一刀と二人っきりになりたいからである。

 

 

「ところでなんで俺蹴られたの?」

 

「・・・正当防衛よ。むしろどうして押し倒して来たりしたのよ」

だっていきなり口を塞がれ押し倒されたんですもの。武人として反射的に反撃してしまった。

 

 

「目が覚めて華琳の顔がみえちゃってさ。今度は目を覚ましてるみたいだったし。

もし叫ばれでもしたら俺、春蘭に斬り殺されてもおかしくないと思ったからさ

咄嗟に体が動いちゃったんだよなぁ…」

そんな浮気がばれた言い訳をするような情けない顔で平謝りする一刀を見て、

 

「入ってきたのが一刀だと解ってたらそんなことしなかったわよ」

ついついそんなことをぼそっと呟いてしまう。けれども

 

「ん?今なんて言った?」

 

「なんでもないわよ、この馬鹿」

相変わらず大事なところは聞き逃すんだから。

 

 

「色々聞きたいこともあるし、とりあえず初めから説明しなさい」

そうそこが本題。

あの時消えたはずの一刀がなぜ再びこちらにこれたのか。

 

「うーん消えた理由は役目を終えたから・・・かな。平和をもたらす天の御使いとしてね。

ここに再び来れたのは華琳がいい子にしてたからかな」

 

「子ども扱いしないでちょうだいっ」

そんな言い方についついムッと答える。

一刀は私の様子を気にした風もなくニコニコと話を続けた。

 

「このやり取りは前にもあったなぁ。

ま、華琳のおかげっていうのは間違いないかな。

クリスマスを天の御使いの日って広めたの華琳たちだろ?

だからやってこれたってわけさ」

 

そう私たちはクリスマスを『天の御使いの日』としたのだ。

消え去った御使いが再び現れてくれるように願いを込めて。

 

魏には一刀が消えて喜んだ人は誰もいなかった。

誰もが消えた一刀を想い、悲しんだ。

 

しばらくしてこんな噂が流れ出した。。

天が私たちの願いを聞き、乱世を鎮静するために北郷一刀を遣わした。

そしてその役目を終えて帰っていった。

ではもう一度天に願えばいいのではないか。

平和な世をともに歩んでくれる天の御使いを。

 

「そういった一人一人の願いが積み重なって、もう一度こっちに来れることになったのさ。

ま、色々大変な目にもあったけどようやく帰ってこれたよ。

 

 

ただいま、華琳。今度はずっとそばにいるよ」

 

 

あの時と変わらない笑顔。

そして何より一刀が、帰ってきたと、ただいまと言ってくれたことが嬉しい。

それはこちらを自分のいる場所と思ってくれているのだから。

 

「ええ、お帰りなさい一刀。私たちはあなたを待っていたわ。

そしてずっと私の傍にいなさい」

 

笑顔と共に一刀の胸の中に飛び込んでゆく。

 

久々に感じる一刀の温もりに酔いしれた。

 

 

 

 

 

 

「あーサンタのお兄さんなのだぁ!」

 

夜が明け、二人そろって通路を歩いている途中、騒がしくも元気な声が響き渡る。

遠くから鈴々が満面の笑みを浮かべて駆け寄ってきた。その後ろには桃香と愛紗も見える。

そして隣の一刀から「あ、しまっ」といって逃げ出そうとしたためとりあえず足を引っ掛け

転ばせておいた。

 

「んにゃ?何をやっているのだ?」

 

「気にしなくていいわ。鈴々、それよりサンタのお兄さんっていうのはどういうことかしら?」

 

一刀は今度は鈴々に向けて何やら合図を送っているようだ。

でも残念ならが鈴々には通じなかったみたいね。

 

「昨日の夜、そこのサンタのお兄さんが鈴々の部屋に来て、お菓子をたーくさん置いていってくれたのだ」

にししっと笑いながら少し頬を染めて答える。

その様子を見て、きっとそれ以外のこともあったんだと確信する。

 

「鈴々、急にどうしたのだ」

 

「そうだよ鈴々ちゃん、って、あ、華琳さんと昨日のサンタのお兄さん!」

 

今度は桃香と愛紗が小走りで駆け寄ってきた。

そして一刀を見つけた瞬間、桃香の顔に赤みがさし、笑顔が輝いた。

一刀の手を握り、ぶんぶん振り回す。

 

「あ〜、もう会えないと思ってたから。また会えて嬉しいです。サンタのお兄さん」

 

そんな様子を見て、私と愛紗はしかめっ面になる。

 

「一刀、説明しなさい」「桃香様、この方はどなたでしょうか」

 

いままで笑顔で無言を貫いていた一刀に視線が集まる。

 

「えーと、とりあえず着替えだけさせてもらえないでしょうか・・・?」

 

魔化そうとする一刀に蹴りを入れておいた。

 

 

 

 

 

 

 

