恋姫外史アナザー・とりあえず一刀第三十三話
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「何羨ましい事やってんだ!」

 

「爆発しろ!」

 

一刀へ観客から非難の声が相次いでいる。

 

「え〜・・・試合が終わっても鳴り止まない一刀への非難はさておき、今回の試合に対して華琳様、一言」

 

「・・・死ねばいいのに」

 

ぼそっと桂花ばりの毒舌を吐く華琳。

 

どうやら華琳もご立腹のようだ。

 

「あ、あはは・・・」

 

冷や汗を浮かべる地和。

 

「貴方はそう思わなかったの?」

 

「え?・・・まあ、少し・・・」

 

正直、まあ一刀だしなあと諦めていた地和だった。

 

「と、とにかく!次が一回戦の最終戦となります!第七試合!袁家の二枚看板と、突如乱入してきた仮面の二人です!」

 

気を取り直して地和が実況に戻る。

 

「選手は中央へ!」

 

審判の声に応え、四人は中央へ集まる。

 

「誰だかしらねえが、勝つのはアタイたちだ!」

 

「ふっふ〜ん!それはどうかな〜〜?」

 

「にゃー!」

 

「・・・文ちゃん」

 

斗詩は思わずため息をついた。

 

「華琳様?」

 

「何かしら?」

 

「あの仮面の二人って、どう見ても・・・」

 

「いいたい事は分かるわ。でも、あえて言わないでおいてあげましょう」

 

「そうですね・・・」

 

大人な対応の実況と解説。

 

そんな訳で、

 

「試合・・・開始!!」

 

一回戦最後の試合が始まった。

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

 

 

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「いやー、白熱の試合でしたね!華琳様!」

 

「そうね、まさか袁家の二人があんな合体技を編み出していただなんて・・・」

 

「範馬減瑠(ハンマーヘルと読む)でしたっけ?闘場が凄い凹みましたよね?」

 

「ええ、今も闘場の修理が続いているしね・・・」

 

華琳が視線を向けた先には、大会の委員たちが所狭しと動き回り、闘場を修理していた。

 

「でも、あの仮面の二人も色々な意味で凄かったですよね?」

 

「全くだわ。二人共好き勝手に戦っているようにしか見えないのに、お互いが全く邪魔になっていないかったのだから」

 

「それに、あの合体技!」

 

「猫仮面が自分の武器に犬仮面を乗せて、猪々子に向かって飛ばしたのよね?」

 

「しかも犬仮面は回転しながら飛んで行きましたからね。袁家の二人も面喰らってましたよ」

 

「まあ、最後は突っ込みすぎた猪々子が場外ぎりぎりで落ちそうになって、斗詩が助ける前に犬仮面に押されて落ちるという呆気ないものだったけどね・・・まあ、思っていた以上に楽しめたから私はいいのだけど・・・」

 

「あはは・・・さて、それでは二回戦の前に休憩が入りますので、それまでは私達もお休みと言う事で・・・」

 

「私は春蘭たちの様子でも見に行こうかしら?」

 

席を立つ華琳。

 

「私も二回戦の準備を手伝わないと・・・」

 

地和も席を立つ。

 

そんな中・・・・・・

 

「おい!アタイたちの熱い戦いはコレだけか!?」

 

「ありえないでしょ!?」

 

「ふざけるにゃーー!」

 

「・・・はぁ」

 

どこからともなく、哀しき戦士たちの叫びが聞こえて来たのだという・・・

 

 

 

 

 

 

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元魏・選手控え室

 

「くそおおお!」

 

猛り狂う春蘭。

 

「落ち着け姉者」

 

「落ち着けるか!?魏武の大剣と呼ばれ、しかも秋蘭と組んだのに一回戦で終わりだぞ!華琳様に合わせる顔が・・・」

 

「私がどうかした?」

 

「か、華琳様!?」

 

驚きの声と共に固まる春蘭。

 

