加奈子の・・・その2
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『もしもし……』

「あ、マネージャー? 久しぶり♪ あたしのこと覚えてる?」

『あ? 誰だ?』

「マジかよ。世界一可愛い加奈子様だよ」

 あたしだってマネージャーのことを覚えてたってのに、マネージャーはあたしのこと

を忘れてたっていうのかよ。

『あぁ。加奈子かよ。で一体、何の用だ?』

「あー、その何て言うか……マネージャー暇?」

『別に暇じゃ……つーか俺はもうマネージャーじゃないぞ』

「そんな細かいこと気にすんなよ。それより暇なんだろ?」

 暇じゃなくてもあたしが暇って言ってるんだから、暇になれよ。

『いや、だから暇じゃないって……』

「今度の日曜、公園で待ってるから来いよな!」

『お、おい。待て――』

 マネージャーの言葉を無視して電話を切る。これで今度の日曜にマネージャーに会う

ことが出来る。マネージャーに我儘を言う事が出来る。

「ふひ、ふへへ……♪」

 携帯の画面を見ながら顔をニヤつかせる。

 あぁ、早くマネージャーに会いたい。

 

「〜♪ ふふ〜ん♪」

 公園でマネージャーを待ちながら、鏡を見て髪を整える。

 せっかく会うのなら可愛い加奈子ちゃんを見せてやらないといけないからね。

「――よっ、加奈子久しぶりだな」

「あっ、マネージャー! 久しぶりじゃんか!」

「おーおー、ほんと久しぶりだな」

 わしゃわしゃと、あたしの頭を撫でるマネージャー。妙にくすぐったい感触。

その感触があたしを襲う。

「急に呼び出して何の用なんだ?」

「用ってほどじゃないけど……つーか、用がないと呼んじゃいけないのかよ?」

「そういうわけじゃないが、普通は何か用があって呼ぶだろ。何もないのなら帰るぞ」

 来て早々、帰ろうとするマネージャー。ちょっ、そんなすぐに帰ろうとしなくても

いいじゃん。それに用ならちゃんとあるんだかんね。

「よ、用ならあるってば」

 あたしの相手をするっていう重要な用事が。

「……どんな用なんだ?」

「マネージャーには特別に加奈子様と遊ぶ権利をあげよう」

「……は?」

「だから〜加奈子と特別に遊ばせてやるって言ってんの」

 嬉しいだろ? あたしと遊べるだなんて、なかなか出来るもんじゃないんだぞ。

 それにマネージャーあ地味で女にモテなさそうだもんな、ピチピチの若い女の子と

遊べるだなんて、幸せ以外の何物でもないだろ?

「……いや、いらねぇけど」

「はぃ……?」

 今このアホ、マネージャーは何て言ったんだ? あたしと遊びたくないって言った?

「悪ぃ。よく聞き取れなかったから、もう一回言って」

 きっと今のはあたしの聞き間違いだろう。コイツがあたしと遊びたくないだなんて

言うはずがないもんね。

 だって、コイツは……マネージャーは――

 

「ちょっ、おま――何で泣きそうな顔になってんだよ!?」

「な、泣きそうな顔になんかなってねーし! それよりも加奈子と遊んでくれないのかよ?」

 マネージャーなら断るだなんてことしないよな? あたしと遊んでくれるよな?

「うぐ……っ、そんな顔で見るなって」

「マネージャー……」

 マネージャーならあたしの我儘を聞いてくれるよな? あんただけはあたしの我儘を。

「……わ、分かったよ。遊べばいいんだろ?」

「――遊んでくれんのか!?」

「ああ。遊んでやるよ……」

「マネージャー♪」

「どわっ!? 急に飛びついてくるなよ」

「わ、悪ぃ」

 だって遊んでくれるって言ってくれたのが嬉しいんだもん。また、あたしの我儘に

付き合ってくれるのが嬉しかったんだもん。

「ほんと、お前は落ち着きの無いやつだな」

「それが加奈子様の持ち味だかんね」

 明るく元気な女の子。それが来栖加奈子様でしょ。

「まったくお前は……それで、何をして遊ぶんだ?」

「え……? そ、それは――」

「まさかとは思うが、何も考えてないとかないよな?」

「そ、そんなわけないじゃんか」

「ほんとか……?」

 マネージャーが物凄く訝しげな目であたしを見る。

 うぅ……会うことばかり考えてて何をするかなんて全然考えてなかった。

 何か。何かを考えないと――

「おい、加奈子」

「え、えっとね――」

 マネージャーと何をして遊ぶか。それは……

説明
話し方がががが・・・そして質の悪い引きで申し訳ないっす。
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俺の妹がこんなに可愛いわけがない 来栖加奈子 高坂京介 

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