「つまりおにーさんは桃香様の寝室にも忍び込んでいたわけですね〜」

 

いつの間にかいた風ののんびりとした声が食堂に響き渡る。

改めてそのことを認識した桃香は顔をさらに真っ赤にし、愛紗の瞳は鋭さを増す。

その様子を見た鈴々ははにゃ?とよくわからない顔をし、風は寝た。

 

 

「いやぁそれもこっちにくる条件だったからさ。桃香たち蜀の人たちにもプレゼントを、とね。

武将の人たちはたぶん気づかれちゃうだろうから、そのほかの人たちのところは俺が配りました」

 

「では、朝起きた時にあった髪留めは?」

一刀を睨みながら愛紗が訪ねる。

 

「それは貂蝉・・・俺をこっちに連れてきてくれた人かな」

 

「じゃぁ鈴々は?」

 

「桃香と一緒に寝てるなんて思ってもみなかったから仕方なかったんだ」

 

「おにーさんは真名まで交換してるほど親密になってしまったんですねぇ。

さすが魏の種馬と呼ばれていたことはありますね〜。消えた後でも腕は衰えていないという訳ですか」

風の毒舌が冴えわたる。

いつもとろんとした風の瞳も珍しく鋭さがあり、不機嫌を隠すこともしない。

 

「起こすつもりはなかった!実際何人か起こしちゃったけどわざとじゃないんだ!」

 

「ふうん、他に誰を起こしてしまったのかしら?」

 

「朱里と雛里と月と詠と恋と音々と・・・あ」

やっちまったーという顔をする一刀の失言を即座に風が拾う。

 

「この馬鹿野郎。結局受け持った奴全員おこしてんじゃねぇか」

 

「しかもやっぱり真名まで受け取ってますね〜。これは何かしら罰を与えないと・・・」

 

そうとんとん拍子で話が進む中、おずおずと桃香が手を上げる。

 

「えっと華琳さん。できればお兄さんに酷いことをしないでくれるとうれしいかなーなんて・・・」

 

「桃香、これは私たちのことよ。口を挟まないでちょうだい」

そういって桃香を睨み付けたとき、不意に違和感が芽生える。

 

「あう・・・」

そういって胸に両手をあてて落ち込む桃香を見てその違和感に気づく。

 

「桃香、その手に握りしめた首飾り・・・。昨日まではつけてなかったわよね」

 

「はい。サンタのお兄さんにもらったんです。似合ってますか?」

大事そうに手を放し、私たちによく見えるように胸をそらす。ちょっと忌々しい。

まったく、風の言うとおり種馬ね。本気で手を出す前に去勢させるべきかしら。

 

ただピンクの花びらをモチーフとした首飾りは、ふんわりとした桃香によく似合っていた。

 

「風は何をもらったの?」

ついつい気になってそんなことを聞いてみる。

 

「風はですねぇ、ストールという物をもらいましたよ。軽くてとても暖かいんですよ。

華琳様は・・・昨夜はお楽しみでしたね?」

 

その一言で私と一刀の顔が真っ赤になる。

完全にしてやられた。

平然としようとするも、一度染まった赤はなかなか抜けることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「華琳様、こちらにいらしたんですか」

秋蘭が急ぎ足てやってくる。

 

「少しご報告したいことがありまして、大丈夫でしょうか」

 

「ええ、助かったわ秋蘭。で、その報告とは?」

 

「ええ、呉のほうで少し騒ぎが起きていまして。なんでも黄蓋殿の亡霊がでたとか化物が現れたとか」

秋蘭も詳しくは把握していない様子だった。

しかし意外?なところからその答えが返ってきた。

 

「あ、それ本人だから。化物は・・・うん一応知り合いなのかなぁ」

一刀の発言にこの場の人間は声を失う。

 

「北郷、それはどういうことだ?」

いち早く復活した秋蘭が訪ねる。

 

「これもクリスマスプレゼントの一環・・・というか。

実は祭さんを助けた人がいてね、ようやくよくなったから連れてきたんだ。

きっと呉の人たちには1番のプレゼントだと思ってさ」

と明るく言い放つ。

 

「ずっと心残りだったけど、うん、生きててよかったよ」

最後に安堵と共にそう付け加えた。

 

「なら問題はないでしょう。パーティは夕方からだからそれまで感動の再会を味あわせてあげましょう」

 

「はい。我々は準備に取り掛かりましょう」

 

「そうゆうことでここらでお暇するわね。夕方までゆっくりしてらっしゃい」

右手で手を振り、左手で一刀の首根っこをつかむ。

 

「い、いってらっしゃ〜い」

桃香たちは何か言いたげだったが、ギロリと睨むとひきつった笑顔で送り出してくれた。

 

 

 

 

 

「そういえばあなたたちは一刀を見て驚かないのね」

ふと疑問を口に出す。本来ならもみくちゃにされてもおかしくないと思うが。

 