「・・・一回戦退場という醜態を晒し、まことに申し訳ございません」

 

跪き、頭を下げる秋蘭。

 

「そうね。まあ、秋蘭の機転で引き分けには持ち込めたわけだし、軽い罰で許してあげましょうか・・・今夜、私の部屋にいらっしゃい」

 

「か、華琳様・・・」

 

華琳の言葉を聞き、うっとりとする春蘭であった。

 

「季衣・流琉はよくがんばったわ。次の試合も期待してるわよ?」

 

「は〜い!」

 

「頑張ります!」

 

元気よく答える二人。

 

「・・・ところで真桜、沙和は?」

 

「荷物を抱えて、逃げ帰りました。ちなみに凪は北郷の所で、霞も星と北郷の所に行っています」

 

「ふうん・・・」

 

秋蘭の答えを聞いた華琳は、アゴに手をやり、そう呟いたのだった・・・

 

 

 

 

 

呉・控え室

 

「はああ・・・つまんないの」

 

ため息を吐く雪蓮。

 

「策殿、終わってしまった事を悔やんでも仕方なかろう?」

 

「でもつまんない!せっかく企画したのに、こんなにあっさり一回戦負けよ!?あ〜〜!体が熱い!冥琳付き合って!!」

 

「お、おい!」

 

冥琳の腕を取り、奥へ引っ込もうとする雪蓮。

 

その直前、雪蓮は蓮華の方を向いて、

 

「蓮華!呉で残ってるのは貴方と思春だけなんだから、負けるんじゃないわよ!!」

 

「は、はい!」

 

そう言い残して雪蓮は扉をバン!と閉めた。

 

「・・・しかし、我らで残ったのは権殿と思春だけとはのう」

 

「面目ありません・・・」

 

しゅんとする明命。

 

「謝らずとも良い。わしらも勝ち抜けなかったわけじゃからのう。しかし・・・」

 

ちらっと、祭は椅子に座っている亜莎を見た。

 

「・・・うふふ」

 

亜莎は頬を赤くして、顔を袖で覆いながらイヤイヤと左右に振っていた。

 

「闘いながら亜莎を落とすとは・・・天性の色事士とでも言うべきかのう?一刀は・・・」

 

祭の台詞に、蓮華は唇を噛み、

 

「小蓮だけでは飽き足らず、亜莎にも手を出そうと・・・」

 

「蓮華様。やはりあの男は一度、徹底的に性根を叩きなおすべきかと・・・」

 

「そうね、これ以上被害が増える前に・・・」

 

「・・・殺・・・」

 

「・・埋め・・・山・・・」

 

最後の方は声が小さく、あまり聞き取れなかったが、かなり物騒な事を考えているようだ。

 

「前途多難じゃのう・・・」

 

「・・・亜莎。羨ましいです」

 

「一刀様・・・」

 

カオスな呉陣営だった・・・

 

 

 

 

 

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蜀・控え室

 

「うう、不覚」

 

「悔しいのだー!」

 

「・・・いいじゃないか、私なんて試合にすら出られなかったんだぞ?」

 

「翠姉様が悪いんだからね!」

 

「蒲公英がちゃんとついてこなかったからだろ!」

 

蜀負け組の遠吠えである。

 

「ま、まあ、みんな頑張ったんだし・・・」

 

桃香がなんとか慰めようとするが、焔耶ですらいまだ落ち込んだままだ。

 

「若いものたちはだらしがないのう・・・」

 

「桔梗。そんな事を言っては可哀想よ?」

 

「じゃが実際問題、蜀で残っているのはワシらだけじゃぞ?」

 

「星ちゃんたちは・・・入らないわね」

 

困った顔をする紫苑。

 

「まあ、ワシらだけでも優勝を狙ってみるか」

 

「そうね」

 

静かに闘志を燃やす大人の二人だったとさ・・・・・・

 