「ええ、昨晩すでにあっていますから」

そういって何かを取り出す。

 

「ピアス、という物だそうです。まったく深夜に贈り物とは迷惑な」

蒼い宝石が秋蘭の髪とよく似合う、まさにあつらえたような装飾だった。

 

「まぁ様式美だから」

 

「いやはやまったく驚かせてくれたな北郷。私が止めなければ姉者に叩き斬られていただろう。

まぁ怒り泣きという絶妙な表情の姉者も可愛かったが」

 

「そうですよ。風も夢じゃないかと思っておもわず眠っちゃったじゃないですかー。

ストールも渡したら渡したですぐに次にいっちゃいますし」

 

秋蘭と風が一刀を非難する。

そういう私も1番に会いに来てくれなかったことをに少し胸が痛む。

 

「ま、でも華琳様を最優先にしたことは評価しよう」

 

「そですねー。風たちをほっぽりだして華琳様を選んだんですからねー」

 

「それはどういうことかしら?」

そういいつつ頭にはある想像がよぎる。

期待感で胸が熱くなっていく。

 

「えーと、そこらへんはいわないでって約束を」

 

「秋蘭いいなさい。これは命令よ」

 

「という訳だ北郷。華琳様の命令には逆らえんのでな」

 

裏切り者ーと非難する一刀をしり目に先を促す。

 

「『寂しがり屋な女の子が待ってるから』でした。

さすがにそれを聞いて北郷を引き留めるほど我々は野暮ではありません」

 

それを聞いた瞬間足が止まり、ボッと顔に火がついたように赤くなる。

一刀も顔を真っ赤にして俯く。

 

「おい、てめぇららぶらぶしてないでさっさと動きやがれ」

 

「宝ャ、野暮なことは言いっこなしですよー」

 

風のやり取りを聞き、ようやく冷静さを取り戻す。

 

「一刀、あなたもクリスマスの準備を手伝いなさい。もうそれほど時間はないわよ」

 

「ああ、華琳たちがどんなクリスマスパーティを開くか期待してるぜ」

 

そういって一刀の手を強く握り、引っ張ってゆく。

 

その存在を確かめ、もう二度と消えない様に。

 

 

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あとがき

 

クリスマス?

うん、ローソンで半額のケーキ買ってきてホールで一人で食べました

 

ここまで読んでいただきありがとうございます

こういった祭りに初参加なのでとても楽しませていただきました

 

顔を真っ赤にするっていう表現使いすぎ!

なんというぽきゃぶラリーの少なさ、ちょっと泣いてきます

 

一応未説明の部分があるので補足

 

クリスマスとクリスマスイブがなんかごっちゃになっていますがキニシナイ方向で

24日は恋人と 25日は家族と過ごす っていう認識であってますよね?

24日を過ごしていないのでそこらへんよくわかりません!でした

 

一刀は魏のメンツ&蜀の文官にプレゼントを配りに行っています

鈴々、恋はたまたま桃香、音々と一緒に寝ていたため気づかれた><わけです

他の蜀のメンツは貂蝉が届けに行っています

呉は卑弥呼と医者王が祭を届けにw

 

自分の解釈になるんですが管路の占いがもとになって民が天の御使いを望むようになり

一刀が召還された、そして役目を終えたため消えた

なのでクリスマスをきっかけ?儀式?にして戦乱の時のように大勢の民が望めば

再度一刀が召還されるのではないか というきっかけでこの作品を作りました

 

流星ではなく、サンタとしてきたのは前回の一刀と華琳のサンタの話を誰かが聞き

サンタ=天の御使いとしてふんわりと噂を流したため と思っていただければ

詰めが甘いところもあるかもしれませんがこれもありかなと思っていただければ幸いです

 

実はもう一つの案で、貂蝉と卑弥呼がトナカイの角を装備してサンタ扮する一刀を乗せたそりを引くというコメディを考えていたんですが、うまくいかなかったので破棄しました

 

たぶんどこかでイラスト化されてるかもしれないですね 誰でも思いつきそうですし

 

他なにか疑問点、文法等の間違い、感想があればどしどしコメントお願いします

拙い分ですが ありがとうございました

それではまた機会があればお会いしましょう それでわ〜

説明
こんばんわ 投稿時間は25日の25時です
なんて変な言い訳しつつ問題あったら削除します orz

前作、「一刀がいたクリスマス」の続き?です
読んでない方はまずそちらからお願いします

時間なくてかなり粗があると思います
申し訳ありませんがそこだけ了承を
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コメント
ハッピーエンドで結果オーライです!覇王様と魏の皆様には最高のプレゼントでしたね・・・何か余計なおまけがついていますが・・・。(mokiti1976-2010)
無問題なのでご安心をw 華琳様と我らが種馬殿に幸あれ(甘露)
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第三回恋姫同人祭り 恋姫†無双 ckf003 魏√アフター 

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