 

 

 

 

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魁・控え室

 

「いやー、まさか恋と華雄が一回戦で負けるとは思わなかった。凄いな、二人共」

 

「いつまでもやられっぱなしやないで?」

 

「まあ、苦労しましたがな・・・」

 

一刀は霞、星と談笑していた。

 

「恋殿はたまたま調子が悪かったのです!」

 

応援していたねねが擁護する。しかし、

 

「・・・違う」

 

その言葉を恋が否定した。

 

「れ、恋殿?」

 

「そうだな、我らは全力でぶつかっていたよ。たとえ調子が悪かったとしても、負けた事実は変わらん・・・」

 

「・・・こくっ」

 

負けの事実を二人は受け入れていた。

 

「否定しないか、そういう潔いのは好きだぜ」

 

一刀は華雄と恋の側まで歩いていき、頭を撫でた。

 

「む・・・」

 

「・・・ん」

 

少々気恥ずかしそうにする華雄と、一刀の手に身を任せる恋。

 

「ええな〜〜」

 

「ふっ、そろそろ行くか」

 

控え室を出ようとする星と霞。

 

出て行く前に、星は一刀の方を向いて言った。

 

「・・・二度目の対決、実現させたいものですな?」

 

「・・・そうだな」

 

一刀の答えに笑みを浮かべると、星は霞と部屋を出て行った。

 

そしてその後には、

 

「いつまで恋殿の頭を撫でているのですか!?陳宮壁蹴りキーック!」

 

壁を蹴って威力を高めた陳宮キックを一刀にお見舞いするねね。

 

「がはあっ!」

 

直撃を喰らい、色んな物を巻き込んで吹き飛ぶ一刀。

 

それを苦笑いで見ている華雄と、ぼーっと見ている恋。

 

「・・・ふん」

 

「私なんて・・・」

 

部屋の隅で拗ねている凪と白蓮。

 

「貴方達!袁家の将として恥ずかしくありませんの!?」

 

「んな事言ったって〜〜」

 

「私達、精一杯頑張りましたよ〜〜」

 

先程の試合結果で揉めている袁家の三人の姿があったとさ・・・

 

 

 

 

ちなみに仮面の二人は

 

「おなかすいたにゃ・・・」

 

「なんで物置で休憩なのよ〜〜!」

 

・・・二人寂しく休憩していた。

 

 

 

 

 

 

 

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どうも、アキナスです。

 

とりあえず一回戦終了です。

 

二回戦はまたクジ引きになるわけですが、組み合わせはどうなるか・・・

 

そして、いつのまにかこの回で投稿数が100回となります。

 

一話が短いとはいえ、よくこんなに書いたなあ・・・と、思いました。

 

そのわりに全然成長してませんけどね(汗)

 

それでは次回に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「V−MAX!発動!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
一回戦最後の試合

意外な激戦に!?
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コメント
レイズナーも塩沢さん出演していたなあ・・・しかもライバル・・・(きまお)
氷屋さん:ゴステロはいいキャラでしたね・・・(アキナス)
sugaさん:レイズナーOPはカラオケの定番になってます・・・(アキナス)
当時リアルでみてましたなレイズナー、放映終わった後OVAみたいなのでてたようなw(氷屋)
私もOPは名曲だと思う、実はガンダムよりもこの青いSPTの方がすき、掛け声がかっこいい・・・「V−MAX!発動!!」(suga)
アロンアルファさん:OPは本当に良かったんですけどね・・・世紀末救世・・・(アキナス)
OPテーマは名作だったのに、途中打ちk(ry(アロンアルファ)
転生はりまえ$さん:全話のOPだけでストーリーが分かる青い流星です(アキナス)
どこかで聞いたような・・・・・ガンダムか!?(違う)(黄昏☆ハリマエ)
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外史 北郷一刀 恋姫†無双 真・恋姫†無双 とりあえず一刀 

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